スキー・スノーボードをする人で、夏のサマーゲレンデを滑ったことがある人はどれくらいいるのだろうか? 今回、冬の滑走歴は長いもののサマースキー未経験だった編集部員が、「かぐらサマーゲレンデ」で初めてのサマースキーに挑戦! その模様と、夏のリゾートとしても魅力あふれる苗場プリンスホテルでのおすすめの過ごし方をご紹介。
はじめに
どうしてか縁がなく、これまでサマースキーは“食わず嫌い”ならぬ“滑らず嫌い”で避けてきた。今回、取材の機会をいただき、思い切って挑戦したものの、結果はカービングの「カ」の字もできずに終了。カービング練習に最適と聞いていたのに、だ。
コースに埋められたスプリンクラーの散水からカメラを守りつつ、「転ぶと痛い」とも聞いていたため、まずは安全第一で「ハの字」をキープしながら、撮影に専念することから始まった。
国内最大級の規模を誇る「かぐらサマーゲレンデ」

みつまたかぐらスキー場は、日本を代表する山岳リゾート「Mt. Naeba」のかぐらスキー場みつまたエリアにある。サマーゲレンデの標高は900m。冬は7ヵ月、夏は3ヵ月営業しており、年間を通して滑れる貴重な環境だ。
コースの全長は約1,100m、幅は25〜50mと国内最大級。平均斜度11度、最大斜度18度のファミリーコースに敷き詰められているのが、イタリア製の樹脂マット「PISLAB(ピスラボ)」。人工マットを使ったサマースキーは北米やアジア圏でも一部で導入されているが、ここまで普及しているのは日本ならでは。標高の高い氷河スキー場がない日本独自の文化と言える。
こんなにある!夏に滑るメリット
取材を兼ねた数本の体験だけでは、カービングを楽しんだり、上達には至らなかったものの、一度感覚をつかめばオフシーズンのトレーニングとしても、夏のアクティビティとしても大いに楽しめることを実感。そんなサマースキーの魅力をあらためてご紹介したい。

1. 技術向上に最適
降雪状況に影響されず、安定した条件で練習可能な「かぐらサマーゲレンデ」は、コースの幅、長さともに国内最大級で滑りごたえ抜群! 10連ウェーブ、10連コブ、長さ120mの30連コブと、バリエーションも豊富。
オフシーズンの間も滑走感覚を維持でき、足慣らしが済んだ状態でシーズンを迎えられるというメリットは大きい。アクティビティとして、良い意味で“別物”という声もあり、新しいスポーツを学ぶ面白さを味わいながら、違うからこその学びが得られる。
グリップしやすいPISLABマットの上ではごまかしが効かず、動作がダイレクトにスキーに伝わるため、自分の滑りの癖もよくわかる。また、雪よりも滑走抵抗があり、意図せず低速練習になるため、じっくりと基本動作を確認できる。バランス感覚や脚力、体幹の強化にもつながりそうだ。
何より、水のかかり具合によって足元に春雪とアイスバーンが混在している状態のため、一瞬も気が抜けず、対応力とポジショニングのトレーニングになることは間違いない。
2. 冬には味わえないユニークな体験
緑に囲まれたゲレンデで滑る非日常感、蝶や鳥が演出する季節感、爽やかな高原の風を感じながら滑る爽快感は、サマーゲレンデならでは。滑らなくても涼しい高原でのランチや散策などが楽しめ、さらに小学生までリフト券が無料のため、家族の夏のお出かけ、アクティビティとしてもおすすめだ。
3. 用具や道具のチェックにも
シーズン前にブーツの当たりや板の感覚の確認ができるのは、かなりありがたい。テクニックもだが、道具も万全の状態で冬を迎えられれば、より長く安全にシーズンを楽しめる。夏専用のレンタルギアなら気軽に挑戦できるのも魅力だ。
4. 交流の場としても
夏も滑る熱心な人同士で情報交換ができるほか、レストランのテラス席で優雅にランチという楽しみ方もできる。涼しく開放的な空間に会話も弾む。
初めてのサマースキーに挑戦!

サマースキー用の道具は、駐車場横の「みつまたステーション」で一式レンタル可能。専用板やブーツ、プロテクターまで揃い、スタッフがレベルに合わせて丁寧に調整してくれるため、初めてでも安心。更衣室やロッカーも併設されていて便利。この日も暑く、かき氷の無料サービスが行われていた。
レンタルは新潟の大型ウィンター&アウトドアスポーツ専門店「クレブ」が提供・管理している。


ロープウェーで山頂に向かうと、眼下には生い茂る緑。降車後すぐに、真っ白なゲレンデが見える。降りた瞬間に感じるのは、冬とはひと味違うゆったりとした空気感。荷物を置くスペースも、流れる時間もゆったり。各々が自分のペースで滑りを楽しんでおり、自由で、ピースフルな雰囲気に包まれている。


