14年経っても古びない。Tom Wallisch『A Walk in the Park』が残したもの

2012年に公開されたTom Wallischの『Jiberish: A Walk in the Park』を改めて見ると、13年以上前の映像とは思えないほど滑りが洗練されている。

レールやBOXの上で、回転していた方向と逆回転するプレッツェル、180度の載せ替えからさらに進んだ360スワップ、左右両方向へのスイッチダブルロデオ1080、ランディングでのバター。彼が頭角を現した2000年代後半は、そのプレッツェルを見て「どうやったら逆回転をかけられるんだ」と多くのライダーが試していた時代だった。

Wallisch自身が注目を集めるきっかけになったのが、Level1のアマチュア発掘コンテスト「SuperUnknown V(2007)」へ投稿した映像だ。彼はその映像に360スワップまで入れていた。

その後、プレッツェルやスワップはフリースタイルの定番になった。ワイドボックスやレールにいけば、何本も載せ替えやプレッツェルを練習しているライダーがいる。うまくいかなければ、板を脱いでハイクアップ。うまくいけばみんなで盛り上がる。クタクタになるまでハイクアップのセッションは続いていく。パークに通っていた人なら、そんな光景を一度は見たことがあるはずだ。

それ自体が「スキーに行く」目的になるほど、ジブは一つのジャンルとして発達していった。しかし、どれだけ他のライダーに引用されても、ひと目で彼の滑りだとわかる核がある。それがWallischの着地だ。

高回転のトリックでも、着地した瞬間に身体がほとんど暴れない。着地したそのままの姿勢で、すぐ次のジャンプへ向かえそうなほど安定している。この独特の着地には「Afterbang」という言葉が使われた。その後、着地後にスタイルを出す表現はさまざまに発展し、現在では多くのライダーが磨きをかけている。

それでも彼の着地は、有象無象のなかに埋もれなかった。
どんなトリックをしていても、簡単そうに見える一連の流れと、それを決定づける着地を見ればTom Wallischと一目でわかる。

『A Walk in the Park』は、彼が最も勢いに乗っていた時期の滑りを3分15秒に収めた映像だ。
いま見ると、その後のライダーたちが何度も繰り返してきた動きが出てくる。

その既視感こそが、Tom Wallischがその後のフリースタイルスキーにどれだけ影響を与えたかを十二分に示している証だ。

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