足首の動きを損なわないフレキシブルなブーツ構造をもつ3ピースシェルFULLTILT(フルティルト)、通称FTブーツ。
1981年にこの仕組のブーツがマーケットに登場して以来、その基本構造は40年近く変わらない。にも関わらず、アラスカの斜面を滑るスキーヤーから、オリンピックのメダリストなど、世界中でいまも多くの愛好者を生んでいる。
これはひとえにこの構造とフレックスタングの有効さの証と言えるだろう。
INDEX
サミー・カールソンがチームに加入。シグネチャーモデル誕生
そんな〈FULLTILT〉に新たな顔が加入した。X Gamesで数々の好成績を残し、コンペティションシーンを離れても多くのメディアでフックアップされ続けるSAMMY CARLSON(サミー・カールソン)だ。
さっそく’21季には、彼のシグネチャーモデルが登場する。 バックカントリーをフィールドに、多彩なトリックを決めながら、あらゆる斜面にラインを刻む彼のモデルは「ASCENDANT SAMMY CARLSON(アセンダント サミー カールソン、以下SC省略)」と名付けられ、ASCENDANT シリーズのひとつに組み入れられた。
’19季からラインナップされているASCENDANTシリーズは長年ユーザーが待ち望んでいた〈FULLTILT〉待望のテックビンディング対応ブーツ。
最大の特長である滑走性能を損なわないツアーモデルはサミー・カールソンという稀代の天才スキーヤーをチームに迎えて新たなステージに入った。
ASCENDANTシリーズの2モデルの違いと特色
ここからはASCENDANTシリーズのもうひとつのモデル 「APPROACH」と見比べてサミーのシグネチャーモデル「SC」をみていこう。
SHELL | EVOLUTION TOUR |
LAST | 102mm |
LINER | PRO TOUR WRAP |
FLEX | 10/120 |
SHELL MATERIAL | TPU/GRILAMID TONGUE |
SOLE | GRIP WALK |
SHELL | EVOLUTION TOUR |
LAST | 102mm |
LINER | PRO TOUR TONGUE |
FLEX | 10/120 |
SHELL MATERIAL | TPU/GRILAMID SHELL & TONGUE |
SOLE | MICHELIN/GRIP WALK |
外見上の違いはパワーベルト、インナーブーツになるが、大きな違いはシェル素材だ。 両モデルのスペックで赤文字になっているのが違いを表している。
「SC」はシェルにTPU素材、タングは軽量素材のグリルアミド。「APPROACH」はシェルにTPUとグリルアミドの混合素材、タングは「SC」同様グリルアミドだ。TPU素材は激しい転倒や衝突にも耐えうる丈夫さを備えるもので、熱成形ができる特性もある。「APPROACH」はより軽量素材グリルアミドを多用している。
こうしたシェル素材の性格から「SC」は激しい滑走性と軽さにフォーカスし、「APPROACH」は長い時間の行動をいとわない軽さに特化したものだと分かる。
「SC」はほかにも滑走性に秀でた機能をあわせもっている。
パワーベルトは通常のストラップよりホールド感がよく、パワーの伝達と耐久性に優れる”Cinch strap”。リップコードで緩めるのも簡単だから、ハイクアップ時の手間も軽減する。インナーブーツはツアーフレックスよりワンランク上の”PRO TOUR WRAP”を採用した。
サミーが〈FULLTILT〉を選んだ理由はこの映像をみれば、一目瞭然だろう。
ラインナップをおさらい
カテゴリー概要は例年から大きな変更はない。
「ALL−MOUNTAIN」カテゴリーではラスト幅99mm、パワー伝達に優れたFirst Chair Series(ファーストチェア)にフレックス130が登場。
快適性の高いラスト幅102mmのDescendant Series(ディセンダント)でも、フレックス120が新しい。
「FREESTYLE」カテゴリーではシグネチャーシリーズが健在。トム・ウォリッシュの「TOM WALLISCH PRO」、ヘンリック・ハーロウ&フィル・カサボンの「B&E PRO」はそれぞれのパフォーマンスを支える機能性はもちろんのこと、彼らの意向を写したデザインにも注目だ。
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