バックカントリー & スキートリップに欠かせないLOCATOR
スキーをすることは、多くの人にとっては旅をすることと同義である。車や公共交通機関を使って移動して、地方へ足を伸ばし、現地の山や雪、食や人との関わりを楽しむ。バックカントリースキーはその冒険の要素をさらに含んでいる。
ARMADAのLOCATORは、まさに旅と冒険の相棒となるスキーだ。
ARMADAブランドのなかでもバックカントリースキーに適した、軽量かつ滑り派も満足できる性能を持ったスキーに位置付けられる。ブランド最軽量を誇り、長時間の歩行や山麓からフルハイクするスキーヤーに最適だ。通常であれば軽さが重視されると滑走性能が損なわれがちだが、そうではないのがLOCATORの優れるところ。
ギミックとしては、芯材に軽量で強靭なカルバコアという素材が用いられている。LOCATORの場合、通常のスキーよりもこのカルバコアが薄く用いられているので、さらに軽い。その代わりに補強材として太い線状のカーボンシートがノーズトップからテールまで入っている。芯材を薄くし、軽さと強度を両立させている仕組みだ。
そんなLOCATORを使いながら日本各地や世界を旅するスキーヤーがいる。それが河口 TKY 尭矢だ。河口は大学を休学したのちカナダのウィスラーにスキーをするために単独で飛び、ウィスラーに飽き足らず、ユーコン・アラスカにも足を伸ばし、旅の奥深さに出会った。これまでスキートリップとして20カ国、同じくライフワークとして続けているサーフィンのための旅も合わせると50カ国を旅している。
そんな河口は22-23シーズン3月に北海道黒岳とノルウェーのロフォーテン、4月に北海道利尻、5月に北海道知床と富士山を滑っている。昨シーズンもっともLOCATORを使ったで一人であろう。
その河口に、LOCATORとともに旅した様子を聞いていこう。
軽いことで体力が温存でき、情報収集も可能
僕は普段、野沢温泉でガイドをしながらシーズンの半分を過ごし、残り半分の時間を旅に当てています。
旅とLOCATORの相性の良さは、とにかく軽いことです。旅において軽さが正義になる場面がたくさんあります。たとえば飛行機での重量制限のLCCや国内線で20kg、国際線で30kgです。それ以上の荷物を持ち込むには追加の金額を支払わなければいけません。そのボーダーを超えないようにするために大きく貢献しています。また、軽いことで持ち運ぶ際の疲労具合も大きく違います。移動の疲れがなくなれば旅をより一層楽しめますからね。
黒岳と無名峰を巡る
3月に旅をした黒岳ではおもにロープウェイも用いながら滑走ポイントまでアクセして、比較的ライトなバックカントリーを楽しみました。ニセコや札幌と違い、どかっと降るような場所ではないので、適度にクリーミーな雪質が楽しめます。ほかにもいくつか板を持っていますが、3月以降はLOCATOR96しかほぼ使いません。ちょっと細いと思われるかもしれませんが、全く問題ありません。LOCATORはハイクも楽ですし、トップロッカーなのでかなり浮いてくれるんです。黒岳のほかにも雪が降った場所を追いかけて、無名峰の良さそうなポイントを地図をみながら探して滑っていました。あらかじめ予定を決めすぎるのではなく、いろいろなところを冒険してみるのも旅の醍醐味ですね。
車一台とロケーターでロフォーテンを旅する
ノルウェーのロフォーテンは海のなかにアルプスの巨大な山塊を沈めたような絶景の場所です。日常からノルディックスキーの文化が発展しているので、犬の散歩時やランニング感覚でスキーを履いている人がいます。そこにきて近年はより山奥深くに登れるギアが発達し、バックカントリースキーをする人が増えていると思います。
ノルウェーでは車を一台借りて、旅をしながら滑れそうな斜面を探していました。いい場所を見つけたら道端に止めて3時間くらい歩いて滑る、という生活を送っていました。ロフォーテンは積雪量が200cmほどなので、日本のようにドカドカ降る気候ではないですが、北極圏でありずっと氷点下なので、いつまでも雪が冷凍保存されています。僕は日本の雪質に勝てるのは、アラスカとノルウェーの西海岸くらいだと思いますね。それくらい雪がいいんです。
