Ride on Jeep|佐々木 明のライフスタイルにかかせない相棒Jeep Wrangler

佐々木明(ささき・あきら)— その名がスキー界はおろか世界中に轟き始めたのはいつの頃だったろうか。日本人でただ一人、アルペンW-Cupで表彰台に3度立ち、2002年ソルトレイク大会から2014年ソチまで4大会連続でオリンピックの舞台で滑った。アルペンスキー界において、こんな歴史的な結果を残せた日本人スキーヤーは、今でも佐々木明だけだ。

レースシーンを離れた後はフリーライドに傾倒、スキーの本質を追求するための新たな活動として「Akira’s Project」をスタート。世界の山岳エリアで究極の急斜面を滑る映像「TWIN PEAKS」をプロデュースしたり、雪を通じて子供の心と体を育てる「雪育」を提唱したり、スキーからエッジを取っ払った「エッジレススキー」を試してみたり、その思想とアクションは、どこまでも自由でクリエイティブだ。佐々木明は、彼にしかできないやり方と表現で、そのメッセージを伝え続けてきた。

日本中の雪山から波の立つ海まで、佐々木明の表現フィールドや遊び場は果てしなく広いが、その活動の一翼を担っているのがJeep(ジープ)のWrangler(ラングラー)だ。彼のJeepはどんな仕様&使用になっているのか。


Jeepに乗り出したきっかけは?

――――まず、そもそもなんでJeepに乗り出したんですか?

Akira:俺、日本代表から落ちたときに「お金がなくなったんで、引退します」って言ったんですよ。おもしろいじゃないですか、お金がなくなって選手引退って。でも、「お金ないから辞めます」って、なった時にアルペン競技の先輩である、哲ニイ(岡部哲也)とかが、Jeepにサポートをお願いしてくれたんです。

そしたらイベント用のバジェットをやりくりしてくれて、「これでまずガソリン代くらいにはなるだろう」って。そっからだね、Jeepは。

――――それは何年のことだったんですか?

Akira:ソチ五輪の前の年だったから2014年かな。でも、最初はJeepはオレは買わねぇだろうな~と思ってた。スポーツカーが好きだったんで。でもサポートもらっていろいろ知ると、Jeepの良さを感じてきて、走破性とかの面で。

――――だんだん日本にも居るようになってきて…。で、最初に乗ったのがJeepのWrangler(ラングラー) JKでしたよね。

Akira:ラングラーの白。屋根に無理矢理ジェットバッグを付けて乗ってた。

――――そうそう、明さんのファンが「明さんのジェットバッグってどうやってつけてるんですか? もしや穴開けてます?」ってザワついたとか、ありましたよね。

Akira:みんな不思議がってたよね~(笑)。車のいろんな情報サイトの「みんカラ」って知ってます? みんカラに出したんですよ。ハンパなかったですよ、もう問合せが。「どーやったんですか?」って。「勇気を出して!」と答えました(笑)。

――――Wrangler JK、500万円くらいですよね。なんと穴開けちゃうとは

Akira:屋根をカバーするものいろいろ売ってるじゃないですか、最悪は。もしミスちゃったらね(笑)。だから穴開けるとき、いろんな人に見てもらって「いくよっ! 頼む、もう1回見て!右左、目の差ない?」って。

――――ええっ⁈ 目分量で開けたんですか? 

Akira:目分量(笑)。なんとなく!

――――さすがです。ところで、JKに2台乗った後にGrand Cherokee(グランド チェロキー)に乗り換えたとか

Akira:グラチェロ(グランドチェロキー)もいいクルマですね。荷室も広いし。

――――後ろをフルフラットにすると180㎝のスキー板でも余裕で収納できる。

Akira:そうね。

――――実は小野塚彩那さんにも愛車のJeepの話を聞いたんです。もちろんラングラーもいいんだけど、グラチェロは後ろをフルフラットにして寝れたりもするし、板も長いのが積めるし便利なんだって言ってました

Akira:そうそう、オレの身長(182㎝)でも真っすぐ寝れる。しかもロングは相当調子良さそう。

――――ロング、先日発表されたGrand Cherokee L(グランド チェロキー エル)ですね。値段もかなりとか…

Akira:一番上の価格は999万ですよ! 何?その1万って。1万円まけたってか?(笑)

――――ラングラーの気に入っている点はどんなところですか?

Akira:一番は走破性かな。ラングラーはグラチェロより車体が200kg近く軽いんですよ。その軽さは走りに直結する。雪道でのドライビングとかにね。グラチェロ(グランドチェロキー)も走りやすいんだけど、特に峠の雪道とかで比較するとラングラーは重心が低くて軽いので、とても曲がりやすいんです。

愛車に求めることとは?


