「うちの子、上手く滑れるようになるかな?」そんな親の不安を、我が子の成長の喜びに変えてしまう。「雪ッズ」は、この冬、新たに星野リゾートが提供する、遊びながら自然に・確実に上達するスキー体験プログラム。その秘密を探ってみよう。
「雪ッズ」プロジェクトの発進

星野リゾートといえば、洗練された施設や多彩なアクティビティなど、充実したコンテンツで幅広いユーザーに人気だが、なかでもファミリーからの支持は際立つものがある。星野リゾートのなかでも、とくにファミリーフレンドリーなブランドが「リゾナーレ」、その発祥と位置づけられているのが「リゾナーレ八ヶ岳」だ。

この冬、星野リゾートが新たにリニューアルしたキッズスキー体験プログラム「雪ッズ」の舵を取るのが、リゾナーレ八ヶ岳の淡路貴裕(あわじ きひろ)さんだ。
雪ッズの誕生は、現場のリアルな“親の悩み”から始まっている。淡路さんはこう語る。
「冬には、ぜひ子どもにスキーをさせたいという家族ニーズは年々高まっていて、親御さんのスキー旅行や子どものスキースクールへの興味関心は非常に高いのです。ところが、『どこのスクールで習わせたらいいか』『レッスンの間、集中力が続くだろうか』『ウチの子ちゃんと上達できる?』といった不安が大きいのです。
それに対して、私たちが十分に応えられるレッスンを提供できないかと考えました。お客様で多いのは、お子さんがまだ小さな30~40代のファミリー。実は、まさに私自身も41歳なので、同年代のお客様の目線に立って、自分の子どもにも体験させたいレッスンとはどんなものか、を考えました」
その際に、貴重な裏付けとなったのが、‘23~24シーズンに行った「スキーレッスンに期待すること」の会場調査だ。

子どもに星野リゾートでスキー体験をさせた100人の親からのヒアリングの結果、半数以上がスクールに期待することは、「冬ならではの経験」、そして「スキーの上達」であることがわかった。
この調査結果から、子どもが冬ならではの経験を通して、楽しみながら「確実な上達」を約束できるプログラムが必要なのだ、と進むべき方向性が見えてきた。

ファミリースキーに訪れる家族をターゲットとすれば、対象とする子どもの年齢レンジは3〜12歳。自分で思うように身体を動かせるようになり、運動量も増え、好奇心や情緒がグングンと育っていく、いわばゴールデン成長期。つまり、スキーも“楽しい遊び”としてもっとも自然に入りやすい年代ともいえる。どうしたら子どもたちにスキーという雪との遊びを心から楽しんでもらえるか。そして、確実に上手くなってもらえるのか。
淡路さんの挑戦が始まった。
探し続けた「出会い」

これまで星野リゾートでは、「雪ッズ70」として、スキーの動きを細分化し、70のステップに分けて段階的にレッスンを行っていた。決して不人気だったはずはない。それが今季からどうして完全リニューアルとなったのか。率直なところを淡路さんに聞いてみた。
「教えるのはスキーインストラクターですから、当然、技術を教えることはできる。でもどうしても指導が個人の経験則に頼りがちだったり、属人化してしまうことが少なくありませんでした。その壁を乗り越えるには、上達への道筋にどうしても〝科学的根拠″や、〝学術的な裏付け″が欲しかった」
淡路さんは、スポーツ科学の関連領域で、大学や研究所の学者や科学者、スポーツトレーナー、ありとあらゆる専門家を探し、研究論文もどれほど読み漁っただろう。簡単ではなかったが、1年近く懸命な努力を続けた結果、ついに望んでいた理想の「出会い」を手繰り寄せた。それが竹腰 誠教授(日本体育大学/スポーツマネジメント学部 スポーツマネジメント学科)だ。
「竹腰教授の論文は、まさに探していたスキーの上達しやすい動作を分析するものでした。いてもたってもいられずに研究室に電話をかけました。本当に〝初めまして、私、星野リゾートの…″という感じでした(笑)。そしてゼロから丁寧に私たちの想いや構想を説明したんです。そこに共感してくれて、よし一緒にやりましょう!と言っていただいた。嬉しかったですね~。でも、ここに至るまでにずいぶんと時間がかかってしまいました(笑)」
この雪ッズは、竹腰教授との出会いを含めて約3年、じっくりと丁寧な開発プロセスを経てリリースされた高い知見と想いを結晶化したメソッドなのだ。
魔法のような科学的メソッド
今回の「雪ッズ」最大の特徴は、この竹越教授との共同開発がもたらした「科学的根拠に基づく、子どもが確実にスキーが上達するメソッド」にある。

竹越教授は、初心者からプロまで幅広いスキーヤーの動作解析を行い、「上達を早める身体操作」について研究してきた人物だ。
その研究には、プロと初心者の動きの違いがどこに表れるか、どの動きを反復させると上達が最も早いか、が明確に示されている。
この研究成果を基盤とした、科学的根拠に基づいたメソッドを子どもに対して取り入れるため、実際にスキーを経験したことのない子どもを集め検証を行った結果、このようなことがわかった。
1. 子どもは大人と比べて、斜面で思い通りに身体を動かすのが難しい
2. 子どもがスキー を上達するうえでは、「上下」「左右」「重心の位置」「スピードへの耐性」の4つの動きが重要
それを踏まえて、「雪ッズ」は次の4つのキーワードに集約される動きを学べるようデザインされた。
- 上下の動き(体の縦方向の使い方)
- 左右の動き(重心移動の感覚)
- 重心を保つ(身体の軸の保ち方)
- スピード耐性(滑走速度への慣れ)

