コロナ禍のいま、八方尾根、岩岳、栂池はいまどうなっている?

世界中で蔓延するコロナウィルスによって、予想だにしない状況で幕を下ろした19-20シーズン。白馬八方尾根、白馬岩岳マウンテンリゾート、栂池高原を運営する白馬観光開発に現状の様子を聞いた。

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白馬観光開発の夏季営業、具体的なコロナ対策

7月15日現在、3つの事業所は共通した新型コロナウィルス感染予防対策を策定して夏の営業を行っている。

はじめに5月16日より岩岳が週末のみ長野県民限定でグリーンシーズンをスタートさせ、6月1日から八方尾根と栂池高原、先行してオープンしていた岩岳も地域を問わず一般営業を開始した。

具体的なコロナ予防策は、コチラの内容を参照してほしいが、ここでは八方アルペンラインを利用するにあたっての例を挙げてみよう。

  • 来場者に厚生労働省のアプリ「COCOA」のインストールを勧めている
  • チケット購入時に窓口にてアプリ画面を提示し、乗車券購入という流れ
  • アプリのインストールが難しい場合は、チケット購入時に利用同意書への記入が必要になる。これは万一、感染者が出た際の連絡体制整備のためだ
  • 施設内はマスクの着用。施設に設置されたアルコール消毒液を入出店時には手指の除菌を行う。
  • ゴンドラリフトの乗車人員の制限と消毒。乗員定員の50%(3名)乗車を基本にして案内される。乗車搬器は都度ごとにアルコール消毒を実施
  • チケット購入は複数人の場合、代表者1名が売り場へ行く
  • レストランでは常時換気、適宜にアルコール除菌、レジには飛沫感染防止用シート加工
  • 従業員は毎日の健康確認、マスクや手袋の着用、手指除菌を徹底しているのは言うまでもない。
栂池高原の夏ゴンドラ
利用同意書(栂池高原)
ゴンドラ山麓駅の乗り場に設置した除菌ルーム(栂池高原)

リフト運行だけでも、こうした施策を立てて夏営業を行っている。 冬に向けての見通しを白馬観光開発のマーケティング室の斎藤耕平さんに尋ねてみた。

「現在は感染対策を十分に講じて、安心して白馬の魅力を楽しんでいただける環境づくりをしています。オールシーズンマウンテンリゾートの白馬エリアに四季を通じて来ていただけるよう、冬季についても、感染対策を含めてどのような営業体制を敷くかを検討をしています」

といった回答だ。

緊急事態宣言中はこんな施策を行っていた

4月7日に発令された政府による緊急事態宣言。その翌日に八方尾根が、翌々日に栂池高原が営業を停止した。なお、岩岳は3月29日で営業を終了している。

営業中だった二事業所の現場スタッフはただちに自宅待機。自粛期間中は各事業所がそれぞれに春の白馬の様子を頻繁にSNSで発信し続けた。現地に行けずとも、真冬とは違う魅力が溢れた白馬の模様をユーザーに届け、来年はぜひ来てほしいというメッセージを送り続けたのだ。

とくに、岩岳では新緑と残雪のコントラスが美しい白馬三山を自宅から見てもらえるようにと、”#ステイホームトラベル”と銘打ち、「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」での無観客ライブをSNSやYoutubeを使って配信した。

白馬マウンテンハーバー絶景無観客ライブ powered by GOAT アーティスト:Mr.Moi

八方・岩岳・栂池の夏シーズンはどんなところ

各事業所はそれぞれ夏のリゾート営業も盛ん。一年を通して山岳リゾートを楽しめる場所だ。

八方尾根はスキー場トップまでゴンドラとリフトで上がれるアルペンラインがあり、標高2,000m付近まで一気に上がってトレッキングが楽しめる。

アルペンラインでスキー場トップまで上がり、そこから八方池までのトレッキングが人気

栂池高原は標高1,900mにある高層湿原帯の栂池自然園につながっており、散策に最適な場所だ。また、さまざまなアドベンチャー施設がある「白馬つがいけWOW!」も人気だ。

栂池自然園

両施設の間に挟まれた岩岳は、’19年に山頂部にオープンした「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR(白馬マウンテンハーバー)」が大好評。白馬三山の絶景を眺めながらゆったりくつろげるとして、老若男女を問わず多くの人が足を運んでいる。

HAKUBA MOUNTAIN HARBOR

夏の八方、岩岳、栂池高原の情報はコチラから。
https://www.nsd-hakuba.jp/

まとめ

夏営業を行うことでコロナ禍における、必要な所作や課題が浮き彫りになるだろう。白馬観光開発の運営母体は日本スキー場開発。白馬以外にも長野県内をはじめ岐阜県や群馬県の施設もある。各地でさまざまな知見を得て共有しあい、それを蓄積することで、冬に向けた予防策の基本指針をアップデートしていくはず。

冬の運営はウィルスの状況とそれを受けた行政の取り組み、世間の動向などを見守りながら判断していくというところだろうか。

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