リエデットしたサロモン 「QST 106」。BLANKと98をミックスした遊べるスキーの実力

SKI

2016年の登場から数えて第3世代となるsalomon(サロモン)のQSTシリーズ。’21-22はコンセプトを見つめ直し、現在のフリーライドシーンに最適なウエストレンジや設計を再構築し、とくに話題を振りまいたのが「QST BLANK(ブランク)」だ。

’22-23シーズン、ついに完成した第3世代のQST

’22-23は「QST 106(ワンオーシックス)」を筆頭に、QST92、ウィメンズモデルが最新構造にアップデートする。

SPARKとTEAMを除く全ラインナップ。BLANK、106、Stella106の鮮やかなソールのグラフィックが目に留まる

まず、QSTシリーズをおさらいしよう。コンセプトはどんな状況にも対応できるオールマウンテンモデル。ラインナップに共通するのは、状況を問わず素早い切り返しやすく、滑り手の力を着実にスキーへ伝達する性能だ。トップとテールを薄く軽くし、センター部分は強いウッドコアで構成。サロモンが20年近く培ってきた「SpaceFrame」を進化させた「SpaceFrame3.0」をベースにしている。加えて、ロッカー部分を長くとったシェイプと、高いグリップ力を発揮するダブルサイドウォール構造が特徴だ。

ラインナップはウエスト幅92mmから112mmのレンジの間に4モデルを展開。ウィメンズモデルはウエスト幅92mm、98mm、106mmの3モデル、さらに、次世代のフリーライダーのためのSPARKとTEAMが加わり、全9モデルを展開する。

完成度の高い「BLANK」と「98」をベースに再構築した「QST106」

QST 106
キューエスティ ワンオーシックス
¥99.000 
Length=165、173、181、189cm
Dimension=139−106−126mm(181cm)
Radius=19m(181cm)
Weight=1980g(1/2pair)

なかでも注目は「QST 106(ワンオーシックス)」。そもそもQSTシリーズは汎用性の高いデザインながらハードな滑走性能が持ち味。そこに、すでに完成していた「QST BLANK」と「QST 98」をミックスして、「QST 106」はランナップのなかでも、より遊び心をもったスキーへとリエディット。そのパフォーマンスは以下の映像を見れば一目瞭然だ。

意のままに操れる様々なターン、素早いピボット動作、深い新雪を舐めるようにも潜らせるようにも滑れ、容易にスライドできるテール、グルーミングバーンにエッジが吸い付くカービング、ハイスピードでの安定性など、この1本で雪山を存分に楽しみ尽くせるはずだ。

こうした滑りを支えるポイントは2つ。シェイプとテクノロジーだ。

まずシェイプ。「QST 106」には最新のロッカーシェイプを採用している。トップとテールの最も幅が広いワイドポイントをこれまでよりも中央寄りにしている。これによって、素早いピボット操作がしやすく、敏捷性に優れているのだ。これによって、ロッカー部分が従来よりも長くなり、ひいては新雪でも浮きやすい。なお、スキー全体のロッカーとキャンバーの配分は、トップ:25%ロッカー、60%キャンバー、テール:15%ロッカーのツインロッカーとなっている。

トップとテールの最大幅をセンターに寄せているのが分かる。俊敏性に優れピボット操作もしやすい。自在にテールを操ったスピード調整もおてのもの

テクノロジーは、QSTシリーズ共通の機能が備わっている。
薄いトップとテールにはコルクを内蔵した”コルクダンプリファイア”が振動を吸収し、取り回しやすさやスムーズな滑走性をもたらした。
足元は耐衝撃性能の高い高密度のABSを注入したダブルサイドウォール構造。これによって、エッジホールド力を高めたうえに、トップからテールまではカーボンと麻を入り混ぜた”C/FX カーボン”によって、余すことなくスキー全体にパワーが伝達される。これはカーボンの軽さ、強度、安定性、麻の振動吸収性を兼ね備えたサロモン独自の補強材だ。なお、従来モデルよりも150g軽くなっているのも取り回しやすさの一因になっている。

