バックカントリーガイド愛用のゴーグル '24-25シーズン|プロの選択とレビュー

ゲストの安全を守り、快適さや楽しさを大事にしながらエスコートするBCガイドにとって、「視界」はすべてだ。吹雪や晴天、フラットな曇り、見通しの悪い凸凹斜面、密度の濃いツリーのなかなど、より鮮明な視界を確保しなくてはならない。「どこまで見えるか」がガイディングのクオリティにも直結する。瞬時に状況を把握し、安全に雪山で行動するためにプロフェッショナルが愛用しているゴーグルはなにか。

※表示価格はすべて消費税込みとなっています

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DRAGON|PVX

PVX PREMIUM BLACK|\33,550   

DRAGONのベストセラーモデルPVX。顔の側面部まで巻くように設計されたフレームにより、人の視野範囲を超える視界を確保、驚きのワイドな視界が得られるPANOTECH LENSは、球面レンズと平面レンズのハイブリッド。 透明・鮮明性が高いJAPAN LUMALENS によってさらに爽快なパノラマを実現。

◆公式HP/https://www.dragonalliance.jp/

明るいときも暗いときも視界がよく、曇りづらくフラットライトにならない|WARP 有馬 新

DRAGONの「PXV」と「NFX2」を使っています。レンズカラーはVLT(可視光線透過率)6%の晴天向けといわれる「LUMALENS MIDNIGHT」を、2モデルとも同じレンズを使用しています。
交換する際はゴーグル交換のみで、レンズは変えていません。LUMALENS MIDNIGHTは基本的にフラットライトがないので、明るいときも暗いときも視界がよく、曇りづらくフラットライトにならないところがかなり評価できます。

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WARP有馬 新 Shin Arima

02-03シーズンに仲間と共に水上エリア最初のガイドクラブWARPを創設。 谷川、武尊、かぐらエリアを中心に活動。フリーライディング主体の滑り系ガイドクラブとしてピークハントにこだわらずローカルエリアの開拓に力を入れ続ける。

GIRO | CONTOUR

CONTOUR | ¥ 48,400

スリークで型破りな形をしたトーリックレンズと、最先端のEXV+テクノロジーにより、肉眼で見る視界と同じレベルの広い視界を実現。クイックチェンジレンズシステム搭載で、瞬時にレンズ交換ができる。

◆公式HP/http://giro-japan.com/

「コントラストがクッキリで視認性が高い」|IDEHA 石沢孝浩

CONTOUR+スペアレンズを使っています。視認性が高く、コントラストがクッキリで雪面の起伏がよく見えますね。VIVIDレンズによるコントラストの高さはバックカントリーでの雪面の起伏を捉えるには最適なレンズです。また、外フレームを持たないワイドビジョンレンズは視認性がとても高く、滑りでのリスクを軽減できます。レンズ交換も簡単にできて替えレンズが一つ付いているため、予備のゴーグルを持たずレンズだけで済むのも嬉しいですね。

スペアレンズはピンク色の晴れ/曇り用のタイプを使用しています。あまりスペアーを使用はしませんが、なかに雪が入り見えづらくなったときなどですね。ゴーグルを掛けたままレンズ交換ができるのでとても楽ですね。はめる時も磁石でピタッとついてくれるので、そこでモタモタすることはありません。

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IDEHA|石沢孝浩 Takahiro Ishizawa

蔵王の片隅に生まれ育ち、幼少から野山でスキーを楽しみ育ちました。月山でガイドを始めて27年、このエリアで滑る楽しみは飽きることがありません。この感動をお伝えしたいと思いガイドしております。また、ココヘリのドローンパイロットとして山岳エリアでの遭難者捜索活動にも携わり、安全登山の啓蒙活動もしています。


GIRO | CONTOUR RS

CONTOUR RS | ROSÉ LINOCUT VIVID Pink | ¥ 48,400

◆公式HP/http://giro-japan.com/

CONTOURをコンパクトにリサイズし、女性の感性を意識したデザインを施して小顔に対応。新たなレンズ曲面率のVIVIDトーリックレンズと、EXV+テクノロジーにより、肉眼で見えるのと同じくらい広い視界を確保。
クイックチェンジレンズシステムでレンズ交換も簡単、曇りを最小限に抑えるEVAKベントテクノロジーも搭載。プラッシュマックスフリースフェイスフォームは肌にやさしく、女性への細やかな心配りだ。

「レンズが見やすく信頼している」|Spur 秋田マウンテンガイドサービス 佐藤真理子

Photo:Yuya Murakami

顔のパーツに合っていることと、レンズが見やすくて信頼しています。

スペアレンズに「VIVID infrared」を使っています。
「VIVID Pink」との使い分けは、天気と光の入り具合で斜面の見え方が変わるので、それに合わせて使い分けています。マグネットで割と簡単に、悪天候時でもさっと交換できて、フレームのスポンジやレンズに余計な負荷がかからないところも気に入っています。

