ミレー、ティフォン ウォーム スティープ|滑るジャンルを問わない快適性の高いスノーウエア  

50,000mm(50,000g/㎡/24h)という高い透湿性を誇るミレー独自の素材「ドライエッジ ティフォン」。1㎡の生地を24時間の間に蒸気が50Lも透過するという一般的なレインウエアの2倍近い防水透湿素材の利点を活かし、スキー・スノーボード用に開発されたのが、この冬に登場する「ティフォン ウォーム スティープ」だ。

そもそも「ティフォン」が世に出たのは2015年の春夏モデルから。フランス・アネシーを拠点に置くミレーだが、この素材を使ったウエアの開発は日本が主導する形で進められた。暑い時期や雨の登山が多い国内の環境でウエア内が蒸れることなく快適に過ごしたい、というのが開発背景にある。

その後、「ティフォン」を採用したラインナップは拡充を続け、今では春夏のトレッキングに使える「ティフォン 50000 」や、オールシーズンに渡って使える「トリロジー ティフォン タフ」、秋冬の登山などに最適な「ティフォン 50000 ウォーム」と展開。そして、いよいよ23季には、その性能を活かし滑りにフォーカスした「ティフォン ウォーム スティープ」が生まれたというわけだ。

秋冬の「ティフォン ウォーム」と「ティフォン ウォーム スティープ」は何が違うの?

「ティフォン ウォーム」がアウトドアシーンに登場したのは2017年。基本的な作りは春夏モデルと大きく変えず、秋冬用ということで裏地には起毛トリコットを、初期モデルの表地は今より少し厚めの生地を採用していた。
「ティフォン ウォーム スティープ」の登場前から、サポートライダーの多くがこのモデルを着てスキー場やバックカントリーを滑っていたという。その理由は言うまでもない。動いている時のウエア内の蒸気が効率的に抜けて滑走時に快適なのはもちろんのこと、軽い着心地がアグレッシブな動きに最適なのだ。とはいえ、滑ることを主体にしていないモデルだけに、秋冬の山を活動するディテールの作りになっている。

まずは「ティフォン ウォーム」と「ティフォン ウォーム スティープ」の仕様の違い部分をみてみよう。

左が「ティフォン ウォーム」パウダーガードはない。右の「ティフォン ウォーム スティープ」は脱着可能なパウダーガードがつく
申し訳程度に付いていた「ティフォン ウォーム(左)」のエッジガード。「ティフォン ウォーム スティープ」では耐久性の高い素材を大きく使ったエッジガードが付き、ブーツにかぶせるゲイターも装着。これで一気に滑走用パンツの装いになっている
奥の「ティフォン ウォーム」パンツはポケットが前面左右に縦ジッパーのポケットがあるシンプルな作り。一方手前の「ティフォン ウォーム スティープ」は横方向へのジッパーに変更し、左大腿前方にはマチのあるポケットが追加されている
手前が「ティフォン ウォーム」ジャケット。奥が「ティフォン ウォーム スティープ」。前面のポケット位置が中心に向かって移動へと改良された。また、首周りや肩のパターンも滑るために動きやすいカッティングへと変更している
出し入れができるクリア仕様のリフト券ホルダーが付いた「ティフォン ウォーム スティープ」。奥の「ティフォン ウォーム」にはつかない。また、「ティフォン ウォーム スティープ」では袖を絞るベルクロは幅を増し、操作性を高めて調整が簡単になっている

このように、「ティフォン ウォーム スティープ 」では優先順位の都合で省かれた大多数が便利さを得られる機能を数多く盛り込み、滑る人向けに開発された。

「ティフォン ウォーム」はバックカントリーを主戦場として使う人にとっては、高い性能を誇った防水透湿素材と、無駄を削ぎ落とした作りが、軽さと動きやすさを生み出し、使いやすさに直結していたが、それは使える人を限定していた。ミレーのシェルモデルはインシュレーションペアリングと言って、フィールドの環境に応じてウエア内の着る物を調整して使うことで、厳冬期から春まで長いシーズンを1着で使い込める。いわば、経験豊かな滑り手にとっては、アレンジが効く申し分のない出来栄えだったのだ。

そこへミレーでは、防水透湿性素材に優れたシェルウエアの人気の高まりの後押しを受けて、バックカントリーでの使い勝手の良さをベースにしながら、スキー場を滑るユーザーが使いやすいように手を加えたのが、「ティフォン ウォーム スティープ」になる。

