ウエスト幅130mm以上。左右非対称。フルロッカー。ウエスト幅100mm台が主流派を占めるいまの時代に、新機種としては稀有なスキーが国産ブランドの「BLASTRACK(ブラストラック)」から生まれている。
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ブランド初となるフルロッカー「SILVA(シルヴァ)」
2月に横浜で行われた展示会でも話題をさらったのがこの「SILVA」だ。
148-132-139の超ワイドなシェイプから、即座に思うのはパウダーに特化したスキーという印象。そこで、まずは映像を見てほしい。
浮力、スピード、操作性、安定性の融合を目指してテストを重ね誕生したスキーは、極太のウエスト幅を持ちながら、パウダーでの手軽な操作を可能にしている。それと供にフリーライディングの面白さを追求するうえで欠かせない軽量性や操作感をもたらした。このシェイプでありながら181cmで2kgを切る1920g(1/2ペア)の重量だ。
これを実現したのがスキーの芯材。シェルトップ(サンドイッチ)構造のウッドには超軽量ウッドコアにカーボンファイバーを使い、間には特殊F.R.Pを採用。さらに細かなところでインエッジ側とアウトエッジ側でウッドコアの構成を整え、このスキーにあったバランスに変えて、細かく微調整を施している。実際にスキーを履いたときの重量感も想像以上の軽さを感じるはずだ。
トップとテールのアウトエッジを内側に削り込んだインパクト抜群の形状は、踏み込みが甘くなりがちな内足の操作を助け安定したターンができる効果をもたらしている。
ブランド初となるフルロッカー形状は、これまで培ってきた技術が生かされた。元になっているのはロングノーズ形状。複数の円弧で作られたショベル形状をもち、接雪点からノーズまでは長く緩やかに立ち上がっている。ワイドシェイプなモデルほど、コンタクトレングスを短くし操作感を高め、切れのあるターンができるような仕掛けだ。 この性能を活かしてフルロッカーを新たに開発。なめらかなアーチ形状はスムーズに雪面を捉え、抜群の操作性によってスピードのあるターンを可能にしている。
開発者・平瀬真登の意図とは?
このスキーを開発したのは白馬在住のライダー平瀬真登だ。スキー場では地形の変化を拾いながらトップトゥボトムで滑りおり、バックカントリーではハイスピードで斜面を駆け下りる。 その彼が求めたスキーがまさに「SILVA」というわけだ。開発の裏話をここでは聞いてみた。
最近、自分たちがスキー開発のテーマにしているひとつが、ライディング性能を落とさない軽量化です。
それは、スキーを構成する素材の進化や、これまで築いてきた開発力とそれを形にする技術力、すべてが高いレベルで合わさることで実現します。
「SILVA」もパウダーに特化した広いシェイプでありながら、ライディング性能を高いところに置きつつ超軽量化を実現しました。
それにはテストからのそのテスト結果を元にした改良版を作る速さが重要です。パウダー用スキーはやはりパウダーでテストする必要があり、シーズン中にそのタイミングに出会える回数はそう多くありません。 北信や北アルプスなど雪深いフィールドの中心にある長野市に生産工場を持つメーカーだからこそ、自分たちが納得できるまでテストを重ねることができ、自信を持った製品を作り出せることができます。
「SILVA」は見た目とは裏腹に軽く、もちろんパウダーでは浮力がとにかくすごい。フレックスもしなやかで、足元メインの操作感なので、意外とモナカ状の雪質でも攻略しやすいです
「SILVA」以外のモデルとラインナップ概要
「BLASTRACK」のカテゴリーは「SILVA」の登場で、新たな広がりをみせている。以下がカテゴリーの大枠だ。
・Big-Mountain 「SILVA」
・All-Mountain ツインチップの「MASSIVE」「IMPROVE」はジャンプをなどを織り交ぜた立体的な滑りまでカバー。フラットテールの「VERSANT」「BLAZER」「FARTHER」はライディングの安定性を重視したラインナップだ
・Freeride 「STYLUS」コブをメインにクルージングまで楽しむ
・Touring 「BLAZER TOUR」「BLAZER LIGHT」軽さを求めながら、ツアリングモデルらしからぬライディング性能の高さが持ち味
「BLASTRACK」は全モデルで天然ウッドの芯材を使用する、シェルトップ構造だ。それぞれのスキーがウッドが持つしなやかさとレスポンスを最大限に発揮できる仕様になっているのがブランドの特長と言える。
それも、2012年に創業100周年を迎えた国産老舗ブランドOGASAKA FACTORYのフリースキーブランドだからこそ。スキー開発から製造にいたるまで国内の自社工場やフィールドを中心に行い、メイドインジャパンの高い品質を誇るブランドなのだ。
全モデルの詳細はブランドのホームページを参照してほしい。