24-25シーズンは昨シーズンの様子とは打って変わり、豊富な雪に恵まれた冬だった。この記事を読んでいる皆さんも、しっかり楽しんだ、もしくはまだ楽しんでいる人も多いのではないだろうか。
今回は、そんな冬を楽しませてもらったスキー場に“感謝”の気持ちを込め、自分たちの手でゲレンデをきれいにする取り組み「YUKIGOI マウンテンクリーン」に参加した様子をお届けする。舞台は新潟県の「舞子スノーリゾート」だ。
「マウンテンクリーン」とは?
「マウンテンクリーン」は、スキーやスノーボードで楽しんだゲレンデを、シーズン終了後にゴミ拾いをすることで、自然を守り、次のシーズンへとつなぐイベント。今回参加した舞子スノーリゾート「YUKIGOI マウンテンクリーン」は、今年で4回目の開催を迎えた。
こうした取り組みは白馬の「ゲレンデClean Act.」や、東急スノーリゾートの「マウンテンクリーン」など、全国各地のスキー場にも広がりを見せている。
昨年のレポートはこちら
快晴のGW初日、雪のないゲレンデは新鮮
開催日はゴールデンウィーク初日の4月26日(土)。朝は少し肌寒かったが、空は澄み渡る快晴。普段は都内に住む僕にとって、「雪の無いゲレンデへ行く」ことは、さほど多くない。どこかそわそわとした気持ちで現地に到着した。
舞子スノーリゾートには今シーズンも何度も通った。ゴンドラを使って楽しむロングランや、オフピステゾーン、スノーパークなど、1人でもグループでも満足できるゲレンデが魅力だ。
その舞子のゲレンデに雪がない光景は新鮮で、いつもとは違う表情に少し戸惑いながらも、マウンテンクリーンのスタートを待った。

青空の下で「Snow &Green モーニングYoga」

イベントの前には、地元出身の2人の講師、TakkoさんとShuriさんによるヨガ教室が行われた。およそ1時間、目の前に広がる豊かな自然と一体化するような不思議な感覚。アウトドアだからこそ味わえる、貴重な時間だった。
まずは舞子エリアから清掃スタート


参加者は総勢28名。開会のあいさつが終わると、マイクロバスに乗ってゲレンデ上部へ移動。今回は例年と異なり、ゴンドラ山頂駅付近はまだまだ雪が多く、安全上の理由からルートを変更。舞子エリアの「舞子センタークワッド」沿いから舞子高原ホテルまでと、長峰エリアの「長峰第1クワッド」上部から「日帰りスキーセンター」までの2か所となった。ここから約2時間のマウンテンクリーンがスタートする。


まずは、舞子エリアから。とくにリフト下に多いとされるゴミに注意しながら、念入りにチェックしていく。ポケットから落ちたような小物もあれば、明らかに意図的に捨てられたタバコの吸い殻も目立った。指定の喫煙所があるにもかかわらず、ルールを守らない大人がいるのは残念だ。


また、リフト券のゴミも数個見つかった。うっかり落としてしまったものかと思いきや、参加者からは「ICカードリフト券は2枚持っているとゲートが反応しないため、期限が切れている方のリフト券を意図的に捨てるケースもある」との話も聞き、複雑な気持ちになった。


後半は長峰エリアへ移動


スタートから約1時間後、再びマイクロバスに乗り込んで、長峰エリアへと移動。日帰りスキーセンターを右手の窓から見ながら、舞子を滑ったことがある人ならきっと記憶にあるトンネルをくぐり、リフト降り場に到着した。

ここは舞子エリアよりも残雪が多く、気温もやや低め。思わず「板、持ってくればよかったな…」という声も参加者から漏れていた。滑ることは目的ではないけれど、雪山を本気で愛している人たちが集まっているのだと感じさせる瞬間だった。


スタート地点からゲレンデへと下ると、「ビュンビュンコース」と「オフピステゾーン」の合流地点に。雪がついていない地形を親子でフェイスチェックする姿も見られた。「雪が積もっていないと、地形の起伏がよりはっきりと見えて面白いみたいです」と話してくれた。つられて僕もフェイスチェック。来年も楽しみだ。

ここでもしっかりゴミ拾い。片方だけのストック、ゴーグルのスポンジ、空のペットボトルなど、大小さまざまなゴミを集めながら、ゴール地点の日帰りスキーセンターに到着。これでマウンテンクリーンは終了。この日集めたゴミは軽トラの荷台がいっぱいになるほどだった。


およそ2時間のマウンテンクリーンを終えたら、お待ちかねのランチタイム!


舞子スノーリゾートのスタッフが、もみ殻を燃料に、3升炊きの大きな釜で炊いてくれた南魚沼産コシヒカリ、ごはんのお供に、郷土料理「きりざい」や、王道の野沢菜、風味豊かな藻塩、具だくさんの豚汁を用意してくれていた。2時間弱しっかりがんばった体に染みる美味しい料理を感謝しながらぺろりといただいた。
小さなゴミでも、自然には還らない

YUKIGOIマウンテンクリーンに参加して感じたのは、「小さなゴミが本当に多い」ということ。タバコの吸い殻をはじめ、ティッシュペーパーやガムの包み紙など、「雪に埋まっていれば」見過ごしてしまいそうなゴミが数多く落ちていた。
もしかすると「これくらいなら捨ててもいいか…」という意識があるのかもしれない。だが、自然に還らないゴミは、どんなに小さくても“残る”。そしてそれは、僕たちの滑るフィールドを確実に汚していき、この山に住む野生動物の誤食につながる可能性も高い。
スキーやスノーボードは、自然があってこそ楽しめるもの。環境を汚すことは、楽しみそのものを手放すことに等しい。今回のマウンテンクリーンは、そんな当たり前のことを改めて胸に刻む、貴重な一日となった。
今年も開催!YUKIGOI OUTDOOR MARKET



ウィンターシーズンを楽しみにしているスキーヤー・スノーボーダーを対象にした、国内最大級のアウトドアマーケットイベント「YUKIGOI OUTDOOR MARKET」が今年も開催する。今年で6回目の開催となる本イベントは「今年もいい雪が降りますように!」とお祈りをする「雪乞い祈祷」はもちろん、有名ブランド勢揃いの「ブランドモール」や「打ち上げ花火」「ジブバトル」などコンテンツが盛りだくさんだ。
今年は10月18日(土)~19日(日)の2日間で開催予定だ。詳細は後日発表されるので公式サイト・SNSをチェックしてほしい。
Information
舞子スノーリゾート
〒949-6423 新潟県南魚沼市舞子2056-108
公式サイト:https://www.maiko-resort.com/
公式SNS:Instagram|Facebook|X|LINE
YUKIGOI OUTDOOR MARKET
公式サイト:https://yukigoi-camp.com/
公式Instagram:yukigoi_camp