スペックの数字だけではうかがえないスキーの「乗り味」や「性格」の違い。これぞスキー選びの奥深さ、面白さでもある。そこで、類似した2つの26ー27注目モデルをピックアップ。ユーザーの試乗レビューを軸にそれぞれの個性を読み解いてみよう。あなたはどちらを選ぶ?
ROSSIGNOL「SUPER VIRAGE Ⅷ TECH」それとも OGASAKA「U-XX/BL」?

どちらも上質な乗り心地で長時間の滑走も快適という、ミドル〜ロングで真価を発揮するオールラウンドモデルだが、その乗り味は?
| Model | D(ディメンション) | R(ラディウス) |
| SUPER VIRAGE Ⅷ TECH | D=123-68-103mm | R=13m(166cm) |
| U-XX/BL | D=119-77-102mm | R=17m (167cm) |
「SUPER VIRAGE Ⅷ TECH」はこんなスキー

“ひとつひとつのターンを芸術として捉える”がコンセプトの、ROSSIGNOLのデモ系「SUPER VIRAGE」は全4モデル展開。パフォーマンスと美しさを追求した精密設計により高い操作性を実現し、オンピステの中核を担う。センター68mmの本モデルは、汎用性重視のⅦ(73mm)と最上位IX LTDの中間に位置。上位と同素材・形状を採用しつつ、プレートをR22からKONECTへ変更し扱いやすさを向上。ショート〜ミドルターンで安定した滑りを実現する。
こちらをスキーショップ「スポーツデポ諏訪インター店」の山本理博さんが試乗。その特徴を解説してくれた。
さらに高みを目指す人のための、クルージングが非常に気持ち良いショートターンベースの板です。板にセットしてある高さのあるビンディングが、板をしっかり、そしてしなやかにしならせてくれる機構になっています。板自体がそこまで強すぎないため、自分の操作がダイレクトに伝わる手応えを存分に味わえるのが良いところです。
特筆すべきは88mmのウエスト幅です。柔らかい雪のコンディションでもしっかり浮力を発揮し、扱いやすくて滑りやすい特性を持っています。スピードを出す人にとってはちょっとヨレたりするかもしれませんが、比較的どんな状況でも安定して高いパフォーマンスを維持できる「優等生」なバランスは、まさに上級者を目指すスキーヤーのためのものです。
今季からロゴやトップシートのデザインが一新され、深い小豆色のような斬新なカラーリングになりました。試乗会でもユーザーからの評判が高かったモデルです。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約100日
身長 178cm / 体重 78kg
滑り志向: 基礎
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ:富士見パノラマリゾート
My Gear:Ski: OGASAKA/TRIUN SL (165cm)
Binding: MARKER/COMP 30
Boots: NORDICA/DOBERMANN 5 RD-ES
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★☆☆
操作性:★★★☆☆
回転性:★★★☆☆
万能性:★★★☆☆
エッジグリップ:★★★☆☆
反応性:★★★☆☆
ユーザーの中里祐太さんも試乗。そのインプレッションは…
26-27シーズンにモールドをフルモデルチェンジしたと話題になっていた定番モデルで、今回はプレート無しのモデルを試乗しました。同じロシニョールの「ヒーローマスターLT」から乗り換えると、まず一番に驚くほどの軽快さ、操作性の高さを感じました。
ターン途中でもズラす動きに切り替えることができ、低〜中速では非常に快適に滑ることができます。グラデーションのように異なるラディウスを複数持っているせいでしょうか。独自のラインコントロールテクノロジーによる雪面コンタクトの安定性や、深めのサイドカット設計により、ショートからミドルターンまで正確なライン取りがしやすいのも強みです。
高速域ではもう少しだけ板の安定感がほしいですが、ゲレンデを一日快適に滑るためのスキーを求めている人に適していると思います。操作性が高く安心感があります。
あまり乗り手を選ばない印象で、中級者をメインターゲットに、上級者でも満足できる乗り味になっていると思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約40日
身長 167cm / 体重 60kg
滑り志向: フリーライド(パウダー)
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ:石打丸山スキー場・札幌エリア
My Gear:Ski: VOLKL/REVOLT 114 (178cm)│Binding: LOOK / PIVOT 15GW│Boots: NORDICA / DOBERMANN 5 MLC
【Review】
軽い□■□□□重い(5段階)
柔らかい□■□□□硬い(5段階)
安定性:★★★☆☆
操作性:★★★★★
回転性:★★★★☆
万能性:★★★★☆
エッジグリップ:★★★☆☆
反応性:★★★☆☆
「U-XX/BL」はこんなスキー


