スキーギアレビュー WAPAN,SCOTT,22DESIGNS|池田悟郎編

ライダーがこの冬使い倒した愛用のギアについて、インプレッションを語ってもらおう。
今回は札幌(定山渓)や名寄(ピヤシリ)を中心に活動する池田悟郎が愛用するギアだ。

池田悟郎 42歳

道北、道央のバックカントリーを中心に活動するテレマークスキーヤー様々な山に行き滑走すると共に、パークやストリートもこなす。Instagramを中心に映像などを発信。

Instagram:@golow1000

池田悟郎のセットアップ

スキー①:WAPAN I(イ)180cm(148-122-135)'22-23モデル
スキー②:WAPAN RO(ロ) 181cm(136-105-126)'22-23モデル
ブーツ:Scott voodoo 130 '21-22モデル
ビンディング:22designs AXL '21-22モデル

各ギアの評価

スキーレビュー

WAPAN I(イ)

●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆

●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★☆☆
Park:★☆☆☆☆
Moguls:★☆☆☆☆
Touring:★★★★★

●よく使う状況
シーズン初め(12月中旬)から2月下旬まで、主に道北エリア及び道央エリアでの標高の高いバックカントリー時(特に深雪時)、降雪量の多い日のゲレンデで使用。

●レビュー
主に深雪での使用がメインになります。私のようなテレマークスキーは板を切り替える際、板への荷重が一点に集中するため、通常のアルペンビンディングよりも沈み込みが深くなります。このi(イ)は板が深雪に沈み込みトップが抵抗受けた際、テールが通常の板よりも早く沈み込み雪面に食いつくため、ターン前半の浮力が強く感じられ、そのままターンに移行してもスムーズに浮力を生かしたまま滑走することができます。
どちらかというと、ピボットではなくテールコントロールで滑走でき、連続ターンの多い様な斜面でも常に浮力を生かしたまま滑走ができます。また、速度が落ちないため、センター中心から後ろを使うテールコントロール気味の印象から、サーフライド的な要素が強いという感想です。
足下のキャンバーがしっかりしていることと、ラディウスが20m表記ですが、それを感じさせないターン時の軽快さがあるため、均一なターン弧を描くことができ、朝一のグルーミング滑走時は最高に気持ちの良いライドが望めます。

②WAPAN RO(ロ)

●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★★☆
センター:★★★☆☆
テール:★★★★☆

●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★★
Hard pack:★★★★☆
Park:★☆☆☆☆
Moguls:★☆☆☆☆
Touring:★★★★★

●よく使う状況
シーズン中全般(バックカントリー及びゲレンデ)で使用。

●レビュー
シーズン中全般使用していました。バックカントリーからゲレンデでの滑走(ピステン後、パウダー、不整地等)に対して抜群の操作性を発揮します。ノーズ自体、若干フレックスが硬めなこともあるため、圧雪やアイスバーンでもトップがブレることなく滑走ができます。また、パウダー滑走時においても、その操作性が落ちることなく、柔らかめのキャンバーと高性質な滑走面がスキー操作を大変容易にするとともに、ナチュラルヒットやシューティングにおいても滑走の安定性及びランディングを助長します。


ブーツレビュー

Scott voodoo

●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ロワーシェル:★★☆☆☆
アッパー:★★★★☆

●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★★☆
Park:★★★★☆
Moguls:なし
Touring:★★★★★

●よく使う状況(時期、場所、コンディションなど)
ハイシーズン中の道央及び道北の1000〜1700mのバックカントリー。

●ウォークモード機能の使い心地
靴自体大変軽量化されており、ウォークモード時におけるホールド感が程良く、可動域が広いため、操作性(歩きやすさ)は大変容易です。

●レビュー
テレマークブーツ自体柔らかく、操作性が難しいイメージがあると思いますが、VooDooはホールド形式がインナー及びシェル側の二段構造のため、ガッチリとしたホールド感があるのにトレッキングブーツの様な履き心地の良さがあるため、ハイク中の下半身へのストレスを軽減してくれます。滑走においてもターン時におけるブーツのねじれや歪みを軽減し、操作性を向上するとともに、その容易性が感じられます。また、ヒールフリーの弱点であるジャンプ時のランディングについても、ハイバックがしっかりと固定されているため、大きいギャップやキッカーでも心配なく飛ぶ事ができます。


ビンディングレビュー

22designs AXL

●印象を5段階で
パワー伝達感:★★★★★
信頼感:★★★★★
使い心地:★★★★☆
軽量感:★★★★★
登高モードチェンジの操作感:★★★★★
ヒールリフターの操作感:★★★★★

●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★☆☆
Hard pack:★★☆☆☆
Park:★★☆☆☆
Moguls:★☆☆☆☆
Touring:★★★★★

●よく使う状況(時期、場所、コンディションなど)
シーズン中パーク以外のオールラウンド。

●ウォークモード機能の使い心地コメント
スキーとブーツの一体感を感じられ、非常に歩きやすい。ただキックターン時の板とバインの結合部分が弱く若干グラつきます。

●レビュー
ヒールアップ時の強度調整ができると共に、ガッチリとしたホールド感があるため、ブーツがバインの中でグラついて遊ぶ(ヒールフリーあるある)現象がなく、ターンもしやすく安定感があります。
ハイク時においても、昨年度よりヒールリフターが二段階になり、傾斜に合わせたリフターを選択できる様になったため、ウォーキングのストレス軽減及び操作性が向上されました。


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