’22-23 ニューモデル発表!注目&話題のアイテムは?「SNOW EXPO JAPAN」「JSP_SKI FORUM ON SNOW2022」を取材レポート

さる2022年2月15日-16日、毎年恒例のJSP/日本スキー産業振興協会(Association of Japan Ski Promotion)主催による、スノー関連メーカーのビジネストレードショー「SNOW SPORTS合同展示会」がパシフィコ横浜で今年も開催された。その後、続いて長野県菅平スキー場でも「JSP_SKI FORUM ON SNOW 2022」と称して開催され、注目の'22-23シーズンのニューモデルや人気のアイテムたちがお披露目された。STEEP編集部が注目のメーカーに’22-23シーズンの新製品トピックス(話題)を聞いてみた。

展示会場から気になるブランドをピックアップ
来季’22-23シーズンの注目トピックスを聞いてみた

※掲載はブランドのアルファベット順です

ジャパンメイドの技術力とプライドの証
もっと速く・もっと軽く・もっと楽しく

ジャパンメイドの老舗メーカーとして長い歴史と伝統を誇る小賀坂スキーが手がけるオールマウンテンのスキーブランド「BLASTRACK」。日本のユーザーと雪山を熟知した上で入念な研究やテストを重ねて開発されるスキーは、どのモデルも高い技術力が光るプロダクツだが、’22-23シーズンにもさらなる自信作が誕生した。注目トピックとしては2つ。ELIXIRシリーズにこれまでの最速モデルと最軽量モデルが誕生したこと、そしてBLASTRACKフルロッカーの第2弾の登場だ。

ELIXIR/E (左から2台目) 125-80.5-110mm R=18m (177cm ) 113,300円(税込)
ELIXIR/L(左から3台目) 125-80.5-110mm R=16.7m(
171cm ) 102,300円(税込)  Ph/TSUJINO Akira

歴代ELIXIRシリーズ最速モデル誕生!「ELIXIR/E」

BLASTRACKの代表的なモデルのELIXIR。センター幅80.5mmでパックされた斜面でカービングがイージーに楽しめるスキーとして人気を集めてきた。’22-23シーズンは、「ELIXIR/E」と「ELIXIR/L」という新しいモデルが誕生。

ELIXIR/Eは完全に新しいタイプで、ExceedのEをとった。exceedには、これまでを越える、上回るという意味がある。まさにシリーズ最速モデルの誕生だ。持った感じや煽った感じでもわかるが、けっこうハードな仕上がりになっている。従来のELIXIRは、今までオールマウンテンのタイプで、深い雪でもゲレンデでも楽しめるものだったが、この、ELIXIR/Eはゲレンデでのカービングに非常に適したスキー。素材やバランスを調整することによって、高速域での安定性と走破性、走りの良さを向上させた。これまでELIXIRでカービングターンをしたり、スピードを出したときにちょっと物足りないな、と感じた人には最適のフィーリングを提供する。

芯材もかなり強くなり、重さも少し増しているので、ゲレンデの整備されたバーンでスピードを出してカービングで滑るには圧倒的な安定感や安心感がある。幅は80.5㎜、サイドカーブなどの3サイズは従来のものと同じ。

シリーズ最軽量を実現・さらにイージーに楽しく「ELIXIR/L」

「ELIXIR/L」は、Light&Luxuryの意味で、従来のELIXIRより片方で250gほど軽量化し、シリーズ歴代最軽量を実現した。体感として一段と軽くなったが、ただ軽くなっただけではない。素材を変更し、バランスをチューニングすることで、操作性の良さを維持しながらも軽量化と安定性を高いレベルで実現、トップシーズンのパウダーから、圧雪バーン、不整地、春雪まで1台でオールシーズン楽しめるバランスの良いスキーに仕上がっている。軽いため長時間乗っていても疲れないのがいい。女性やシニア世代にも扱いやすいだろう。

