「さあ、雪ましょう」創立100周年のSAJ、新スローガンとともに新たな未来へ

日本にスキーが伝わってから14年後の1925年(大正14年)に設立されたSAJ(公益財団法人全日本スキー連盟) が、今年100周年を迎えた。節目を記念し、10月31日に東京都内で記念式典が開催され、多くの関係者、選手、報道陣が集まった。

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100年受け継がれた情熱

開会の挨拶に立った原田雅彦会長は、
「雄大な自然の中で楽しむスキーの魅力を、多くの人々に伝えたいという情熱から連盟が設立され、先人たちの想いは今も受け継がれています。激動の時代、数々の難局を乗り越え続いてきたのは、多くの前人の努力に加え、加盟団体、スポンサー、スキー場など多くの方のお力と支えによるもの」と、感謝と敬意をの言葉を述べた。

原田会長(左)より表彰を受けた猪谷千春氏(右)

式典では、原田会長をはじめ、JOC(日本オリンピック委員会)の橋本聖子会長、文部科学省省大臣、そして来年にオフィシャルトップスポンサー契約50周年を迎えるSUBARU、さらに海外のスキー連盟などから、多くの祝辞が寄せられた。

続く功労者表彰では、日本人で唯一の冬季オリンピック・アルペンスキーメダリスト、猪谷千春氏が代表して登壇。
「日頃培った技術を駆使して、悔いのない大会にしてほしい」と出場選手たちに向けエールを送った。

スノーボードを含む名称へと変更、ロゴも一新

そして原田会長からは、連盟の新名称とスローガン、ロゴのデザインも発表された。

2026年8月より、全日本スキー連盟(SAJ)は名称を「全日本スキー・スノーボード連盟」へと変更する。
長い年月を経て築き上げた人気と知名度をさらに高めるとともに、両スポーツの垣根をなくし、互いの強化と発展を図る狙いがある。
新たなロゴデザインは、日の丸・雪山・晴れ渡る冬空をモチーフにした配色で構成。また、スピード感と繊細さ、強靭な技術とクオリティの高さなどを象徴する字体により、続く100年に向けての様々な願いを表現している。

ステージを飾る新たなロゴ

新たな方針は「M・V・V」

さらにSAJは、新たな方針として「M・V・V(Mission / Vision / Value)」を掲げている。 “勝てる”だけではない、皆に愛される選手の育成、自然や文化を尊重する姿勢を強調した。

▶Mission(ミッション)
「雪を極める。雪を広める。」として、スポーツの舞台となる雪山と調和しながら、世界で愛される選手の育成、スノースポーツ文化の普及・継承を目指す

▶Vision(ビジョン)
【強化】世界で愛される強い選手を育て続ける
【普及】スキー・スノーボードを冬の国民的スポーツへ
【共創】スキー・スノーボードを持続的に楽しめる環境を整える

▶Value(バリュー)
<ワクワク> 心が躍るか。胸が高鳴るか
<変革>   良い変化を起こせるか
<世界基準> 世界レベルの視点はあるか
<相互理解> 相手をリスペクトしているか
<自他共生> その先にみんなの笑顔はあるか

雪のように“形を変える”スローガン

こうした目標を達成していくための新スローガンが、「さぁ雪ましょう!LET'S SNOW」というもの。スノースポーツを通して、笑顔の輪を広げていこうというものだ。
「オリンピックを盛り上げて雪ましょう!」や「今シーズンも楽しんで雪ましょう!」など、それぞれの想いを込めた使い方ができる。

原田会長に続き、会場全体でスローガンを復唱する場面も

オリンピックに向けての強化方針

イタリアでの冬季オリンピックが来年に控えていることを受け、河野孝典競技本部長からもは強化方針が発表された。
SAJの新方針に基づくチーム力の強化により、過去最高となる長野オリンピックでの3個の金メダルを上回る、金メダル4個を含む合計9個のメダル獲得と、20以上の入賞者を出すことを目標としている。そのためのサポートも強化していくと述べた。

「国内開催のワールカップもぜひ応援に」と訴えた河野孝典競技本部長

"SNOW JAPAN"新オフィシャルウエア

続いて、「SNOW JAPAN」のオフィシャルウエアもお披露目された。種目ごとサプライヤーやデザイン、機能は異なるものの、いずれも選手との綿密な対話を重ねて開発され、各社の最先端技術を集結したウエアとなっている。

この日は、メダル獲得が有力視される堀島行真、渡部暁人の両選手と、原田会長が着用して発表にのぞんだ。

左から「アルペン」「スキージャンプ・コンバインド・クロスカントリー」「モーグル・スキークロス・エアリアル」「フリースタイルスキー・スノーボード」

代表選手2名の決意表明

最後に大会に向け、今シーズンでの現役引退を表明しているノルディックコンバインドの渡部暁人選手と、フリースタイル・モーグルの堀島行真選手から決意表明がされた。

渡部選手:
「昨シーズンは体調を崩しシーズンインが遅れたが、まだまだ戦える手応えを持って終えることができた。引退を決めてからは、日々を大切に高い意欲と集中力をもってトレーニングしてきたので、今シーズンが楽しみです。初めて出たオリンピックも、初めてワールドカップで優勝したのも、そして最後となる今回のオリンピックの会場も、同じイタリア。不思議なめぐり合わせに感じます。全盛期を過ぎてただ散るのではなく、季節外れの満開の桜を、一気に散る桜吹雪を皆さんに見てもらいたい。メダルも添えられたら最高だなと」

堀島選手:
「怪我の影響の心配もあったが、オフシーズンにしっかり調整でき、回復度は90%ほど。前回大会同様に、不安や緊張といった精神的な困難に立ち向かっていくことになると思うが、集中して計画性を持って、2月に向け整えていきたい」

最後に、原田会長も次のようにコメント。
「私の個人的な目標は血圧を下げることですが……選手の皆さんには悔いのないよう、目標が達成できるよう、頑張ってほしい」
“笑顔を広げていく”という新スローガンを早速実践し、会場の笑いを誘っていた。

Information

公益財団法人日本スキー連盟

公式サイト:https://www.ski-japan.or.jp/
公式SNS:InstagramFacebook

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