ビッグラインを描くなら、ARMADA「ANTIMATTER 114」or SALOMON「S/LAB QST X」?│26ー27ニューモデル比較

スペックの数字だけではうかがえないスキーの「乗り味」や「性格」の違い。これぞスキー選びの奥深さ、面白さでもある。そこで、類似した2つの26ー27注目モデルをピックアップ。ユーザーの試乗レビューを軸にそれぞれの個性を読み解いてみよう。あなたはどちらを選ぶ?

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ARMADA「ANTIMATTER 114」それとも SALOMON「S/LAB QST X」?

ビッグマウンテン仕様の、ハイエンド・フリーライド2機。どちらも確かな浮力と操作性の高さには定評があるが…。

ModelD(ディメンション)R(ラディウス)
ANTIMATTER 114D=138-114-132mmR=21m(187cm)
S/LAB QST XD=140-116-127mmR=25m (184cm)

「ANTIMATTER 114」はこんなスキー

ARMADA/ANTIMATTER 114│D=138-114-132mm|R=21m(187cm)|L=181, 187, 193cm│¥154,000

「ARV」や「JJ」に続くARMADAの純フリーライドラインとして、Max Palmと共同開発された「ANTIMATTER」。前身「DECLIVITY」はオンピステ性能にも優れるオールマウンテン仕様だったが、よりコアなフリーライド領域へと再定義された。ウエスト幅82~114mmの全6モデル中、最も幅広なこの114は、パウダーでの浮力とビッグマウンテンでの走破性を両立するツインチップ形状。

このモデルを試乗したのは、ユーザーの加藤基樹さん。その加速感、安定感を“異次元”と表現する。

全体的に剛性が強く食いついてキレる印象。とにかく最大パワーを受け止めて返してくれる。トップのほうがしなり、テールはしっかりした印象。パウダーでの抜けは良さそう。

ポールに入れるのではないか? というぐらいキレるし、変なエッジの食い方もしない感じだった。キャンバーがしっかりしているのに、くるくると回せて、最初はフラットキャンバーかと思ったほどなので、ズラしなど横の動きもいい。高速では安定してブレないので、自分の限界がどこまで出せるのか試したくなる。

パウダーや悪雪で試せていないのでフィーリングは不明だが、触った感じはホワイトウォーカーのようにしっかりとした張りとしなり。ただ他のモデルより一番シャープなので浮遊感は落ちると思うが、強いに尽きる。また、スウィングウェイトの軽さを感じた。足元がしっかりしていて、ノーズやテールの重さを感じない。

アルマダは元々わかりやすくて、「ゼロJJ」で弾かれるとか、足りないならJJだ。JJは気持ちいいパウダーの完成版。そのJJで、高速ターンやコンディションの悪い荒地、速度を上げてコンペ参戦を考えるならホワイトウォーカー。その全ての上に君臨するのが、この「アンチマター 114」だろう。

実際に乗ってみて、個人的にはこれまでのアルマダっぽさが良い意味で薄まったというか、変化・進化した印象を受けた。「これって各モデルのいいところを高めたのでは?」的な。

このモデルは、フリーライド大会やビックマウンテンを目指す人、まずは技術のベースを持っていて、ぶっ飛ばしながら次のターンに躊躇なく突っ込める人に良く、アルペン経験者にはイチオシだ。そのうえで、ボコボコの荒れ面・湿雪・アイシーなど、どんな状況でも安心して突っ込んでいきたい人、そして今よりスピードレンジを上げたい人に、最適の選択になると思う。

【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約30日
身長 151cm / 体重 59kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)・パーク・コブ
自称レベル:上級
My Gear:DYNASTAR/ M FREE(188cm)
│Binding:MARKER/DUKE PT 16│Boots:ATOMIC/HAWX 130

【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★☆
カービング:★★★★★
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★☆☆

「S/LAB QST X」はこんなスキー

SALOMON/S/LAB QST X│D=140-116-127mm|R=25m (184cm)|L=178, 184, 192cm│¥143,000

“フリーライドの無限の可能性”を体現する、サロモン QSTシリーズの上位ライン「S/LAB QST」。超軽量でツアー対応の「ECHO(106mm)」、ハードなライディングを想定し、若手アスリートと開発した「BLANK(112mm)」、そして最もワイドな116mmの「X」で構成。本機は“パウスレイヤー”として、高い浮力と優れたダウンヒル性能を発揮。ブランドの技術的到達点を示し、仏ラグジュアリーブランド監修のデザインも特徴。

SALOMON至高のフリーライドを2名が体験。まずは、「パドルクラブ」の佐々木 謙さん。

軽量ながらセンターにしっかり安定感を持たせ、トップとテールにかけてのしなやかな剛性バランスが特徴的。足元には適度なハリがあり、エッジグリップと操作性のバランスに優れています。

整地でのターン性能は、R値(約25m)より扱いやすく、低速域ではずらしやすさと操作性の高さが際立ちます。 中速域では安定して滑れますが、高速域では軽量ゆえ頼りなさを感じる場面も。

センター寄りのバランス設計によりスイングバランスが良く、ツリーランでも取り回しやすい。大きなトップロッカーが荒れた雪面でも衝撃を吸収して、マイルドな乗り味に。 

パウダーでは雪上をグライドするサーフライクな性格が強く、地形や起伏に合わせた自由なライン取りがしやすいです。 軽量性と浮力を活かし、軽さとしなやかさをバランスよく備えた一本です。

【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約60日
身長 168cm / 体重 65kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:北海道全域
My Gear:BLIZZARD/RUSTLER(180cm)
Binding: MARKER/
Boots: K2/MINDBENDER 130

【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★★☆
カービング:★★★★☆
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★★★
遊び心:★★★★☆

ユーザーの中里祐太さんも試乗し、上級者でも満足できる仕上がりと評した。

足元は安定感を持たせつつも、ノーズとテールはしなやかな仕上がり。軽い板ではないが、ブランクよりも操作性を高めようという意図を感じた。ブランクでは重い、ストイックすぎるなと感じる方におすすめ。上級者も満足できる板だと思います。

ノーズのロッカーを長めにとっており、センター幅と合わせて、パウダーでの浮力には期待できる。ただ、今回試乗会のように硬いアイスバーンの上にシャバ雪が乗る荒れたバーンでは、板がやや不安定に感じる場面があった。

特にパウダーでの操作性を求める人、一日の滑走時間が長く様々なシチュエーションで楽しむ人におすすめできそうです。

【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約40日
身長 167cm / 体重 60kg
滑り志向:フリーライド(パウダー)・パーク
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ:石打丸山スキー場、札幌エリア
My Gear:Ski: VÖLKL/REVOLT 114(178cm)
Binding: LOOK/PIVOT 15 GW
Boots: NORDICA/DOBERMANN 5 M L.C.

【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★☆☆
操作性:★★★★★
カービング:★★★☆☆
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★★★
遊び心:★★★☆☆

比較から見えてきたこと

ANTIMATTER 114はチタナルによる力強さと安定感を備えながら、ロッカーを活かしてスラッシュやスミアも楽しめる、攻めと遊びを両立した一台。一方のS/LAB QST Xは、軽量なKaruba+Poplarコアとカーボン/フラックス、大きなロッカーによる浮力と軽快さが持ち味。雪を押しのけて突き進むか、表層を軽やかに駆けるか。ビッグラインをどう滑るか、頭の中にあるイメージとリンクさせてみよう。

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