エリック・ポラードが手掛けるseasonは見た目以上にクールでタフな乗り味! 実際に乗って確かめたユーザーのレビュー

2020年にエリック・ポラードが立ち上げたブランド「season」。2021-22シーズンに日本へ上陸したことで、業界でも話題を呼んだ。しかし、板の乗り味などまだベールに包まれている部分もあり、気になっている人も多いはずだ。そこで今回はこの注目のスキーを一般ユーザーとsteep編集部が実際に乗ってみた。

まず、大手ブランドに比べると、圧倒的にモデルが少ない。ラインナップにある5台それぞれは使用するシチュエーションがきちんと差別化され、これらがあれば全てのコンディションで対応できる。

そして、特徴的な黒一色のデザイン。エリックはグラフィックを描くアーティストとしてLINE時代はデザインから板の設計まで全てを任されてシグネイチャーを出していたが、seasonのスキーはあえてマットブラックに包まれている。これはスキーを長く使ってもらうためだとインタビューで語っている。オールブラックのなかにも、ところどころ刻印やフラッグ、ポータルと呼ばれるワンポイントデザインをあしらわれている。

ブランドについて詳しく知りたければ、過去に特集しているのでそちらをチェックしてほしい。

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ブランドのラインナップ

seasonのラインナップは以下の通りだ。

左から forma、nexus、aero、kin、pass の5モデル。
seasonは同じネーミングでスノーボードもローンチしているため正しくはkin skis、kin snowboardなどと呼び分けられる。

それぞれスキーの概要は以下の通り。(コメントはカタログから引用)

●forma
167cm D=148-114-136 R=16.5. 1900g
176cm D=148-116-135 R=17.5. 2100g
183cm. D148-118-138 R=19.5. 2200g
FOUNDERであり設計者・滑走者のエリック・ポラードが最も愛用するformaスキーは、極上のパウダーから荒れた雪面コンディションまで信頼できるスキーです。それまでにEricが乗っていたワイドスキーに比べて、ウェスト幅をやや狭く、サイドカットは少し短く設定することによって軽い操作性を得ました。そして、コアとファイバーグラス、テールのメタルパーツによって成立する全体のバランスによって、しっかりと踏み込むことができます。「パウダー」と「安定性」、この二つの要素がformaスキーの最も大きな特徴です。

●nexus
158cm D=131-100-127. R=14m. 1750g
167cm. D=133-102-129. R=15m. 1800g
177cm. D=135-104-131. R=17m. 2000g
183cm D=137-106-133. R=17.5m. 2000g
189cm D=139-108-135 R=18m. 2000g
スムースなフレックスでオールマウンテンに遊ぶミッドウェストデザインです。nexusのコンセプト通り、ソフトなコンディションから硬い斜面までフィールドを問わずフィットします。クワッドファイバーグラス、テールのメタルパーツによってしっかりとした踏み込みも可能にしています。

●aero
158cm D=119-90-115. R=14.5m. 1750g
165cm. D=121-92-117. R=16m. 1800g
173cm. D=123-94-119. R=16.5m. 2000g
180cm. D=125-96-121. R=17m. 2000g
SEASON SKIの中で唯一Titanal アルミラミネートを採用した高速滑走モデル。レスポンスの良いフレックスバランス、ミッドウエスト、テールメタルパーツが、山のどこを滑っても力強く踏み込むことを可能にします。

●kin
163cm D=137-95-133. R=15m. 1750g
175cm. D=139-97-135. R=15m. 1800g
181cm. D=140-98-136. R=15m. 2000g
kinは、オールマウンテン、レース、フリースタイルスキーのハイブリッドです。深いサイドカットと長いコンタクトエッジとソフトなフレックスがさまざまなターンシェイプを可能にします。

●pass
167cm. D=138-114-134 R=15.5m 1600g
178cm. D=140-115-136. R=16.5m. 1700g
185cm. D=142-116-138. R=18.5m. 1800g
passもやはりnexusをベースに、より汎用性をお高めたデザインにリシェイプされました。 よりバックカントリーに適していることは言うまでもありません。