足元のダブルサイドウォールとカーボンと麻を混合したシートが力強いエッジングをもたらす
トップとテールに内蔵されたコルクが振動を吸収する

ウィメンズモデルも同様の機能を取り入れたラインナップになっているため、女性スキーヤーもQSTシリーズならではの汎用性と滑走性能が楽しめる。

QST STELLA 106
キューエスティ ステラ ワンオーシックス
¥99.000 
Length=157、165、173cm
Dimension=137−106−124mm(165cm)
Radius=17m(165cm)
Weight=1810g(1/2pair)

また、「QST 106」は取り付けるビンディングによって、幅広いシーンが楽しめる。バックカントリーをメインフィールドとして楽しむ人は「MTN」を。スキー場とバックカントリーを交互に行き来しつつ、アグレッシブなラインを描くなら「SHIFT」を。滑ることに特化し、スキーの性能を最大限に活かすなら、23季に新たに登場する「STRIVE」がオススメ。「QST 106」は装着ビンディングによって、状況にマッチするスキーになるのだ。

最後に「QST 106」、「QST STELLA 106 」をそれぞれ乗りこなした佐々木明、福島のり子の試乗レビューを伺っていこう。

佐々木明と福島のり子、それぞれの評価

・佐々木明
使用モデル:QST 106
Instagram:@akiraexploring

Photo/Hiroshi Suganuma

僕の使ってる長さは181センチです。
「QST 106」の上位機種に「QST BLANK」がありますが、大きな違いがロッカーのかかり具合ですね。接地面積が 「BLANK」よりも「106」の方が長くなってます。その分、硬い場所でも切っていけるような板になってますし、スピードを出したときの安定感があります。
さらに「BLANK」同様に、ダブルサイドウォールシステムが入っているので、センター位置がとても強い板になってます。硬い斜面やしっかりカービングをしたいときは、スキーを踏むことによって安定感が増します。

アイシーなバーンやグルーミングバーン向けのイメージがあるかもしれませんが、板がしっかりたわむことによって、新雪へ沈めることもできますし、沈めた後に思いっきり上に上がります。オールドスクールなドルフィンターンみたいなこともできる板になってます。さらにはテールが強いので、テールタップをするといったフリースタイル的な遊びもできるようになってますね。

ビンディングのセッティング位置は、レコメンド位置に置いてます。なぜかというと、接地面積が伸びたことによって板の性能を出すためです。サイドカーブを最大限に使えるのは乗り方としては一番気持ちよく滑れるんですよね。ターンを極めたいと思っている人にはパーフェクトな板じゃないかなと思ってます。

・福島のり子 
使用モデル:QST STELLA 106
Instagram:@norikofukushima

Photo/STEEP

「QST STELLA 106」は、パウダーを楽しみたい女性モデルのなかでも最もウエスト幅が太いタイプのスキーになります。

パウダーライディングがもちろん得意としていますが、ゲレンデ全般はもちろん、1台のスキーでどこでも楽しめます。また、女性向けのスキーなので、とても軽量に作られており、扱いやすさもオススメです。パウダーのなかでも操作性が良く、ディープパウダーでも、十分に浮力を感じられることができます。

フレックス、トーション、ロッカーの立ち上がる位置、それらに合わせて、このトップの形状や、スピードに対する板の強さ、全てのバランスが合っているように感じています。

ラインナップのなかでも、このウエスト幅106mmが私は一番バランスがいいので、とても気に入って入っています。ラディウスは18m。張りがしっかりしているので、ターンの後半でもテールをしっかり使うことができ、最後まで乗っていくことができます。

カービングをはじめコブやツリーランなど、すべてにおいて軽快に楽しめるというところが私の気に入っている点です。このスキーは1台でゲレンデもパウダーもすべて楽しみたい女性、自分のスキーのスキルが上がってきたなと感じる女性、ターンをしっかりつないで山を滑る女性にオススメしたい1台です。

シーズン中に各地で開かれた試乗会でも「QST 106」の評判は上々。乗りこなしている2人と同様に、「シェイプの太さの割にエッジへの伝達が速い」や「パウダーに限らず圧雪車面でのターンが爽快」、「ロッカーの立ち上がりがほかモデルよりも低めのため、接雪長が長く安定する」といったコメントが寄せられた。

状況を問わず、適正なポジションに乗ることができ、スキーが踏める人にとっては、スキーが走りやすく、ターンがこれまで以上に楽しめるはず。
ユーティリティ性能に加えて、いろいろな遊び方や滑りが味わえる「QST 106」。22-23季、注目の一台だ。

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