スキーブーツにBOA® Fit Systemが採用されて以来、注目を集めるBOAの’25⁻26季のニューモデルの話題を、「JSP SNOW EXPO JAPAN2025」(2025年2月12-13日開催@パシフィコ横浜)で聞いてみた。
BOA採用ブランドは3年目で10ブランドに

アルペンスキーブーツにBOA®フィットシステムが採用されたのが’23-24季。センセーショナルなスキーシーンへの登場から、はや3シーズン目を迎えるBOAだが、初年度は、K2、SALOMON、ATOIMIC、FISHERの4ブランドが採用。現在の’24ー25季では、新たにNORDICA、TECNICAが加わり6ブランドが展開中だ。
わずか2シーズンでBOAは大きな存在感を示し、使用するアスリートやユーザーから、その快適性とフィット感の両立に高い評価が集まっている。そんな背景を鑑みればごく自然な流れであろうが、来季からはさらにDALBELLO、HEAD、ROSSIGNOL、LANGEも加わり、全部で10ブランドでの展開となることが発表された。
このJSB展示会でのBOA出展ブースも昨年より軽く2倍以上のスペースになっていて、アピール度は抜群だった。
写真をよく見ると、そこにはBOAダイヤルが2つ備わっているブーツが複数ディスプレイされている。そう、それが’25-26季のスノー業界の話題の筆頭だ。
6ブランドからデュアルダイヤルBOA®ブーツ登場!

’25-26季は、BOA採用の10ブランドのうち6ブランドからBOAダイヤルを2つ搭載した「デュアルダイヤルBOA®ブーツ」がリリースされる。K2、SALOMON、ATOMIC、NORDICA、HEAD、DALBELLOだ。
BOA®フィットシステムがスキーブーツをローンチさせたとき、700回にわたるテストを繰り返して5年以上の月日をかけて開発され、既存のバックルタイプのブーツに比べて、足の上部にかかる圧力が13%軽減したことや、0.25ミリ単位で微調節が可能になったことでよりフィット感が増し、ターン始動時の力生成率が10%向上したこと、などが研究結果からも発表された。
つまり「より良い快適性をもたらしながらパフォーマンス性能がアップ」したことが実証されたが、今回、BOAダイヤルをロアシェルだけでなく、アッパーシェルにもう一つ搭載してデュアルにしたことで、パフォーマンスにはどのような変化が生まれるのだろう。
デュアルBOAのテクノロジー


BOAの公式サイトには、このように表現されている。
デュアルダイヤル適用のBOA®フィットシステムは、ブーツシェルと上部カフ上で連動することにより、足と脛部を包み込み、均一なフィット感を実現して足の甲の圧迫点を減らし、さらにかかとをヒールポケットに固定して不要な動きを排除します。BOA®搭載のスキー ブーツは、ブーツからスキーへのパワー伝達を最大6%向上させ、ターン中の安定性とコントロールを最大10%向上させます。
イメージを膨らませるために、こちらの動画も観てみよう。
主なポイントはこれらの点だ。

DIALED IN
2つのダイヤルともに微調節が可能で、締めるだけでなく、ダイヤルを逆方法に回すと緩めることもできる。両方向に対応しているのはとても便利。ロアとアッパーのゾーンごとの精密フィットができる。

LOCKED IN
特別なレース(極めて強度の高い特殊なワイヤー)で締めることで足全体的を包み込みフィットさせる。緻密なフィット調節が行えることから優れたヒールホールドが可能となり、より良いパワー伝達、安定性、コントロール性をもたらす。

CONFIDENT
ブーツ全体がバランスよく足を包み込んでフィットし、自信をもったターン始動から効果的なパワー伝達により、最高のパフォーマンスを保証する設計。
BOAダイヤルが2つ付いているという基本構造のほか、例えば、ダイヤルの位置やレースの角度、シェルの形状などはメーカーごとにさまざまだ。それぞれに実現したい性能を引き出すデザインを工夫している。よく見比べてみると、その違いが見てとれて、なかなか興味深い。

左がK2の「CORTEX 140 ZONAL BOA」、右がDALBELLOの「VEROCE SPACE」。シェルが重ね合わさっている部分の長さや、レースの這わせ方も違う。
また、対象とするユーザー層もいろいろだ。例えば、K2が発表した「CORTEX 140 ZONAL BOA」は、レースなどのコンペティションシーンも想定して開発されたもの。すでにアーリーリリースされ、2025年2月現在でも購入できるため、すでに使用している選手もいる。2025年1月31日~2月2日に白馬岩岳開催された「第5回全日本マスターズスキー技術選手権大会」では、「CORTEX 140 ZONAL BOA」を履いた選手がいきなり優勝を飾り、話題となった。
残りの’24-25シーズン、まだ雪のあるうちにメーカーやプロショップのニューモデル試乗会に足を運べば、デュアルダイヤルのBOAの試着も可能だ。ぜひ雪上で足入れしてみては?
Information
BOA® Fit System(ボアフィットシステム)
公式サイト:https://www.boafit.com/ja-jp
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取扱い/BOA TECHNOLOGY JAPAN 株式会社