Photo/Ayako Niki
ライダーがこの冬使い倒した愛用のギアについて、インプレッションを語ってもらおう。
今回は旭川を中心に活動する鈴木彩乃が愛用するギアだ。
鈴木彩乃 Ayano Suzuki
1980年北海道札幌市出身。中学時代からアルペンスキーで頭角を現し、ジュニアオリンピック、世界ジュニア大会で優勝するなどジュニアのタイトルを総なめにし、1996 年には全日本スキー選手権大会で滑降・スーパー大回転の 2 種目で優勝。全日本ナショナルチームに入り、FIS レースやヨーロッパカップなど、世界を転戦した。その後一般企業でOLとして働くも、スキーへの情熱を取り戻し、冒険スキーヤー・基礎スキーヤーとして再びプロスキーヤーの道を歩み始める。
Instagram:@ayanosuzuki.hokkaido
鈴木彩乃のセットアップ
スキー:Vector glide GENIUS Narrow 185cm(140-115-130)'21-22モデル
ブーツ:OMNIS PRO 120 '22-23モデル
ビンディング:Marker F12 TOUR EPF 解放値10で設定 '21-22モデル
各ギアの評価とレビュー
スキーレビュー
Vector glide GENIUS Narrow
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★☆☆☆
park:★☆☆☆☆
Moguls:★★☆☆☆
Touring:★★★★★
●よく使う状況
時期:11月〜4月くらいまで。
ゲレンデ、サイドカントリー、バックカントリー。アイスバーン以外の雪質でほぼ全て使用。緩斜面〜急斜面斜面、どこでもゲレンデ、オフピステコース、スキー場、BC山域など
●レビュー
ウエスト幅115㎜ですが、見た目の存在感とは違い、安定性から生まれる安心感で滑れてしまいます。ターンのテイストは誘導するかのようにしなやかで、トップロッカー形状からスムーズなターン始動に入り、ターン後半まで安定感を適度に楽しみながら、至福のターンへ導いてくれます。見た目より素直なスムーズ動きが特徴的です
足元で浮遊感を感じられるので、滑走面全体で次のターンへと繋げてくれるのが特徴です。
シーズン一番の雪が目の前にあった時、急に滑れるか不安になる事ありませんか? ジニアスナローは、滑り始めると滑れるかな、転ぶかも…といった安定性、不安感がありません。軽すぎず、滑り目的にはしっくりくる重さ。滑走時には走破性があり、登坂の時の重さは気になりません。
ブーツレビュー
OMNIS PRO
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ロワーシェル:★★★★☆
アッパー:★★★☆☆
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★☆☆
park:★★★☆☆
Moguls:★★★☆☆
Touring:★★★★☆
●よく使う状況(時期、場所、コンディションなど)
時期:全ての雪シーズン。滑る時期全て。
コンディション:全てのシチュエーション。
●レビュー
ウォークモードがないため、前後の可動範囲がカチッと固定されず自分のターンポジションを自由に探せます。それによりターン弧の質も、その状況や雪に合わせて変えるようになり、粘りを明確に感じ、板に対する反応を瞬時に捉えれるので、ダイレクトに雪面を感じられます。そのため、動作が流れるようにスムーズです。私はこのブーツじゃないとパウダーで、自分のパフォーマンスを生み出せないと感じています。
ツアーブーツに比べればもちろん重いですが、滑りでは最高なパフォーマンスへ導いてくれます。
普通のブーツよりも少しだけ後ろへしなやかに動くので、ウォークモードがなくても歩きやすいです。ただウォークモード付きの方が可動域は幅広いので、登坂のことを考えると兼用靴の方が快適だと思いますが、パウダーでのターンの質を自由にしやすいことや、唯一無二の反応、途切れないスムーズさを考えるとこのブーツは手放せません。
ビンディングレビュー
MARKER F12 TOUR EPF
●印象を5段階で
パワー伝達感:★★★★☆
信頼感:★★★★★
使い心地:★★★★★
軽量感:★★★☆☆
登高モードチェンジの操作感:★★★★☆
ヒールリフターの操作感:★★★☆☆
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★★☆
park:★★★☆☆
Moguls:★★★☆☆
Touring:★★★★☆
●ウォークモード機能の使い心地
操作性:★★★★☆
歩行のしやすさ(可動域):★★★★☆
兼用靴でなくても簡単にはけて、ウォークモードとスキーモード変換がシンプルで扱いやすい。
●よく使う状況(時期、場所、コンディションなど)
時期:11月シーズンインから5月頃まで。
場所:全てのシチュエーション。
コンディション:全てのシチュエーション。
●レビュー
スキンを外してから滑走準備までの行程がとてもスムーズ。登坂&滑走または、逆への切り替えも、シンプルなので、わかりやすい。テックビンディングより重量感はありますが、それ以上に滑走への安心感は計りしれません。スキーへのパワー伝達が良く、自分らしい安心なターンへと導いてくれます。それに、しっかりとしたホールド感が安心です。
普通のビンディングにハイクモードがついてるので、ビンディング自体がしっかりしており、外れるイメージがありません。私にとって安定のビンディングです。