インサレートジャケット新時代突入「アークテリクス」が固定概念をアップデートする

カナダ生まれのアークテリクスがウインタースポーツウエアに新たな提案だ。強度と靭性を兼ね備えたしなやかなナイロンは、固定観念を揺さぶる使用感を生み出した。ハードなバックカントリーの現場で実際に着用した、スキーガイドの倉金純也さんの声が届いている。

INDEX

雪山でのレイヤリングをシンプルにする動的保温アウター

Sabre Insulated Jacket
セイバー インサレーテッド ジャケット

サイズ:XS‐XL
カラー:ダークマジック、ブラック、スモークブラフ
重量:815g
¥110,000

高いプロテクション性能と保温機能を両立しつつ透湿性も確保するため、ゴアテックスを重ねた表地と通気性の高い裏地で、化繊綿を包んだジャケット。中綿には通気性が高く蒸れにくいコアロフトを採用し、体の動きに追従する立体裁断でアクティブな動的保温着に仕上げた。

北米カナダの湿潤多雪な西海岸、コースト山脈で育まれてきたアークテリクス。海に囲まれた日本の山岳気象と似ていることから、日本の登山家やガイドからも厚い信頼が寄せられる山岳アパレルブランドだ。そんなアークテリクスが、昨今フリーライドシーンでハードシェル同様にフォーカスしているのが、インサレーション入りハードシェルジャケットとパンツである。

防水透湿性が高いゴアテックスで雨風をシャットアウトしながら、通気性の高い化繊綿で温かさをキープしつつ蒸れを逃すというもの。ハイクアップが伴うバックカントリーでは、ハードシェルにレイヤリングをすることが主流ではあるが、標高が高く風の影響を受けやすいシーンでは、むしろメリットが多い。そう語るのは、岩手県八幡平をベースに活動するスキーガイドの倉金純也さんだ。

「雪が散らつき風が強い森林限界より上でも、体温が奪われることなく圧倒的な安心感があります。衣服内がオーバーヒートしそうになったらピットジップやフロントジップから熱を逃し、体温調整ができます。ワンシーズンBCで着用した体感としては、ベースレイヤー、薄手のフリース、セイバーという組み合わせに、ウィンドシェルをバックアップとして携帯することが多かったです」

裏地には通気性と肌触りのいいDope Permeair 20を配し、汗冷えの心配を軽減。

強靭な生地にコアロフトを封入するとウエアの着心地が気になったりするが、人間工学に基づき、妥協のない設計より、動きやすさを引き出している。また、汗処置と保温で煩雑になりがちな雪山レイヤリングの枚数を、最小限にシンプルにできることも利点のひとつと言える。

「インサレーション入りのハードシェルを選択する最大のメリットは、重ね着をシンプルにできることです。寒い日のリゾートスキー・スノーボードでは、ベースレイヤー(または+薄手のミッドレイヤー)を中に着るだけ。毎朝ウエアを用意するにもスムーズで、レストハウスでの休憩時の脱ぎ着も非常にシンプルです。」

左胸の内側にファスナーポケットが付く。バッテリーの弱点である低温から電子機器を守る。
メッシュポケットが右胸に備わり、濡れたゴーグルやグローブなどを入れて体温で乾かせる。
バックパックのウエストハーネスと干渉しない高い位置に大きいハンドポケットがふたつ。

これまでミドルレイヤーとして着用していたインサレーションのジャケットが不要となり、1着2役による軽量化などのメリットも得られるという。このように防水透湿性メンブレンと化繊綿の採用、縫製技術の革新によって、完成したインサレーション入りのシェルをまとって、たっぷりとスキーを楽しもう。

ジャケットに合わせるパンツ

Sabre Insulated Pant
セイバー インサレーテッド パンツ

サイズ:S-R - XL-R
カラー:ボックスカー、ブラック
重量:630g
¥84,700

リサイクル素材100%の化繊中綿を封入したゴアテックスパンツ。メッシュを備えたサイドジップがムレを逃すとともに、雪の侵入を防ぐ。2 つのジッパー付き太もものデュアルポケットは、物の出し入れがしやすく中身をしっかり保護。あらゆるシーンで使い勝手のいいデザインになっている。セイバー インサレーテッド ジャケットとアタッチメントにより結合が可能。

Text/Shinya Moriyama
Photo/Shota Kikuchi(ITEM)


BRAVOSKI 2024 Winter Vol.2より転載

Information

アークテリクス

公式サイト:https://arcteryx.jp/
公式SNS:InstagramFacebookYouTube

INDEX