ライダーは、なぜそのゴーグルを選ぶのか。そこに何を求めるのか。雪山を滑り続けてきた児玉 毅と中村陽子が語る、それぞれの選択とこだわり。バックカントリーで求められるゴーグルの本質と、その進化に迫る。
ほかの人より地形が見えている。それはライダーにとって大きなアドバンテージ

児玉 ライディングに欠かせないゴーグルの絶対条件として、僕は「曇らないこと」を考えてるけど、陽子はどう考えてる?
中村 そうですね。曇らないのはもちろん大前提。その上で単純に私がゴーグルに求めてるのは、すごく見えることなんですよ。
児玉 やっぱり視界?
中村 はい。スノーボーダーって地形をすごく大事にしますから。ChromaPop(色のコントラストを高め、地形の凹凸を見やすくするレンズ技術)みたいにコントラストを上げるレンズだと、薄い地形でもポイントを見つけやすい。ほかの人より地形が見えてるっていうのは、ライダーにとってすごく大きなアドバンテージだと思います。
児玉 なるほどね。僕の場合は厳しい天候のなかで長時間活動することが多いから、曇らないことは安全にも直結するんだよね。突然曇り始めると、それだけで危険になる。
中村 うん、それは絶対そう。
児玉 ただ、レンズ性能だけじゃなくて、換気だったり、外から雪が入ってこないフィット感だったり、いくつもの条件が揃って初めて「曇りにくい」になるんだと思う。
中村 昔と比べると、やっぱり変わりました?
児玉 全然違うね。昔はもっと気を使ってた。それこそ普段使うものと大会や撮影の本番用とでゴーグルを分けて、「この1分のため」っていうタイミングで付け替えたりしてたから。今はそれをする必要がほとんどない。
中村 大会で「さあスタート」っていうときに曇ったら最悪ですもんね。
児玉 そう。もちろん大汗をかけば換気が間に合わないことはあるから、バックカントリー(以下BC)なんかではそうならないように行動することも必要。それでも昔は気をつけていても突然曇ることがあった。そこはかなり進化したと思います。
中村 安心感は全然違いますよね。
いいギアは、身につけていることを忘れるくらいのもの

児玉 僕にとって、いいギアの定義は「つけていることを忘れるぐらいのもの」なんだよね。体と一体化しちゃうぐらいのもの。4D MAGは視界の広さも、曇りにくさも、コンディションによる見え方も、お世辞抜きにすべて高いレベルで満たしてくれてる。見にくくてゴーグルを取りたくなることが本当になくて、ずっとつけていられるんだよね。
中村 私は4D MAGとSquad MAG、両方使ってます。
児玉 フィールドで使い分けてる?
中村 はい。BCだったら4D MAGが多いかな。4Dって手元がめっちゃ見えません?
児玉 そう、下方向が広いよね。
中村 そうなんです。胸のあたりまで見える。バックパックをつけるときも、以前は手探りでやっていたのが、バックルが見えますよね。BCって準備でわちゃわちゃするから(笑)、手元の視界が広いのはすごくラク。
児玉 レンズ交換も本当にやりやすくなったよ。以前だと交換に時間がかかって、その間に雪が入ることもあったから、ゴーグル自体をふたつ持って行って直接付け替えることも多かった。でもいまはマグネット式だから、その場面に合ったレンズに一瞬で交換できる。
中村 それは私も大事です。ジャンプして雪に刺さって転んだりするから、雪が入ってゴーグルが死ぬこともあるし。だから交換が素早くできるのはすばらしいですね。

4D MAG Emerald ReNU Upcycled Scrap
レンズ下部が顔側へカーブする独自のBirdsEye Visionにより圧倒的に広い視界を確保。ハイコントラストで地形を鮮明に捉えるChromaPopレンズ、素早いレンズ交換が可能なMAGシステムも搭載。
¥66,000|フレームカラー=Emerald ReNU Upcycled Scrap|レンズカラー=CP Everyday Green Mirror|付属レンズ=1枚(CP Storm Amber)
児玉 ちなみにSquad MAGの出番はゲレンデが多いの?
中村 そうですね。私は平面レンズのシルエットというか、見た目が好きで、デザインに惚れてます(笑)。ゴーグルって機能と同じくらい、身につけたいと思えることもやっぱり大事なんですよね。
児玉 確かに、ゴーグルってライダーの「顔」みたいなものだからね。
中村 そう。カメラを向けられたときに、ゴーグルがカッコいいっていうのも大事。SMITHは機能だけじゃなくて、フレームやバンドの選択肢が豊富な点も本当に魅力だと思います。
児玉 シンプルなデザインだけじゃなく、結構凝ったのもあるよね。あと、デザインもそうだけど、SMITHってもうこれ以上新しいものを作るのは難しいんじゃないかと思っても、ちゃんと進化させてくるのがすごい。レンズの見やすさだったり、交換のしやすさだったり、一つひとつのクオリティが着実に上がってる。

Squad MAG Black
SMITHのアイコニックな平面レンズのスタイルを継承しながら、MAGシステムを搭載。ChromaPopレンズや、通常の5倍の曇り防止機能をもつ5Xアンチフォグも搭載するなど、視界性能も抜かりなし。
¥52,800|フレームカラー=Black|レンズカラー=CP Pro Photochromic Blue Mirror|付属レンズ=1枚(CP Storm Amber)
中村 あとはスカウター機能ですかね? 相手の戦闘能力が見えるとか(笑)。
児玉 それ重要な情報かも(笑)。マイクとかカメラがレンズに内蔵されて、GoProをつけなくても撮れたりしたら最高だよね。
中村 AIが地形を見やすくしてくれるとか?
児玉 ホント、ゴーグルがどこまで進化するのか想像つかない。夢は広がるよ。
Profile

中村陽子 Yoko Nakamura
北海道札幌市出身。大学2年の冬にスノーボードを始め、ハーフパイプ競技を経てフリーライドへ転向。2012年にはアラスカで開催された世界大会で2位、翌年には優勝を果たす。現在は国内外のバックカントリーを舞台にして、撮影を中心に活動。
Instagram:@yoooran

児玉 毅 Takeshi Kodama
北海道札幌市出身。4歳でスキーを始め、19歳で三浦雄一郎&スノードルフィンスキースクールに入門。国内外の難斜面や極地、高所への遠征を重ねる。2012年からは写真家・佐藤圭とプロジェクト「地球を滑る旅」を続け、世界各地を滑る。
Instagram:@skiertake0728
Text=Tomoko Fukutaki
Information
SMITH
公式サイト: https://smithjapan.co.jp/
公式SNS:Instagram|Facebook