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Spur 秋田マウンテンガイドサービス|佐藤真理子  Mariko Sato

高校までアルペン競技、その後基礎スキーへ。全日本スキー技術選手権出場経験あり。とあることがきっかけで山スキーに魅せられガイドを目指し国際自然化環境アウトドア専門学校(i-nac)で学びプロガイドへ。

OAKLEY|Line Miner™

Line Miner™ Prizm Snow Argon Iridium

OAKLEYの定番モデルの一つLine Miner。円柱形状のデザインは、下方や両サイドの周辺視野をこれまでにないほどに獲得。 大きめの顔サイズにもフィットし、ほとんどのヘルメットに完璧にフィットする。

◆公式HP/https://www.oakley.com/ja-jp

「平面レンズが好きで視界も広いから」|GRANIX mountain guide 荒川 智

オークリーを愛用しています。「Line Miner™」は、平面レンズが好きで視界も広く気に入ってます。「Prizm Snow Argon Iridium」は晴れから降雪中でも雪面の凹凸が見え、天候に合わせて幅広く活用できます。いつもPrizm Snow Argon Iridiumの同じレンズをスペアで持って行っています。内側に雪が入ってしまった場合や、ゲストさんのレンズが曇ったりした場合に、使用できるようにしています。

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GRANIX mountain guide荒川 智 Satoshi Arakawa

ゲストに最高のバックカントリー体験を提供したいと願いながら、主に長野県白馬村の山岳地帯を中心に活動している。 夏は登山ガイドとして日本国内の山岳エリアを案内。 ガイド歴:13年


POC|Fovea WF

Fovea WF|Hydrogen White ( Lens ; Clarity Intense / Partly Sunny Orange )|¥29,700

トーリックレンズが広い視界を確保。コントラストを強調し、さまざまな光の条件下でシャープな視界を提供するClarity(クラリティ)レンズ・テクノロジー採用。可鍛性フレームと3増フェイスフォームは、どんな顔の形にも快適かつしっかりフィットし、極寒の条件下でも柔軟で快適な着け心地を実現。

◆公式HP/https://www.full-marks.com/poc/

「顔に合っていることもチョイスのポイント」|KinTouNバックカントリーガイド 峯岸健一

ピンクのレンズが、光の少ない曇りの日でも見やすくて好きです。
いろいろなモデルを使っていますが、個人的にFoveaが顔に合っていると思っていて、気がつくとFoveaを使っていることが多いです。

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KinTouNバックカントリーガイド(キントウン)|峯岸健一

2003 年よりバックカントリーガイド。神奈川県西部の山北町にて会員制のクラブ、古民家キャンプ「風の谷」を主催。バックカントリーで繋がったメンバーと共に、山の中にキャンプサイトや遊び場をDIYで作っている。


POC|OPSIN CLARITY COMP

OPSIN CLARITY COMP Uranium Black ( Lens ; Spektris Blue )|¥29,700(昨年価格)

クラシカルなフレームデザインとクラリティレンズを組み合わせた、OPSIN CLARITY のレーシングモデル。シビアなコンペシーンやバックカントリーでは、瞬時の判断力が求められる。OPSIN CLARITY COMPのレンズは、天候や時間によって刻一刻と変化する雪面状況を確実に把握し、素早くジャッジして動けるように、明るく鮮明に見える特別な配色で最適化されている。曇天用のスペアレンズが 1 枚付属する。

※この「OPSIN CLARITY COMP」は昨シーズンで展開を終了。’24ー25季への後継モデルとなるのは、以下の「OPSIN WF」だ。

OPSIN WF JAPAN FIT |\20,900

特にレーシング専用ではなく、幅広く使えるレギュラーモデルとなっている。そのため、もしもレースシーンやバックカントリーなどの天候が変わりやすい条件下にマッチさせたい場合には、この「OPSIN WF」のフレームを使いつつ、別売りのスペアレンズに変更して使用するかたちになる。

◆公式HP/https://www.full-marks.com/poc/

「ゴーグル自体のフィット感が格別」|COLOR SPORT CLUB 舎川 朋弘

OPSIN CLARITY COMPで、レンズは、Spektris Blue & Spectris Pinkを主に使用している。自分はゴーグルはスペアを併せ持ち行動し、山に入る際など、滑走時にしか使わない。スピードから風にも対応できるよう、風の入らないコンプタイプを使用している。レンズは、晴れていてもあまり暗くないレンズを使っている。年齢からくる目の限界にもちょうどよく対応する明るさのレンズだ。ゴーグル自体のフィット感がまた格別なのも、優れた点。

