目的別・タイプ別におすすめなファットスキーの選び方|長さは?太さは?初心者には?

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Photo/Daniel Honda Skier/Naoto Kono

教えてくれた人:海野颯太さん( Ski Shop Vail)取材協力:Ski Shop Vail

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まだまだパウダーが楽しめる今シーズン
自分に合ったファットスキーが欲しい!

今シーズン(2021季)はラニーニャ現象の影響もあってか、シーズンインから雪国では大量の降雪が続き、2月8日現在で北海道のニセコや岩手の夏油高原ではすでに約400㎝もの積雪、白馬、湯沢エリアのGALA湯沢やかぐらでも300㎝越えというドカ雪シーズンとなっている。

これでもかというほどパウダーが滑れる夢のような日々が続いている今シーズン、パウダーをもっと上手く滑って楽しみたい!というスキーヤーが急増中だ。
実際にプロショップでも、パウダー向けのファットが(このコロナ禍でも)例年以上に売れている。2月に入っても勢いはまるで衰えていないという。この滑りへの熱量に応えるべく、滑り手の志向性やタイプに合わせたファットスキーの選び方を紹介したい。

Photo/Daniel Honda Skier/Naoto Kono

ファットスキーの基礎知識はコチラで

自分の滑りの志向にマッチしたファットスキーはどんなもの?「こんなことができるファットスキー」が欲しい!と考えるにあたって、ファットスキーとは、そもそもどんな板? その太さは?「ロッカー」「キャンバー」って何? まずは、パウダーマシンとされるファットスキーの特長を知る、ファット選びはまずここからだ。ぜひコチラの記事で予習をおススメしたい。


こんな自分に適したファットスキーを教えて!

密度の高いツリーの中では取り回しやすさがポイント Photo/STEEP Skier/Yoshiharu masato Takeshita
今、流行りのツリーランを楽しむファットはどんなものがいい?
日本は木の密度が高くて、気持ちよく落としていけるツリーランって海外と比べると少ないのかなと思います。ここは好みもありますが、テールにロッカーが入っているもののほうが板の動きも変えやすくてコントロールはしやすいかなと思います。

太い板で、密度の高いツリーの中で細かいリズムで板を回すということをやったことのある人は意外と少ないと思うので、動かしやすい板をお薦めすることが多いかなと思います。

―例えばどんなモデルをお薦めしていますか?
一例ですが、「ARMADAのJJ」はトップ・テールが深いロッカー形状になっていて接地面が短いので、コントロールしやすくて操作性が高いですよ。
Photo/STEEP Skier/Kosuke Kusakari 
パウダー滑るファットスキーと、最近よく聞く「非圧雪」を滑るファットスキーは、選ぶときに何か違いがあるの? 
非圧雪というとパウダーだけというより、踏み荒らされていることもあるし、自然コブみたいになっているけど雪は柔らかいとか、そういった多様なシチュエーションがあるので、極端に太いものは正直、滑りにくいと思います。

あとは、極端にロッカーの入っているものも板がバタついて滑りにくいと思うので、ある程度しっかりエッジグリップのある板、足元でエッジがちゃんと噛んでくれるもののほうが非圧雪となると楽しめると思います。

個人的にはまっすぐなテールのもののほうが、より楽しみやすいんじゃないかと思いますが、好みにもよるかな。
―具体的にはどのあたりになりますか?

「NORDICAのENFORCER」とか「BLIZZARDのRUSTLERのシリーズ」なんかもいいのかなと思います。
Photo/Daniel Honda Skier/Naoto Kono
オーソドックスなウエスト幅100mm台のファットを1本持っている。もっとアグレッシブにパウダーを楽しむなら、太さ何mmくらいのを買い足したら、滑りのフィーリングや性能の違いが感じられる?
ウエスト100mmというと、ゲレンデとパウダーと1本で両立したい方が選んでいることが多いと思います。パウダー専用として使えるようなものと考えると、ウエスト110~120mmくらいで、 浮力を強くするためにロッカーの形状がちょっと大きく入っているようなものが、よりパウダー専用として変化を楽しめると思います。
ウエストが110~120mmくらい…その10mmの範囲の中で110・105・120mmなど、具体的にはどう決めたらいいですか?
よく行くフィールドによって選ぶといいかもしれません。雪が多い山、スキー場に行くことが多い人なら、より太いほうがいいでしょう。ロッカーの形状も含めて考えるといいと思います。

また、背の低い人があまり太い板を選んでしまうと角付けが大変になることあるので、体格や身長も考慮して選ぶといいと思います。ウエスト幅がちょっと狭めのほうがエッジが立てやすい、板のトップの方向を変えやすいですね。

1台で山のあらゆるシチュエーションをこなせるファットは? Photo/Daniel Honda Skier/Naoto Kono
1本でパウダー・非圧雪からカービング(グルーム)・パークまで、まるっと楽しめるファットを選ぶとしたら、どんなものを選べばいい?
1本でなんでも使える、となるとウエスト幅100㎜くらいでおススメすることがとても多いです。