フルロッカーの良さを再認識する新しい自信作|ROC118

ROC118(中央) 140-118-130㎜ R=18.1m (176cm) 157,300円(税込)

もうひとつのトピックは新しい「ROC118」モデルの誕生だ。フルロッカーで昨シーズン発表した「SILVA」の第2弾。SILVAもとても高い評価を得ており、そのノウハウを引き継ぎつつ、132㎜という超ビッグファットのSILVAよりセンター幅を118㎜と絞って軽くした。それによっていろいろなシチュエーションが楽しめる仕上がりになっている。

スキー市場ではフルロッカーはだんだん少なくなってきている傾向だが、テストを重ねる度にやはりフルロッカーの良さが再認識され、このROC118が生まれたという背景がある。パウダーの中で抜群の安定性を発揮し、スピードが圧倒的に出せる利点があり、最初からたわんだ形状になっているので、ノーズの向きが変えやすいためクイックにスキーを動かしやすい。そういった利点がキャンバータイプよりかなり勝るため、フルロッカーのラインももっと充実させたいという思いもROC118の第2弾には込められている。長さは176・183㎝の2サイズ展開。

その乗り味や特長について「JSP_SKI FORUM ON SNOW2022」でBLASTRACKライダーに教えてもらった。

❖ BLASTRACK 公式HP https://www.blastrack.jp/


あのグレン・プレイクのシグネチャーも!
「RIPSTICK TOUR」デビュー!

’22-23シーズンの最大の話題はコチラ。ELANの人気のフリーライドラインRRIPSTICKにバックカントリーユースの「RIPSTICK TOUR」が登場。通常のRIPSTICKよりさらに軽量でいて、カーボンが2枚入っていることで剛性もしっかり。ELAN得意の左右非対称ロッカーキャンバー構造採用。通常のRIPSTICKが滑り70%登り30%だとすると、このTOURは滑り50%登り50%と、ツアースキーを楽しむために開発されたもの。メンズ3モデル、ウィンメンズ2モデルで、往年のレジェンドスキーヤー、グレン・プレイクがパフォーマンス&デザイン監修したシグネチャーモデルがある。

RIPSTICK TOUR 104 GLEN PLAKE 129-104-122mm R=23m (180cm) 122,100円(税込)
RIPSTICK TOURのバリエーション カラーリングがお洒落!

テクノロジーの特長や乗り味の魅力は、ぜひ菅平での「JSP_SKI FORUM ON SNOW2022」にて撮影した動画による説明を見てほしい。

「RIPSTICK」のBLACK EDITIONに
ウエスト94㎜のウィンメンズモデル登場

RIPSTICK 94 W BLACK EDITION 136-94-110mm R=16.2m (170cm) 92,400円(税込)

ELANの最先端のカーボンブリッジテクノロジー搭載、カーボンがテールからノーズまで組み込まれており、軽量ながらもねじれ強度に強く、高い雪面グリップ力を持つことで、軽快かつ安定した滑走を叶えてくれる「RIPSTICK」。ゲレンデではキレのあるターンが楽しめて、パウダーや不整地も走破する。これ1本あれば山のどこでも楽しめるという汎用性に優れた逸品だ。’21-22シーズン、シックなデザインの「BLACKエディション」が追加されたが、’22-23シーズンはそのBALCKエディションにウィンメンズがリリースされた。「RIPSTICK 94 W BLACK EDITION」は、スタイリッシュさと機能性はそのままに、女性向けに扱いやすいウエスト幅で94㎜。長さは154・162・170・178㎝の4サイズ展開だ。

通常のRIPSTICKはコスメチェンジされ、アースカラーが独特のナイスな雰囲気を醸し出している。

❖ エランジャパン 公式HP http://www.elanjapan.co.jp/


FISCHERグローバル’22-23シーズンの大注目のトピック
「RANGERシリーズ」が完全フルモデルチェンジ!

