バックカントリーガイド愛用のクライミングスキン'24-25|プロの選択とレビュー

もっと遠くへ、トラックを刻みたいと願うあの斜面へ。バックカントリーで縦横無尽に動くために必須のスキンは、考えようによってはBCギアのなかで何よりも重要かもしれない。大自然の広大なスノーフィールドを駆け巡るプロガイドたちは、どのようなクライミングスキンを優れていると評価し、雪上を旅する足としているのか? 

※表示価格はすべて消費税込みとなっています

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BlackDiamond |グライドライトミックスFL

モヘアとナイロンのミックス。軽量かつグライド性能に優れ、ロングツアーにも適したモデル。

STSテールアタッチメントが軽くて薄く、携帯時に内側に折りたためて収納性も良い。ゴールドラベル接着剤で接着力が強く、タフな環境でも繰り返し貼り直しができる。オフセットトリムツールが付属し、簡単にサイドカット作業ができる。幅は110・130mmで、全4サイズ展開。

ミックス
モヘア65%、ナイロン35%
幅:110・130mm
長さ:
S=151-168cm、M=159-176cm
L=167-184cm、XL=175-193cm
¥30,800(110㎜)¥33,000(135㎜)

◆公式HP/http://www.lostarrow.co.jp/blackdiamond

「信頼できる一番の理由はグルー性能の良さ」|インフィールド 中野豊和

BlackDiamond の「グライドライトミックスFL」を愛用するのは、グルー性能が良いことが信頼できる一番の理由です。1日の中で何度も脱着を繰り返しても、しっかりスキーにくっついてくれる安心感があります。多少雑に扱っても大丈夫なところが、最初に使うクライミングスキンとしてもお勧め。

重量とグライド性能のバランスでモヘア/ナイロンミックスを使用していますが、グリップ力が必要な場合はナイロン製のアセンションスキンをチョイスしてください。

レビューワー
インフィールド中野豊和 Toyokazu NAKANO

妙高高原へ移住後10年間の経験を経て、2006年より「インフィールド」を開始。現在、冬はバックカントリーツアーガイド、テレマークスキーインストラクター、夏は登山・トレッキングガイド、シーカヤックガイドとして活動中。


CONTOUR|HYBRID PURE

Pure XS (145)

モヘアだけを使いグライド性能を追求している。独自設計によって使用材料を少なくし、軽量化に成功。接着面同士を貼り合わせられるのでチートシートが不要というのもポイント。

モヘア100%
幅:115~135mm
長さ:XS(142)~XXL(195)
¥27,775(115mm) ¥30,525(135mm)

◆公式HP/https://www.whitetimetokyo.com/collections/contour


CONTOUR|HYBRID MIX

耐久性とグライドに優れたモデル。ウェットな雪質において水分を含みにくく、主にスプリングシーズン向き。接着面同士を張り合わせて折り畳めるめるのでシート不要で扱いやすい。接着面がベタベタしないため滑走面に跡も残らず剥がす時に力もいらない。生地がしなやかなので収納性が良いのも魅力。

ミックス
モヘア65%、ナイロン35%
幅:115~135mm
長さ: XS(145㎝)~XXL(~195㎝)
¥27,775円(135㎜)¥26,455(115㎜)

◆公式HP/https://www.whitetimetokyo.com/collections/contour

「厳冬期と春でCONTOURの2種類を使い分け」|JUNRINA mountain service 長井 淳

厳冬期はグライド感が良く、グリップの良い「ハイブリットピュア」。 春は耐久性の高い「ハイブリットミックス」。
粘着力が落ちても専用クリーナーで簡単に粘着力が戻るところが非常に秀逸で重宝している。 また、現場では貼り合わせて収納が可能で、チートシートを必要としないところも非常に便利。

レビューワー
JUNRINA mountain service長井 淳  Jun  Nagai

脱サラし、立山雷鳥荘に勤務しながらガイドトレーニングを経て2010年よりJUNRINA mountain serviceとして活動開始。海外バックカントリートリップ多数経験。夏秋はアルプス・上信越を中心に登山ガイド、冬春はバックカントリースキーガイドとして活動中。


POMOKA|FREE PRO 

フリーライドスキーヤー向け
軽量かつコンパクトなナイロンモヘア
ミックスエキスパートスキン

Formula POMOCA(ナイロンモヘアミックス)
GLIDE:200Kal/h
GRIP : 45g/㎠
Width : 123mm ¥39,380| 140mm ¥42,680

◆公式HP/https://rexxam.com/POMOCA/

「軽量でコンパクト」|Niseko Mecca 田中久敬

軽量でコンパクト、厚みがないのでので岩の上は歩かないほうがよい。

レビューワー
Niseko Mecca田中久敬 Hisataka Tanaka

北海道の山岳はもとより海外はカナディアンロッキーやニュージーランドでのクライミング&バックカントリーなどの経験も持つ。2002年よりニセコにてガイド業。

「とにかく軽くてコンパクトになるうえ…」|RIKI JAPOW GUIDE 中島 力

とにかく軽くコンパクトになる上に、グリップやグライドもちょうどいい。

レビューワー
RIKI JAPOW GUIDE中島 力 Riki Nakajima

カナダでCSIAインストラクター資格と、日本人初のCFSAフリースキーインストラクター資格を取得。フリースキーコンペからバックカントリーへ活動の場を広げ、現在は星野リゾート トマムスキー場をベースに、ガイドやレッスンを展開。