マットに上がってみると、ブーツでもツルツル滑る感覚に緊張しつつ、なんとか板を履いてスタート。
全長1,100mのロングコースは、一本滑るだけでも達成感があり、自然と上達を促してくれる長さ。途中で少し斜度が増すが、冬ほどスピードも出ないため安心。
幅が狭いコースでは、ターン弧の違いによる接触の心配があるが、かぐらのサマーゲレンデは幅も国内最大級、スキーでの大回りからスノーボードのグラトリまで、ワイドなコースを思いきり使って心ゆくまで練習できる。滑走中に蝶が足元を横切るなど、夏ならではの自然を感じられる瞬間もあった。

一本滑ると頭からしっかり濡れてしまうが、リフトの上で風を浴びていると、まるで泳いだあとにビーチで横になっているかのような心地よさがある。


そんな穏やかなリフト時間とは対照的に、ピスラボの上では板をずらすたびに甲高い音が響く。まるでジッパーを素早く開け閉めしているような音だ。上手い人には聞こえないのかもしれないが、恥ずかしさと、自分が出している音に笑ってしまって滑りどころではなくなり、結局4本で切り上げることにした。

滑走後は板にマットの削りカスが付着しているため、持ち運び時は注意が必要。日差しや、散水で顔に水がかかることもあるため、サングラスやゴーグルがあると便利だと思った。また、下山時にもリフト券の提示が求められるため、水でボロボロになってしまわないように注意しよう。

その後は周辺を散策。水を撒いているためコース周りの雑草はぐんぐん伸びるが、暑い中の草刈りによってしっかり整備されていた。レストハウスも冬ほど混雑しておらず、夏野菜に地元食材を用いたランチメニューが楽しめる。子どもたちがブーツを脱いで本を読めるスペースなどもある。
テントやかき氷機を持ち込み、外で一日ゆったりと過ごしている常連さんも見かけた。


スクールで聞いた「滑り方のコツ」

まともに滑れず落ち込みながら歩いていると、外でチューンナップをしているスキー学校のスタッフを発見。思い切って声をかけて話を聞いてみたところ、教えてもらった大切なポイントは「板を待つこと」だった。
とらえた後、自然に板が入ってくるのを待てるかどうか。そして板を下に向ける“勇気”を持てるかどうか。雪上ではスピードやエッジに頼ってしまいがちだが、それでは上手く滑れないのだ。
そのほかにも「なるほど!」と思うコツや、道具の扱い方についてたくさん教えてもらったが、はじめからスクールに入っていれば…と後悔することのないよう、夏にスキルアップを目指す人は、ぜひ「かぐらスキースクール」へ!
セットで泊まりたい! 苗場プリンスホテル


重力を使った遊びを楽しんだあとは、宇宙や星々に思いをはせる時間を。
苗場プリンスホテルの「HOSHIZORAゴンドラ」で標高1,500mの山頂へ上がると、普段は立ち入ることのない静まり返った森の中に、非日常の世界が広がる。
満天の星に歓声が上がり、「星ってどうやってできるの?」といった子どもたちの声も。探求心や好奇心を刺激する体験は、夏休みの思い出以上に貴重なものになるだろう。
テラスからの星空観賞のほか、星をテーマにした「HOSHIZORA Cafe」でユニークなメニューを楽しんだり、子どもと本を読んだりと、思い思いの特別な夜を過ごすことができる。

宿泊すればもっと遊べる! 広大な敷地内には室内外に多彩なアクティビティが用意されており、バギー、マウンテンバイク、プールやスライダー、SUP、サイクリングなどその数38種類。宿泊者限定の天然温泉「苗場の湯」でゆったりと疲れを癒せたり、バラエティ豊かな6種のレストランでグルメを楽しめるのも魅力だ。

新潟県はグリーンシーズンも魅力的!

「雪育リゾート」を目指す新潟県。
県内各地のスキー場は、スキーリゾートを前提に見れば“雪のない山”だが、今回の取材を通して感じたのは、その豊かな自然と広大な敷地を活用した、遊び場・学び場としての大きなポテンシャル。夏にやりたいことがたくさん詰まったアウトドアフィールドは、アウトドアファンはもちろん、ファミリー、若者やカップルまで誰もが満足できる場所。都心からわずか2時間ほどとアクセスも抜群で、日帰りでもしっかり楽しめる。
この夏は、雪国新潟で新たな体験と思い出づくりを!
Information
苗場プリンスホテル
新潟県南魚沼郡湯沢町三国202
TEL:025-789-2211
公式サイト | 苗場プリンスホテル
かぐらスキー場(みつまたステーション)
新潟県南魚沼郡湯沢町三俣742
TEL:025-788-9221
公式サイト | かぐらスキー場

