ライダーがこの冬使い倒した愛用のギアについて、インプレッションを語ってもらおう。
今回は北海道やコロラドを中心に滑り、毎年コンスタントに自身の映像作品を制作し続けている山田雄平の愛用ギアだ。
山田雄平 35歳
北海道・札幌市というパウダーに恵まれた地をベースとしながらも、ストリートで滑ることにシーズンの大半を費やす。たまにフリーライドもする。
山田雄平のセットアップ
スキー①:ICELANTIC NOMAD 95 176cm (130-95-120) '21-22モデル
スキー②:ICELANTIC SABA PRO 117 177cm (147-117-137) '21-22モデル
ブーツ:FULL TILT DESCENDANT8 '17-18モデル
ビンディング:LOOK PIVOT18 2011/2013/2021モデル
各ギアの評価とレビュー
スキーレビュー
ICELANTIC NOMAD 95
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★☆☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★☆☆☆
●適したシーンを5段階で
Powder:★★☆☆☆
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★☆☆☆
park:★★★★★
Moguls:★★★☆☆
Touring:★★★☆☆
●よく使う状況
ストリート・パーク・ゲレンデ・そこまで深くないパウダー
●レビュー
決してパーク専用ではなく、ゲレンデでの滑走も十二分に楽しめるフリーライドスキー。また、センターが95mmという今では”細め”の部類に入るスペックですが、ひと昔前はセミファットスキーのサイズ。前後にしっかりと入ったロッカーのおかげで、パウダーやザラメなどの悪雪も難なく滑ることができます。ソフトフレックスは、まだ前後へ体重移動をしっかりとできない人や体重が軽い人でも、板のたわみを使ったトリックを無理なく覚えられます。軽量かつ安定感のある欲張りなスペックはどんなスピードでも操作しやすく、これまでできなかったトリックのきっかけをつかみやすいと思います。
+++
ICELANTICは芯材が良くて、ビンディングのビスが馬鹿になりづらいのがライダーには嬉しいポイント。パークユーザー向けというよりは、軽いフリーライドスキー。女性でも十分に乗りこなせます。たまにしかパウダーを滑らないならこれで十分。
ICELANTIC SABA PRO 117
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★☆☆☆
park:★★☆☆☆
Moguls:★★☆☆☆
Touring:★★★☆☆
●よく使う状況
パウダー・フリーライド・ゲレンデ
●レビュー
世界中のICELANTICライダーの意見を統括し作られたスキー。足元が117mm、長さ展開も167-177-187cm、指定取り付け位置もドセンターから-7cmと、7という数字にこだわっています。今では珍しいフルロッカースキーですが、サイドカーブとロッカーのRが同一な設計の“リフレクティブ・ロッカー”を採用。幅広な外見からは想像できないほどのエッジグリップでありながら、サーフィンのように地形でスプレーを上げたり、遊び心のある動きも自在にできます。もちろん浮力に不足はありません。硬めのテールは安心してスピードを出せて、ビッグジャンプのランディングでも粘れる。スピンやスイッチも全く問題ありません。パウダーで地形に当て込みながら、グルーミングバーンをガンガン切って、ジャンプも楽しむ・・・山全体を自由に楽しむための欲張りな板です。個人的にはフルロッカー・ファットスキーの独特な乗り味が好き。
ブーツレビュー
FULL TILT DESCENDANT8
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ロワーシェル:★★★☆☆
アッパー:★★★☆☆
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★☆
Grooming:★★★☆☆
Hard pack:★★★☆☆
park:★★★★★
Moguls:★★★★☆
Touring:★★★☆☆
●よく使う状況(時期、場所、コンディションなど)
シーズン中すべて
●レビュー
FTにしてから一切スネキチになったことがない。LAST102mmということになっていますが、私の足幅116mmでもギリギリ痛くない。FTはスイッチスタンスで足首のねじれが使えて骨盤が開きやすいので、スイッチターンの表現力が高い。膝が入ってスネに乗れるので、立ったポジションでも低いポジションでも幅広いスタイルが出せます。レギュラーのターンだけで考えるとほかに良いブーツも沢山あるが、良い意味でのルーズさのおかげでスタイルの出しやすく、足幅問題も含めて自分にフィットしています。スネに体重を乗せて、重心が前に行きやすいのでビンディングは少し下げ気味にセットしています。ブーツの当たりに悩むユーザー、パーク・コブでスタイルを出したいユーザーにオススメです。
ビンディングレビュー
LOOK PIVOT 18
●印象を5段階で
パワー伝達感:★★★★★
信頼感:★★★★★
使い心地:★★★★☆
軽量感:★★★☆☆
登高モードチェンジの操作感:ナシ
ヒールリフターの操作感:ナシ
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★☆☆
Grooming:★★★★★
Hard pack:★★★★★
park:★★★★★
Moguls:★★★★★
Touring:★☆☆☆☆
●よく使う状況(時期、場所、コンディションなど)
今シーズンはツアービン使う機会なかったので、シーズン中すべて
●レビュー
とにかく壊れないし誤解放もしません。Jester Pro18も強い方でしたが、P18はさらに耐久性が高い印象です。例えば足で踏んで外すとJesterはヒールピースの開放値目盛りが削れてくるが、P18は削れづらい。トゥのベースプレートやブレーキ(ターンテーブル本体)は何度も交換していますが、ビンディングのサポートがない状態では、PIVOTを使うことでトータルの金銭的負担は減ります。登りにはCAST Freetourというアップグレードの選択肢もあるという利点も。耐久性・信頼性重視のハードコアユーザー向けです。ネガティブな面はヒールピースのネジの取り付けの前後幅が狭いため、より綺麗にフレックスが出るが、テールが少しだけ柔らかくなる点です。