elanのフリーライドスキー 「RIPSTICK」が万能だという話

SKI

スロベニアで75年以上スキーを開発してきた歴史を持つelan(エラン)。アルペンスキー界のレジェンド、インゲマル・ステンマルクが長いキャリアに渡って愛用し続けたことで馴染み深い。それと同時に”そのイメージが強い”人も多いのではないだろうか。なんとなく硬派で我々フリースキーヤーには縁遠い…。
しかし、elanのカタログを開いてみると我々のイメージとはかけ離れている。(カタログはこちら

表紙には「Always Good Times」というキーワードが掲げられている。スキーは晴れようが晴れまいが、どこで滑ろうがいつだって楽しい!そう感じさせてくれるメッセージだ。キャッチコピーの下には男女のグループがニコニコしながらポーズを取っている写真がある。セルフィー棒まで使ってワイワイと楽しそうだ。

そのキャッチコピーを体現するようなスキーがelanにはある。
それが「RIPSTICK」だ。フリーライドスキーとして、オールマウンテンを滑るために開発された板だが、誰でも扱いやすい乗り味を持っている。初級者でもすぐに”滑りやすさ”を実感できるだろう。もちろん上級者でもいつでもハードに滑れる爽快感に病みつきになるはずだ。

どこでも、どんな状況でもオールマイティに滑れるRIPSTICKのギミックを紹介しよう。そこには長年第一線でスキー作りをしてきたelanの技術力の結晶が詰まっている。

RIPSTICKのラインナップ

左から)RIPSTICK 116 ¥115,500 
D=146mm-114mm-132mm|L=177,185,193cm
R=19.4m(177cm), 20.4(185), 23.3(193)|W=1,900g(185)

RIPSTICK 106  ¥104,500 
D=143-106-120|L=164,172,180,188cm
R=16.0m(164cm), 17.0(172), 18.1(180), 20.4(188)|W=1,830g(180)

RIPSTICK 96  ¥93,500 
D=136-96-110|L=164,172,180,188cm
R=15.1m(164cm), 16.2(172), 18.0(180), 19.5(188) |W=1,650g(180)

RIPSTICK 88 ¥82,500 
D=130-88-105|L=148,156,164,172,180,188cm
R=13.0m(148cm), 13.7(156), 14.2(164), 15.4(172), 17.0(180), 18.9(188)|W=1,550g(180) 

RIPSTICK 102 W  ¥103,400 
D=136mm-102mm-115mm(154cm), 138-103-117(162cm), 143-104-120(170cm), 143-105-120(178cm)|L=154,162,170,178cm
R=15.0m(154cm), 15.8(162), 17.0(170), 18.1(178)|W=1,750g(170cm) 

RIPSTICK 94 W  ¥92,400 
D=131-94-107(154cm), 133-94-108(162cm), 136-94-110(170,178cm)|L=154,162,170,178cm
R=14.0m(146cm), 15.0(162), 16.2(170), 18.0(178) |W=1,570g(170)

RIPSTICK 88 W  ¥81,400 
D=130-88-105|L=146,154,162,170,178cm
R=13.0m(146cm), 13.7(154), 14.2(162), 15.4(170), 17.0(178)|W=1,445g(170) 

RIPSTICKに搭載されるテクノロジー

RIPSTICKに用いられるテクノロジーの全貌

安定したカービングを生み出す左右非対称設計「アンフィビオプロファイル」

まず注目したいのが、2011年に登場したelanの代表的な独自テクノロジー「アンフィビオプロファイル」だ。これは板の外側がロッカーで内側がキャンバーというもの。板が左右非対称の形状になるのだ。ターン時に最も加重を必要とする外スキーの親指側がキャンバーになっているため、高いグリップ力を生む。そして、内スキーの小指側はロッカーの特性によって板の操作性が向上する。ハイスピードでも足裏で雪面を的確にとらえながら、スムーズなカービングも可能というわけだ。

