Skier:山木匡浩 Photo:Key Sato
ライダーたちが愛用しているスキーのなかから「パウダー滑走に優れた性能を発揮する」と高く評価したウエスト幅110~120㎜のファットスキーを抽出。ノーズ・センター・テールの硬さの印象を5段階で表した数字を基に乗り味をカテゴライズした。ここに集まった【程よい硬さ】のファットスキーの特徴は、「バランスの良さ」。ライダーたちに詳しく、その乗り味や使い勝手を教えてもらおう。
BLIZZARD|HUSTLE 11
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★☆☆
park:★★★☆☆
Moguls:★★★★☆
Touring:★★★★★
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
BLIZZARDのHUSTLEはただ軽いだけの軽量スキーと、しっかり強い重量感のあるスキーを足して2で割った 印象のいいとこ取りのスキーです。軽さもさることながら、足に装着した時のスイングバランスがピカイチ。
●よく使う状況
主に、登高を伴うパウダー滑走に使用。 時期は、シーズンスタートから、春の大斜面まで。 オールラウンド度が高いため、シーズン長く使用できる。
[レビューアー]
山木匡浩 46歳
札幌に住みながら、全国各地のスキー場や里山、山岳地域など滑れる場所ならどこでもいきたいオールコンディション&オールエリアスキーヤー。コロナ禍で発足させたアパレルブランド「新しいスキー様式」がファンの間では熱く盛り上がっている。
FACTION|Mana4
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★★
Hard pack:★★★★★
park:★★☆☆☆
Moguls:なし
Touring:★★★★★
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
軽く薄く扱いやすいのでどこでも行けます。個人的にはショートターン、ロングターンがかなり気持ち良いです。
●よく使う状況
パウダー、不整地、オールシーズン
[レビューアー]
星野洸我 24歳
新潟・湯沢町を中心に活動する。Faction skisのインターナショナルライダーでもある。Instagramでコンスタントに発信する映像は国内のみならず海外からも高い人気を得ている。
instagram>koga hoshino
LINE|VISION 118
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★☆☆
park:★★☆☆☆
Moguls:★☆☆☆☆
Touring:★★★★★
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
太いスキーなのにとても軽い。そのうえ、ノーズの浮きもよく扱いやすい。軽さを求めると安定感がなくなっていくスキーが多いが、カーボンやグラスファイバーをミックスさせる事で安定感を落とす事なく保持している。
滑走性能を重視していて、軽さを求めているスキーヤーにオススメ。自分は全体的にバランスがよい点が気に入っています。
●よく使う状況
シーズン前半からハイシーズン中によく使用する。ゲレンデでも滑るが、主に非圧雪バーンが多い。
[レビューアー]
丹野幹也 37歳
20代の頃は国内外のフリースキーシーンコンテストを転戦しながらTLSPの撮影活動を行う。その後、ハーフパイプ競技に転向しWカップや世界選手権に出場。
現在は、バックカントリーにもフィールドを広げ撮影活動を行っている。
2013年にスキーショップTRUNKBASEを立ち上げ、スキーの楽しみや魅力を伝えるため、ショップ運営と自身のスキー活動に日々奮闘中。
Instagram:@mikiyatanno84
VECTER GLIDE|GENIUS Narrow
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★☆☆☆
park:★☆☆☆☆
Moguls:★★☆☆☆
Touring:★★★★★
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
ウエスト幅115㎜ですが、見た目の存在感とは違い、安定性から生まれる安心感で滑れてしまいます。ターンのテイストは誘導するかのようにしなやかで、トップロッカー形状からスムーズなターン始動に入り、ターン後半まで安定感を適度に楽しみながら、至福のターンへ導いてくれます。見た目より素直なスムーズ動きが特徴的です
足元で浮遊感を感じられるので、滑走面全体で次のターンへと繋げてくれるのが特徴です。
シーズン一番の雪が目の前にあった時、急に滑れるか不安になる事ありませんか? ジニアスナローは、滑り始めると滑れるかな、転ぶかも…といった安定性、不安感がありません。軽すぎず、滑り目的にはしっくりくる重さ。滑走時には走破性があり、登坂の時の重さは気になりません。
●よく使う状況
時期:11月〜4月くらいまで。
ゲレンデ、サイドカントリー、バックカントリー。アイスバーン以外の雪質でほぼ全て使用。緩斜面〜急斜面斜面、どこでもゲレンデ、オフピステコース、スキー場、BC山域など
