バックカントリーガイドのレイヤリング'24-25|厳冬期&スプリングシーズン・何をどう着ている?【湯沢・信越編】

湯沢エリアを代表するバックカントリーフィールド「かぐら」は、ゲレンデからアクセスできる点や、滑走しやすい斜面が多いことでも人気が高い。バックカントリー初心者には絶好の環境のため、ツアーもスプリングシーズンまで盛んだ。今シーズンこそバックカントリーを滑りたいという人は、このエリアで活動するバックカントリーガイドたちの「レイヤリング」は、とても参考になるだろう。彼らは厳冬期、そして春山で、どのようなレイヤリングをしているのか、そのノウハウを聞いてみた。

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JUNRINA mountain service長井 淳

ARC’TERYXで汗抜け重視のレイヤリング

ハイシーズンのレイヤリング

Outer layer:ARC’TERYX|セイバーSVジャケット&セイバーパンツ
Middle layer :
ARC'TERYX|プロトンLTジャケット
Base layer:
ARC'TERYX|ローLTフーディー

その使用感は?(インプレッション)

汗抜けを重視するためにあまり重ね着を多くしたり、厚みのあり過ぎるものを選ばないようにしています。寒いときはARC'TERYXの化繊インサレーションジャケット 「ニュークレイSVジャケット」を愛用しています。

スプリングシーズンのレイヤリングは?

Outer layer:ARC'TERYX|アルファジャケット&ラッシュビブパンツ
Middle layer :ARC'TERYX|プロトンライトウェイトフーディー
Base layer:ARC'TERYX|コーマッククルーLS

さらに加えている工夫はありますか?

汗をかいてしまうとベースレイヤーが汗で濡れるなどで不快となったり、体調を崩すもととなったりするので、できるだけ汗をかかないように体温の上昇を抑えやすいレイヤリングを心がけています。また、荷物を軽量化し、真水の摂取を避け、吸収しやすいスポーツドリンクや麦茶などミネラルを意識した飲み物の摂取を心がけています。

レビューワー
JUNRINA mountain service長井 淳  Jun  Nagai

脱サラし、立山雷鳥荘に勤務しながらガイドトレーニングを経て2010年よりJUNRINA mountain serviceとして活動開始。海外バックカントリートリップ多数経験。夏秋はアルプス・上信越を中心に登山ガイド、冬春はバックカントリースキーガイドとして活動中。


かぐらパウダーステーション |五十嵐和哉

保温性、通気性、防水性等が良く、機能的に使用できる

ハイシーズンのレイヤリング

Outer layer:STRAFE |NOMAD JACKT & NOMAD BIB PANTS
Middle layer :
STRAFE|エアロインソレーター
Base layer:
STRAFE|フーディーベースレイヤー

その使用感は?(インプレッション)

それぞれのレイヤリングで保温性、通気性、防水性等が良く、機能的に使用できる。 ジャケットのポケットは大きく設定され手袋をしたままでも使いやすい。

スプリングシーズンのレイヤリングは?

アウターに薄手のウィンドブレーカーを使用。インナーダウンは常時装備。

さらに加えている工夫はありますか?

インナーダウンは常時装備 。オーバーミトンも常時装備。

レビューワー
かぐらパウダーステーション五十嵐 和哉 Kazuya Igarashi

モーグル全日本チャンピオンを経てW-CAP出場、ナショナルチームコーチを務め里谷、三浦、附田、原など育成。三浦雄一郎氏に従事しスノードルフィンで活躍。2008年三浦氏と共にエベレスト登頂。現在は、BCスキー・登山ガイドとして、かぐらパウダーステーションを支える。


KinTouNバックカントリーガイド|峯岸健一

いつも意識していることは、十分な暖かさがあること

ハイシーズンのレイヤリング

Outer layer:Norrøna|lofoten Gore-Tex Pro Jacket
Middle layer :
Norrøna|trollveggen Powerstretch Pro Zip Hood
Base layer:
Smartwool|メンズ クラシックサーマルメリノ ベースレイヤークルー

その使用感は?(インプレッション)

レイヤリングでいつも意識していることは、十分な暖かさがあることです。シェルは、ゴアテックスプロが好きです。NORRONAはtamokとlofotenを愛用していて、時期によって使い分けています。基本的に柔らかくて、肌触りの良い素材を選んでいます。特に肌に直接着るものは、個人的に化学繊維よりもナチュラルなメリノウールを好んでいて、天然素材のメリノウールを長年愛用しています。

スプリングシーズンのレイヤリングは?

