あらゆる環境下でも安定した性能を発揮する製品を作り出す。その願いのもとに生まれたNORRØNA(ノローナ)。’21季はフラッグシップモデル〈Lofoten〉がフルモデルチェンジを果たした。
<lofoten> ブランドのアイコン、フルモデルチェンジ
ブランドのなかでも通気性や耐久性などの機能性に優れ、ハイクアップからヘリスキーなど様々なマウンテンライフに対応するカテゴリーが〈lofoten〉だ。’21季の製品はさらに高い機能性を追求するためフルモデルチェンジがなされた。
ビーコンポケットなど細かなパーツの変更や各製品のゴアテックス素材を刷新し、生地の厚さについても大幅な見直しを行っている。さらに’21季はシリーズ新登場となるGore-Tex Pro plusが登場する。
スキーヤー・スノーボーダーにとってはブランドのアイコンとして定着しているこのシリーズ。先代モデルに比べ、より通気性・透湿性を高めたゴアテックス生地に変更し、生地厚を増している。これによって、より堅牢性が高く快適なウエアへと進化した。
新しく追加された長いフロントジッパーは開放すれば通気を促すだけでなく、ビーコンへのアクセスが素早くできる仕様。
パンツも生地とエッジガードの素材を一新。さらに生地同士の接合部を少なくした裁断パターンを採用することによって、動きやすさも向上させながら、耐久性の高い一着へと進化を遂げた。
ジャケットは軽量で通気性に優れる40デニールのGORE-TEX 3レイヤーを使用。裏地にはゴアテックス社と共同開発したRGRインターロックバッカーを用い、柔らかい着心地と対候性が向上した。
パンツは上記の『Pro』に比べ、やや細めのシルエット。サイドに大きなメッシュベンチレーションジッパー、裾に施されたスナップボタンは絞りを調節し、裾の引きずりを防ぐなど細かな配慮がなされている。
新登場したアノラックのインシュレーションジャケット。世界最軽量の断熱材であるエアロゲルを中綿のプリマロフトゴールドにコーティングすることで、減量しながらも保温性を高めたアノラック。表面の生地には耐久性・防風性・撥水性に優れたリップストップナイロンコーデュラを採用し、肩、胴体下部、袖口にGORE-TEX 2Lの補強を加えている。シェルの上から羽織れるややゆったりしたシルエットだ。
NORRØNAが高機能な製品を生み出すわけ
1929 年、ノルウェーのアウトドア愛好家であったJørgen Jørgensen (ヨルゲン・ヨルゲンセン) は、ノルウェーの厳しく過酷な自然環境下で使用できるものを求め、耐久性の高いアウトドア用具の製作をはじめた。
ヨルゲンは当時から、「最高の技術を追求し、究極のパフォーマンスを発揮する製品を世に送りだす」というノローナブランドの哲学を定め、モノづくりをスタート。その意思は創設から90年におよぶいまでも、かたく受け継がれている。
すべての製品は、世界中の山々で活躍するスキーヤー、ガイド、クライマーといったプロによってテストされる。そして、彼らが製品に満足できたもののみがリリースされるのだ。そうすれば、その製品は世界中のアウトドア愛好家からも認められると信じているからだ。
NORRØNAのスノーウエアプロダクトには大きく分けて、4種類のカテゴリーがある。カテゴリーのそれぞれの名前は、ノルウェーの地名に由来しており、それぞれの地域の特性に沿ったアクティビティとラインナップが揃っているのだ。
lofoten(ロフォテン)=BIGMOUNTAIN FREERIDE
tamok(タモック)=BACKCOUNTRY FREERIDE
lyngen(リンゲン)=SKI TOURING
trollveggen(トロールヴェゲン)=WORKWEAR FOR THE MOUNTAIN / ALPINE CLIMING
lofoten以外のカテゴリーも順に追っていこう。
<tamok> ディープパウダーの日にこそ着たい
ノルウェー北部に位置するパウダーエリアのtamokからインスピレーションを受けたコレクション。〈tamok〉はノルウェー北部のボールズフィヨルド市にある30kmにも及ぶ長い谷地形の神秘的なパウダーエリア。 豊富な積雪量を誇り、近年はスノーバムが多く集まることで注目されている。