「ティフォン ウォーム スティープ」シリーズの機能に迫る

「ティフォン ウォーム スティープ」の軸になっているのは、透水性50,000mm(50,000g/㎡/24h)と20,000mmの耐水圧をもった素材「ドライエッジ ティフォン」だ。ウエア外側からの水分を防ぐだけでなく、内側に貯まり体を冷やす要因となる蒸気を積極的に外部へと排出する。その表地は50デニール。柔らかな縫い糸を撚りながら硬くして耐久性を出すのが通常だが、絶妙な撚り具合によって、生地の柔らかさを残しつつ、デッドエアを貯めやくしたのも特徴だ。裏地の起毛トリコットとあいまって、「ティフォン ウォーム」以上に暖かさと柔らかな着心地をもたらしている。

スキー場を滑る時の利便性や快適性を求めるために、バックカントリーを滑るサポートライダーの他に、SIAのデモンストレーターをはじめ、多くの滑り手の声に耳を傾け、開発を手掛けたミレー。こだわったのは着用感。ウエアを着た時に、ストレスを感じないフィッティングや動きやすいシルエットは何度も改良を重ねてチューニングした。

その際、より注力したのが多くの人が使いやすい基準の一つとして挙げる、ポケットの位置や収納の仕方についてだ。レッスンをする人がテスターに多かったこともあり、細々とした物をポケットに収納したい要望が高かったという。特にパンツのポケットを縦方向のジッパーから横方向のジッパーに変えたのは、仮に締め忘れても中の物を落としにくくして欲しいといった要望を基にしている。ジャケット正面の胸ポケットも斜めジッパーになり、マチを設けて収納性を高めているのもそうした声を反映したものだ。

ちなみに、収納式のリフト券ホルダーは当初賛否両論があったようだ。機械へ通すパスが多くなった時代に見せるタイプは必要なのか? という意見も多く出たが、現場ではここにチケットを入れる他に、例えばレッスンのスケジュールを入れたり、スキー場のMAPを入れるなど、使う人によって様々な工夫がみられた。
これもスキー場で使う人のニーズが様々にあることを知った一つの事例だという。

雪や冷気の侵入を防ぐパウダースカート。取り外しが簡単なので、暖かくなったら外せば時期を問わずに使える
立体裁断と適切なストレッチ性能によって、特に背中から肩周りにかけての突っ張る印象は皆無になっている。同様にパンツも足を大きく曲げ伸ばしてもストレスを感じない
裏地に採用しているのは起毛トリコット。心地よい肌触りと保温性を備えた。起毛した生地を張り合わせるシームシーリングは特殊技術。水分の侵入しやすい部分を完全防水仕様にしている
ジャケット前面の大きなポケットはマチが付き収納力も高い
内側の仕分けポケットはスマートフォンがジャストサイズで入れられる仕様。滑り落ちる心配も解消されている
脇下に備えられたベンチレーション
激しく動いても蒸れを外へと逃せるパンツ側面のベンチレーション
気軽に取り出したいものは、サッと手が伸びる左大腿前面にマチの付いた大きなポケットを設置。このポケット内側にも仕分けポケットがついている
ヘルメットの上からもかぶれる大きなフード。インナーカフによって外からの冷気を確実にシャットアウトできる。ツバ部分にはワイヤーが入っているため微調整も簡単

タフな環境でも申し分ない性能の高さがもたらす安心感とともに、スキー場内での使い勝手に優れた様々な機能を盛り込んだ「ティフォン ウォーム スティープ」はこの冬の注目株のひとつだ。

ティフォン ウォーム スティープ ジャケット&パンツ スペック情報

ティフォン ウォーム スティープ ジャケット TYPHON WARM STEEP JKT

【MEN】
サイズ:XS、S、M、L、XL
カラー:DEEP RED/NOIR、METHYL BLUE/SAPHIR、H.MUSTARD/BLACK
重量:672g
59,400円

【WOMEN】
サイズ:XS、S、M、L
カラー:DEEP RED/SAPHIR、METHYL BLUE
重量:590g
58,300円

独自の防水透湿素材「ドライエッジ ティフォン」は耐水圧20,000mm、透湿性50,000g/㎡/24h。様々なスノーアクティビティに対応した機能の高さから、スキー・スノーボードといった滑走ギアやフィールドを問わず使える一着。ウィメンズ独自のカッティングによってメンズモデルよりも100g弱軽くなっている。

ティフォン ウォーム スティープ ジャケット TYPHON WARM STEEP PNT UNISEX

サイズ:XXS、XS、S、M、L、XL
カラー:DEEP RED、BLACK-NOIR、SAPHIR
重量:544g
49,500円

パンツもジャケット同様の防水透湿素材「ドライエッジ ティフォン」を採用。男女兼用モデルとなりサイズ展開も豊富。スキー場からバックカントリーまで幅広く対応した軽量パンツだ。

Photo/Shouta Kikuchi

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