Outer layer:Norrøna| falketind Gore-Tex Paclite Jacket& lofoten Gore-Tex Pro Pants
Middle layer :Norrøna |trollveggen Powerstretch Pro Zip Hood
Base layer:Smartwool| クラシックオールシーズンメリノベースレイヤー上下

さらに加えている工夫はありますか?

防寒には、バラクラバをプラスします。
春は、汗を吸収してくれるような薄手のネックチューブを首に巻いたり、ヘアバンドにしたりしています。

レビューワー

KinTouNバックカントリーガイド(キントウン)

2003 年よりバックカントリーガイド。神奈川県西部の山北町にて会員制のクラブ、古民家キャンプ「風の谷」を主催。バックカントリーで繋がったメンバーと共に、山の中にキャンプサイトや遊び場をDIYで作っている。


インフィールド |中野豊和

ベースレイヤーは化繊とウールをツアーの形態によって使い分け

ハイシーズンのレイヤリング

Outer layer:MOUNTAIN HARDWEAR|バウンダリーリッジゴアテックスジャケット & ビブ
Middle layer :
MOUNTAIN HARDWEAR|コアエアシェルウォームジャケット
Base layer:
MOUNTAIN HARDWEAR|エアメッシュフーディ

その使用感は?(インプレッション)

使用する日数が多いので、アウターは耐久性を重視していて、厳冬期のパンツはビブは保温性も高く、雪の侵入を防いでくれるビブを使用しています。

ミッドレイヤーには、ウェア調節の回数を減らせる、暖かく保てるが、汗抜けも良いモデルが便利です。中綿が化繊なので、濡れに対してもあまり気を遣わなくて済みます。ベースレイヤーは、化繊とウールをツアーの形態によって使い分けています。

スプリングシーズンのレイヤリングは?

春先は厳冬期に比べて気温が高めになるので、薄手のアウターを使用し、汗や雨に対して強いモデルの組み合わせにしていますが、急な冷え込みに対しても対応できることが大切です。

さらに加えている工夫はありますか?

休憩の際などにすぐに羽織れる薄手のダウンジャケットやウィンドシェルは、常に持ち歩くようにしています。最近は防寒用、防風用ともに、汗抜けが良いモデルが増えてきているので、それらを使用しています。

レビューワー
インフィールド中野豊和 Toyokazu NAKANO

妙高高原へ移住後10年間の経験を経て、2006年より「インフィールド」を開始。現在、冬はバックカントリーツアーガイド、テレマークスキーインストラクター、夏は登山・トレッキングガイド、シーカヤックガイドとして活動中。


Rhythm Works|旭 立太

行動する地域特性や標高を考え、保温性と透湿、通気性のバランスで選ぶ

ハイシーズンのレイヤリング

Outer layer:Patagonia|メンズ・アントラックド・ジャケット&ビブ
Middle layer :
Patagonia |メンズ・R1 サーマル・フルジップ・フーディ
Base layer:
Patagonia|メンズ・キャプリーン・ミッドウェイト・クルー

その使用感は?(インプレッション)

アウター:ハードシェル特有のカサカサした感じ、ゴワついた感じがなく、動きやすく良い。裏地の起毛により暖かいことが良い点。
ミッドレイヤー:山に、山への道中に、日常に、そしてパジャマにも。暖かく着心地がすごく良い。通裏地グリットにより肌触りが良い。
ベースレイヤー:ミッドレイヤーが暖かいため、ミッドウェイトを使用。

スプリングシーズンのレイヤリングは?

Outer layer:Patagonia|プルマジャケット
Middle layer :Patagonia|ナノエア・ライト・ハイブリッド・ジャケット
Base layer:Patagonia|キャプリーン・クール・ライトウェイトまたは、ミッドウェイト・ウィンドシェルとしてフーディニエアも携帯

さらに加えている工夫はありますか?

休憩時はすぐにインサレレーションを着る

レビューワー
Rhythm Works|旭 立太 Ryuta Asahi

自然のリズムに合わせ四季を通じて山へ登る。一般縦走からバリエーションルート、沢登りからバックカントリーライディングまで、幅広い山の魅力を伝えるマルチな山の案内人。

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