走破性を飛躍させるカーボンラインテクノロジー・カーボンロッド

そしてアンフィビオプロファイルに相乗効果として働くのが、カーボンラインテクノジー。これはスキーの足元からトップにかけて板の内側にメッシュ生地のカーボンが組み込まれている。板の強度が増しながら適度な反発も生まれ、踏めば踏むほど板に反発が生まれ、キレのあるターンができる。そして、ハイスピード時には衝撃による振動も抑えられ、安定した滑走が可能となる。

格子状の部分にカーボンシートが組み込まれている。

板の両サイド、ノーズからテールにかけて直径5mmのカーボンロッドが入っている。これによってエッジが強化されねじれ強度が増し、ターンの前半だけでなく後半以降も力強く安定したカービングが可能になる。カーボンラインテクノロジーとさらなるインエッジ強化によって、センター116mmのファットスキーでもカービングが可能となるのだ。これらのカーボン素材が、上級者はさらにキレのあるターンを生み出せ、初級者には安定した操作性をもたらす。RIPSTICKは全方位のユーザーに扱いやすい板なのだ。

パウダーで浮遊感が得られるヴェイパーチップ

カーボンラインテクノロジーとうまく作用するのが、ノーズに埋め込まれた、Vapor tip(ヴェイパーチップ)。足元はカーボンで固めるかわりに、ノーズは軽くすることで全体のバランスを良くしている。ノーズトップに芯材のかわりに、軽量で柔らかく、粘性があるヴェイパーチップを代入することで、スウィングウェイトの軽量化とフローテーションの効果を発揮する。

ノーズの軽量化による効果はパウダーで大いに発揮する。浮力を増したノーズは雪のなかでターンがしやすく、キャンバーなので踏んでターンができる。ロッカーのように新雪のうえをなぞるような浮遊感だけでなく、雪を踏みこむ滑りも可能となるのだ。

RIPSTICKをプロの目線でレビュー

RIPSTICKは不整地、パウダー、グルーミングとあらゆるシーンで滑りの楽しさを損なわない技術が搭載されていることが分かった。もちろんカービングスキーとして滑る楽しさを持ち合わせているのは技術選やアルペンスキーの世界で活躍していたプロも実証済み。
デモンストレーターとして活躍経験のある二人の、RIPSTICKに対する評価を聞いてみよう。

五藤 伯文(ごとう のりひさ)さん
Profile
元デモンストレーター、インタースキー95野沢温泉日本代表。現在はデモンストレーターの経験を生かしながら、競技・基礎スキーにかかわらず、オールラウンドにスキーの楽しさ、素晴しさを伝えている。
普段は競技スキーや基礎スキーを教えているので、ゲレンデをハイスピードで滑ることが多い。

RIPSTICKはエラン独自の左右非対称アンフィビオプロファイルによりターン始動・導入のし易さを始め、幅広のスキーなのですが、整地での安定性や操作性の高さも素晴らしく、この1台があると全ての山を楽しく滑ることが出来るのが魅力です。
 普段はレーシング系やその多少柔らかいタイプのスキーを使用していることが多いのですが、整備後に日中大雪が降り普段のスキーだと雪の溜まりとかもあり滑るのに気を使わなくてはいけないのが、RIPSTICKだと全く気にならずに浮力があり浮くので、快適で逆に楽しく滑ることが出来るのが驚きました!!

井上 優(いのうえ ゆう)さん
Profile
長野県菅平高原出身 幼少よりスキーを初めアルペンスキー、基礎スキー、スキークロスと様々なスキー競技を経験。SAJデモンストレーター歴7期14年
普段は菅平高原スキー場にてSLX WORLD CUP 157を使用してスキーレッスンをしている。

左右非対称のアンフィビオ構造を採用しているこのスキーは積雪があった朝イチに滑りだして浮遊感の中にも安定感がありスムーズなターンができるのが爽快です。そして、その後のオンピステでも気持ちよくカービングターンができ1台で1日楽しめるところがとても気に入っています。
ウィメンズモデルは板のウエストが88mm〜と広く、重心移動の方向や量を丁寧に練習することができるのもポイントです。RIPSTICKに乗った後に普段のスキーに乗り換えると体の向きと力の向きが噛み合って、いい滑りになります。