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COLOR SPORT CLUB舎川 朋弘  Tomohiro Tonegawa

現在に至るバックカントリシーンを築いた草分的存在。90年代初頭よりゲレンデ外に目を向け、厳冬期における山岳スキーシーンを切り開いてきた。代名詞となる白馬全域のフィールド開拓を達成してもなおパイオニアワークは続いている。


SMITH|4D MAG

4D MAG™ Black(CP Photochromic Red Mirror / CP Storm Rose Flash)|\71,500

クロマポップレンズでクリアかつ鮮明な視界に加え、バードアイビジョンの技術により史上最高の視野を誇るモデル。AirEvac™機能でヘルメットとのフィッティングも完璧。SMITH MAGレンズチェンジシステム搭載で簡単にレンズを着脱できるため、天候やコンディションの変化に応じて瞬時にレンズを交換できる。クロマポップレンズ2枚標準装備。

◆公式HP/https://smithjapan.co.jp/

「クロマポップのスペアレンズ2枚付き!」|かぐらパウダーステーション 五十嵐 和哉

4D MAGはクロマポップのスペアレンズ2枚付き。 視野も広く見やすく、曇りにくい!

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かぐらパウダーステーション五十嵐 和哉 Kazuya Igarashi

モーグル全日本チャンピオンを経てW-CAP出場、ナショナルチームコーチを務め里谷、三浦、附田、原など育成。三浦雄一郎氏に従事しスノードルフィンで活躍。2008年三浦氏と共にエベレスト登頂。現在は、BCスキー・登山ガイドとして、かぐらパウダーステーションを支える。


SMITH|Squad MAG

Squad MAG Black(レンズ2枚付属
CP Pro Photochromic Blue Mirror[Pro調光] / CP Storm Amber)|\52,800

左右のロックを解除するだけで簡単にレンズを外せるMAGレンズチェンジシステムにより、天候やコンディションの変化に応じて瞬時にレンズを交換できる。平面レンズ初の5X™アンチフォグテクノロジーを搭載した最強モデル。1枚で全天候に対応できる史上最強のCP Pro Photochromicレンズを多くのカラーに採用している。クロマポップレンズ 2枚標準装備。

◆公式HP/https://smithjapan.co.jp/

「レンズ交換なしで使いたいから」|Niseko Mecca 田中久敬

雪の日も晴れの日もレンズ交換なしに使いたいので、フォトクロミック(調光)のミラーレンズを使用している

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Niseko Mecca田中久敬 Hisataka Tanaka

北海道の山岳はもとより海外はカナディアンロッキーやニュージーランドでのクライミング&バックカントリーなどの経験も持つ。2002年よりニセコにてガイド業。

「レンズの着脱が簡単!」|Rhythm Works 旭 立太

平面レンズが好きで、Squad MAG Blackを愛用している。レンズは濃いめレンズ、Sun BlackかSun Platinum Mirrorを使用。スペアは少し明るいものを携帯。レンズの着脱が簡単!

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Rhythm Works|旭 立太 Ryuta Asahi

自然のリズムに合わせ四季を通じて山へ登る。一般縦走からバリエーションルート、沢登りからバックカントリーライディングまで、幅広い山の魅力を伝えるマルチな山の案内人。


SWANS|OUTBACK 

SWANSのOUTBACKは、ゆがみの少ないシリンドカルレンズを搭載したSWANSのフラッグシップモデル。フレーム両サイドのレバーを押し上げるだけのワンタッチで、レンズの曇りがすばやく解消できるA-BLOW システムを採用。簡単にゴーグル内の換気ができる優れモノだ。

OB-MDH-CU-LP SBLU[レンズ: PHOTOCHROMIC × ULTRA LIGHT PURPLE × ICE MIRROR ベルト:SBLU]

OB-MDH-CU-LP SBLU|レンズ: PHOTOCHROMIC × ULTRA LIGHT PURPLE × ICE MIRROR|ベルト:SBLU|¥35,200

PHOTOCHROMIC(フォトクロミック=調光)テクノロジーにより紫外線に反応してレンズの明るさが変化、あらゆる天候でレンズの明るさを自動的に調整してくれるので、汎用性が非常に高い。

OB-MDH PBK [レンズ:GRAY× SHADOW MIRROR|ベルト:PBK]

OB-MDH PBK|レンズ:GRAY× SHADOW MIRROR|ベルト:PBK|¥29,700

SHADOW MIRRORレンズは、透過率が高いミラーレンズ。ミラーレンズのカッコよさはそのままに、晴れた日のまぶしさを抑えながら、暗くなりすぎない。

◆公式HP/https://www.swans.co.jp/

「待ってました! 平面レンズの呼吸するゴーグル」|マウンテンガイド・コヨーテ 古市竜太

このゴーグルはニセコの吹雪の中でもとてもよく見えます。 呼吸するゴーグルなので、多少の歩きの時でも外気を入れることによってレンズが曇ることがほとんどなく、バックカントリーに最適のゴーグルです。