グローバルで展開するFISCHERの一番の話題は、なんといってもFISCHERのフリーライドラインのRANGER(レンジャー)シリーズの完全フルモデルチェンジだ。これまでヨーロッパ発祥の、どちらかというとカービング系のしっかりエッジグリップも効かせて滑るタイプのフリーライドスキーだったが’、パウダーやバックカントリーへの世界的なシフトを受けて、’22-23シーズンはコンセプトから中身まですべてを刷新。市場で好まれているあらゆるスキーをテストして比較し、実際に使うスキーヤーがどのようなスキーを好むのかも調査研究して見えてきた理想が形となった。

RANGER 102(左から3&4台目) 138-103-128mm  R=19m (183cm) 112,2000円(税込)| RANGER 96(左から5&6台目) 129-97-120mm R=18m (180cm) 112,200円(税込)

ファットな幅のモデルは浮力があり柔らかく自由に動かせるもの、100㎜を境に96や90はゲレンデでもしっかり滑れるカービング性能を持たせた。そこで取り入れたのは「シェイプドチタニウム」というチタンのシート。幅広のスキーは短く、幅が狭いモデルは前後長く入れた。それによってエッジが効くようになって安定性とカービング性能が出せるようにした。チタンにはモデルごとに「フレックスカット」という切り込みを見えるように入れて、モデルごとにより柔らかさをコントロールしている。

例えば、表面に傷がつかない加工やテールのプロテクターなど、デザイン面でも細やかな工夫を凝らしている。「Ski more!(もっとスキーを)」というコンセプトのもと、滑り手の「もっと」に応えた進化を遂げている。ランナップは116・108・102・96・90㎝の5モデルにカラーバリエーションがある。

❖ フィッシャー 公式HP https://www.goldwin.co.jp/fischer/


従来のイメージを打破した’23季
滑りながら開発するスタンスを一貫したモノ創り

R&D=Riding &Developmentというモデルで、滑りながら開発をしているというコンセプトのもと、’22-23シーズンは新しくカービング用のモデルをリリース。GENというとフリースタイルのイメージが強いブランドだが、2シーズン前からライダーや契約スキースクールのアドバイザリースタッフそして一般のスキーヤーにもお願いして、ユーザー目線でもテストを重ね、初めてカービングスキーにマッチする設計とモノ創りを行った。

R&D Flex:100 25.0~28.5㎝ 90,200円(AUTO FIT MODEL )

定番のフリースタイルライン「GENESIS90・95」は、バックルがワイヤータイプの「フレックスワイヤーバックル」にアップデート。よりフレキシブルにブーツが動きやすくなった。「BUMPS 9R」も同様だ。一番最初に、このバックルを採用したのはパーク用の「FUTURE」だったが、とても評価が高かったため、ハイエンドのモデルすべてに採用されることとなった。

GENESIS90・95に新たに採用されたフレックスワイヤーバックル

「ライダーとの密なリレーションやショップスタッフ等からのフィードバックも参考に…」というコンセプトで進化を続けてきたGENブーツ。すべて日本人の足型に合わせて開発され、快適で優れたジャパンフィットを実現。コンフォートモデルからエキスパート・ライダースモデルまでを幅広く展開している。「FUTURE」はライダーの草刈こうすけと一緒に開発しているモデルだが、アッパーとボディの素材を変えることによって軽さとフレキシブルさを両立したハイブリットなプロダクツだ。

インナーはすべてオリジナルなサーモインナー採用。これまではINTUITION社とのコラボレーションによるスペシャル熱成型対応インナーTHE COREを出していたが、’22-23シーズンは焼かなくても使えるサーモインナーを開発。熱成型なしで履いているうちに微妙に足に馴染んでくるという「THE CORE-CLONE-AUTO FIT」インナーをシーズン前に間に合うように展開する予定だ。これでさらにフィッティングの次元が上がる。