OGASAKAのラグジュアリーラインとして、“至福の時を体験できる”を掲げる「XX COLLECTION」の数量限定モデル。定番オールラウンド「UNITY」のマイルドな乗り味をベースに、走破性を高めた一本。同コレクションの「KS-XX/BR」が68mm幅でカービング性能を重視するのに対し、このモデルは77mmとやや余裕を持たせた設計とし、日本の雪質やリゾート環境への適応力を高めている。
こちらに試乗したのは、「NODAスキー工房」の野田勝巳さん。その魅力を最大限に引き出すために求められる技術から、おすすめのシチュエーションや長さまでを教えてくれた。
U-XX/BLは、プレミアムなフリー滑走系オールラウンドスキーです。荷重にゆっくりとスキーが反応し、さくら芯材がしっかりと受け止めて、たわみの円弧で曲がっていく感覚があります。
ユニティシリーズのハイエンドクルージングモデルゆえに、ゆったりさや安定感、雪質の許容幅、スピードレンジの広さ、疲れにくい上質さを感じられるゴージャスな仕上がりになっています。
求められるのは、足元で荷重をきれいに受け、たわみを待てる技術です。なにはともあれカービングでターン前半から雪面を捉えるのではなく、従来からのクルージングでスキーに圧をしっかりと乗せながら滑れる人が、このスキーの上質さを引き出しやすいと思います。
楽しめるシチュエーションは、朝の圧雪整地、中高速のフリー滑走、ロング〜ミドル中心のクルージング、昼以降に少し荒れてきたゲレンデなどです。安定感のある167cmがとくにオススメです。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約15日
身長 170cm / 体重 72kg
滑り志向: 基礎・アルペン
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ: 菅平スキー場
My Gear:Ski:OGASAKA / TRIUN (165cm)|Binding:MARKER/COMP 12|Boots:LANGE / WORLD CUP RS
【Review】
軽い□■□□□重い(5段階)
柔らかい□■□□□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★★
回転性:★★★★★
万能性:★★★★★
エッジグリップ:★★★★★
反応性:★★★★☆
ユーザーの岩田孝人さんもこのようにコメント。
圧雪された中級斜面で試乗しました。履いて移動しているときは柔らかいと感じましたが、ターン中の踏み込みでは思っていたよりもハリがある感じです。大回り、小回り、ターン弧を選ばず、確実になんでもできる優等生なスキーです。
ポジションさえ間違えなければ、思ったように板が動いてくれます。選手引退後や第一線から引いたミドル世代にとても合うと思い、1級受験からテクニカル受験まで対応可能です。
普段オガサカのTCを履いていますが、やはりユニティシリーズはコンセプトから違っており、滑ることを体験として楽しむ技術が凝らされていると感じます。U-XXはその最高峰です。長距離のクルージングや、長時間ゆったりと滑るのには、非常にイージーで快適だと思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約30日
身長 173cm / 体重 70kg
滑り志向: 基礎
自称レベル:エキスパート
ホームゲレンデ: 白馬五竜/47スキー場
My Gear:Ski:DPS / CARBON WAILER 107 (179cm)|Binding:MARKER / GRIFFON|Boots:SALOMON / S/RACE 110
【Review】
軽い■□□□□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★★★
回転性:★★★★★
万能性:★★★★★
エッジグリップ:★★★☆☆
反応性:★★★☆☆
比較から見えてきたこと
どちらも実際に試乗したユーザーから非常に高い評価を得た。共通ワードは「優等生」。なんでもできる・どんな状況でも安定したパフォーマンスを発揮できる。そのうえで、リズミカルで軽快なターンを楽しむならSUPER VIRAGE VIII TECH、雪面との濃密なコンタクトと懐の深さを活かし、優雅にクルージングを楽しむならU-XX/BLといったところか。

