BCA| ’22季はシャベルがメジャーアップデートし、ヘルメットがデビュー。安全に対するスキルと理解の向上を図るセイフティギアブランド

BC

INDEX

BCAは「Backcountry Access(バックカントリー アクセス)」の略称。その名の通り、スノーセイフティギアを手掛ける北米のブランドだ。’22季にはシャベルに大幅なアップデートが施され、待望のヘルメットも登場する。


BCAのブランドコンセプト

BCAは単なるスノーセーフティギアカンパニーではない。ブランドの目的は製品を売ることではなく、バックカントリー愛好家たちの命を守ることだ。

BCAは滑り手たちの安全性を支えるギアの開発をおこなうことはもちろん、彼らが効果的なトレーニングを積み、安全性スキルと理解度を上げていくことを重視している。ゆえに、すべてのギアはそうした能動的な安全性のサポートを見据えて、シンプルで扱いやすいことを主眼にデザインされている。

なぜなら、人は追い詰められた状況ではミスを犯しやすくなる。製品の設計段階ではレスキューの現場でおこりがちな誤解や勘違い、間違いといったエラーを考慮し、仮に判断力が低下したとしても大きなミスに繋がらないことを目指している。

10カテゴリーのラインナップ

現在BCAには10の商品カテゴリーが存在している。そのうちのひとつ「ヘルメット」については’22季から新登場となるアイテムだ。また「シャベル」はメジャーアップデートとなる。ここではBCAのラインナップを確認しておこう。

雪崩エアバッグシステム

FLOAT 2.0

「フロート(FLOAT)」の名で知られており、’22季は12ℓ、22ℓ、32ℓ、42ℓの4サイズを展開。

アバランチトランシーバー

TRACKER 4

「トラッカー(TRACKER)」シリーズは現在トラッカー4が最新。BCAのアバランチトランシーバーはシンプルで使いやすく耐久性に富んだ製品として、北米で最も広く使われている。

プローブ

STEALTH 270 / STEALTH 300 Carbon

「ステルス(STEALTH)」と名付けられたBCAのプローブはワンアクションで伸展可能な折りたたみ式。アルミ製は240、270、300、330の4モデル、カーボン製は240と300の2モデルがラインナップする。ボデイ外側にはレーザー刻印で深度を示すメモリが掘られており、捜索しながら埋没者までの深さを知ることができる。

シャベル

DOZER 2H

スノーモービル用として親しまれてきた「DOZER(ドーザー)」の名を冠して一新。よりタフで強靭なシャベルとしてアップデート。

ヘルメット

BC AIR

新登場となる「BC AIR(BCエア)」は超軽量ながらプロテクション能力は抜群。ハイク時も滑走時も、高い安全性を確保する。

バックパック

STASH 30  

雪崩エアバッグのシステムを備えない通常のバックパックは「STASH(スタッシュ)」として3つの容量がラインナップ。フットワーク重視の20、本格的バックカントリーに対応する30、そしてプロやガイドも満足する大容量の40だ。

ポール

ツアーとスノーセイフティの両面からデザインされた「SCEPTER(セプター)」。伸縮しないフィックスドの他、カーボン製、アルミ製、そしてスプリットボードやスノーボードに向いた折りたたみ式の4モデルが揃う。

スノースタディーツール

積雪観察に使用されるさまざまなツールをラインナップ。また積雪観察に必要なツールをひとまとめにした「SNOW STUDY KIT(スノースタディキット)」も用意されている。

クライミングスキン

65%モヘア、35%ナイロンのミックスタイプ。接着剤を使わないContour製は、115mmと135mmの幅で、それぞれ3サイズが用意される。

バックパック

グリーンシーズンにも対応するBCAのバックパック。街やハイキングでの使用を前提としているが、その素材は雪崩エアバッグのフロートと同じ。フロートを作る際に残る素材を再利用しており、その丈夫さは折り紙付き。


■’22季の注目アイテム

「DOZER」シリーズ登場!

DOZER 2H(左)DOZER 1T-UL(右)

これまで多くのBCAファンから支持されてきた「D-2 EXT DOZER」シャベルのアイデアを拡大。新しいラインナップには「Dig Like A Machine(≒ガンガン掘れる!)」のキャッチフレーズと共にこの名が与えられた。

耐久性と扱いやすさを備えた新設計の変形楕円断面のシャフトは頑強さに優れ、伸縮時の氷付きなども防止。またブレードは雪崩救助シャベルの安全基準をクリアしていることはもちろん、体重をかけた際の確実な刺し込みを叶えるため、肩の部分を平らにして掘り手の体重を支えるデザインとなっている。

またパッキングが楽になるようブレードに一切の突起を作らない他、積雪観察の際に重要なスムースな壁面のことまで考慮してなめらかな平面を備えるなど、徹底して現場の要望に応えた作りとした。