❖ ジェイクリエイト 公式HP http://jcreate-corp.co.jp/


アーモンドホワイトという新色が登場!
ラインナップには大きな変更なし

スウェーデンのクラフトマンシップスピリッツを貫き続けてきたHESTRA。最初のグローブが作られてから70年という歴史と匠の技術力を持つ世界のトップブランドだ。革素材のクオリティと機能性、デザイン性が高次元で融合したプロダクツは、フリーライド愛好派を中心に根強いファンを集めている。

’22-23シーズンのニュースは、アーモンドホワイトという新色の登場だ。やわらかでスタイリッシュな雰囲気で、どんな層にも人気が出そう。写真は環境に優しい加工をした山羊革を使用したHESTRAの代名詞的な3 Finger のFull Leatherのモデル。’21₋22シーズンはツートンカラーが主だったため、単色はかえって新鮮だ。

これがアーモンドホワイト色

❖ HESTRA 公式HP https://www.full-marks.com/hestra/


日本のフリーライドシーンを牽引するMINDBENDER絶好調

グローバル(世界的な)の方向性として、コロナ禍においてスキーは密を避けるスポーツとして推奨していることを受け、K2ではコロナ禍でもラインナップが力強く拡張している。’22-23シーズンも人気モデルがさらに進化、まったく新しいシリーズ「DISPATCH」も誕生し、その勢いはますます止まらない。昨シーズンはどのコレクションも高い評価を受け、販売実績は極めて好調だったという。日本市場ではイメージ的にもMINDBENDERが強く、K2人気を牽引しているそうだ。

MINDBENDERの’22-23シーズンは「Ti」がモデルチェンジ!

パウダーだけでなく、硬いバーンから春のザラメ雪までオールマイティに高い性能を発揮する「MINDBENDER」。シリーズの中でMINDBENDER「 C 」は、素材にカーボンを、「Ti」はチタンを使っているタイプだが、’22-23シーズン「Ti」のラインがモデルチェンジした。チタンの配置を前よりも少し短く配置し、スキーの安定感を崩さずに操作性をアップさせている。

MINDBENDER 99TI W(右から1台目)134-99-120 R=15.4m(166cm) | MINDBENDER 108TI(右から2台目)136-108-125 R=22.8m( 186cm) | MINDBENDER 99TI (右から3台目) R=19.6m( 184cm)    Ph/TSUJINO Akira

’22-23シーズンのK2 SKI 一番の目玉「DISPATCH」デビュー!

DISPATCH101 (右から3台目) 123-101-112mm R=26.3m (182cm) | DISPATCH110 (右から2台目) 130-110-120mm R=27.3m (184cm)  |   DISPATCH120 (右から1台目)139-120-130
R=29mm(186cm )

「DISPATCH」はまったくの新カテゴリーだ。フリーライドの「MINDBENDER」とツアーリングスキーの「WAYBACK」の中間に位置し、「FREE TOUR」とカテゴライズした。「ライトウェイトフリーライド」という考え方によって生み出されたモデルで、完全にツアースキーのように登り優先にするのではなく、優れたダウンヒル機能を持たせたまま重量を少し軽くして、もっと遠くまで行けるように、というコンセプトだ。構造は「MINDBENDER Ti 」と同様にチタンを配置しながらも、この軽さを実現。ウェスト幅は120・110・101㎜の3タイプ。「DISPACH」ののデビューがK2の’22-23シーズンの一番の目玉といえるだろう。

この他のシリーズで「WAYBACK」には新しくウェスト92㎜が追加された。「RECKONER」はグラフィックはすべて変わったが、中身は継続だ。

❖ K2 Brand 公式HP https://k2snow.com/ja-jp|K2 JAPAN 公式HP http://www.k2japan.com/


トウピースがより使いやすくアップグレイド

ISI Toe(Intutive Step In)直観的なステップインが可能に

MARKERのKINGPN, ALPINISTのトウピースが「ISI Toe(Intutive Step In)」という直観的にステップインできるトウピースに進化した。プラットフォームのブーツとのコンタクト部分が大きくなり、ブーツ先端を合わせるラバーストップパッドも形状や大きさを変更したことで、よりスムーズなステップインが行えるようになった。

