ゴーグル徹底解説|機能の解説と選び方|22季注目の製品は?

一面真っ白な雪山で視界を確保し、瞳を紫外線から守るゴーグル。視界不良による遭難を防いだり、他人や木への衝突を未然に防いだり身の安全を守るためにも重要なアイテムの一つ。だからこそ、改めて基本的なことを知っておきたい。フレームの形状、フィット感はどうか、ベンチレーションや曇り止め加工の技術、そしてレンズテクノロジー。チェックするべき点が多いからこそ、画一的に優れたものを決めるのは難しい。ゴーグル選びの参考となる情報と、22季の注目製品を見ていこう。

各パーツの機能

フレーム
フレームはゴーグルの輪郭を決定づけ、顔を守るためにある。そのため素材に主に用いられるのは加工が容易で丈夫、しかも軽いという特性を持つTPU(=熱可塑性ポリウレタン)。ブランドによっては、カーボンや植物由来のプラスチックを用いることも。これは、さらに強度を上げて顔を守るために使用されたり、地球環境に配慮したモノづくりをするために用いられている。

TPUを用いたフレーム

ジャパンフィット
ゴーグルブランドはほとんどが海外発祥だ。そのため、欧米人の顔型に合わせて制作していて、額の丸みや鼻の高さなどが日本人に合わない。仮に、顔に合っていないものを使用すると、ゴーグルと顔の間に空いた隙間から雪や風が侵入しレンズが曇る原因になる。それを解消するのがアジアンフィット、ジャパンフィットモデル。日本人の顔に合わせ、額や鼻の高さをスポンジの使用量で調整している。
もちろんジャパンフィットじゃなくとも合うものはあるし、日本人の顔も人それぞれなので、ジャパンフィットだからと言って、なんでもかんでも優れているわけではないことを付け加えたい。ゴーグルの購入を検討する際は実際に付けてみないとなんとも言えない。

鼻の部分が肉厚になっているスポンジ

ベンチレーション
ベンチレーション、つまり換気システムのことだ。レンズが曇ったらせっかくのスキーも楽しくない。
多くのゴーグルはレンズの下部と上部に通気口が空いており、空気の循環を促している。その穴はスポンジで覆われているだけのものもあれば、強度の高い素材でカバーされているものもある。通気口の形状からカバー素材まで、各社様々なテクノロジーや開発がなされている。
また、曇らせないためのテクノロジーはベンチレーション以外にもある。レンズ自体に水分を吸わせ、ゴーグル内の水蒸気を飽和させないようにしたり、レンズとフレームがワンタッチで外せて、ダイレクトに換気させるものもある。スキーヤーの天敵“曇り”を徹底的になくすために、各社しのぎを削っているのだ。

スポンジ
顔へのクッション性を高めるスポンジ。スポンジの種類を使い分け、2層か3層構造になっているものが多い。フレームに近い側のスポンジは硬くて強度の高いものを使用し、顔に触れる側のスポンジは柔らかく、衝撃吸収性の高いものを使用している。

レンズの形状について
レンズには大きく分けて平面レンズと球面レンズの二種類の形状がある。平面レンズはレンズ加工の際に歪みが少なく、クリアな視界が保てる。一方球面レンズは、レンズと顔の間の空間体積が曇りづらいなどの利点があるが、ベンチレーションの箇所で述べたように、最近は曇り止め技術が向上したため大差はないという認識がほとんどだ。

バンド
ゴーグルがズレるのを防ぎしっかりと頭に固定するためのバンド。ほとんどがゴム製。近年は視界を広げるために大型フレームを採用するモデルも多い。フレームが大きくなるにつれ重量が増すので、バンドもそれに合わせて太いタイプもある。なかには内側に滑り止めのシリコンを配したモデルやバンドそのものがシリコン製、というものもある。

レンズテクノロジー

レンズは内レンズと外レンズの二枚が貼りあわされている

ダブルレンズについて
ゴーグルのレンズはダブルレンズを採用しているということは多くの人が既知のことだろう。仮にレンズが1枚しかない場合、レンズの内側が体温で温まっているのに対し、外側が外気にさらされているため、ゴーグル内のレンズに近い部分の水蒸気が飽和し、内レンズに細かな水滴となってくっついてしまう。冬に車にのるとフロントガラスが曇るのと同じ原理だ。
2枚のレンズを貼り合わせる理由は、外気と内気の温度差を軽減し、曇らせないためである。
外レンズの素材は熱可塑性に優れるポリカーボネイトを使用。ミラーコーティングがしやすいなどの特性がある。内レンズはレキサンビュートレートと呼ばれる素材を採用しているブランドが多い。これは曇り止めなどの加工が容易となるためだ。