この5台があれば、使うシチュエーションによって雪山全てで最高のパフォーマンスを発揮できるイメージだ。今回はpassを除いた4台を試乗機として使用し、一般スキーヤー5名に乗ってもらった。


ユーザーのインプレッション

試乗する場所として利用したのは、12月下旬から1月初旬にかけての新潟県の石打丸山スキー場。この時期は新潟特有のぼたん雪がドカドカと降り積もり、一気に積雪量を上げる。試乗日も新雪が降り続け、ゲレンデのコンディションはパウダー。圧雪コースにも軽く雪が積もるような状況だ。

石打丸山山頂リフトからの景色。大粒の雪とガスが立ち込める

ユーザーレビュー No.1

上村さん 20代

パークからバックカントリースキーまで幅広くこなす。どんなスキーでもとにかく滑ることが好きなスキーホリック。

レビュー▷
seasonのことはSNSでエリック・ポラードがLINEを脱退し、ブランドを作ったというのをみて知りました。彼はパウダーやバックカントリーで使うスキーを主に開発しているイメージでしたが、今回履いてみてパークでも使いやすいスキーだなと感じました。自分はkinがお気に入りの板でした。カービングしてもスピードが落ちず、乗り心地がいい板ですね。ゲレンデで大活躍する1台だと思いました。
次に気に入った板はnexusです。オンピステでのカービングもちょっとしたパウダーも楽しめるスキーです。
aeroは今回の大雪という環境に適してはいませんでしたが、綺麗なピステンバーンやコブで活躍しそうです。春スキーでも使ってみたいなという印象です。バックカントリーを滑るのであれば、formaくらいの太さがあってもいいですが、自分はオールラウンドに滑りたいのと、パークに入ってスイッチでも滑りたいので、買うとしたらkinもしくはnexusあたりがいいなと思っています。

ユーザーレビュー No.2

佐藤さん 40代

新潟県南魚沼市にあるスポーツショップ「サトウスポーツ」の店主。最近はバックカントリースキーに夢中。

レビュー▷
seasonを知ったのはお客様がネットで板を購入し、ビンディングの取り付け依頼で持ち込まれた時に知りました。ビンディング取り付けの際にドリルで穴を開ける工程がありますが、なかなか穴が空かなくて、良い芯材使ってるんだなと感じました。(安い板は簡単に穴空きます)グラフィックに関してはシンプルでカッコイイ数年使っても飽きないデザインで長く使えそうなイメージですね。
普段はLINEのpescadoを愛用しているのでformaが気になっていました。トップが150mmあるので浮力は十分。荒れた不整地パウダーでも板が硬いので安定感ありました。圧雪バーンでもスピードを出せばさらに板の安定感を感じます。ファットスキーでラディウス19mと数値が小さいだけに見た目以上に曲がる板って感じの乗り味です。カービングが楽しくなる板でした。レース出身の方や基礎スキーの方にもオススメだと思います。
2本目はnexusを試乗しました。formaより一回り細いシェイブでスウィングウェイトが軽いと感じました。不整地でスピードをだしてバランスを崩してもリカバリーの良さがあります。圧雪バーンではforma同様にハイスピードカービングでも板がバタつかないのでクオリティの高い板だと思います。2台とも共通で言えることはゲレンデにも良いしバックカントリーで使ってみたいと感じた板でした。あと、滑走面がシンタード7500は板が走るからありがたい。板がしっかりしているのでブーツは硬めがいいと思います。私のイメージではフレックス100以上が◎。
総じて言うと、フィーリングもいいし当店でもseasonの取り扱いを検討したいと思います。

