スペックの数字だけではうかがえないスキーの「乗り味」や「性格」の違い。これぞスキー選びの奥深さ、面白さでもある。そこで、類似した2つの26ー27注目モデルをピックアップ。ユーザーの試乗レビューを軸にそれぞれの個性を読み解いてみよう。あなたはどちらを選ぶ?
FACTION「STUDIO 3」それとも VÖLKL「REVOLT 112」?

ともに112mmのツインチップ。それぞれ、ビッグマウンテンにフリースタイル要素をどのように持ち込むのか?
| Model | D(ディメンション) | R(ラディウス) |
| STUDIO 3 | D=140-112-134㎜ | R=21m(184㎝) |
| REVOLT 112 | D=134-112-126mm | R=19.1-20.3 m(185㎝) |
「STUDIO 3」はこんなスキー

ブランド創立20周年を象徴するローマ数字「XX」を配したデザインが特徴の、FACTIONのSTUDIOシリーズ。開発の集大成として、ブランドで最もコアなフリースタイルラインに位置付けられる。83〜122mmの全5モデル中、本モデルは112mm幅にロッカーと適度なキャンバーを組み合わせ、浮力と高速安定性、エッジグリップを両立。パークからバックカントリー、ストリートまで対応する表現志向の一本。
同モデルを試したのは、今回の比較対象となるREVOLTユーザーでもある、「Narrows」の伴 隆郎さん。
センター部分のハリの強さによる安定感があり、フレックスバランスの良いトップとテールを使って、ターンを前半から後半までしっかりと仕上げられる。
速度域が高いのに、キッカーや地形を使ったトリックも入れやすく、走破性と軽快さを高いレベルで両立している印象だ。テストした北東北特有の柔らかめな圧雪バーンや斜度のあるドライパウダーには、とてもマッチしていた。
重め・ドカ雪・非圧雪のような条件なら、より太めの「スタジオ 4」や、リバースキャンバーの「ラ・マシーン」を選ぶと、他の人のトラックを気にせず滑れるだろう。
「スタジオ3」は、良いポジションで乗れ、ある程度体力もある人向け。フリーライドの大会も視野に入れる10代〜30代や、向上心と体力のあるミドルエイジ、若い頃頑張っていた40代後半〜50代前半くらいまでの人にオススメ。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約30日
身長 172cm / 体重 72kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:八幡平リゾート下倉スキー場
My Gear:
Ski: VÖLKl/REVOLT 104(180cm)
Binding: MARKER/griffon 13
Boots: HEAD/KORE 2
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★☆
カービング:★★★★★
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★☆☆
遊び心:★★★★★
さらに、ユーザー矢澤智博さんも試乗。どんなスキーヤーにお勧めできるか教えてくれた。
センター110mmを上回る太めなスキーで、乗り味としてはフリーライドとフリースタイルの中間といった印象。浅めのキャンバーにしっかりとチップ&テールロッカーがあり、試乗の際の溶けた雪が凍ったような悪雪でも良い意味でずれて、こなしてくれる。
圧雪で踏み込めば、気持ちよく大回りできる。パウダーでは試せなかったが、太さと柔らかめののノーズによって数字通りの浮力を期待できる。
長い割にはスイッチもしづらくなく、キッカーで飛ぶにも重くないので苦手ではないと思う。パーク用の板に比べたら少し張りがあると思うが、非圧雪や荒れ地ではこれくらいがちょうど良いと思います。
お勧めするなら、フリーライド志向でもフリースタイルな動きが好きな方。二本体制で1本は細めをもっていて、パウダーやフリーライドの板を探している方。あるいはパウダーに入ることが多いが、ゲレンデでの滑走にもそれなりにウエイトを置きたい方。個人的には184推しだが、圧雪での滑走が多いなら178cmという選択もありだと思います。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約60日
身長 180cm / 体重 70kg
滑り志向: フリーライド(パウダー)・パーク・コブ
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:アライマウンテンリゾート、妙高杉ノ原、斑尾
My Gear:Ski: NORDICA/UNLEASHED 108(180cm)│Binding: LOOK/PIVOT│Boots:PHAENOM/FR 02 120
【Review】
軽い□□■□□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★☆
カービング:★★★★★
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★☆☆
遊び心:★★★★★
「REVOLT 112」はこんなスキー