POMOCA |TOUR PRO

POMOCAのベストセラーモデル
ロングツアーでに高い撥水性と
耐久性を誇るエキスパートスキン

65 % モヘア/35%ナイロン
GLIDE:213Kal/h
GRIP : 52g/㎠
Width : 120mm ¥39,380| 140mm ¥42,680

◆公式HP/https://rexxam.com/POMOCA/

「登りと下りの性能のバランスが良い」|黒田山岳ガイド事務所 黒田 誠

初心者の方には薦めませんが、ちゃんと踏めばトラクションがかかって登りやすいし、平地では足が進むので、楽に歩けます。ちょっとした下りで滑る時も、他の人より前までいけるので、省力化できます。登りと下りの性能のバランスが良い。

レビューワー
黒田山岳ガイド事務所黒田 誠 Makoto Kuroda

少人数制のプライベートガイドで、それぞれのレベルにあったオリジナリティあふれる山行をサポート。滑りだけでなく、旅心を大切にサービスを提供している。

滑走とハイクでグローブを分ける|Spur 秋田マウンテンガイドサービス 佐藤真理子

Photo:Yuya Murakami

初めてシールを選ぶときに、滑りと登りのバランスが良いということで、こちらをお勧めされ、使い続けています。これまでに他のメーカーのものも使いましたが、比較してみても山行中のトラブルも少なく、信頼度は高いです。今はこれしか使っていません。

レビューワー
Spur 秋田マウンテンガイドサービス|佐藤真理子  Mariko Sato

高校までアルペン競技、その後基礎スキーへ。全日本スキー技術選手権出場経験あり。とあることがきっかけで山スキーに魅せられガイドを目指し国際自然化環境アウトドア専門学校(i-nac)で学びプロガイドへ。

「 グライドとグリップのバランスが駿一」|TERUI DAICHI 照井大地

POMOCAの「ツアープロ」を使用しています。 グライドとグリップのバランスが駿一です。 グルーも粘着力はしっかりあるのに剥がし易く、グルー面を張り合わせることでグルー面への雪の付着を防ぎ、軽量化につながります。 力の弱い方は蛇腹状にすると剥がしやすいです。

レビューワー
照井大地 Daichi TERUI
 

大学在学中に山岳ガイドを志し、国際山岳ガイド石坂博文氏に師事。大学卒業と同時に日本山岳ガイド協会の認定ガイドとなる。20代前半より北欧でのヘリスキーガイドトレーニングやヨーロッパアルプスでの登山、スキーツーリングを経験。

「ガイドの使用頻度でも何年も使用できる」|佐藤正昭

軽く薄いシールは他にもありますが、耐久性がある。八方尾根では岩が露出しており、薄いシールだと切れてしまうが、「ツアープロ」なら安心して歩ける。ガイド業の自分達の使用頻度でも何年も使用できる。

レビューワー
佐藤正昭 Masaaki Sato

幼い頃よりスキーに親しみ競技・基礎スキーなど経験し、20才で白馬村に移住24才よりバックカントリースキーに傾倒する。ポートスノー白馬・パワーゾーン白馬で経験をつみ独立。


POMOCA |SPLITBOARD PRO

スプリットボード専用の
軽量かつコンパクトなナイロンモヘア
ミックスエキスパートスキン

65 % モヘア/35%ナイロン
GLIDE:200Kal/h
GRIP : 46g/㎠
Width : 145m 
¥40,920

◆公式HP/https://rexxam.com/POMOCA/

「軽くて滑りがいいのはポモカ」|WARP 有馬 新

軽くて滑りがいいのはポモカだと思いますが、ハイブリットのいい点はグルーではないのでノリが滑走面に残るというトラブルが皆無、のり面の張替などは必要ないので、しっかりメンテしておけば半永久的に使えること。

デメリットは滑走面の水気や汚れではがれやすくなること、モードチェンジで濡れたり汚れないように使い慣れることが必要。クリーナーを持ち歩いていればいつでも完全復活可能、使い慣れればクリーナーを持ち歩く必要もないですが、トリップに行くときはクリーナーは必ず持っていきます。

レビューワー

WARP有馬 新 Arata Arima

02-03シーズンに仲間と共に水上エリア最初のガイドクラブWARPを創設。 谷川、武尊、かぐらエリアを中心に活動。フリーライディング主体の滑り系ガイドクラブとしてピークハントにこだわらずローカルエリアの開拓に力を入れ続ける。

「非常に軽量のうえコンパクトになって便利!」|GRANIX mountain guide 荒川 智

スキーに比べスプリットボードはシールの面積が多くなるため、なるべく軽量なものを選択しました。このPOMOCA 「SPLITBOARD PRO」は、非常に軽量なのに加えて、とてもコンパクトになります。チートシートを使用してもコンパクトになりますが、シールの接着面同士を張り合わせできるのも、コンパクト&軽量になるので非常に気に入ってます。グライド力、グリップ力もちょうど良く重宝しています。

レビューワー
GRANIX mountain guide荒川 智 Satoshi Arakawa

ゲストに最高のバックカントリー体験を提供したいと願いながら、主に長野県白馬村の山岳地帯を中心に活動している。 夏は登山ガイドとして日本国内の山岳エリアを案内。 ガイド歴:13年


 

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