nexusは一台あれば大概の場所は気持ちよく滑れる

ユーザーレビュー No.3

志太さん 50代

最近はゲレンデ滑走がメイン。何歳までロデオ540をメイクできるか、毎年記録を更新し続けている。

レビュー▷
エリック・ポラードが作っただけあって、板の作りがしっかりしています。人を限定せず、誰が乗ってもかっこいいスキーです。私は普段LINEのSAKANAやpescadoに乗っているのですが、同じフィッシュテールでもformaは少し重たい気がしましたが、その分高速安定性があります。テールの部分もSAKANA、ペスカドと少し異なり、さらに強度が高い気がしました。フィッシュテールはテールが浮いてくれて、雪が抜けるのでターン弧を限定させないのが魅力です。formaはそのバランスが良いなと感じました。少し重い分ハイクアップは脚力が要りそうなので、私のようなおじさんにはこの板を履いてフルハイクはきつそう(笑)。リフトでアクセスするサイドカントリーや広い斜面がいいですね。サイドカーブが183cmで19.5mなのでツリーランではちょっと取り回ししづらいかもしれません。オープンバーンのパウダーで板をずらして滑るのが良さそうです。
ターンの気持ちよさはnexusが良かったです。自分の思い通りにターンができます。山系のスキーかな、と思いきやゲレンデクルージングに最適です。aeroはスウィングウェイトがとにかく軽くて、反応がいい板でした。個人的にはパークとかでも使ってみたいですね。回転トリックは回り過ぎるくらいかもしれません。
黒い板なのでどんなウエアでも合わせやすいし飽きません。ずっと使い続けられるのがいいですね。

formaはパウダーを滑るのに最適

ユーザーレビュー No.4

小柴さん 40代

スノーボーダーだったが、近年はスキーの面白さに再び目覚め、めっきりスキーヤーに。

レビュー▷
私はスキー・スノーボードを両方やっていたので、あのエリック・ポラードとオースティン・スミスが関わっているseasonということでかなり気になっていました。往年のレジェンド二人が作るブランドなので最初はやはり滑る人を選ぶのかなというイメージでしたが、自分みたいな中級者でも楽しめる板だなと感じました。誰でも扱える、というわけではありませんが、思ったよりも扱いやすかったな、という気がします。いい意味でクセがないと言う感じがしました。
aeroならゲレンデ、formaはパウダー、kinはスイッチも可能とあり、どれも棲み分けされていると感じました。そのなかで、どれか一本を購入しようと思ったら私の場合はnexusです。オールマイティで一本あればどんなシチュエーションも遊べます。もちろん財力に余裕があるんだったら、formaも欲しいですが(笑)
エリック・ポラードといえば、アーティスティックなデザインが特徴的ですが、seasonのデザインはいい意味で裏切られました。行き着くところまで行ったのかなというほど潔い黒一色で、もはや「究極」なのかなと思います。

ジャンプや荒れた斜面でも抜群の安定感がある

ユーザーレビュー No.5

松崎さん 20代

趣味と家庭を両立させるサラリーマンスキーヤー。

レビュー▷
seasonにはラインナップが変わっても高級感あるあのデザインとシェイプに惹かれていました。意外とありそうでなかったオールブラックのグラフィックはやっぱりカッコイイですよね。大人のスキーというイメージです。
formaはトップが太くて尖っているのでパウダーでの直進性に優れています。それでいながら、身体を倒すだけで曲がれるため、操作性にも優れていました。フィッシュテールは見た目のインパクトだけはでなく、スプレーがあげやすくて写真・動画映えするという良さもあるなと感じました。次に乗ったスキーはnexusです。このスキーは本当のオールラウンダーだと感じました。トップ、テールが柔らかいため遊びやすい。しかし、スピードを出しても足元が安定しているため、荒れてるバーンでも突き進むように滑れました。板選びに迷ったらこの板ですね。ただ、ビンディング推奨位置が真ん中寄りのため、個人的にはもう少し長めが良かったです。
次に履く一台として購入したいと思いました! ただ、手が出しやすい価格ではないのが気になるところです。

深雪に対応するfromaとnexus

steep編集部 小野塚のレビュー

編集部小野塚 30代

昨年に雪国へUターンしたことで、毎日午前中だけ滑るという贅沢な日々を送る。滑ると膝の痛みが気になるのでダイエットを検討しているとか、いないとか。

seasonを実際に履いてみて思ったことは、全体的にしっかりした板を作るブランドだなという印象です。冒頭のリンク先にある動画ではそれぞれの板のことをごく簡単にしかエリックは語っていません。しかし、言葉少ないながら限られたラインナップだからこそ、差別化するために綿密な設計をしていると感じました。

