”長く滑り続けるために”新機能「WaveCel」搭載のAnonヘルメットを大池拓磨と山田雄平が語る

親友の事故で危険を自分ごととして捉えるようになった

「普段から一緒に滑っていた響人(原田響人)が、昨季頭を木にぶつけて一命をとりとめたんです。身近な人がそうなると、身に沁みるというか、そうした危険を自分ごととして捉えるようになりました。彼の出来事によって、気をつけて滑っていたとしても、そうなる可能性があることを改めて実感したんです。それまでは、撮影で攻めるときやアルパインエリアを滑る時しかヘルメットをしていなかったんだけど、どうしても重くて邪魔な印象がそれまではあったというか……」

そう語るのは白馬乗鞍スキー場をベースに、白馬の山々を中心にした国内の山やアラスカ、南米の山を滑る大池拓磨だ。競技として取り組んでいたモーグルをしている時は練習や大会ではヘルメットをかぶっていたが、撮影中心の活動へとシフトしてからは常にかぶっていたわけではない。

これまでヘルメットをかぶるのは、バックカントリーでアルパインを攻める時やジャンプをするときだけ。それが、身近な事故によって意識が変わりヘルメットへの考え方をアップデートした。

ジャンプの時は必ずヘルメットを装着する大池拓磨。庭とも言える白馬乗鞍スキー場の地形でフロントフリップをきめる

その彼が選んでいるのがAnonの「Merak WaveCel」だ。

Anonは2001年にBurtonを母体にしたゴーグルやヘルメットのブランドとしてスタート。当初はスノーボードシーンで広がっていたが、現在はEric Pollard(エリック・ポラード)やKarl Fostevedt(カール・フォストヴェード)、Michelle Parker(ミシェル・パーカー)といったスキーのトップライダーたちも信頼を置くブランドだ。
国内では野沢温泉スキークラブがヘルメットやゴーグルを取り入れているのをはじめ、河野克幸や大池拓磨、川口徹といった各地域のキーとなるスキーヤーたちが多く愛用している。

とくに注目を集めているのが、昨年モデルから搭載されている「ウェーブセル」という新しい安全テクノロジーだ。これは、ヘルメットの内側にレイアウトされている多孔質のセル構造が伸縮することで、頭部への衝撃を吸収する仕組み。

ヘルメット内部の緑色の素材がウェーブセル。衝撃を感知するとこの素材が構造を変えながら頭部を守る動きをする

特徴的なのはこの素材は頭部を守るために3段階の構造変化をすること。衝撃を受けると、まずセルが曲がり、衝突によるはじめの力を軽減させる。その次に、クルマのバンパーのように潰れる。最後にその曲がり潰れたセルが滑っていくことで、衝撃に力を頭部から遠ざけていく。これをインパクトのあった一瞬でこなすのだが、この挙動は映像を見るとより理解を深めてくれるはずだ。

「ヘルメットをすると、気持ちにメリハリがつきライディングにもいい影響を与えてくれます」ーー大池拓磨

子ども達と一緒に滑る機会も多い大池拓磨は、ヘルメットをかぶって地元の白馬乗鞍スキー場を滑るという。手本となる大人がかぶることで、子どもたちも安心して攻めて滑ってくるという。そこで、自身が使うヘルメットのインプレッションを伺ってみよう。

「 岩や木に少しでも衝突すれば、響人のような事故になり得ることを学んだので、安全への対策は万全にしておきたですね。いまのところ激しい転倒をしていないからウェーブセルを実感してはいないけど、信頼感は十分あります。
このヘルメットはとにかく軽いのが良いです。今までは頭が振られるような重いものだったので、それはそれで守られている感覚があったけど、これはかぶっていることが気にならない重さ。
BOAによって細かなフィット調整ができるけど、そもそものかぶり心地がとても快適だから、さらにピッタリとかぶれます。
ベンチレーションの数も多くて、レバーひとつでベンチレーションを開け閉めできるから、蒸れることはありません。ほとんど開けっ放しで滑っています。通気するウェーブセルの形も通気性を助けてくれます。

