フリーライドスキー&スノーボードがついにFIS(国際スキー&スノーボード連盟)の公式種目に認定! 五輪競技になる日も近い? @2024.06.05/FIS総会(Reykjavik,ICELAND)

@2024.06.05/FIS総会(Reykjavik,ICELAND) FWT運営事務局

2024年6月6日、世界のスノースポーツ界にこんなニュースが飛び込んできた。
国際スキー・スノーボード連盟(FIS)が、2024年6月5日のFIS総会においてフリーライドスキー&スノーボードを正式な種目として認定した、というのだ。この歴史的な決定はスノー業界に絶大なインパクトを与え、今後アスリートやこのスポーツにもたらされる変化や恩恵の大きさに、関係者を湧き立たせている。

実は、2022年12月にFISはFWT(Freeride World Tour)をM&Aで傘下に収めて、フリーライドを統合する下準備を整えていた。FISとWFTの協力は2023年から始まっていたのだ。それをふまえて2024年6月5日、アイスランドのレイキャビクで開催されたFIS総会において、FISおよび各国スキー協会のメンバーによる投票が行われ、全メンバーの一致で、フリーライドスキー&スノーボードが正式種目として承認された。

FWTの競技会場・スタート地点 なんというエクストリーム!

FWTの創設者兼CEOであるニコラス・ヘイル=ウッズ氏は、こうコメントした。

Nicolas Hale-Woods

「今日はフリーライドコミュニティにとって、とても重要な日です。フリーライドスキー&スノーボードがFISの正式種目として認められることで、これらのスポーツはさらに発展していき、世界中のアスリートに、国際的にそのスキルを披露する場や、情熱を追求していくためのサポートを受ける新たな機会が提供されることでしょう。私たちはフリーライドムーブメントのさらなる広がりと、期待される未来にわくわくしています」

FIS会長のヨハン・エリアッシュ氏は、このように表現した。

Johan Eliasch

「FISは、すべてのスタイルのスノースポーツのベースであり、誰もが楽しめる場所です。フリーライドのような新しくてエネルギーに満ちたエキサイティングな種目を受け入れるのは当然のこと。フリーライドとFWTをFISのファミリーとして迎えられることを非常に嬉しく思います」

FWTは、今後FISの枠組みの中で開催されることになり、競技とアスリートの発展に向けた体系的かつ統一的なアプローチが進められていく予定だ。先に見据えているのは、もちろん冬季オリンピックだろう。ビッグエア、ハーフパイプ、スロープスタイル、スキー&スノーボードクロスなどは、すでに「フリースタイルスキー&スノーボード」というカテゴリーでオリンピック種目となっているが、そこに新たに「フリーライド」というカテゴリーが生まれるのはいつか?自然の山岳エリアが舞台となれば、開催国のセレクトにも興味が湧いてくるというものだ。

ついにFISによる種目認定は、フリーライドコミュニティに大きな影響を与えることは必須で、今後のゆくえから目が離せない。STEEPでも今後に大いに注目し、その動きを追いかけていく。


■FWTとは?

FWTは、険しいむき出しの自然のままの地形をコンペティターが思うように滑り、そのライン取りや滑走テクニック、スタイルなどの観点から世界一競う、世界で最も権威あるフリーライドスキー・スノーボードのコンペティションツアーだ。1996年、スイス・ヴェルビエで本格的に始まったFWTの概要をつかむには、まずこの動画を見るのが手っ取り早い。

世界中をキャラバンする賞金つきワールドツアーという形式や、レベル階層のあるコンペティションのフォーマットが確立された運営は、それまでスキームービーを中心に、そのカルチャーやライディングのスタイルを進化させてきたフリースキーというスポーツにとっては、非常に新鮮で、ある意味画期的だったといえるだろう。

2017年に日本に本格上陸、日本でも、世界ランキングトップ50人だけが出場できるFWTの予選的な「QUALIFIER」というランクのイベントが白馬バレーやアライリゾートで開催されてきた。以来、国内外のトップライダーがテクニカルな斜面に挑むアグレッシブな姿は、たくさんの感動を生み、人々のフリーライドへの興味関心を集めてきた。日本を代表するアスリートの佐々木悠や勝野天欄なども出場し、日本人フリーライダーが世界を目指す登竜門として、毎年大いに盛り上がりを見せている。

FIS公式サイト www.fis-ski.com
WFT公式サイト http://freerideworldtour.jp

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