オーストリアの老舗スキーブランド、BLIZZARD。アルペンレースからバックカントリーツアーまで幅広いラインナップを展開するなか、近年はフリーライドラインに特に注力しており、FWT(Freeride World Tour)でも使用選手が増えている。
名機と称される「RUSTLER」や「SHEEVA」の開発には、これまでエンジニアやライダーがチーム一丸となって関わってきたが、来季はそこに一人のアーティストが加わり、より自由でプレイフルなライディングを求めるスキーヤーに向けた、オールマウンテン・フリーライド系の新シリーズ「CANVAS」が登場する。
クラフトとアートが生み出す、唯一無二の表現
BLIZZARDというと、メタル3枚重ねの「FIREBIRD」シリーズに代表されるように、硬く、重く、ストイック……そんなイメージを持つ人も多いかもしれない。オーストリアの職人気質に裏打ちされた、ある意味頑固でこだわりの強い物づくり。そこに新たな風を吹き込んだのが、日本とオーストラリア、そしてアメリカにルーツを持つアーティスト、ペネロペ美沙氏だ。
両親がユタ州パークシティでラーメン・カレーのレストランを営んでいたことから、幼い頃から日常的にスキーに親しんできたという彼女。そのバックグラウンドは、表現手法にも独自の個性として表れている。
モノタイプとは?
彼女が用いるのは、「モノタイプ」と呼ばれる技法。アクリル板やガラスにインクを塗り、紙を押し当てて一度だけ刷る、版画と絵画の中間的な表現だ。一点物であることや制作過程の偶然性は、同じターンを二度と描けないスキーの感覚や、常に変化し続ける自然とも重なり合う。
▼「モノタイプ」を実践するシーンは2:03~
展開する3モデル
アスリートのフィードバックも積極的に取り入れながら、2年の研究開発を経て生まれたCANVASシリーズは、ウエスト幅100, 108, 118mmの全3モデル展開。



トップシートに乗る感性

スキーの特徴に触れる前に、まずは彼女のアーティストとしての感性に目を向けてみたい。写真は「CANVAS 118」のトップとテール部分だが、このグラフィックが何を表現しているのか、想像できるだろうか。

本モデルのデザインは、ライダーの滑走写真をモノクロに変換し、舞い上がる雪煙の部分を拡大していくことで生まれた抽象的なビジュアルをもとにしている。そこには、エネルギーや表現、そして滑ることで得られる感情が込められているという。
筆のようなしなやかさ
アーティストの感性が反映されたトップシートだけでなく、芯材にも強いこだわりが込められている。オンピステ、オフピステを問わずウッドコアにこだわる同ブランドが誇るのが「TRUEBLEND WOODCORE」。フレックスを3つのゾーンに分けて最適化することで、しなやかで安定した乗り味を実現している。
雪面を切り裂き、スピードを追い求める滑りも魅力だが、このモデルは雪山全体をキャンバスに、自由な表現を楽しめる一本だ。パワーで回すのではなく、コシのある筆が走るように、滑らかなターンを描いていく。そんな感覚が得られ、滑りながらクリエイティビティが引き出される、そんな一台に仕上がっている。
▼菅平の試乗会にて、夜山圭志氏がブランド一押しとして紹介してくれた
先日、鹿島槍で行われたSKI DIGでは、春の陽気の中、大胆なイメージチェンジを遂げたBLIZZARDの3モデルすべてを試すことができた。モノトーンのデザインに、ネオン系のアクセントカラーが映える。


ヨーロッパでは昨年12月に既に先行販売が行われている。アーティストのフレッシュな感性に刺激を受けたいという人は、各地の早期展示会でぜひチェックしてみよう。
Information
BLIZZARD(ブリザード)
公式サイト:https://www.tecnica-group.com/
公式SNS:Instagram
取扱い/株式会社テクニカグループジャパン