急斜面のツリーランでは一瞬の油断や慢心が転倒につながる。シビアな条件だからこそ、パフォーマンスを発揮するならヘルメットの存在は欠かせない

あと、かなり気に入っているのが、ストラップバックルがマグネットになっていて楽に装着できること。アルパインの稜線では、スキーを履くのに緊張するようなシーンも多々あります。そういったシビアな条件になるほど、身の周りのことが雑になったりするので、パチンと簡単に付いてくれるのはすごく助かります。バックルタイプでは着脱するのに両手がふさがってしまいますが、これなら滑りに集中できて良いですね。

それに、俺、ヘルメットをかぶるとスイッチが入るんですよ。顎のストラップがカチッと入った瞬間に『おっしゃやるぞ』って。ヘルメットをすることで、気持ちにメリハリがつくのはライディングにもいい影響を与えてくれます」

大池拓磨が使う「Merak WaveCel」は重量480g。軽さは快適なライディングをもたらしてくれる。首への負担も少くて良い。サイズ展開はSからXLまであるが、頭のサイズに合わせたと思っても、雪上で使う時はバラクラバやネックウォーマーなどを使うことが多いため、サイズの絶妙な調整が必要になる。そうしたときに、微調整の効く”BOA® 360°インシェルフィットシステム”はとても便利だ。換気システムも19個のベントによって、ヘルメット内部の環境を容易にコントロールできるのも嬉しい。

グローブをしたままでも回しやすいBOAダイヤル。頭の状態にあわせて細かく調整が効くため常に快適な状態がキープできる

ベンチレーションホールから見えるウェーブセル。頭部の蒸気を余すことなく外へ排出する役割も備えている

頭上のベンチレーションホールはレバーひとつで開閉しやすい構造。開閉具合も自由自在にできるため、状況に沿って使える

Anonゴーグルとの相性は言うまでもない。ゴーグル上部のRとヘルメットの形状がマッチするシンデレラフィット

「この軽さは。一度かぶったらもとには戻れません」ーー山田雄平

もう一人Anonのヘルメットを使い込んでいるスキーヤーのインプレッションをみてみよう。北海道札幌を拠点に活動する”くんさん”こと山田雄平はAnonのヘビーユーザー。
パークやパウダーといった普段の滑走時はもちろんのこと、フリーライドのコンペティションやバックカントリー、ストリートでの滑走など場所を問わず12月から雪がなくなくなるGW近くまで活用。また、シーズン中だけでなく、オフシーズンも使い1年中Anonのヘルメットを使い倒している。

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「使っているのは『Oslo WaveCel』。私は横に広い頭蓋骨をしているのですが、昨年使っていたLoganやOsloはアタリのない内側形状をしています。そのうえ、BOAがあるので、ハイシーズン中にバラクラバをかぶる時と、春シーズンに直接かぶる時の、フィット感の調節が容易です。 昨年かぶっていたLoganは、転んだり雪をかぶるとベンチレーションホールから雪が入ってくることがあり、頭や髪の毛、バラクラバが濡れることがありましたが、Osloはそれがありません。ベンチレーションホールがないため、汗抜けが悪いのかなと思ったのですが、そういった不便さは感じません

ウェーブセルを使う前までは、ヘルメットの重量をあまり気にせず使っていましたが、一昨年のモデルと比べてもウェーブセルのモデルは圧倒的に軽く、シルエットもシャープ。この軽さは一度かぶったらもとには戻れません。

あと、インナーのつけ外しが楽なのはとてもメリットがあります。私はオフトレでも使っていますが、洗濯回数も増えても煩雑さを感じることが少ないんです」

ヘルメットは滑る上でいまや欠かせないアイテムの一つだ。フリーライディングを志向するスキーヤーの6割近くが常にヘルメットをかぶってライディングをしている。
そうなると、いかに快適で機能性に溢れていながら、万が一のときに信頼性の高いものが選択の標準になるのが必定だ。Anonのヘルメットはその選択肢に真っ先に上がる高い機能性と安全性への信頼感、そして趣向性を問わないデザイン性をもっている。
安全にシーズンを長く楽しむために、欠かせないヘルメットを手に入れよう。

Merak WaveCel

メラク ウェーブセル

サイズ: S〜XL
カラー: WARM GRAY、PEACOCK、BLACK、MULBERRY
価格:35,000円+税

Oslo WaveCel

オスロー ウェーブセル

サイズ: S〜XL
カラー: BLACK、WARM GRAY、Shantell Martin、MULBERRY、Jade
価格:25,000円〜26,000円+税

商品の詳細やAnonについてはホームページ

Photo/Go Ito

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