毎日のように雪が降るニセコでは明るいレンズがもちろん有効なのですが、天気が変わりやすく、急に晴れてくることもあります。そんな日には、スペアレンズの紫外線の量によってレンズの色が変わる調光レンズが大活躍します。空の色味が変わるのがあまり好きではないので、個人的には自然な色味に見えるライトグレーが好みです。

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マウンテンガイド・コヨーテ古市竜太 Ryuta Furuichi

環境と食に興味を持ち、明治大学の農学部卒業後、雄大な北海道で生活する為に北海道の企業に入社。さらに身近に自然を感じ、環境にインパクトをかけない生活を実践するために マウンテンガイド・コヨーテを立ち上げる。テレマークスキーで雪山を滑るのが大好き。

「歪みがない平面レンズの視界が気に入っている」|佐藤正昭

ハイクから滑りだすまでに汗をかいていることが多いので、モードチェンジをして滑り出すまで、レンズをポップアップして換気ができるので、ゴーグルが本当に曇りにくくなります。OUTBACKは、歪みがない平面レンズの視界が気に入っています。 レンズは、 ULTRAライトパープル調光と、グレイシャドーミラーを天候によって使い分けていますが、どちらも日本人の目にあっているのか、とても見やすいです。

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佐藤正昭 Masaaki Sato

幼い頃よりスキーに親しみ競技・基礎スキーなど経験し、20才で白馬村に移住24才よりバックカントリースキーに傾倒する。ポートスノー白馬・パワーゾーン白馬で経験をつみ独立。

Sweet Protection|Clockwork [+Bonus Lens]

Clockwork [+Bonus Lens] Matte Black - RIG Topaz + RIG Light Amethyst Color:Black ¥49,500

強度の高さとSweet ProtectionならではのRIGレンズが特徴の「Clockwork」。RIGレンズは、優れたコントラストにより色の歪みを最小限にして、目の疲れを軽減してくれるという優れものだ。圧倒的な耐衝撃性をもつ厚さ 2.8 mm プレミアムトーリックスカルプレンズを搭載し、広い視界を確保しながら、ローボリュームでぴったりとフィットするコンパクトな形状。ダブルレンズには GORE® プロテクティブベントが装備され、気圧の変化によるインナーレンズの変形を防ぎ、目に最適な環境をあつらえてくれる。

◆公式HP/https://sweetprotection.jp/

「三拍子揃った信頼のおけるゴーグル」|CIRCLE GAME guide service 佐々木翔平

Photo:國見祐介

広い視野、見やすいレンズ、フィット感。三拍子揃った信頼のおけるゴーグルです。

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CIRCLE GAME guide service佐々木翔平 Shohei Sasaki

北海道七飯町出身札幌をベースに、冬はバックカントリースキーのガイド、夏は北海道の自然を幅広くガイドしている。クライミングとスキーを組み合わせることを好む。

「今まで使ったなかで最も視界がクリアで斜面が見やすい」|インフィールド 中野豊和

自分が今まで使用したゴーグルの中で最も視界がクリアで斜面が見やすいレンズだということ。日本モデルは日本人向けのフォームパッドが付いているので、鼻とパッドの空間がとても少なく、雪の内部への侵入を防いでくれます。デザインもカッコいい。 レンズが曇ることはないのでスペアレンズは持ち歩いていません。

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インフィールド中野豊和 Toyokazu NAKANO

妙高高原へ移住後10年間の経験を経て、2006年より「インフィールド」を開始。現在、冬はバックカントリーツアーガイド、テレマークスキーインストラクター、夏は登山・トレッキングガイド、シーカヤックガイドとして活動中。

「顔面を守られているような安心感がある」|JUNRINA mountain service 長井 淳

視界が広くて視認しやすく、レンズが丈夫なので顔面を守られているような安心感がある。メインは「RIG Light Amethyst 」レンズを使用しており、悪天候の日が多い厳冬期におススメ。 クロックワークはレンズがあまり大きすぎず、丁度良い好みの大きさ。また、同ブランドのヘルメットも使用しており、ヘルメットとの相性も非常に良い。

スペアレンズはミラーレンズの「RIG Topaz」を使っている。日の光がキツイ春に重宝している。

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JUNRINA mountain service長井 淳  Jun  Nagai

脱サラし、立山雷鳥荘に勤務しながらガイドトレーニングを経て2010年よりJUNRINA mountain serviceとして活動開始。海外バックカントリートリップ多数経験。夏秋はアルプス・上信越を中心に登山ガイド、冬春はバックカントリースキーガイドとして活動中。

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