SALOMONのNEWブーツ「S/PRO ALPHA C BOA 130 BLUE」試し履きレビュー

群馬県・ノルン水上スキー場にて行われたSALOMONの来季モデル試乗会に、STEEP編集部員が参加。当日のコンディションは晴れ、気温はプラス。コースは会場正面の中斜面をメインに、雪は硬く締まっており、アルペン・デモ系を中心に揃えられた今回のラインナップには適した状況だった。

レビュワーは、アルペンレースをバックグラウンドに持つ(参考:FISポイント30点程度)、身長164cm・標準体重の女性編集部員。今回は、S/PROシリーズのうち、98mmラストで高い精度のターンを叶える「S/PRO ALPHA」に、「CUFF BOA® システム」・「POWERLINK™構造」を搭載した新しいブーツを試した。

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比較対象となる使用ブーツ

こちらのブーツを試すにあたり、前提として現在使用しているブーツについて触れておきたい。
過去3シーズン、オールマウンテンからフリーライドツーリングまで幅広く使用してきたのが、「ATOMIC HAWX ULTRA XTD 115 W GW」。98mmラストのナローフィットで、女性用ULTRA XTDシリーズの中では最も剛性が高いモデルだが、選択の軸は競技性よりも快適性だった。
実際にはスキー歴や志向を伝えたうえで、ブーツフィッターにほぼ“おまかせ”で選んだ一足でもある。熱成型もすでに済ませている。

ニセコでフィッティングを担当してくれたニュージーランド出身のブーツフィッターによると、足型は甲の高さも幅も日本人の平均かやや小さめ。提案された2足のうち、履いた瞬間の感触が良かったのはHEAD(モデルは覚えていない)だったが、「最終的に大事なのは履き心地より、かかとのホールド感」というプロの判断で、このモデルを選ぶことになった。
そうした経緯もあり、フィット感とヒールホールドの両立をうたう今回のブーツには期待が高まっていた。

「S/PRO ALPHA C BOA」について

“卓越したパワー伝達、精度、コントロールを求めるレーサー、エキスパートのための究極のブーツ”というこのモデルの最大の特徴は、「フィットを進化させる」として、世界最高のブーツフィッターと共に開発を行ってきた履き心地と、「より少ない力で、大きな力を伝える」というパワー伝達率の向上。

通常、第2バックルはロアシェルで固定されるが、アッパーシェルがそのまま足首までカバーすることにより、より足首のフィッティングを高めている。内側のヒンジを廃し、ソール付近まで伸びたカフをロアシェルと直接結合する「POWER LINK™」が、スキーへのダイレクトなパワー伝達を実現している。
また、ライナーは熱成型はもちろん豊富なカスタマイズオプションが用意され、4D構造によりヒールのホールド性能もアップしている。
フレックスは、ウィメンズが85, 95, 105, 115、メンズが100, 110, 120, 130と、それぞれ4種をラインナップ。今回は「S/PRO ALPHA C BOA 130 BLUE」を試した。

試し履きレビュー

着脱の容易さと快適さ

まず驚いたのは、履く段階でのスムーズさだ。シェルはストレスなく大きく開き、つま先を入れると吸い込まれるように、ライナー素材の影響か、ツルっと足全体が収まった。硬いシェルを無理に広げ、足をねじ込む必要はない。

豊富なカスタマイズオプションを備えるというが、カスタムが不要だと感じるほど、履いた瞬間の完成度が高い。カフの独特の形状は、まるで耳当て付きの帽子のよう。

ラスト幅は、これまで使用してきたブーツと同じ98mm。全方向から包み込まれるようななフィット感がある。かかとのホールドは、熱成型した自前のブーツと同等か、それ以上にしっかりしている。窮屈さはなく、つま先には余計な遊びはないが、指は自然に動かせる余裕が残されている。

フレックスについて

フレックスは、オールバックル仕様の115Wと比べて、ややしっかりとした返りを感じる。ただし、ニー・モーションが非常にスムーズで、膝が前後だけでなく全方向に動かしやすい。直立時や歩行時に動きを制限するような硬さはなく、「踏みたいときに、きちんと頼れる硬度」という印象だ。

パワーリンクの実力

このブーツの最大の特徴が、内側ヒンジを廃した「パワーリンク構造」。カフの面積が37%増し、他者の上級者向けBOAブーツよりも、パワー伝達率が25%もアップしているという。
カフとロアシェルを直接結合し、さらにその結合点を従来の足首付近ではなく、ヒール寄りまで下げている。これにより、テコの原理がより効果的に働き、少ない入力でも大きな力をスキーへ伝えられる。結果として、力を逃がすことなく、インエッジへダイレクトにアプローチできる。

「2級の人が1級に受かるブーツ」という話も聞いたが、実際にターンしてみるとその意味がわかる。カフが雪面に食い込むように、普段よりも強く、深く踏み込める。自分がかけた力以上の重さが、足元に集約されているように感じた。これまでどれだけの力が途中で逃げていたのかを、初めて実感した。ターン導入の際にも、点ではなくより広い面でとらえている感覚があり、足の動きがそのままスキーに伝わる精度の高さも印象的だった。

気になる点

足首まわりは、テーピングを巻いたかのようなホールド感がある。一方で、カフの長さについては、内側に添え木をされているような、わずかな違和感があった。ただし、気になる点はその程度で、全体の完成度を大きく損なうものではない。

Information

SALOMON(サロモン)

公式サイト:https://salomon.jp
SNS:InstagramFacebookYou tube

取扱い/アメアスポーツジャパン㈱サロモンウィンター事業部

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