晴れた日にaeroを試乗。ゲレンデを気持ちよく滑りながら、地形遊びも楽しめる

formaはエリック・ポラードの代名詞とも言えるフィッシュテールを受け継いだスキーです。このテールの特徴から、雪抜けの良さがあり、パウダーのなかで身体の荷重を少しテールにかけるだけで、グンっとスピードが出る印象があります。そしてユニークなピンノーズの形状がそれに相まって、新潟特有の少し重いパウダーでもノーズが引っかかることなく切り裂くように滑れます。浮くように滑ることもできるし、新雪のなかを潜るように走破することもできて、とにかくパウダーでスピードが出る板でした。全体的にフレックスも硬く、軽くはないため、少し重めの雪では取り回しがしづらい印象もあります。広い斜面で大きな弧を描きながら滑るのに、ちょうどいいのではないかなと思います。

formaはフィッシュテールとピンノーズを持つ

nexusは第一印象のいい板でした。コンセプト通り、どんなシチュエーションでも滑れます。板のレスポンスがよくカービングも楽しい。少し硬めではありますが、バランスのいいフレックスで、荒れた斜面も難なく滑れます。むしろ、深雪パウダーよりも、パウダーを滑り散らかした後の凸凹フリーライドな斜面の方がこの板を使っていて楽しいと感じました。カービング性能、安定性、扱いやすさ、どれをとってもバランスのいいスキーです。

ノーズロッカーの立ち上がり方。右からaero、kin、nexus、forma

ラインナップで最も細いスキーであるaeroは小柄ながらも内蔵されたチタンのおかげで、荒れた斜面でも全くバタつくことなく走破できます。試乗機のビンディングが真ん中についていたので、ノーズが短く感じていました。なので、ハイスピードで滑ると安定しないのではないかと思っていましたが、杞憂でした。この短さでよくこれだけの安定感があるなとさえ思います。aeroでパウダーを滑ることは想定されていないので、ノーズロッカーが短く、コンタクトエッジに長さがあります。そのため、スウィングウェイトが軽く、ゲレンデでの操作性が抜群です。圧雪斜面において、抜群のフィーリングをもたらしてくれる板だと思います。

ノーズの先まで囲われた厚みのあるサイドウォール

第一印象はnexusがお気に入りだったのですが、最終的に私個人のお気に入りはkinでした。seasonの板はノーズの先からテールの先まで厚みのあるサイドウォールで囲われています。全体的にしっかりとした板だと感じる理由のひとつにこのサイドウォールがあると思います。しかし、kinだけはノーズ・テール側のサイドウォールが薄い仕様です。そのため、バター系のトリックがしやすい。そのうえaero同様コンタクトエッジが長いので、スウィングウェイトが軽くて扱いやすく、回転トリックもしやすい。さらにラディウスが15mなのでターン弧も小さく、ゲレンデ上で自由自在に滑ることができます。kinはこの「自由さ」が魅力的です。ノーズはややワイドな形状なので、ちょっとしたパウダーや段差も気になりません。

テールトップのメタルは板を立てた時に保護してくれるので、耐久性アップにもつながる

seasonは全体的に硬めのフレックスで、どの板も荒れた斜面でのハイスピードな滑走もガチガチのナイターでも滑りやすいスキーだと感じた。どんな雪の状況にも負けない、見た目以上にクールでタフなスキーだ。作りを頑丈にし、デザインも全年齢層が使いやすく、どんなウエアにも合わせやすい洗練された黒一色にしてある。お気に入りのスキーを長く使い続けたい人はとくにオススメだ。

seasonが気になっている人は石打丸山スキー場のレンタルサービスにて、formaをレンタルできるので使ってみて欲しい。

season instagram▷https://www.instagram.com/seasoneqpt/
web site▷https://seasoneqpt.com/en-jp

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