特定のシーンに特化した派生モデル

RIPSTICKにはメインモデルの他にも、2種類の派生モデルがある。
それが[BLACK EDITION]と[TOUR]だ。


RIPSTICK 106 BLACK EDITION ¥148,500 
D=138mm-104mm-117mm(164cm), 143-105-120(172cm), 143-106-120(180,188cm)|L=164,172,180,188cm
R=16.0m(164cm), 17.0(172), 18.1(180), 20.4(188)|W=1,900g(180) 

RIPSTICK 96 BLACK EDITION ¥137,500
D=133-94-108(164cm), 136-95-110(172cm), 136-96-110(180,188cm)|L=164,172,180,188cm
R=15.1m(164cm), 16.2(172), 18.0(180), 19.5(188)|W=1,710g(180) 

RIPSTICK 94 W BLACK EDITION ¥121,000
D=131-94-107(154cm), 133-94-108(162cm), 136-94-110(170cm), 136-94-110(178cm)|L=154,162,170,178cm
R=14.0m(154cm), 15.0(162), 16.2(170), 18.0(178)|W=1,590g(170) 

BLACK EDITIONはさらに使用するカーボンの量が増えている。
カーボンラインテクノロジーに使用されるカーボンが、レギュラーモデルは足元からトップにかけて、というところをBLACK EDITIONではテールからノーズにかけて組み込まれている。そのうえ足元は内側だけでなく外側までカバーする。サイドに通っていたカーボンロッドも板の中心の前側と後ろ側に追加されている。これによって、さらにねじれ強度に強く、雪面を板でとらえることができるほか、でこぼこの斜面でも衝撃を吸収し、安定した滑走ができるようになる。

BLACK EDITIONに使用されるカーボンテクノロジー


 

RIPSTICK TOUR 104  ¥121,000 
D=129mm-104mm-122mm|L=166,173,180,187cm
R=19.0m(166cm), 21.5(173), 23.0(180), 25.4(187)|W=1,540g(180)

RIPSTICK TOUR 94  ¥115,500 
D=129-94-109|L=157,164,171,178,185cm
R=12.0m(157cm), 13.7(164), 15.6(171), 17.4(178), 19.4(185) |W=1,490g(178)

RIPSTICK TOUR88  ¥110,000 
D=128-88-108|L=148,156,163,170,177,184cm
R=13.7m(148cm), 14.8(156), 15.6(163), 16.8(170), 17.6(177), 18.8(184)|W=1,330g(177)

RIPSTICK TOUR 94W  ¥115,500 
D=129-94-109|L=157,164,171,178cm
R=12.0m(157cm), 13.7(164), 15.6(171), 17.4(178)|W=1,410g(171)

RIPSTICK TOUR 88W  ¥110,000 
D=127-88-106|L=148,156,163,170,177cm
R=13.7m(148cm), 14.8(156), 15.6(163), 16.8(170), 17.6(177)|W=1,150g(163)

’22-23シーズンにRIPSTICK TOURは素材の軽量化を図ったモデル。軽くなったことでロングツアーでもより歩行が快適になった。104はモヒカンがトレードマークのレジェンドスキーヤーGlen Plake(グレン・プレイク)のシグネイチャーモデルだ。

こちらの動画では開発に携わった彼の口から制作ストーリーが聞ける。

さまざまなコンディション、シチュエーションで快適に滑れるRIPSTICK。バックカントリーやさらにストイックに滑りたい時にはTOURやBLACK EDITIONを選択するといい。
なによりこのスキーの良さは不得手なシーンがないので、いつでもスキーが楽しく感じられる。
1台持っていれば、大体のコンディションを誰でも楽しく滑れる万能な板だ。

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