――――愛車にする条件や、愛車に期待することはどんなことですか?

Akira:ラフに遊ぶスポーツを好んでやっているから、ラフに使えるクルマじゃないと、もう話にならない。

――――なるほど、ラフに使えることが第一ですね。

Akira:例えば、サーフィンで海に入って濡れたウェットスーツ着たまま乗り込んでも、なんとかなるべって感覚。これ知ってます? コレです、この穴。(と運転席のフロアにある穴を指す)

これが排水の穴

――――え? 排水する穴?!それ自分で開けたんですか? 

Akira:いや最初から空いているんです。運転席の足元を丸洗いできるように。ウェットスーツって後から足のほうから水がジャバジャバって出てきちゃって足元に溜まるんですよ。だけど、この穴のおかげでちゃんとはけます。これがJeep Wranglerならではの発想ですよね。

クルマの運転とスキー滑走の共通点

――――今、聞いていて思ったんですけど、クルマを運転している時とスキーで滑る感じって、何か似てたりするんですか?

Akira:あのね、クルマのほうが低性能(笑)。だってスキーだったら曲がれるのにクルマだと曲がれないとか(笑)。オレ、クルマのレース出たこともあるんですよ。ポルシェクラス、メルセデスクラスと、どっちも出てるんですけど、200キロのスピードでコーナー入って160キロまで落としたときに、このカーブ、スキーだったら余裕だろって思っていくとスピンするわけですよ。クルマってしょぼいなって思って。

――――(笑笑)。例えば運転しながら「あ、この右側のバンクおもしろそうだな」とか思ったりするんですか?

Akira:北海道にはあるんですよ~、パウダーのノートラックの道! ちなみに、おとといニセコからルスツ・真狩を通ったときも、ちょっと遠回りだけど、わざわざ違う道に行って、パウダースプレー上げてた(笑)。

オレ、グーフィーなんですよね。(スノーボードやサーフィンなど横乗りスポーツで右足を前にするスタンス)だから、スキーでも右足が外足のターンのほうが得意なんですよ。レースの時もそうだった。右足のほうが得意。クルマもそういえばスプレー上げてるのはこっちだな。(右から左へのコーナリング)

グーフィースタイルが運転でも出るんですね~。やっぱり、右側に体を持っていきやすい。右ハンドルってのもあるんですけど。

ここでは佐々木明のスキーによるスプレーを楽しもう

クルマを選ぶときのこだわりは?

――――明さんのラングラー、色は白ですね。

Akira:オレ、クルマはもっぱら白。このラングラーもそうだけど、持ってるグラチェロもずっと白。前のBMWは黒だったけど。

――――どうして白なんですか?

Akira:白が一番長持ちするっていうか飽きない。白は意外に汚れが目立たないんです。

――――ふ~ん、雪道いったら横の泥はねとか結構きそうな気がしますけど。

Akira:それはアートになるのよ(笑)。泥はね。 ジープらしさが出るって!ラギット感が出るってことで(笑)。
あと、ナンバーはわざわざ函館にしてるんですよ。出身が函館なので。

――――おお、ほんとですね、函館だ。

Akira :オレが湘南ナンバー乗ってたら、それこそキャですよ(笑)!考えてもみてくださいよ。オレがスキー場に湘南ナンバーで現れたら、なんかムカつくと思うんですよ。「あ、最近サーフィン始めたからって、なに湘南づいてんだ、この野郎~」みたいな。かといって、品川ナンバーでもいやらしい(笑)。でも横浜ナンバーだと「オマエ関係ねえべ」ってなる。で、札幌ナンバーだったら札幌行ったとき、「オマエ道南だろ」ってなる。

――――(笑)札幌じゃねえじゃん、って。なるほど、それでちゃんと地元のナンバーなんですね。

Akira:地元愛。


――――乗っているモデルは「アンリミテッドスポーツ3.6L」なんですね。

Akira:ラフに扱いたいから2.0Lのほうがよかったんですよ。初速もパキパキして走りやすいしね。でもトレーラー引っ張ったり、後ろに自転車を載せたりすることを考えると3.6Lですね。パワーあるじゃないですか。やっぱり3.6Lじゃないと快適じゃなくなるんですよ。

トレーラーを牽引して走ることも多い

このマイ自転車を積んでいく

インテリアはどんな感じ?