加えてボトム形状で考えると、テールのロッカーが大きいとスライドしやすいので、ゲレンデで滑っているときにはどうしても楽しみづらい。パークスキーヤ-ならそれでも楽しめると思いますが、今までしっかり基礎やレースをやってきた方だと、テールのないスキーは感覚がよくない方が多いんじゃないかな。フラットなテールのものだったり、ツインチップでロッカーが入っていてもキャンバーがきちんと入ってるものをおススメすることが多いです。

― 具体的にはどのあたりのファットスキーがおススメですか?
この1本でまるっと楽しめるファットとして、圧倒的に今、人気があると思うのは「ATOMICのBENT_CHETLER100」ですね。1本でパウダー・ゲレンデ・パークに入りたい人でも使えるかなと思います。よく売れていますね。
パークに行かないとしたら、パウダーとゲレンデクルージングというイメージで、両方楽しめるとなると、「LINEのSakana」とか。ちょっと太いウエスト105㎜ですが、意外と両方楽しめるので、かなり使い勝手はいいと思います。試乗会ではとても人気がありますね。
バックグラウンドが基礎やアルペンなら踏んで浮かせるファット Photo/STEEP
もとは基礎やアルペン志向なのだけど(過去にやっていた)、今年はやっぱりパウダーをうまく滑ってみたい。どんなファットスキーを選べばいい?
本当にパウダー専用の板を買うと考えるなら、ロッカーがしっかり入っている太い板だと違いをすごく楽しめると思うんですけれど、基礎やレースでいうスキー操作を楽しめる板ではないと思うので、そう観点で考えると、ちょっとメタルの入った強い板、しっかり踏んであげて浮かせてあげるような板で、おススメすることがあります。
―具体的にはどのあたりになりますか?
そうですね、「NORDICAのENFORCER」とか、「FACTIONのDICTATORシリーズ」あたりでしょうか。ある意味シンプルな作りの板かなと思うんですが、しっかりキャンバーが入っていて、トップのロッカーが入っていて、でもテールはそんなにロッカーが入っていない。自分で踏んであげて浮かせてあげたり、まっすぐ落としていって浮かせてあげるような板です。

基礎やレース志向の方は、カービングの強い滑りをしている人が多いので、板を踏んでコントロールするという考え方でお薦めすることが多いです。ロッカーが大きいものはあまりご紹介しないです。

自然地形でパーク的な遊びも自在にできるファットスキーは? Photo/STEEP Skier/Kosuke Kusakari
基本、パークスキーヤー(飛びジブ系)なのだけど、パウダーも楽しむにはどんなタイプのファットなら違和感なくいける?
もしパークと両立して使いたいなら、100㎜前後でちょっと柔らかめの板を紹介することが多いです。いわゆるツインチップである程度飛んだり、リップで降りても滑れるというのが、パークに行く方の最低条件かと思うので、滑るときにテールのひっかかりが強かったりするものは、あまり合わないかと思います。パウダー板の中にもパーク板と似たような動きをするものがあるので、そういったものをおススメします。
―具体的に「コレいいかも」ありますか?
VOLKLの今季出た、パウダーもパークもこなせると話題の「REVOLT104」とか、フリースタイルオールマウンテンの「FACTIONのCT2.0」とかでしょうか。
歩きやハイクの要素も含めてのチョイスがポイント Photo/STEEP
今シーズンはバックカントリーにもぜひ行きたい。バックカントリーとも併用できるものを選ぶには?
これは実はすごく難しいと思うんですが、体力のある方なら自分が滑って楽しい板で登っていただいて全然いいと思うんですね。重さとか気にせずに滑っていて楽しいファットが一番いいだろうなと

ただ、バックカントリーだと歩きやハイクアップがでてくるので、重さが気になる方もいると思うんです。けれど今、ブーツもすごく軽くなってきていますし、ビンディングも軽くなっていて、テックで登れてアルペンで滑れるものなど出ていますから、長い距離を歩かないのなら、まず滑り心地で選んでもらって、重さは2番目に考えてもらうことでお薦めします。長い歩きを考慮するのなら、重さと滑走性能のバランスがいいファットがいいと思います。

―具体的に「イチ推し」モデルありますか?
重さと滑走性能のバランスがいい板というと、「 ARMADAのTRACER」や 「ATOMICのBENT CHETLER」 「ELANのRIPSTICK」あたり。重さと滑走性能のバランスがとてもよくて、ゲレンデでもバックカントリーでも両方で使えるようなファットなので、当店ではすごく売れていいます。
湯沢中里「チャレンジコース」にてVECTOR GLIDEのGENIUS ウエスト幅130mmのBIG FATが
威力を発揮 ! Photo /STEEP Skier/Ken Hirose 
北海道や豪雪エリアで最高級の浮遊感を味わってみたい。ドパウダー狙いの専用機を持つならどんなファットがいい?
今季は雪の多いフィールド、北海道に行く人がとくに多いですね。雪も軽くて湿った雪より板が沈みやすいので、そんな方にはウエスト幅120~130㎜など、かなり太めで案内することが結構多いです。