このモデルの特徴は最新のゴアテックス技術を採用し、ジャケットは丈が長く、ビブは胸まで覆った独特なデザインにある。バックカントリー、フリーライドの激しい動きと、ノルウェー北部の厳しい気候に対応できる優れた機能を備えている。
ジャケットはゆったりしたフィット感。肩と肘には高い耐久性と透湿性を併せ持つ200デニールの生地による補強が施されている。メッシュ付きチェストベンチレーション、大きなナポレオンポケット、雪の侵入を防ぐハンドカフ、脇下のベンチレーションが備わる。
ビブパンツはパウダーデイだけでなく春先まで使える汎用性がある。全体が200デニールの分厚い生地で裁縫され、高い耐久性も備える。サイドジッパーは雪の侵入を防ぐメッシュ付きのベンチレーションとして役割を果たしつつ、左側のジッパーはビブ上部まで開放できる仕組みになっている。これによってビブパンツの厄介な着脱の猥雑さも解消している。
<lyngen> 行動重視派ウエア
ノルウェー北東のトロムソ県に位置するリンゲンアルプスは険しい山岳地帯。マウンテンスキーツアーのメッカとして知られている。ここはいくつもの大きな氷河がフィールドに広がっており、夏にはクライマーやハイカーが訪れている。
この壮大なランドスケープからリンゲンのコンセプト【スキーマウンテニアリング -ライトウェイトの装備でアルパインを登り、ピークから滑降する-】が生まれた。
リンゲンのラインナップはこうした志向のクライミングとスキーに必要な軽量性を備え、過酷なアルパインツアーのための防風性と透湿性、柔軟性にフォーカスして開発されている。
スキーツアーやトレッキングに適した、防水性、軽量性、通気性を兼ね備えたシェルジャケット。肩、袖、襟にはGore-Tex C-knit™ を使用し動きやすさと耐久性を高め、そのほか動きが少なく熱が溜まりやすい部位にはGore-Tex Active 2.0によって通気性を確保している。
<trollveggen> より耐久性の高い一着を
ノルウェーが誇る1000mクラスの北壁トロールヴェゲンの名がついた、アルパインクライミングシリーズ「trollveggen」。困難な環境下でこそクライマーをサポートし、ブランド最高峰の耐久性と機能性を誇っている。
1979年、3人のノルウェー人クライマーは「trollveggen」のジャケットを着用し厳冬期のTrollveggenスウェディッシュルートを2週間かけて初登攀した。それ以来、このウエアは先鋭的なアルピニストから選ばれ続け、過酷なクライミングフィールドはもちろん、ビッグマウンテンでの着用、日々のワークウエアとして愛用されている。
耐久性、機能性、および耐候性を格段に高めたジャケット。より効率的な動きを求めて人間工学に基づいた裁断を行い、シームの数を減らすよう設計。外部に露出するパーツを極力減らすことによって、不意な故障の可能性を軽減している。
20-21季のFeature Topics
lofoten にさらなる機能性を向上させた Plus が登場
NORRØNAの全ラインナップのなかで最も耐久性があり通気性が確保されたジャケット。特徴的な外見となるメインジップと並行するフロントジップ、脇下、上腕裏の3つのベンチレーションにより空気の流れが生まれ、内側の熱を一瞬で放出する。ビーコンに迅速にアクセスできるようフロントベンチにはベルクロで開口するエントランスが施されている。
lofoten Gore-Tex Pro Anorak 数量限定の新モデル
アノラックタイプのジャケット。メンブレンにゴアテックスプロを用い、堅牢性に優れている。丈の長いシルエットは、臀部まで保護しディープパウダーがウエア内に入ってくるのを防いでくれる。両サイドの裾から伸びるジッパーは独特なデザインで、これによって換気や着脱を容易するなど、さまざまな利便性をもたらしている。
NORRONAの全ラインナップはこちら。
http://www.full-marks.com/norrona/