’23-24シーズン、なんといってもこの話題が注目の的だろう。K2、ATOMIC、SALOMON、FISCHERの4ブランドから、アルパインブーツの第1・2バックルの位置に「BOAフィットシステム」を搭載したモデルが多く登場した。ここでは今年押さえておきたい新技術について、改めて確認しておこう。
「BOAフィットシステム」とは?
「BOAフィットシステム」の特徴は、なんといっても包まれるようなフィット感だ。これまでのバックルタイプでは、バックルを留め具に引っ掛けるため、引っ張られる感覚があった。よく小指が押される感じがあったりと、アタリが生まれ等、きちんとブーツと足がフィットしにくく、力が分散しがちだった。
「BOAフィットシステム」では、ワイヤーレースで締め上げていくので、徐々に自分の足に合うフィット感が生まれる。従来のバックルタイプでは得られない快適性が格段にアップしているのだ。パフォーマンスの面でも、かかとがブーツのヒール部分にしっかり収まることで、エッジ・トゥ・エッジのコントロール性能が向上するという研究結果が出ている。
「BOAフィットシステム」はこれまでスノーボードブーツやゴルフシューズなど、さまざまなスポーツシューズに搭載している知識や経験を活かし、アルパインブーツ向けに新たなシステムを開発し、今回の発売までに5年以上の年月をかけて、満を持してお披露目となった。
BOA搭載アルパインブーツの特徴のひとつはワイヤー(レース)だ。SS3という新開発のレースで、一本のレースは、109本の細かいワイヤーを撚り合わせて作られている。直径1.7mmで、スノーボードブーツなどで使われているものより太く設計。スキーのエッジでも簡単には切れず、滑走スピードや力に耐えうるよう、最大245kgの引張強度を持っている。
フィット感を調整するダイヤルは「H+i1」モデルを採用。ダイヤルを垂直に押し込んで回すと1クリックずつ締まり、ブーツ脱着時には引き上げると一気にリリースする。ここまでは、従来のBOAと同じだが、「H+i1」は1クリックずつ緩めることができる。これにより緻密なフィット感が生まれる仕組みとなっている。
気になるのが、激しいクラッシュ時にBOAのダイヤルが外れてしまうのではないか、ということ。壊れて締められなくなったら……という心配もあるが、そこはご安心を。極端な衝撃を受けると、ダイヤルはワイヤーと繋がったまま外れる。ダイヤル自体は爪とバネで固定される構造なので、元の位置にセットして押し込んでやればバチンっとはまる仕組みだ。そのあとは元通り、ダイヤルでワイヤーを緩めたり締め上げるといった動作が行える。
BOAが壊れても無償でパーツ交換できる「BOAライフタイム保証制度」
「BOAフィットシステム」は、アルパインブーツの製品寿命の期間に限って、保証制度が付帯していることも特徴の一つ。万が一、ダイヤルやレースが破損した場合も、BOA公式サイトから無償修理キットを取り寄せ可能で自分で修理することができる。取り扱いショップでも欲しいパーツがあれば、交換可能となっている。(別途取付工賃が発生する場合あり。詳しくは各ショップにて)
BOA搭載モデルラインナップ
K2からはMINDBENDER・RECON・ANTHEMシリーズ、SALOMONからはS/PRO SUPRAシリーズ、ATOMICからはHAWX ULTRA XTDシリーズ、FISCHERからはRC4シリーズと、4ブランド計26モデルが登場。好みの滑走スタイルに合わせて選べる。従来のバックルタイプとBOAタイプと2種類から選べるモデルもあるので、ぜひ受注会やショップなどで履き比べてみるのがいい。
K2
RECON 120 BOA®
FLEX:120
LAST:MultiFIT Last (97-100mm)
WEIGHT:1,580g
SIZE:24.5-30.5cm
ATOMIC
HAWX ULTRA XTD 110 BOA GW
FLEX:110
LAST:98mm Narrow Last
WEIGHT:1,825g (26-26.5cm)
SIZE:24/24.5 - 29/29.5cm
SALOMON
S/PRO SUPRA BOA 120
FLEX:120
LAST:100/106mm
WEIGHT:1,880g (26.5cm)
SIZE:24/24.5 – 28/28.5cm
FISCHER
RC4 130 MV
FLEX:130
LAST:100mm
WEIGHT:1,885g
SIZE:25.5 - 28.5cm
Information
BOA
URL:https://www.boafit.com/ja-jp