ノルウェーでの相棒もLOCATOR96の一択です。スキーが軽いことの恩恵は計り知れません。歩きながら景色を楽しんだり、「あの尾根の向こう側が良さそう」って思えばサクッと見に行って情報収集できたり、なによりもドロップポイントまで行っても足が疲れていないので、滑りに集中できるんです。やはりそこが滑りを大切にしているがゆえに軽さを求めたARMADAのLOCATORですね。
このように旅をしながら、自分で見つけたポイントのバックカントリーに入ることはとても楽しいですが、地形図を用意しているのはもちろん、事前から周辺エリアの天候の履歴を追って、リスクを最小限に抑えています。
スキーとサーフィンが楽しい絶景の島
実は僕は旅人や移住促進のために毎年利尻島を旅をしてその様子を発信する、という利尻富士アンバサダーという活動をやらせてもらっています。
利尻島も日本海に山が浮いたような様相です。ロフォーテンは諸島ですが、利尻は単独峰の三角形の山が浮いている国内でも有数の絶景です。
利尻富士の山頂部までは僕の場合は7〜8時間くらいでやっと着く、ロングハイクの山です。山頂部は風が強く雪が飛ばされてしまいます。素晴らしい景色で撮影などのロケーションとしてもピッタリですが、純粋に北海道らしい雪質を楽しみたいなら、麓の沢筋がオススメです。そこまで行くのにも2〜3時間は歩くので、ここでもLOCATORの力は遺憾なく発揮されます。僕は趣味としてサーフィンもするので、滑って波に乗れるのもオススメの理由のひとつです(笑)
LOCATORを担いで歩いた羅臼岳
知床へ行ったのが5月だったのですが、雪も溶けてしまっていてたのでサーフボードも持って、スキーとサーフィンを両方楽しみにいきました。知床の山は海別岳などは滑ったことがあったのですが、羅臼岳はちゃんと滑ったことがなかったので、前々からチャンスがあれば狙っていたんです。知床峠が開通するタイミングの5月の三週目ですね。例年よりも雪が少なかったので、ギリギリ滑ったという感じで、ハイクもほぼスキーを背負っては薮を漕いで、雪が出てきたら板を履いてハイクアップして、そんでまた薮漕いで……。という山行でした。
生まれ故郷、静岡で唯一滑れる山
そうやって、色々旅をしていながら、地元の静岡で滑れる場所って、富士山だけなんですよね。静岡県民って富士山に意外と登らないんですけど、僕はスキーで富士山に登るのが、毎年恒例になっていますね。富士山って山登りをする人からしてみたら敬遠されがちですが、3778mの単独峰なのでやはり景色がすごくいいんです。そして、海も見える。知床や利尻、ロフォーテンもそうですが、僕が行く山は海に向かって滑る山が多いですね。自分がサーフィンにも原点があるからかもしれません。
ちなみに、去年はこれ以外にも1月、2月に札幌、ニセコ、東北エリアにも行きました。大雪が降る季節はARMADAのWHITE WALKERや、SHORT PANTSなどもオススメですよ。僕が普段滑る野沢温泉はゴンドラで効率よくいろんな斜面にアクセスできるため、1日だけなら山を旅する感覚が抜群です。野沢温泉でバックカントリーを滑る際もLOCATORを使います。信州の豪雪でも、北海道の軽いパウダーでもどこでも活躍するのがLOCATORですね。
登りも滑りもこれ一本。旅が楽しくなるスキー
総じて言うと、ロケーターは軽くて持ち運びがしやすいスキー。なのに、滑走性能をないがしろにしていなくて、本格派の滑りができる。むしろ体力を温存できる分、滑りに集中できるスキーだと思います。旅は荷物が多くなったり、旅先によっては雪質や環境がさまざまです。LOCATORさえ持っていれば、どんなシチュエーションにも対応できるし、もっと雪山の登行も旅中の移動も楽になります。その結果、快適で楽しいスキートリップが送れるんです。
■プロフィール
河口 TKY 尭矢●かわぐち たかや
静岡県出身。新潟にいる祖父と叔父がスキー学校の校長、インストラクターをしていたことをきっかけに、幼少のころからスキーに触れる。大学に入学したのち、スキーをするためになんの身寄りもないウィスラーへ単身飛ぶ。ユーコンやアラスカへ足を伸ばし、この滞在中に「旅」の魅力に気づき、以後、同じくライフワークとしているサーフィンとともに、滑れる場所・波に乗れる場所を探して旅をしている。
冬は1月まで野沢温泉でガイドしながらベースにしていることが多く、国内外を旅し続けている。
ARMADA
公式サイト:https://armadaskis.jp/