[レビューアー]
鈴木彩乃 42歳
1980年北海道札幌市出身。中学時代からアルペンスキーで頭角を現し、ジュニアオリンピック、世界ジュニア大会で優勝するなどジュニアのタイトルを総なめにし、1996 年には全日本スキー選手権大会で滑降・スーパー大回転の 2 種目で優勝。全日本ナショナルチームに入り、FIS レースやヨーロッパカップなど、世界を転戦した。その後一般企業でOLとして働くも、スキーへの情熱を取り戻し、冒険スキーヤー・基礎スキーヤーとして再びプロスキーヤーの道を歩み始める。
Instagram:@ayanosuzuki.hokkaido
VECTER GLIDE|INTIMACY
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★★
Hard pack:★★★★☆
park:★★★★★
Moguls:★★★★☆
Touring:★★★★★
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
特徴:2種類のサイズ展開があり、188cm/140-110-130と180cm/137-106-120 どちらもそれぞれNaturalWood&G-FRPから生まれるしなやかフレックスで、ビギナーからエキスパートまで乗り手を選ばず楽しめます。
操作感:しっかりとベントがあるノーズ&テールロッカーです。ターンの進入もスムーズで、たわませやすい形状なので、ターンの後半の抜けもスムーズ。乗り手の意思が伝わりやすく、違和感無く操作ができます。
乗り味:フリースタイルのイメージがある見た目とは裏腹に、グルームバーンでは攻撃的なカービングができます。パウダースノーでの浮力も十分で、パークで遊べる要素もあるため、バックカントリーでの多種多様な地形にもスムーズに合わせ滑ることができます。
重量感:本体のウエイトは軽くはないですが、逆に安定感がありロッカー形状独特なバタつきは一切ありません。使用用途に合わせビンディングをセレクトすると思いますが、できればセパレートタイプを選んで板のフレックスを最大限に引き出して乗ってもらいたいですね。
お気に入り点:インティマシー名前の由来である"親密”のとおり、誰が乗っても楽しめるオールラウンダー。絶妙なバランスと計算された形状は、楽しむという滑りの発想を広げてくれます。今シーズン2月に手元に来た以来、インティマシーしか使用していないのは、全ての状況で使用できるという証。
●よく使う状況
時期:オールシーズン
場所(斜面、コース、スキー場、山域など)旭川周辺のスキー場&大雪山連峰
コンディション:グルーミングバーンからパウダースノーまで、全ての状況
浅川誠 47歳
北海道旭川市出身。現在も旭川を中心に活動するスキーヤー。
instagram>makotoasakawa
VECTER GLIDE|INTIMACY SE
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★☆
Grooming:★★★★☆
Hard pack:★★★★☆
park:★★★★☆
Moguls:★★★☆☆
Touring:★★★★☆
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
安定感があるなかで、抜群の取り回しの良さが魅力です。意図するイメージどおりに操作できる性能は、状況に応じてしっかりとカービングができたり、ズラしたりと、幅広く滑れます。とくにビンディング位置がセンター寄りなので、スイング時にほとんど重さを感じません。とくに、ノーズとテールにおけるロッカーの粘り感や、しなやかさが気に入っている点ですね。
●よく使う状況
時期:オールシーズン
場所(斜面、コース、スキー場、山域など):全て
コンディション:全て
[レビューアー]
遠藤尚 32歳
フリースタイルスキーモーグル元日本代表。現在はスポーツ施設の経営とモーグル日本代表のコーチを務める。
スムーズなライディングを目指しています。
Instagram:@shoendo7
VÖLKL|REVOLT 104
●適したシーンを5段階で
Powder:★★★★★
Grooming:★★★★★
Hard pack:★★☆☆☆
park:★★☆☆☆
Moguls:★☆☆☆☆
Touring:★★★★★
●硬さの印象を5段階で(★1=ソフト←→★5=ハード)
ノーズ:★★★☆☆
センター:★★★★☆
テール:★★★☆☆
●レビュー
有効エッジ長の比率がVOLKLのツインチップシリーズの中で一番低いため、滑走中の取り回しが非常に軽くなっています。パウダーやフリーランの使用が最適ですが、長くて太くてグラフィックも良いので、見た目を重視して少し無理をしつつもパークでも使っています。と言いつつオススメはフリーラン、パウダーの比率の多い人です。
●よく使う状況
フリーランやパークを満遍なく滑る時にゲレンデに1本だけ持っていくとなれば迷わずREVOLT104を持っていきます。もちろんパウダーも◎
[レビューアー]
遠山巧 36歳
パークライディングをメインにコーチングする。今回のセットアップもパークでトリックすることも視野に入れたギアのインプレッションだ。