――――運転席まわりのことも聞きたいのですけど。運転中はAppleCarPlayを使ってるんですよね。ちなみにどんな音楽聴くんですか

Akira:レゲエが多いです。レゲエ、HIP HOP、松山千春、さらには玉置浩二。

――――それは北海道のミュージシャンという括り…?

Akira:もちろんです(笑)。北海道です。

――――幅が広い!(笑)

Akira:そ。幅の広さ(笑)。

――――曲は I Phoneの中に入ってるんですか? それとも…

Akira:Spotifyで。すげぇレゲエとかばっか入ってる中に「大空と大地の中で」とか「田園」とか入ってるの。

――――玉置浩二さんはすごい迫力ですよね。生で聴いたことあるんですか。

Akira:ないです。行ってみたいライブは完全に玉置さんと松山千春さん。

――――ちなみに助手席のヘッドレスト抜いてるのは何でですか?

Akira:サーフボード置くため。シートを倒してもこれがあるだけで安定しなくなっちゃうから。

――――そういう意味でいうと、あまり人は乗らないんですか? 助手席とか後ろとかに。

Akira:乗らないですね。よく宿からスキー場まで一台で行っちゃおうとか、駅までちょっと相乗りしてとか、そういうの絶対に嫌。

――――なぜですか?

Akira:一人の、オレの城だから、ここは。

――――いいなぁ

Akira:ラングラーは相棒感ハンパない、ホントにね~。あと荷物がたくさん入ってて、もう家みたいになってるから、そこからいちいち荷物を引っ張り出してまた移して、なんてやると100%忘れものがあるんですよ。100%!(笑) 

――――このクルマで山行ってたらすぐわかりますよね。「あそこに路駐してんの明のクルマだなって。あいつ今日来てるんだ」みたいな。

Akira:山でも海でもすぐ気づかれます(笑)

今日の愛車披露のハイライト・キャリーの話をしましょう

――――これ、板はどうやって積むんですか?

Akira:普通に登って載せると思うじゃないですか。そこは私、考えてますから(笑)。いいですか? 私の最大の自信作、今からお見せしてよろしいですか? これ全体に見て何か普通のラックと違うところ見当たりませんか? あるアイデアが凝らされてるんです。荷物上げる時って「あぁ~重いな~」ってなるじゃないですか。そこで考えました! 一人でも女性でも子どもでもやりやすい方法を。

――――お~!!! そいうことか! ローラーになってるのですね!

Akira:そうなんですね!これがね、ものすごい便利で。これ全部フルオーダーです。このソケットも含めてすべて。スキー板もサーフボードも丁寧に扱いたいじゃないですか、ドンって載っけたくないじゃないですか。これならス~っと荷物を下せるのです。

――――載せた荷物はどうやって固定するのですか?

Akira:俺は踏み台とかは使いません。ここと、ここに足をかけて登って、屋根に登ります(笑)そしてロープ等で荷物を固定します。


――――やっぱり板はスキーバック(DB)の中に入れて積むんですね。

Akira:大雨の中長距離走ってきたけど意外に大丈夫だった。ラダーをつけようと思ったんだけど、ラダーつけると今度きばり過ぎてる感があって。オレの中でいろいろあって。めんどくさいこだわりが(笑)。

アキラのこだわりとは…
DBも白。出会った人たちからメッセージを書き込んでもらう

これから

――――次の目標は? 聞くところによるとスイスのオーバーガーベルホルン滑降という計画があるのですよね?

Akira:5月の連休明けにチームでチェックに行こうかと思ってるんですけど、状況次第ですよね。チェックだけなんで別に夏だって春だってよくて、雪の状況はどうせ氷だから。

――――そうなんですね、これからの活動も楽しみにしています!

<編集後記>ちょうどこの記事を公開するタイミングで北海道にいるアキラさんからナイスな写真が送られてきましたのでご覧ください!

Photo by Kentaro Abe

Profile 
佐々木明 Akira Sasaki
1981年、北海道北斗市出身。FIS W-Cupアルペンレースで表彰台に3度立ったのは日本人で初めて。ソルトレイクからソチまでオリンピック4大会連続で出場、アルペンスキー史に名を刻む。競技を離れた後は山岳スキー・フリーライドに傾倒、「Akira’s Project」をスタート。「次は何をやってくれるのか」、常にその言動は注目を浴び、スキー界で比類なき存在感を放っている。

❖自らがプロデュースした初の映像作品「TWIN PEAKS ーAkira’s Project」のティーザー

撮影/志村 正太郎 インタビュー/山根賢作(STEEP)


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