ビンディングは数年ごとにシーンを刷新するような革新的なギアがたびたび登場する。 ’21季、それに当たるのがMARKER(マーカー)が放つ、世界的に話題の「DUKE PT」だ。
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シーンを刷新する革新ギア「DUKE PT」
「DUKE」が誕生以来変わらないのはバックカントリーのような自然斜面でジャンプやトリックを行ったり、限界までプッシュした滑りをきめるスキーヤーに向けて作られていることだ。 そのコンセプトを受け継いだのが「DUKE PT」。強い剛性と構造によって軽量なツアービンディングとは一線を画すものだ。
このPV映像を見ると対象にしている志向性がよく分かる。
従来の「DUKE」に比べてスタンドハイト(スキーのトップシートからブーツソールまでの高さ)が36mmから24mmと低くなったのは嬉しい仕様。これは「JESTER」と同じ高さになる。
システムの大枠は、滑走時には従来のアルペンビンディングのようにブーツのコバを抑え、登行時にはテックピンがブーツをホールドするというもの。
面白いのはその構造だ。滑走シーンではアルペンビンディングとほぼ様相は変わらないが、ハイクモードへの切り替えは、トウピースのロックを解除し前方へ回転させると、トウピースの下にピンテックが出現。ハウジングが取り外すことで片足あたりの重量を300g減らせる。このあたりの動作状況は以下の映像が詳しい。
自然地形でジャンプやトリックをかけて、スティープな斜面でスピードが出せるストロングスキーヤーが、全幅の信頼を寄せて使えるビンディングがこの「DUKE PT」だ。開放値16と12の二種類をラインナップしている。
フリースキーシーンを変えた「DUKE」と「JESTER」
マーカービンディングは1952年に創立し、長い歴史をもちながら、パークライディングやフリーライディング、バックカントリーを志向するスキーヤーの間で愛用者が多いおなじみのブランドだ。
こうしたスキーヤーにとってエポックメイキングとなったビンディングが2007年にリリースされた「DUKE」と「JESTER」だ。このビンディングの革新的なことは、史上初めて縦方向だったトウピースのバネを横向きに搭載したことにある。この技術によって、ビンディングはコンパクトになり、軽くなって、よりスキーの真ん中に重心が寄ることで、操作しやすくなるという絶大なメリットをもたらした。
パーク系スキーヤー御用達の「JESTER」は重心がブーツにより近づきスウィングウエイトが軽くなったことでトリックの進化が促された。 フリーライド系スキーヤーは滑走性能を引き出しながら、アルペンビンディングで登行もできる兼用ビンディング「DUKE」の誕生を歓迎した。
新しい「DUKE PT」はこうした進化の最先端にあるプロダクトなのだ。
カテゴリーごとのラインナップとトピックス
ここで各シリーズごとにビンディングを整理して紹介しよう。
RIDE & HIKE
目玉の「DUKE PT」はRIDE & HIKEカテゴリー。ハードコアなフリーライド愛好者向けで、定番人気のフレームタイプ「BARON EPF 13」も健在だ。
カテゴリー名 | モデル名 |
RIDE & HIKE | DUKE PT 16 |
DUKE PT 12 | |
BARON EPF 13 |
FREERIDE&FREESTYLE
FREERIDE & FREESTYLEカテゴリーはパーク、パイプ、フリーライドでの使用を対象にしたシリーズ。 軽量で剛性が高く、足元の操作性を助けるスゥイングバランスやスウィングウエイトの良さは自在な滑りを実現する構造。どのモデルを選んでもレベルに合わせて安全でパフォーマンスを最大限に引き出してくれる。
カテゴリー名 | モデル名 |
FREERIDE&FREESTYLE | JESTER 18 PRO ID |
JESTER 16 ID | |
GRIFFON 13 ID | |
SQUIRE 11 ID |
なお、「BARON EPF 13」を含むFREERIDE & FREESTYLEカテゴリーのトウピース、ヒールピースはフルモデルチェンジをしている。 強い保持力をもつトウピース機構”トリプル ピボット エリート 3トウ”。バネはスキーに対して横方向に設置され解放性能とパワー伝達をもたらす。ヒールピースは”インターピボット3ヒール”と呼ばれ、こちらはバネの位置を垂直に配置することで、保持力を強化しつつ、少ない力で楽にステップインが可能。これまでよりも重心がブーツに近寄るため、さらにスウィングウエイトが軽減した。
また、RIDE & HIKE、FREERIDE & FREESTYLEの両カテゴリーは、アルペン規格、ツアー規格、グリップウォーク規格に対応するSOLE IDテクノロジーを搭載している。
TOURING
TOURINGカテゴリーはモデルが多彩になったことで、選択肢が広がったぶん、どんなフィールドをもとめて、どこまで歩くのかをイメージできると求めるビンディングがわかってくる。
カテゴリー名 | モデル名 |
TOURING | KINGPIN M-WERKS 12 |
KINGPIN 13 | |
KINGPIN 10 | |
F12 TOUR EPF | |
F10 TOUR | |
MARKER ALPINIST 12 | |
MARKER ALPINIST 9 | |
MARKER ALPINIST 8 |
- MARKER ALPINIST 標高差のある登高や長時間のハイクに最適な超軽量ピンビンディング
- KINGPIN ピンビンディングの軽快な登高能力と力強い滑走性能の両機能をもつ
- TOUR ファットスキーに力を確実に伝える幅広のフレーム。スキーコントロールを助けるプレートを備えるオーソドックスなフレームツアービンディング
Makerの全ラインナップはこちらのリンク先を参照してほしい。