南半球のスキー場で今、何が起こっているのか コロナをめぐる今の事情② -ニュージーランド編 | The damage COVID-19 is dealing to ski resorts in the Southern hemisphere.

◆コロナをめぐる今の事情① -オーストラリア編はこちら!

NZ(ニュージーランド)は今…

日本が夏の間、スケールの大きなライディングができるニュージーランド。北島・南島と分かれるが、特に南島には、Mt.Hutt(マウントハット)、Cardrona(カードローナ)、Treble cone(トレブルコーン)、Coronet Peak(コロネット・ピーク)、The Remarkables(リマーカブルス)といった人気のスキー場がある。

南に行くほど寒く、積雪量も豊富で安定しているため、雪質もよく、中でもMt.Huttはパウダーで有名だ。Cardronaは世界水準のクオリティの高いハーフパイプがあり、例年ならば、この時期は世界中からプロライダーたちがわんさかとトレーニングに訪れる。

ニュージーランドでは、今、新型コロナウィルスを取り巻くスノーリゾートの環境はどうなっているだろう。

Coronet Peak

ニュージーランドとスキーエリアの現況
スキーリゾートは開いている!

2020年8月12日にオークランドで新型コロナウィルスの感染者が4人出た。このことを政府は大きく問題視し、第二派の広がりに警戒心を強めている。このため、オークランドでは警戒度がレベル3へと引き上がり、オークランド以外の地域ではレベル1から2へと移行した。

【警戒レベル2】のもとで例外なく
すべてのニュージーランド人がしなくてはならないこと

・もしも体調が悪かったら、自宅待機をすること
・知らない人とは2m、知っている人とは1mの距離をとること
・頻繁に手を洗うこと
・咳やくしゃみをするときは腕で口を覆う(手だと他の物に触るため)
・どこに行って誰と会ったか、できる限りCOVID Tracer アプリで記録しておくこと。このアプリを使うことを強く奨励
・マスクや顔を覆うものをできる限り着用すること

スキーエリアに求められる対応

オークランドは北島の中心都市で、多くのスキーリゾートが集まるのは南島。しかしながら、レベル2へと警戒度が増したことによって、すべてのスキーリゾートで新しいルールを適用せざるをえなくなった。以下が大きめのスノーリゾートが採用している予防対策だ。

・リゾートそのものへの受け入れ人数を減らしている
・平日のほうが人が少ないため、できるだけ平日の利用を推奨
・リフトパスは事前にオンラインで購入する。その際にプロフィールや連絡先などの個人情報を入力する必要がある
・基本的にリゾートはキャッシュレスで現金は扱わない。買物時にはカードのみ受付(お金を介しての接触を避けるため)
・ソーシャルディスタンスの確保のため、特にカフェなどで入れる人数を制限
・このためカフェに列ができたりするので、自分でランチを持参したり、マイカーの中で食事をとることを考えることを要請
・なるべく友達や家族、普段から顔を合わせている人と一緒に滑るようにする。それによって他者との距離をとりやすくする
・リゾートがコロナの危機に適応するまで、広く理解と忍耐を求める …など

Ski in bubbles.

そして、特徴的なのが「Ski in bubbles. 」「バブルで滑ろう」とバブル化を推奨していること。「バブル」とは、ひとつ屋根の下に暮らしている人たちのことを示す。同居家族に限らずルームメイトやシェアハウス、ニュージーランドならば、若者を中心に利用されるバックパッカーの宿なども含まれる。

バブルはシャボン玉のイメージだ。シャボン玉を想像してみよう。シャボン玉の中が身内で、他のシャボン玉が他人ということになる。それぞれのシャボン玉の飛んでいる間の空間がソーシャルディスタンスになる。皆がバブル単位で滑ったり行動していれば、それぞれ一人で行動している場合よりも、物理的に広いスペースが生まれる、感染リスクが軽減するというわけだ。そして、シャボン玉はぶつかると割れてしまい、中の空気が混ざり合ってしまうので、感染のリスクが高まる。そんなイメージだ。

Ski from your car.

