板・ブーツ・金具の個性が発揮されながらバランスが良いセットアップ|2023スキーギアレビュー |VECTOR GLIDE,OMNIS,MARKER|鈴木彩乃

ライダーが昨冬使い倒した愛用のギアについて、インプレッションを語ってもらおう。
今回は北海道・旭川を中心に活動する鈴木彩乃が愛用するスキー、ブーツ、ビンディングだ。

ライダープロフィール

Photo:Sho Endo

鈴木彩乃 Ayano Suzuki 43歳

元アルペンスキースピード系日本代表。全日本アルペンスキー滑降2種目チャ ンピオン。16歳でAlpen SkiワールドジュニアGSLチャンピオンに。 スキー歴34年。競技、技術選、元SAJデモ、フリーライド、ヒマラヤ未踏峰3座スキー滑 走。夏はサイクリングツアー全般でロードバイク、グラベルロード、MTB、SUPツアー。ウェイトリフティングや食も含めたスポーツ全般愛好家。スキーセッション、雪山スキー遠足、スキー技術レッスンもおこなっている。

Instagram:@ayanosuzuki.hokkaido

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鈴木彩乃のセットアップ

セットアップ全体のレビュー

このセットアップはどのような場所、シチュエーションで滑ることを想定したセットアップですか?

鈴木彩乃
積雪があってもなくても、ゲレンデでもオフピステやパックカントリーでもどこでも今シーズンは使う頻度が高かくなる、長さ、太さ、反応も自分にはちょうど良くて、キレキレターンもズラシもでき、金具の強度もハイクもスムーズ。

ブーツも兼用ブーツではないタイプなので重さはありますが、滑る感覚と力の伝わりやすさ、金具との安心感、板、金具、ブーツの3つのバランスが、どこでも安心して個性がわかりやすいセットアップ。

このセットアップにしている理由を教えてください。

鈴木彩乃
まだ体力とパワーが維持できているので、ハイクモードや軽量のスキーブーツは使っていません。その目的は『滑り目的』だからです。全体的に今の軽量セットアップに比べると重さがあるセットアップを使用。

軽さのメリットはハイクが楽ですし、体力を温存しやすい。私が感じるデメリット、軽さゆえに足元の安定性が少なくなる。固い所はやはり足元が逃げやすくなるところです。重さのメリットは、幅広い雪質や急斜面などのシチュエーションと固い雪質もがズッシリと安定安心感がある。雪と足元全体のやりとりコンタクトがマニュアル感覚で自分らしいパフォーマンスにいつも挑戦できたり、滑りのコントロールがしやすいです。ただ重さはあります笑

兼用ブーツ系のシェルも目的に合わせ使ったことがありますが、長らくアルペン競技スキー育ちの私は、ブーツの足元から得られる雪面とのやり取りをとても大切にしています。力が逃げてしまうような同じプラスチック素材もあれば、強過ぎるブーツまで幅広く使う機会が多かったのです。そこで『ブーツ…この目的にはこれくらいの強度や粘り横への動き、足裏の乗る位置。板…これくらいの幅と長さ、反発抜け感、トップとテールの前後の強度にブーツと金具と板との全体バランスに強度と動き、左右へのバランスが良いズレの動き。ブーツ…これくらいの重さ、強度、板とブーツとの一体感からくる板の動きがしやすいビンディング』を選んでいます。

自分の最大限の身体の動きパフォーマンスが引き出せるものを選んでいます。自分に強過ぎず、あらゆるシチュエーションでも70%くらいの力量でしたら、余裕が生まれ100%の挑戦も楽しんでいます。そうする事で、道具と自分の一体感が生まれ、今まで以上の安定感に安心感、更には余裕が生まれるので、自分の自由度が動きによってコントロールがしやすくなるメリットも出てきます。


スキーのインプレッション


Vector glide GENIUS Narrow |L=185cm|D=140-115-130mm|2023-24モデル

このスキーの性能面や乗り味についての印象は?

鈴木彩乃
強さ、滑さか、キレ、合わせやすさ、自由な自分らしいスキー味。

そのほかに、このスキーのデザインやワンポイントなど気に入っている点を教えてください。

鈴木彩乃
Vectorglideの場合、他のブランドで105mmに乗られるのなら、Vectorglideの110〜115mmでも、太さが他社の105mmくらいに感じてしまいます。それだけただ太いだけではなく、板自体の全体のバランスからくる動きや道具づくりの拘っているかだと感じてます。

すべてのVectorglideの種類、同じ種類でも異なる長さ、ビンディング種類、お使いのブーツによっても感じられるテイストが異なります。だから面白くて長く乗れて、自分だけの一本!に、愛着が湧き、大切な一台になってくれるのかと思います。

このスキーはどのような人にオススメですか?

鈴木彩乃
見た目だけのかっこよさだけではない、中身の完成度が非常に高い滑り道具に、自分もはじめは衝撃を受けたくらいです。「流行ってるから!」で選ぶよりも、自分のスノーライフストーリーを創っていただける人達にぜひ、人生で一度は乗ってほしいブランドの一台です!


ブーツのインプレッション

OMNIS PRO|2022-23モデル

このブーツの性能面や履き心地についての印象は?

鈴木彩乃
操作の自由、滑らかさ、ターンへの強弱。

ウォークモードがないため、前後の可動範囲がカチッと固定されず自分のターンポジションを自由に探せます。それによりターン弧の質も、その状況や雪に合わせて変えるようになり、粘りを明確に感じ、板に対する反応を瞬時に捉えれるので、ダイレクトに雪面を感じられます。そのため、動作が流れるようにスムーズです。
ツアーブーツに比べればもちろん重いですが、滑りでは最高なパフォーマンスへ導いてくれます。

そのほかに、このブーツのデザインやワンポイントなど気に入っている点を教えてください。

鈴木彩乃
ホワイトカラー。シンプルなロゴ。

このブーツはどのような人にオススメだと感じますか?

鈴木彩乃
パウダーライドが好きな人へ。パウダーでのターンの質を自由にしやすいことや、唯一無二の反応、途切れないスムーズさを考えるとこのブーツは手放せません。私はこのブーツじゃないとパウダーで、自分のパフォーマンスを生み出せないと感じています。


ビンディングのインプレッション

MARKER F12 TOUR EPF|2023-24モデル

このビンディングの性能やフィーリングの印象は?

鈴木彩乃
自分の体重とパワーに対してちょうど良い。ウォークモード(ピン使用可)ブーツを使用していない私には、このツアービンディングが一番重さが滑りに対してちょうど良く、シンプルな取り扱いやすいさも好き。変に外れない。安心して自信を持って滑れる。

そのほかに、このビンディングのデザインやワンポイントなど気に入っている点を教えてください。

鈴木彩乃
毎年ですが、なぜかちゃんとそこそこカラーが板とブーツに合うんです。

このビンディングはどのような人にオススメだと感じますか?

鈴木彩乃
滑りフィーリングを大切にしてる人。変なときに金具が開放するのが嫌な人。自分の滑りのパフォーマンスの幅を自由に広げたい人。ウォークモードがない、ピン使用できないブーツの人。

ビンディングの取り付け位置とその理由を教えてください。

鈴木彩乃
ブランドオススメ位置で。板の完成度が高いからです。まれに乗りづらさがあるタイプでも、そこに自分の滑りを合わせることで、自分の滑り技術や適応能力もアップしやすくなりますよ。

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