130mmのビッグファットでも一般の人には乗りこなせないというわけではないですから。ディープパウダーでしっかり雪を捕まえて超特級の浮遊感を味わいたいならビッグファットは有効です。

細めの板で深いパウダーを滑ろうとすると板が負けてしまいます。サラサラの雪のときは問題がないですが、ちょっと重い雪や斜度がなかったりすると、太さがないと進まない。その点ビッグファットは推進性がバツグンに高いです。少々斜度がきつくてものすごい豪雪でも太い板だとしっかり応えてくれます。だからパウダー専用機としてビッグファットを持つ価値や魅力があると思います。まずはデモセンターやレンタルで、乗りこなせるか試してみるのもいいですね。

写真提供:星野リゾート OMO7 旭川
女子で基本はゲレンデスキーヤー、パウダー初心者、どんなファットから始めたらいい?
結構難しいですね(笑)。日本の女性には小柄な方が比較的多いかと思うんですけど、パウダーだといって太いものを選ぶと、小柄な方はエッジを立てるのが大変だったりすることが出てくるので、ものすごく太い板を選ぶのは、試乗してからのほうがいいと思います。

普段ゲレンデ用の板に乗っているのであれば、ちょっとパウダー、ゲレンデ脇にあるような原(新)雪を楽しむくらいの雰囲気でいけば、95㎜とか90㎜など、全部の雪で使えるような板を選んだほうが違和感なく楽しめると思います。

どうしてもエッジが立つまでに時間がかかることでスライドしてしまったり、最初から太い板を買ってしまうと違和感が強いと思います。毎週、パウダーがたくさん積もるわけでもないと思うので、ある程度汎用性がある中でも太い板の特長をなんとなく感じることのできるような、95㎜とか90㎜ちょっとくらいが、脚力のあまりない女性にとっては最初は使いやすいと思います。

―長さはどんなものがいいですか?

女性だからなのか、長い板は「大丈夫かな」と心配される方が多いんです。実際に乗ればそれほど長さを感じない板も多いんですが、ウエスト92㎜とか95㎜とかの太さであれば、個人的には自分の身長と同じくらいの長さを選べばいいと思います。

―初めてゲレンデ用から買い替えるのにお薦めモデルありますか?

今季なら「BLADE Woman」とか。ウエスト92㎜なので、ちょうど用途としては、ゲレンデ用の柔らかい板なんですが、パウダー行っても楽しめますし、ゲレンデでエッジもしっかり噛んでくれるし、初めてゲレンデ用から買い替えるならおもしろいんじゃないでしょうか。BLADEの場合はちょっと特殊で、細かいターンができる板なので、短めでもすごく楽しめるかなと思います。ロッカーも入っているので、基本的には身長と同じくらいで選ぶと使いやすいかと思います。
STEEP 一生滑走宣言! をサポートするファットは? Photo/Daiceman
40代後半~60代で、過去にスキーはやっていたけど、ちょっと脚力や体力に自信がなくなりつつあるミドル&シニア世代。どんなファットなら扱えそう?
以前にスキーをしていたミドル・シニア世代の方だと、今は小さなメーカーを含めてすごくたくさんブランドがあるので、知らないメーカーのものも多いと思います。どれを選べばいいのか、お店でどれを手に取ればいいのかすらわからないという方も少なくありません

そんな方にはまず、ちょっと軽めのものをおススメすることが多いです。バックカントリーをやらないまでも、移動を含めて1日を楽しむことを考えると、体力的な面でも板が重いとゲレンデに出るまでで大変だったりもあるので、ちょっと軽めのもので、マイルドな乗り味のものがいいかなと思います。動かしにく板やすごく個性の強いものはお薦めしません。脚力に自信のない方もいるので、ちょっと柔らかめのほうがいいかなと思います。

―具体的に「イチ推し」モデルありますか?
「ARMADAのTRACER」とか、 「LIBERTYのOriginシリーズの96㎜」とか、いいと思います。柔らかいといえば「LINEのBLADE」もそうですし、「DPSのFoundationというシリーズ」も、しなやかでマイルドな乗り味なのでいいかもしれないですね。

【教えてくれた人・Profile】

海野颯太  Sota Unno
Ski Shop VAILに勤務して2年目。学生をしながらモーグルコースのディガーやスクールスタッフ、大会運営などを行う。現在はパウダーはもちろん、主にコブ、ちょっとパークちょっと基礎スキーでスキーを楽しんでいる。


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