これも特徴的な取り組み。基本スタンスとして、マイカーを拠点にすること。天候の悪いときのシェルター(避難場所)として利用したり、休憩したり、暖をとるとき、ランチをとるときもクルマで、というスタイルを推奨している。
「just like a old days! 」
そして、昔ながらの車ピクニックスタイルでいこう、と呼びかけている。

Coronet Peak

リゾートごとの対応はこうだ

以下が8月下旬の現在、各スノーリゾートでとられている対応だ。

Mt.Hutt  眼下に見えるのがベースロッジ駐車場
Mt.Hutt|マウント・ハット

・連絡先を記録するためにID登録が必要
・レベル2の状態の間はソーシャルディスタンスを確保するために、入山者の数を制限する
・ベースロッジの駐車場のみ開放、そこ以外は駐車禁止
・大型車両が550台分、マイカーサイズは50台分の駐車スペース、シャトルバスの運行はなし(自分で来られる人のみ)
・もしもランチを持参するならマイカーで食べること
・バブルで滑り、リフトに乗るときはバブル間では2席分の距離を空ける など

Treble cone
Cardrona・Treble cone|カードローナ・トレブルコーン

・ゲストはすべてオンラインで事前購入したリフトパス(MyPass card)が必要
・MyPass cardにはアップデイトされた連絡先が登録されていないといけない
・屋内のカフェやレストランは100人までの入場制限
・レベル2の状態の間は、カフェに荷物置き場はなし
・Ski from your car /悪天候の時にはマイカーをシェルター(避難場所)として利用すること。休憩したりランチをとるときも車で
・リフト待ちの列では1mの距離をとる。ひとつ屋根の下で同居している人(同じバブル)はスペースを空ける必要はない   など

Coronet Peak
Coronet Peak・The Remarkables|コロネットピーク・リマーカブル

・ゲストはすべてオンラインで事前購入したリフトパス(MyPass card)が必要
・MyPass cardにはアップデイトされた連絡先が登録されていないといけない
・レベル2では入山者の数を制限する
・入場制限がかかるのは、リマーカブルでは第4駐車場にまで人が始めた場合、コロネットピークでは第5駐車場がいっぱいになり次第、入場制限。第6駐車場からは受け付けない
・リフトも一度に乗れる人数を制限
・山を色でゾーン分けし、赤はカフェやレストラン(食事をするゾーン)は100人しか入れない。オレンジは小売のお店で1mの距離をとること、居場所の記録が必要、グリーンは制限なし(ゲレンデやアウトドア)とする
・クルマをベースロッジとして使うこと。荷物はクルマに置く、ランチもクルマで
・リフト待ちの列では1mの距離をとる。これは徹底すること。ひとつ屋根の下で同居しているバブルはスペースを空ける必要はない
・F&B(食事処)が提供するフードには限りがあるため、自身で持参するのが望ましい  など

スキー場の「この瞬間」を見る
ライブな Web Cameraで実況をチェック!

この目で今のスキー場のリアルな様子が見たいときに便利なのがWebカメラ。コロナ禍の中でどれくらいお客さんが来ているのかなどもうかがえて、興味深い。

ちなみに8月27日(木)ウィークデーのお昼頃というのに、カドローナにはこんなにリフトに列ができている! ちょっとビックリ。パークもピカピカ、コンディションもよさそうだ。こんな風景を見ると自分もリフトに乗りたくなる。

カードローナのリアルタイムなWebカメラ

◆Cardrona http://www.cardrona.com/winter/mountain/webcams/


上空のヘリから眺めるMt.Cook

ヘリスキーのオペレーションはどうなっている?

ニュージーランド最高峰のMt.Cook(標高3,724m)を舞台に提供されているヘリオペレーションは、8月下旬現在、レベル2のもと営業している。

コロナ対策としては、ヘリの乗客シートの利用調整をしているそうだ。ヘリの機内さえ感染対策をすれば、ヘリからドロップしてしまえば、そこは大自然の広大なスノーフィールドだ。ソーシャルディスタンスも Ski in bubblesも気にする必要はない。その点、ヘリスキーはいいね!

日本がこんなに暑い毎日でも、Mt.Cookはご覧のとおり。爽やかな青空と輝くパウダー、思い通りのファーストトラック…。気持ちのいい大自然の映像を見て、せめて気分だけでも味わいたいものだ。Mt.Cook HeliskiのFace Bookでアップデイトのヘリスキー動画も公開されている。ぜひ覗いてみよう。

https://www.facebook.com/mtcookheliski/videos/781346032678649/

◆コロナをめぐる今の事情① -オーストラリア編はこちら!

Text・Edit/STEEP編集部  Photos/Tony Harrington

※掲載されている内容は2020年10月の情報です。

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