スペックの数字だけではうかがえないスキーの「乗り味」や「性格」の違い。これぞスキー選びの奥深さ、面白さでもある。そこで、類似した3つの26ー27注目モデルをピックアップ。ユーザーの試乗レビューを軸にそれぞれの個性を読み解いてみよう。
WAPAN「RO」か LINE「PANDORA 106」 か。それとも VECTORGLIDE「INTIMACY SE×JS」?

この3台は、ウエスト105~106mmの万能フリーライド。いずれもフリースタイル要素が強いモデルだが…
| Model | D(ディメンション) | R(ラディウス) |
| RO | D=136-105-126㎜ | R=19m(181㎝) |
| PANDORA 106 | D=134-106-125㎜ | R=18.4m(183cm) |
| INTIMACY SE×JS | D=137-106-120㎜ | R=22.7m(180㎝) |
「RO」はこんなスキー

「RO」はセンター幅105mmのオールマウンテンモデルで、122mmのパウダーフリーライドモデル「I」と、90mmのフリースタイル&パークモデル「HA」の中間に位置付けられる。ロッカーとキャンバーを組み合わせた形状と、R16mという小さめのラディウスによる扱いやすさが特徴。圧雪からパウダー、パークやツリーランまで幅広く対応し、遊び心のある滑りが可能。軽量性を活かし、春のロングツーリングにも適する。グラフィックは3種から選べる。
こちらをまずは、「スキープロショップ安曇野」の藤田竜也さんが試乗。どこで乗りたいかまで見えたようだ。
和製オールマウンテン・フリーライド ワパン。まず目を惹くのが、インパクトたっぷりのグラフィックデザイン。日本人アーティスト達が描く和柄はとても繊細で美しい。それでいて乗り味はポップなアメリカン? 軽やかで取り回しが良くて、誰でも楽しく乗れてしまうのがワパンのRO(口)です。
ブランドの雰囲気から上級者向き、少しマニアックなイメージもあるかもしれませんが、非常に軽量なこの板は、むしろ初中級者の方にも乗っていただきたいですね。ノリで乗って全然大丈夫ですから。
ウエスト100㎜前後は各メーカー競い合っているボリュームゾーンなので、各社乗り味に個性が出てくるけれど、乗り味の素直なこの板は、技術レベルや使い方を問わず、乗る人自身の楽しみ方を見出せる、懐の広い板です。
個人的にROは、北海道や東北、長野県北部の雪の軽いエリアや、春先のBCツアーリングなどで遊んでみたい板です!
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約20日
身長 168cm / 体重 65kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)・基礎
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:野麦峠・乗鞍スキー場
My Gear:Ski:VÖLKL/PEREGRINE 72 (168cm)、VÖLKL/REVOLT 104(180cm)、FACTION/AGENT 3(178cm)、 OGASAKA/KS-UP FM付(165cm)
Binding: MARKER/GRIFFON 13, KINGPIN 13│Boots: TECNICA/FIREBIRD R110、SALLOMON/SHIFT SUPRA 120
【Review】
軽い□■□□□重い(5段階)
柔らかい□■□□□硬い(5段階)
安定性:★★★☆☆
操作性:★★★★☆
カービング:★★☆☆☆
万能性:★★★☆☆
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★☆
ユーザーの中里祐太さんの感性には、印象的な和柄が響いたようだ。
軽くて操作性の良いスキーで、尖ったところがなく直感で乗りやすいという第一印象。ただし、乗り込んでいっても最初の印象そのまま、という感じでしょうか。
高速域やコンペシーンというよりは、ゲレンデのフリーラン〜パークライドをイメージした設定になっているかと思います。がっしりとした造りで、パークでレールなどガンガン使っても大丈夫そうなタフな感じはありました。パーク、フリーランを中心に楽しく滑りたいフリースキーヤーに向いていると感じましたね。
軽くて扱いやすいので、スキーヤーの技術レベルを選ばないのでは。
和テイストのグラフィックが日本人の感性にとてもしっくりときますよね。これはジャケ買いもありかと。尖ったところがないので、バランス良く楽しみたい人にぴったりだと思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約40日
身長 167cm / 体重 60kg
滑り志向:フリーライド(パウダー)・パーク
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ:石打丸山スキー場、札幌エリア
My Gear:Ski: VÖLKL/REVOLT 114(178cm)
Binding: LOOK/PIVOT 15 GW
Boots: NORDICA/DOBERMANN 5 M L.C.
【Review】
軽い□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★☆☆
操作性:★★★★☆
カービング:★★☆☆☆
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★☆☆
遊び心:★★★☆☆
「PANDORA 106」はこんなスキー