❖ MDVスポーツジャパン 公式HP http://www.mdvsports.co.jp/


’22-23シーズンは新しいプロダクツの「大物」が誕生
3つのトピックスで勢いを感じさせるPOC

‟スタイル”を追求するフリースタイルスキーヤーやスノーボーダーを中心に人気を博しているPOC。「全力でアスリートを重大事故から守る事」をミッションとして掲げるスウェーデンの新しいブランドだ。’22-23シーズンの注目トピックは3つ、それもバックパック・ヘルメット・ゴーグルと各カテゴリーから新製品の話題を提供する。

POCの研究所では、素材研究者、インダストリアルデザイナー、グラフィックデザイナー、脳神経科医、脊椎損傷の研究者など、各分野の専門家がそれぞれの視点から研究を重ね、優れた製品を開発しているが、バッグ、ヘルメット、ゴーグルと各カテゴリーで、「大物」の新しいプロダクトが発表され、その研究開発の勢いとブランドの急伸ぶりを感じさせる展開だ。

POCにアバランチバックがリリース

Blackと2色展開

’22-23シーズンのPOC一番のトピックスは、アバランチバックのリリースだろう。電池で動くコンプレッサータイプで、アルブライドE2という新しい規格のものを使っている。モバイルバッテリーと乾電池を併用して、1回の充電が20分くらいででき、本体への事前充電と乾電池の併用で4回くらいは使える。モバイルバッテリーを併用すればさらに使用可能乾電池2本で3回充電が可能。容量は25ℓ。色も雪山での視認性に優れたオレンジ蛍光色だ。日本ではまだまだ普及度が低いアバランチバッグだが、POCのブランドパワーで変化を起こす起爆剤になるか期待だ。

ユニークなバイザーヘルメットも誕生

まるで宇宙飛行士さながら・価格は7万円代となかなか高級品

POCから初めてフルシールドのバイザーヘルメットがリリースされた。宇宙飛行士のシールドや、戦闘機のパイロットをモチーフに、顔の下の部分を立体化させて独特のフォルムにしている。オールラウンドなユーザーをターゲットとしているが、日本ではおそらく年齢層のやや高い方で、眼鏡の上から使いたい方になるのでは?と想像する。

ヘルメット部分は、今季'21-22シーズンからリリースされている「MENINX」をベースにしている。メニンクスは「髄膜」という意味で、軽量なPCシェル、EPS/EPP 2種類の 衝撃吸収素材、マグネット式ストラップ Fidlock®、取り外し可能なイヤーパッド、開閉調節可能な2カ所のベンチレーション、後頭部にダイヤル式調節システム配備、といったスペックを持つ人気モデルだ。

シールドの部分は「Levator( レベター)」という名前で、レベターという言葉は、瞼を持ちあげる筋肉、という意味。なんともユニークなネーミングだ。フレームの下のスポンジが3層構造になっていて、それぞれ違う硬さのスポンジを使っていることで、バイザーを下げるとしっかりと肌に密着するように下がってくる設計になっている。外から見るとフラットだが、内側は鼻の部分が凹んでいてフィット感もバッチリだ。

平面タイプの新顔ゴーグル「ネクサル」

頬骨に沿うようなフレームの形状
スポンジの下がスライドするベンチレーション

ゴーグルのラインナップに新しく「ネクサル」という平面タイプのアウトリガーのフレームを採用したモデルが加わる。特長はアウトリガーのフレームがソフトフレームになっていて、ヘルメットのエッジ部分に柔らかく馴染むようになっている。特長的なのがそのデザイン。頬骨の部分が少しフレームが出っ張っていて、頬骨に沿うように面が広くなっているため、よりフィット感が増している。また、冷気をシャットアウトできるよう、内側のスポンジの下がスライドするベンチレーションがついていて機能的だ。雪の時はここに雪がついて結露してしまうことがあるので、それを防いでくれる優れモノだ。

