粉雪と地酒と出会い――南魚沼「バックカントリー×移住体験」に参加してきた

豪雪地帯として知られる新潟県南魚沼市が、関係人口の拡大を目的とした体験プログラムを実施している。
「滑る雪国暮らし」をテーマに、バックカントリーツアーと地元住民との交流会をセットにした、南魚沼市ならではの企画だ。

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9つのスキー場が集まる、ウィンタースポーツの聖地

南魚沼市は市内に9つのスキー場が存在する、日本でも稀有なスノーロケーションだ。冬型の気圧配置になれば、一晩で1mを超える積雪も珍しくない。
しかし今では道路や家庭の除雪技術も進歩し、昔のような不便な生活ではなくなった。雪を愛する者にとっては最高の環境で、朝イチでパウダーを滑ってから出社し、仕事帰りにナイターへ——そんな日常がここにはある。

当日のフィールドは、想像を超えていた

参加は事前にウェブで応募し、事務局とレンタルギアの調整を経て当日を迎える。このプログラムでガイドを務めるのは、実際に南魚沼市へ移住したローカルの方で、自らの体験を通じて、この土地のさまざまな魅力を伝えてくれる。

集合場所は、ガイドさんが事前に雪のコンディションを見極めた場所になり、この日は六日町八海山スキー場だった。
普段はガイド会社が森林管理署から借り上げている管理エリアを滑ることが多いようだが、今回は前日の降雪がなかったため、ロープウェーの裏側エリアを麓の集落まで滑り降りるという超アドベンチャールート。ゲレンデ外滑走になるので登山届を提出し、スキー場のパトロールさんとガイドさんが念入りな安全確認を行ってから出発した。

ロープウェーの中では参加者がそれぞれの「南魚沼との関係」を話しながら、和気藹々と山頂へ。山頂駅から約20分ハイクアップすると、八海山を背に日本海まで見渡せる絶景が広がった。
ガイドさんからは蔵王・鳥海山などの東北の山から、北アルプスや新潟の山々まで、雪にまつわる話を次々と聞かせてもらえた。

そして、いざ滑る

一昨日までの降雪に、放射冷却で冷え切った日陰の斜面は、驚くほど雪が軽い。「本当に新潟か?」と疑うくらいの極上コンディションだった。

起伏の少ない大きな沢地形をスピードに乗って滑る、約2kmのパウダーラン。最後の安全地帯に差し掛かると、ガイドさんがスピーカーから「インディ・ジョーンズのテーマ」を流してくれ、みんなが笑顔に。

杉林を抜け、小さな沢(実は滝)を安全に越えると、集落の道路に到着。手配されたマイクロバスで、全員そろって八海山ロープウェーへ戻った。

交流会は「八海醸造」の食堂で

八海醸造運営の「みんなの食堂」

スキー場に戻るとちょうど12時。八海山をバックに記念撮影を済ませ、交流会の会場へ移動した。会場は、日本酒「八海山」で知られる八海醸造が運営する「みんなの食堂」。
参加者それぞれが、体験の感想やこれからの南魚沼市との関わり方などを語り合った。話を聞くと、多くの参加者がすでに「ふるさと納税」で南魚沼市を応援しており、毎週家族で訪れているという人も。

「関係人口」という言葉は難しく聞こえるが、要は「南魚沼のファンになること」——参加してみて、そう実感した。

南魚沼市がこれまで「雪好き」「アウトドア愛好家」に向けて移住者を呼びかけてきた理由が、このプログラムを体験してよくわかった。

令和8年度も開催予定

同様のプログラムが令和8年度も実施される予定とのこと。南魚沼の真骨頂を体感したい人は、ぜひ参加してみてほしい。

南魚沼市公式サイト:https://www.city.minamiuonuma.niigata.jp/

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