LINEの女性向けフリーライドラインのPANDORA。従来の女性専用スキーの枠を超え、幅広いレベルのスキーヤーが直感的に扱えるオールマウンテンモデルへと進化している。85・92・99といった細身モデルがオンピステ適性を担う一方、106はシリーズ中で最もパウダー寄りの設計となり、浮力と安定性を重視。軽快な操作感で、日常使用から深雪まで対応する。ネオン街のようなデザインも特徴的。
こちらを試乗した「OFF-1」の高木啓次さんは、「滑りがより楽しくなる」と高評価。
ウエスト106mmとは思えないグリップ感、ツインチップのように軽い操作、そして雪面に舞い降りる歌舞伎町の景色(笑)。
硬すぎず柔らかすぎず、程良いフレックスで、リラックスした状態でも、しっかり踏みたい場所でもバランス良く反応してくれて、小さめのラディウスが足元の鋭いグリップを感じさせてくれます。
ディレクショナル系としてはセンター寄りのマウント位置や、ロッカーによってスイングも軽く、スライドや細かい操作もスムーズで、ストレスをまったく感じませんでした。
浮力も申し分ないと思います。全体的に扱いやすく、リゾート志向の人や、これからファットを履きたい人にもオススメ。とくにパーク系のツインチップを履いていた人にとっては、ツインチップにそのままフリーライド性能を上乗せしたような乗り心地で、滑りがより楽しくなる一本だと思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約15日
身長:167cm / 体重:71kg
滑り志向:リゾート・ フリーライド(パーク・パウダー)・コブ
自称称レベル:上級
My Gear:Ski:K2/OMEN TEAM(165cm)|Binding:MARKER/JESTER 16|Boots:K2/ANTHEM 115 BOA
【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★★★
カービング:★★★★★
万能性:★★★★★
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★★
ユーザーの古谷進太郎さんは、同機を“春雪最強マシーン”と呼ぶ。
気持ちよく春雪を滑りたい人や1本でなんでもこなしたい人に。初めてのファットスキーとしてもいいですね。
ノーズとテールはやや柔らかめですが、足元はしっかりと硬く、高速域でも安定感があります。柔らかいボコボコバーンを地形に合わせてぴょんぴょん跳ねながら突っ込むのが最高に楽しい!
デカいので取り回しはそこまで軽くはありませんが、パークでの使用もそれなりにできそうです。とりあえずこれ1本あればシーズンインからシーズンアウトまで良い相棒になってくれること間違いなし!
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約25日
身長 171cm / 体重 58kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)・パーク
自称レベル:中級
ホームゲレンデ:神立スノーリゾート
My Gear:Ski:ICELANTIC/SABA PRO 117 (177cm)|Binding:ARMADA/SHIFT MNC 10|Boots:FT/ASCENDANT
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★☆☆
カービング:★★★☆☆
万能性:★★★★★
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★☆
「INTIMACY SE×JS」はこんなスキー


“スキーとの親密な関係から生まれるラインの可能性“をテーマにした「INTIMACY」。VECTORGLIDEの同じファットスキーカテゴリーでパウダー特化の「GENIUS」や、パーク寄りの「BUTTERKNIFE」に対し、シーンを問わず対応する基準的存在。本機は通常モデルの汎用性はそのままに、ライダー監修の“Special Edition”として仕上げや素材バランスを最適化しており、よりシャープなラインを描きながら自由な表現を楽しめる。
試乗し、既に予約したというユーザーの齊藤雅之さんのコメント。
私が絶対的な信頼を寄せる愛用機が今季アップデート、早速乗ってもう予約しました!
ディメンションが素晴らしいバランスで、アグレッシブに攻める滑りから、地形を使ったジャンプトリックまで、フリーライドのあらゆる要求に応えてくれます。
カービング性能が群を抜いて素晴らしい。ガッチリとノーズからエッジを噛ませて角付けしたターンのフィーリングは、この上ない喜び。スイングウェイトが驚くほど軽く、バターの動き、パークライドも全然いけちゃうところが最高に気に入っています。
今作はフレックスがよりソフトに進化。足元はしっかり、ノーズとテールはしなやかになり、ターンが容易で自由な動きがしやすくなりました。
Jazzy Sportとコラボしたグラフィックもかっこいい!音楽のビートとバイブスが感じられる最高のスキーです。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約65日
身長:166cm / 体重:64kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)・アルペン・基礎・テレマーク
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ: 白馬八方、白馬47、サッポロテイネ、中山峠
My Gear:Ski:BLIZZARD/RUSTLER 11(180cm)|Binding:MARKER/JESTER 16│Boots:TECNICA/COCHISE HV 130 DYN GW
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★☆☆
操作性:★★★★★
カービング:★★★★☆
万能性:★★★☆☆
浮力性:★★★☆☆
遊び心:★★★★★
比較から見えてきたこと
ROは軽さと小回りの利く設計で、ツリーや当て込みまで気軽に楽しめる。PANDORA 106は浮力と安定感をバランスよく備え、コンディションを選ばない頼れる万能派。一方、INTIMACYはよりソフトになったフレックスを生かし、ターンやトリックで自分らしいラインを描く一台だ。動き回る自由、コンディションを選ばない自由、表現する自由と、同じ自由でもその楽しみ方は滑り手次第だろう。