レンズカラーによる違い
カラーコーティングの違いは、天候によって使い分けることで見やすさの向上に繋がる。また、斜面の凹凸やコントラストを高める効果もある。おもなレンズカラーの使い分けは以下の通り
・オレンジ系
晴天から曇天まで幅広く見やすい
・イエロー系
降雪時や曇りの日に最適
・ブルー系
晴天時から曇天時に見やすい。雪面の凹凸もはっきりする
・ピンク系
薄く晴れた日から曇りの日に使いやすい
・ブラックやグレー
晴れた日に見やすく、自然の色見そのままに見える
・クリア
ナイターなど明かりが少なくて暗いシチュエーションに。

ゴーグルの明るさを決める可視光線透過率
雪山は標高が高いぶん日射が強い。また雪面からの照り返しも強い。アスファルト10%なのに対して、雪は80%もの紫外線を反射する。まぶしいうえに目にも好ましくない影響を与える。そのため、レンズは光の量を調整するサングラスのような効果も果たしている。目に届く光の量をレンズで調整する際に、目安となるのが「可視光線透過率」だ。レンズにカラーコーティングやミラーコーティングを施すことでその数値を調整している。裸眼が100%として、全く光を通さない状態が0%だ。晴れの日は照り返しも強いので10%~20%。雪の日は20%~40%の物が使いやすいだろう。ナイターの時は60%程度のものがおすすめ。

ハイコントラストレンズとは
近年、各社が開発に力を注いでいるのが、「ハイコントラストレンズ」。各ブランドの一定レベルのゴーグルには標準となった新しい技術だ。これは、レンズを通して入る特定の色光線を強調、減少させる、または影を強めることで雪面の凹凸や影を強調する技術。光が少ない曇天や降雪時でも斜面の凹凸がよりくっきり見えて滑りやすくなる、というものだ。
メーカーによって、どんな色光線をどうするかやり方が様々ある。一口にハイコントラストレンズと言えども加工方法は様々なのだ。

21-22季の注目製品はこれだ

ABOM

HEET FEATURES / 4万6200円 / 全9色

電熱フィルムを用いてレンズを曇らせないという革新的だった技術が、さらに進化した。内蔵特殊センサーでゴーグル内の曇り、湿度などを計測し、効率的に曇りを排除する。次世代のゴーグルだ

DRAGON

RVX / 3万9050円 / 全5色

日本人の目の特性に即した、ジャパンルーマーレンズを採用。曇天時の雪面や凹凸が見やすくなっている。さらにスポンジ部分はジャパンフィット。レンズには曇りづらくなる加工も施してある

ELECTRIC

KLEVELAND+ / 3万3000円 / 全4色

レンズの歪みを極力排除した加工でクリアな視界を確保。日本の雪山が見やすいミラーコーティングが施してある。ハイコントラストレンズ搭載など、高機能を誇りながらもリーズナブルなのが嬉しい

GIRO

CONTOUR / 3万9960円 / 全11色

GIRO独自の形状を生み出した「セミ球面レンズ」によって、フレームの大きさそのままに視野角を大きく拡大。搭載されるハイコントラストレンズも、他社とは違う独自テクノロジーを採用する

OAKLEY

LINE MINER XM / 2万2500円~/12色

平面形状でありながら視野角を最大限広げる意匠が詰まったゴーグル。ゴーグルを薄くし、レンズが顔に近づくことでこれまでにない広い視界を確保。ハイコントラストレンズ、アンチフォグ搭載

POC

ZONULA CLARITY / 2万7500円 / 全10色

環境に配慮した次世代素材を採用今季新たにラインナップに加わったモデル。フレームなどに持続可能素材であるバイオプラスチックを用いた革新的なゴーグル。雪面の凹凸が見やすいよう加工されたオリジナルレンズを搭載

SMITH

4D MAG / 4万8400円~ / 全4色

登場から2季が経ち、多くの滑り手から高い評価を受ける4D MAG。ゴーグルの下側までレンズが覆う全く新しい形のため、視界が広がるだけでなく、足元までクリアに見えるなど、新感覚が味わえる

SWANS

RIDGELINE-MDH-CMIT / 3万6300円 / 全4色

ミラーがはがれないという、世界初の技術を使ったレンズ。また、レンズがポップアップするという、独自換気システムを採用することで曇りづらくするなど、高機能が詰まっているゴーグル

SWEET PROTECTION

CLOCKWORK / 2万8600円 / 全5色

ブランドの基本ともいえる定番モデル。高い安全性と優れた視界から、幅広いスキージャンルのプロが活用する。搭載されているレンズは目の疲れを最小限にし、視認性を良くしている

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