スペックの数字だけではうかがえないスキーの「乗り味」や「性格」の違い。これぞスキー選びの奥深さ、面白さでもある。そこで、類似した2つの26ー27注目モデルをピックアップ。ユーザーの試乗レビューを軸にそれぞれの個性を読み解いてみよう。あなたはどちらを選ぶ?
CANDIDE SKIS「BC 111」それとも K2「RECKONER KF」?

トップライダーの思想が色濃く反映された、110mm台のシグネチャー系フリーライド。それぞれの個性は?
| Model | D(ディメンション) | R(ラディウス) |
| BC 111 | D=141-111-135mm | R=20-35m |
| RECKONER KF | D=137-114-134㎜ | R=23m(184㎝) |
「BC 111」はこんなスキー

パークからアラスカまで滑走フィールド別に全5モデルを展開するCANDIDE SKIS。そのなかで、初期から続く基準モデルとされる「BC 111」。ゲレンデ向けの「RESORT 101」とビッグマウンテン仕様の「AK 121」の中間に位置し、リゾートからバックカントリーまで対応する万能フリーライドモデル。センター111mmの浮力に加え、操作性と高速安定性も備える。
CANDIDEユーザーである鈴木信也さんが、“究極の一本”と呼ぶ本モデルの実力は?
キャンディッド・トベックスが作ったスキーと思うとハードルが高い気もしますが、乗ってみるとクセがなく、安心感たっぷりで、愛用しています。
なかでもテールのハリが気に入っていて、ターン・ジャンプにおいても助けられてます。硬すぎない適度なハリがあって、荒れた斜面でもバタつかずにコントロールができる。あえてテール重心に乗った大きなターンをすると、テールが粘って気持ち良い弧を描けるんですよね。大回り〜小回り、どれも気持ち良くターンできます。
低速・高速域での反応の違いもありません。ビシッと決まった圧雪バーン、春の悪雪でも操作性は高いですね。スイングウェイトが非常に軽いので、どんなシチュエーションでもストレスのない板の操作が可能なんです。
この「BC111」は、とくに荒れた斜面での高速域安定性が抜群! ゲレンデでパウダーを満喫した後、ボコボコに荒れた斜面でこそ本領を発揮します。
ウエスト幅111㎜ですが、早めに立ち上がったロッカーのおかげで、パウダーでも浮力は十分。深雪のなかでの上下の動作も得意なスキーなので、あえて沈ませたり浮かせたりといった滑り方や、パウダーでのバターの動き、テールに乗ったターンによるフェイスショット、地形に合わせた大きなスプレーなど、どんなシチュエーションにおいても高い満足度で滑れる究極のスキーだと思います。
降雪のある朝イチはパウダー狙い、降雪がなくても地形・壁で遊んだり、カービングしたり、パークでキッカーを飛んだり、家族スキーで子供と一緒のときは地形を拾いながら楽しく滑っています。1本のスキーで山を遊び尽くしたい人にとって、最高にハッピーな一台ではないでしょうか!
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約90日
身長 180cm / 体重 70kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:サッポロテイネ
My Gear:
Ski: 4FRNT/HOJI(191cm)
Binding: MARKER/KINGPIN 13
Boots: LANGE/XT3
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★★
カービング:★★★★☆
万能性:★★★★★
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★★
「RECKONER KF」はこんなスキー

K2 フリースタイルライン「RECKONER」の最上位モデルは、Karl Fostvedtのシグネチャー。92〜124mmの全7モデル中、114mmはビッグマウンテン寄りに位置する。標準モデルよりも約14%強化したフレックスと、フルレングスカーボン層により反発と安定性を両立。パークやストリートを軸に、パウダーやスケールの大きなライディングにも対応する。“Crazy Karl”の異名を持つ彼のスタイルを体現する一本。
「OFF-1」の高木啓次さんは、同機の扱いやすさに触れ、パウダー専用機と評価。
サイズや幅の割にトップの軽さによるスイングの軽快さを感じました。それでいてスピードが乗ったときや、しっかりと踏んだときには、安定したターンができ、さらに軽快な操作感が発揮される感じがしました。
整地でスピードが出るとトップのバタつきが若干ありましたが、そのぶん操作が軽く感じるので、トレードオフかなと。
試乗では整地に荒れたパウダー少々でしたが、ボコボコがまったく気にならない浮力と走破性を感じました。それでもフレックスが硬すぎて板が動かせないといったことはなく、ある程度スピードを出して滑れる人であれば、見た目よりも扱いやすいと思います。
パウダーの中でも軽さやスイング系の動きの良さを求める人にマッチする板だと思います。パウダー専用機として持ちたい一台ですね。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約15日
身長:167cm / 体重:71kg
滑り志向:リゾート・ フリーライド(パーク・パウダー)・コブ
自称称レベル:上級
My Gear:Ski:K2/OMEN TEAM(165cm)|Binding:MARKER/JESTER 16|Boots:K2/ANTHEM 115 BOA
【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★★☆
カービング:★★★☆☆
万能性:★★☆☆☆
浮力性:★★★★★
遊び心:★★★☆☆
ユーザーの田中奏多さんは、同シリーズの別モデルとはまったく異なる感覚を得たようだ。
他のレコナーシリーズとは完全に別のフィーリング。フリーライドに寄っていて、カーボンの反発と硬さを感じる。
ツインなのでずらしは比較的やりやすい。高速でパウダーを滑りながらのずらしやトリックにピッタリ。ただしっかりスキー板の中心に乗れていないと弾かれる。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約80日
身長 163cm / 体重 69kg
滑り志向:フリーライド(パウダー・BC)・パーク
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ:HAKUBA VALLEY
My Gear:Ski:ROSSIGNOL/SENDER FREE 110(176cm)
Binding: LOOK/PIVOT2.0 15
Boots: SALOMON/SHIFT ALPHA BOA 130
【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★★☆
カービング:★★★☆☆
万能性:★★★☆☆
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★☆
比較から見えてきたこと
トップライダーの個性を色濃く映したシグネチャーな2台。BC 111はCandide Thovexらしく、圧雪からパウダー、地形までフィールドを越えて、自分だけのラインを描ける自由度の高さが魅力。一方、RECKONER KFは、自然地形を巨大なパークに変えてしまうKarl Fostvedtのスタイルを反映し、飛ぶ、回す、バターする、と常識にとらわれず山を遊び尽くす。クリエイティブに描くか、マルチに遊びまわるか。2人のキャラクターに自分を重ねてみよう。