❖フルマークス 公式HP https://www.full-marks.com/


「もっと速く、もっとスムーズに、もっと鋭く」
R‐EVO SLIMが新登場

R‐EVO 130S

R-EVO SLIMラインの新登場が、'22-23シーズンのトピックだ。新登場のR-EVO SLIMラインに採用された「NEW SLIM LAST SYSTEM」 により、ロアシェル内側を1mm厚くしたことで剛性がアップ。また、それにより、足の位置が従来よりオフセットされることにより、より雪面の捉えがスムーズになり、捉えてからも剛性が強いので、安定したターンができる。ターンの抜けもスムースズになり、スピードもアップする。「もっと速く、もっとスムーズに、もっと鋭く」のテーマの下、進化を遂げた。

新色のサファイアブルーもビジュアルを鮮明に変身。ディーラー向け試乗会でも「滑走フィーリングが明確に違う、いい!」と高評価を得た。ロアシェル内側を1mm厚くした分、ラスト幅が94mm(26cmサイズ)となったが、新設計のH22インナーにより、フィット感も損なわれていない。R-EVO SLIM ラインに加えて、北京冬季オリンピック モーグル競技で銅メダルを獲得した堀島行真選手が使用した"XX-LIMITED" モデルにもこの「NEW SLIM LAST SYSTEM」が採用されている。

❖ レクザム公式HP https://rexxam.com/


NEW!調光レンズ「PHOTOCHROMIC ULTRA LIGHT GRAY」登場

’22-23シーズンのトピックとしては2つ。まずは新しい調光レンズ「PHOTOCHROMIC ULTRA LIGHT GRAY」の登場だ。クリアのような見た目から深いスモークレンズのような暗さまで変化するという驚きの全天候対応レンズ。さらにグレーベースのレンズが雪面の陰影などもしっかり浮かび上がらせる。これによってドピーカンから雪の日、ナイターまで、あらゆる場面でナチュラルな視界を手に入れることが可能になった。人気の「RIDGELINE」「RACAN」「ROVO」シリーズに搭載されている。

(左)PHOTOCHROMIC ULTRA LIGHT GRAY搭載の RACAN-MDH-CU-LG 23,100円(税込) HAKUBA VALLEYとのコラボモデル

そして、大型眼鏡に対応する「RACAN」にヒートレンズを搭載したモデル「XEDシリーズ」にも要注目だ。これはレンズが発熱し、過酷な環境でも曇らないという機能を持つ優れモノ。バックカントリーやハイクアップなど、汗をかくときや悪天候のときに威力を発揮する。バッテリーがついており、スイッチを押せばレンズが発熱。単体でも使える。

3つ穴の新しいフリーライドヘルメットが登場!

HSF-190 SWANS ×HAKUBA VALLEY   Size: M/L 16,500円(税込)

SWANSのフリーライドヘルメットラインに’23季新たに登場したのが「HSF-190」というモデル。おでこの上の部分に施された3つ穴が特長だ。スノーゴーグルとの換気互換性を持たせることで、同時にベンチレーション効果を発揮できるように設計している。フリースタイル向けの軽量なモデルでカラーバリエーションも5色。HAKUBA VALLEYとのコラボカラーもある。価格もかなりリーズナブルだ。

❖ 山本光学 公式HP  https://www.swans.co.jp/product/snowgoggle/


「REVOLT 84・REVOLT 90」センセーショナルに世界デビュー
2022北京オリンピックでVÖLKLアスリートたちが活躍

REVOLT84  110-84-110  R=21m (174cm)  85,800円(税込)| REVOLT90 118-90-118  R=21.5m (180cm)  85,800円(税込)