ブレードは面積によって大中小の3種類があり、小さい方から1,2,3という数字が与えられている。また製品名の「T」や「D」はハンドル形状を、「H」はクワ(HOE=ホー)になることを表している。つまり「DOZER 2H」は「ドーザーの中サイズブレードを備えた、ホーモードでも使えるシャベル」ということだ。

さらに「DOZER 1T-UL」は高強度アルミを使った、総重量435gという軽量モデル。現在、伸縮式シャベルとしては市場の中でも最軽量をマークしており、装備の軽量化を進めたい人には見逃せないモデルとなっている。

SHAXE SPEED(左) SHAXE TECH(右)

なお、アイスアックスに変換できる「SHAXE SPEED(シャックス スピード)」と「SHAXE TECH(シャックス テック)」の2モデルは従来型のブレードデザインを継承しており、これまでと同じスペックで継続となる。

下記の動画はBCA/K2 SkisアドバイザーでBCガイドの堀江淳による、DOZER 1T-ULのインプレッション

BCエアー

BC AIR

雪崩はハイク時にも発生する。だからこそヘルメットには、常に使用できる軽さと快適さが必要となる。

新たにBCAのラインナップに加わった「BC AIR」は、K2との技術協力によって生まれたもの。インモールド構造と積極的な換気を叶えるパッシブチャンネルベントによって、S・Mサイズでわずか340gという驚異的な軽さを実現している。また心地よい装着感を叶えるBoa™フィットシステムを搭載し、ヘッドラップクリップを備えるなど、まさかの状況にも余裕を持って対応できる装備を備えた。

BCA定番のセイフティギア

「FLOAT」シリーズ

また複雑な操作を求めるギアはそれだけ習熟のための時間を必要とし、実践的なトレーニングに必要な機会を削ってしまう可能性がある。過酷な状況でも高い安全性を確保するためには、訓練が欠かせない。そうしたスキルアップを効果的に進めていく意味でも、BCAはシンプルであることを大切にしているのだ。

FLOAT 32

雪崩エアバッグの基盤を作ったと言っても過言ではないシステムは現在、ユニットを大幅に小型化した「2.0」へと進化。バックパック容量に余裕を生みながらユニットを他の荷物と完全に分けることに成功しており、作動に対する確実性をいっそう強固なものにしている。

FLOATシリーズは圧縮空気を詰めたシリンダーを備えており、その空気圧によってユニット内のタービンを駆動。周囲の空気をとり入れてバックパック上部のバルーンを展開する。

起動は機械式トリガーのため作動感をつかみやすく、気温などに左右されない確実な動作が可能。その一方でシリンダーは使用ごとに再充填が必要になる。

TRACKER 4

TRACKER 4(左) TRACKER 3+(中央) TRACKER S(右)

最新の「TRACKER 4」は「TRACKER 3+」と比較してサーチ能力などに差はない。4におけるもっとも大きな違いはその操作性だ。

たとえば捜索時のビープ音の音色を、吹雪の中でもより聞きやすくなるように変更。液晶表示部分を大型化して視認性を上げ、ボディにゴムのグリップをつけることで落下防止としている。

一方「TRACKER 3+」はよりアグレッシブなライディングを想定した薄いボディによる収納性の向上を目指しており、「TRACKER S」は導入しやすい価格と扱いやすさを狙ったものだ。

それぞれにコンセプトは明確に分かれているものの、捜索能力などはすべて同じ。もともとTRACKERシリーズはシグナルのキャッチが早く、状況の変化に対しても表示が素早く追従するといった点で好評を得てきた。

下記の動画はBCA/K2 Skisアドバイザーで山岳ガイドの佐伯岩雄による、TRACKER 4のインプレッション

滑り手と共に歩むブランドとして

ここまでで分かるように、BCAは徹底してバックカントリー愛好家の立場に寄り添って製品開発を行っている。ブランドのサイトでも「製品を作って売るだけではなく、ユーザーの命を救うことが使命」「トレーニングは製造するギアと同じくらい重要」と明言するほど。その姿勢を表しているのが「SNOW STUDY KIT」の充実ぶりだ。

Loupe
Snowstudy_crystal_card_aluminium

積雪観察に欠かせないスノーソーはもちろん、降雪結晶を観察するためのルーペやアルミ製カード、温度計や斜度計など、雪の状態をアカデミックに学ぶためのツールをブランドとしてリリースしている。こうした、ユーザーの知識を充実させるギアに力を入れているのは、BCAならではだ。

また「SCEPTER」のグリップ部分には独自のデザインが採用されているが、これはスキーやスプリットボードのデッキに付いた雪を落とすスクレーパーとして機能しながら、転倒時などにグリップが身体にめり込むことも防いでいる。

滑り手としての実用性と安全性をバランスしながら機能性に結びつける。現場の熱意を製品に落とし込むというBCAの姿勢は、こんなところにも現れているのだ。

text / Takuro HAYASHI

◆ 公式HP http://www.k2japan.com/brand/bca.html

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