VÖLKLのフリースタイルの中核を担うREVOLTシリーズ。競技志向のパーク向け(81mm)からパウダー特化のフラッグシップ(121mm)まで全10モデルを展開するなか、シリーズでは3番目に太い112。浮力に加え、深雪での回転性や安定性も重視した“山全体で遊ぶ一本”。パウダーやバックカントリーを軸に、地形遊びやエアにも対応する自由度の高さが特徴だ。タフボックス構造で耐久性も強化された、プロ対象モデル。
同シリーズを愛用する「スキープロショップ安曇野」の藤田竜也さんは、次のようにコメント。
過去に121と、現在も104を愛用する僕にとって待望のサイズです。121はドパウで最高、104はゲレンデフリーライドに最適です。でも、ゲレンデやBCシーンでどっちか迷う日もありました。けれど112の登場で、もう迷う必要はなくなりそうです!
2月初旬の岩岳で硬いバーンでも荒れた雪も、速度を上げてもしっかり楽しめました。パウダーは踏めてませんが、間違いなく期待を裏切らないでしょう。
デザインは奇抜ですが、乗り心地はしっとりマイルド。攻める人にも攻めない人にも楽しめる板です。ゲレンデもBCもこの一台でOK。
積雪の多い地域がメインならゲレンデフリーライドに最適です。でも、低速も高速も、圧雪も地形も。パウダーから春のザラメまで。オールマイティーな一台です。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約20日
身長 168cm / 体重 65kg
滑り志向: フリーライド(パウダー・BC)・基礎
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:野麦峠・乗鞍スキー場
My Gear:Ski:VÖLKL/PEREGRINE 72 (168cm)、VÖLKL/REVOLT 104(180cm)、FACTION/AGENT 3(178cm)、 OGASAKA/KS-UP FM付(165cm)
Binding: MARKER/GRIFFON 13, KINGPIN 13│Boots: TECNICA/FIREBIRD R110、SALLOMON/SHIFT SUPRA 120
【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□■□□硬い(5段階)
安定性:★★★★☆
操作性:★★★☆☆
カービング:★★★☆☆
万能性:★★★★☆
浮力性:★★★★☆
遊び心:★★★★★
さらに、ユーザーの熊澤 拓さんも試乗。この板は度胸が試されるようだ。
滑走性能が高く強めなので荒れたバーンもお構いなしに滑れるが、ゴリゴリの重戦車というわけでもない。比較的扱いやすかったが、直進する度胸、筋力、高速耐性が試される。
近年人気のウェスト112mmフリーライド板の中でも、フリースタイル寄りらしくスイングウェイトも軽めで躊躇うことなくトリックを打てる印象。直線的なラインを取りつつヒットまで繋ぎトリックをかけるイメージが試乗していて湧いた。
同じ系統のArmada「ARV 112」よりは個人的に好み。試乗したフィーリングからは、パーク系フリースキーヤーのフリーライド板のチョイスの筆頭に入る板だと感じた。
【Reviewer Profile】
年間滑走日数: 約30日
身長 178cm / 体重 72kg
滑り志向:フリーライド(パウダー・BC)
自称レベル:上級
ホームゲレンデ:HAKUBA VALLEY
My Gear:Ski: SALOMON/ QST BLANK(186cm)
Binding: MARKER/DUKE PT 16
Boots: LANGE/XT3 130
【Review】
軽い□□□■□重い(5段階)
柔らかい□□□■□硬い(5段階)
安定性:★★★★★
操作性:★★★★☆
カービング:★★★★★
万能性:★★★★☆
浮力性:-
遊び心:★★★★☆
比較から見えてきたこと
フリースタイル色の強い2台。STUDIO 3はポプラコア+フルレングスのカーボンストリンガーによる軽さと反応の良さが特徴。スピンやポップ、スイッチまで、キレのある動きを楽しめる。一方、新登場のREVOLT 112はアスペン/メープルのウッドコアによる重量感を持ちながら、深いロッカーとしなやかなフレックスで、パウダーをスラッシュしたりスミアしたりとサーフィーに動かせる。遊び方の幅が広がるウエスト112mm。反発を引き出すか、しなりに身を任せるか。空中を遊び、雪面を大きく使って遊ぶ。どちらも試したい。

