
ブランドを象徴するフリーライドシェルが戻ってきた。顎との干渉を回避する独自の曲線ジッパーを継承しつつ、環境負荷を抑えた最新素材と現代的なフィットによって再構築した。
小さなストレスを解いた曲線。25年を経た構造の再定義
アークテリクスがスノーアクティビティに向けたライン「ディセントコレクション」を発表した2001年当時、スキーウエアのフロントジッパーは胸の中央を直線的に走る構造が主流だった。
しかし、この直線のジッパーは、襟を閉めた際にスライダーが顎と干渉し、不快感を覚えるという構造的な課題を抱えていた。この問題に対し、アークテリクスは斜め上の発想で解決を図る。
それがジッパーを中心から逸らし、湾曲させて配置するアシンメトリー構造だ。この試みは、単なる機能的な解決策だけでなく、厳しい山の環境において、性能を追求するアークテリクスの設計思想を視覚的に象徴するデザインとして存在感を示した。誕生から四半世紀が経過した現在も、この特徴的な曲線を描くフロントジッパーは、アイコンとして受け継がれている。
そのジャケットが今の環境基準と滑り手の要望に応えるべく、全面的に刷新された。
通常は直線で構成されるジッパーを湾曲させて配置する工程は、生地に不自然な応力や歪みを発生させる。そのため、縫製と設計に極めて繊細な精度が要求されるのは容易に想像できるだろう。そこで、最新のサイドワインダーでは、この曲線を形成するにあたり、クラフトマンによる技術によって立体的なカップ状に湾曲させる手法が採用された。
これによって、顎への干渉を防ぐだけでなく、操作性と耐久性、さらには修理のしやすさを両立した。また、素材には、薄く軽量なゴアテックスePEメンブレンを組み込んだ100デニールの3層ファブリックを採用。さらに、バックパックを背負った時に摩耗の影響を受けやすい肩から背中・胸の上部や袖部分には、同系色の100デニール・リップストップ表地を配置することで、局所的に補強している。
極限まで削ぎ落とされた1.6ミリのマイクロシームによる縫製技術と洗練されたシームラインの融合が、過酷な山岳環境に耐えうる防水性、防風性、透湿性を提供しているのだ。
開発にあたって、プロダクトチームは初代モデルを改めて見返し、サポートアスリートと対話を重ねて設計を更新している。とくにフィット感は現代的なリラックスフィットへと調整された。
なお、今の課題である環境負荷の低減に向けては、表地にリサイクルナイロンを使用し、PFASフリーのゴアテックスePEおよびブルーサイン認証素材を採用している。
山で快適に過ごすために導き出された、必然のアシンメトリー
1. 顎への擦れを防ぐ特徴的な作り

クラフトマンによる技術によってフロントジッパーを立体的なカップ状に湾曲配置。襟まで閉めた際にも、スライダーが顎へ直接触れないため、レイヤリング時のジッパー同士の干渉を防いでくれる。ジッパーを少し開けても左右非対称のフラップによって、襟の形状を保持できる設計はよく考えられた作りだ。
2. ヘルメットに対応したフード

悪天候や激しい強風下のコンディションでも、確かな視界を維持するラミネート加工のブリムを備えたストームフードを採用。大ぶりのフードは、ヘルメットをかぶった状態からでもドローコードで均一に絞り込むことで、頭部にジャストフィット。周囲を見回すような動きに高い追従性をみせる。
3. 堅牢なリップストップ生地

バックパックのショルダーストラップをはじめ、接触が多く摩耗しやすい肩周りや袖部分には、100デニールのリップストップ表地をマッピングしている。ベース生地に対して太く高強度の糸を格子状に織り込んだ構造は、局所的な摩擦への耐久性と防護性を高め、穴あきや破れに強い作りになっている。
4. 肩周りの動きを補助する裁断

立体構造と脇下のガゼット構造を採用。重ね着をした状態でも肩周りや腕の屈伸運動を妨げることなく、広い範囲にわたって可動域を確保する。腕を高く上げたりするような大きな動作をしても、裾がずり上がらないため、激しい動きを伴うライディングには最適だ。

SIDEWINDER JACKET サイドワインダー ジャケット
サイズ:XS〜XL
カラー:全4色
¥143,000
サイドワインダージャケットに合わせるパンツ

SABRE BIB セイバー ビブ
サイズ:XSR~XLR
カラー:全3色
¥118,800
素材には、快適性を高めるフランネル裏地を採用した100Dの3LのゴアテックスePEファブリックを使用。レギュラーフィットの適度なゆとりが、動きやすさをもたらす。
Photo=Shota Kikuchi
Information
アークテリクス
公式サイト:https://arcteryx.jp/
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