フリースタイル向きの「REVOLT」シリーズに新しく「REVOLT 84」「REVOLT 90」が登場! これは’22-23シーズンのVÖLKL全体として最もビックなトピックだ。先頃の北京冬季五輪をはじめ、今シーズンの世界のコンペシーンで多くのフォルクルアスリートが活躍、その実力は世界中に轟いている。

「REVOLT 84」「REVOLT 90」はトップとテールを軽量化し、スキーの中心になる足元に重心をセットしてスウィングウエイトのバランスを調整している。「REVOLT 84」はフルキャンバー採用でハーフパイプでのライディングで、その性能を最大に発揮する。「REVOLT 90」はトップ&テールにロッカー採用で軽いスウィングウェイトとソフトなトップ&テールが取り回しやすい。さまざまなアイテムを滑るスロープスタイルを意識してデザインされているが、マルチに楽しく遊べる一台だ。

動画でMDVスポーツジャパンのスタッフに教えてもらおう

菅平での「JSP_SKI FORUM ON SNOW2022」にて
REVOLT 121 (左)|  REVOLT 104 (右)

REVOLT コレクションでは毎回デザイナーを変えており、今年は中国とオーストリアという二つの母国の文化を背景にもつアーティストを採用。ちょっとチャイナな香りのする、工夫をこらした手法で施したグラフィックで展開している。例えば「REVOLT121」は、ゴールドの上に黒を塗り、そこをスクラッチ。「REVOLT104」は水の上にオイルをたらし、それを写真で撮影したという。アートとして飾っておきたくなる美しさだ。

「KENDO88」がフルモデルチェンジでさらに進化

KENDO 88(ブルーのモデル) 129-88-113   95,700円(税込)

「MANTRA」に代表されるメタルのしっかり入ったフリーライド系ラインナップの中では’22-23シーズンは、「KENDO88」がフルモデルチェンジ。トップにはカーボンを編み込んだテイラーカーボンチップを採用した「テイラードカーボンプレイスメント」仕様、フレーム構造はさらに進化した「テイラードチタナールフレーム」を採用。今までのフレームより複雑な形状にして軽量化を図っている。

スキーの長さによって単にメタルの長さを短くするのではなく、その長さに乗るユーザーを分析、その特長などを想定してバランスを考慮してメタルの量を調整したものだ。‟テイラード”は「個別の仕立て」のテイラーメードからきており、まさに特別なカスタム感を表現している。長さの展開は163・170・177・184㎝の4サイズ展開。

フリーライドラインの中では、この他に「MANTRA102」もモデルチェンジ、トップのトーションバランスを改良したことで、ターンに入る時の安心感がアップした。

❖ MDVスポーツジャパン 公式HP https://www.mdvsports.co.jp


「PROPIPE」を北京五輪でカナダチームが使用

PROPIPE(左) FLAGEA(中央)KRUZ(右)

長い歴史を誇るジャパンブランドSWALLOW SKIが2015年より展開してきたフリースキーブランドZUMA SKIS。国内外の使用ライダーたちが世界舞台で活躍している実績をもって、そのクオリティの高さは証明済みだ。

ZUMAの'22-23シーズンの注目モデルは、なんといっても北京五輪でカナダハーフパイプチームのほとんどの選手が使用したモデル「PROPIPE」だ。カナダチームのフィードバックを取り入れて開発されたパイプに特化した一台は、反発が強く、パイプでしっかりと飛ぶことができる造りになっている。「FLAGEA」は、北京五輪で中国ナショナルチームのスロープスタイルとビッグエアに採用された。キャンバーならではの雪面のグリップの良さで、安定したジャンプからのランディングを実現。着地の瞬間から次のムーブメントに素早く対応するレスポンス性能に優れたモデルだ。

柔らかく扱いやすいのは一般使用向けの「PROGENE」。パーク・圧雪とオールラウンドで使うならフルツインチップの「KRUZ」。一番使いやすいと評判だ。

❖ スワロースキー 公式HP https://swallow-ski.com/brand/

INDEX