淡路さんに具体的に教えてもらおう。
「これらの上達に必要な「4つの動き」を、まずは「平地」でし っかりと行い、身体で覚えてから「斜面」で実践します。そうすることで、自然と動きを再現できるため、上達のスピードが早くなる仕組みです。
これまでの技術指導に特化したスキーレッスンとは違って、いろいろなゲームを通じて自然に「上達の4つの動き」を習得できるよう工夫しています。 例えば、スキー靴を履いて脚でじゃんけんをしたり、オ リジナルのポーズをしたり。スタッフと遊んでいるような楽しさのなかに「上達の 4つの動き」が入っているため、自然とスキーの上達が促されるのです」
遊びながら、楽しみながら自然と確実に上達する。まさに魔法のような「科学的メソッド」だ。
大切にするのは子ども目線のコーチング
「雪ッズ」の持つ特徴であり、強みは「科学のチカラ」だけではない。子どもを相手に何かを教える際には欠かせない「コミュニケーションの方策」と「動機付け」もセットになっていることだ。

「まだ幼くて言葉のコミュニケーションの点で難しいことも多い。だから「雪ッズ」では、専門用語は一切使いません。「ボーゲン」と言っても伝わらないですから。代わりに『おにぎりの形』『山の形』といった子どもでもわかるイメージで伝えたり、『おへそビーム!』といって体の向きを意識させたりするんです。工夫のうえのこういった「遊び化」が、子どもの集中力を切らさず、楽しみながら自然と正しい動きを身につける鍵になっていると思います」
そして、星野リゾートが今回、新たに着目し、重視するのが「コーチング力」だ。淡路さんは続ける。
「竹越教授のもとで、いまスタッフはコーチングも学んでいます。子どもたちのモチベーションをどう高めるか、またどう安心させるか。これは技術を教えること以上に大事だと感じているからです。
スキーを履いて怖がって動けない子に、どんな声をかければ一歩踏み出せるか。すぐに飽きてしまったり、寒くて嫌だとごねる子に、どう接すればレッスンに前向きになってもらえるか。モチベーションの維持や、やる気スイッチをONにするには、コーチングのチカラも大いに有効活用できると考えているのです。

今回の雪ッズでは、コーチングのスキルを標準化し、雪ッズを提供するどのリゾートでも、どのスタッフでも同じ質のレッスンを提供できるようにしたいと準備しています」
子どものこころも育てるありがたい安心設計
この12月から「雪ッズ」が実際に体験できるのは、リゾナーレ八ヶ岳、星野リゾート トマム、星野リゾート ネコマ マウンテンの3カ所だ。レッスンはレベルが設定されており、希望すれば午前中1レッスン(1回)、午後に2レッスン(2回)など続けて受けることもできる。

リゾナーレ八ヶ岳の「雪ッズスノーパーク」では、雪ッズレベル1の館内レッスンを無料で体験できる(要予約)。スキーが初めての子どもも気軽に参加することができ、雪や道具に慣れておけるので、その後のゲレンデデビューも安心だ。

トマムには、エリア内を往復するエスカレーターがあるので、安心安全で快適にレッスン中の滑走量が確保できるのも嬉しい。ネコマ マウンテンは初心者エリアで実施予定だ。
親にとってはスクールに子どもを預けても、その様子が気になるもの。「雪ッズ」では、子どもたちの様子を親が傍で見守ることも大歓迎だ。何より親が安心できることが、子どもがスキー体験をできるかどうかの分かれ目になるからだ。

また、終了後には「レッスンカルテ」がもらえたり、レベルが上がっていく度にオリジナルバッチがプレゼントされる。
「できた!」「また行きたい」「もっと上手くなりたい」と自己肯定感や向上心、子どものこころを育てる仕掛けもされているのは、親としては嬉しいポイント。
「雪ッズ」が目指す先

「雪ッズ」が思い描くビジョン、目指す先は、単なるキッズレッスンの枠を超えた、未来だ。
「この体験が子どもたちを笑顔にし、またスキー滑りたい。家族で滑りに行きたい。という気持ちにつながってほしい」と淡路さんは言う。
日本のスキー人口は長年減少傾向にあるが、子ども時代にスキーが「すごく楽しかった!」「スキーが好きになった」という原体験が持てれば、その子にとってスキーは一生の趣味になり得る。
「雪ッズ」は、単に滑り方を教えるだけでなく、科学的メソッド × 楽しい遊び × コーチング × 安心設計
これらを高度に組み合わせることで、子どもの「やってみたい」を自然に引き出し、「できた」を体感させ、「もっとスキーに連れていって」と親にせがむほどにスキーを好きにする。つまり、星野リゾートの雪ッズは、子どものこころとからだの成長をサポートし、家族の絆を強め、広い目で見れば未来のスキーヤーを育てる社会的な役割も担っているといえよう。

スキーデビューは、子どもにとっても親にとっても大きな冒険だ。それは、きっとかけがえのない家族の思い出になる。その一歩を、遊びながら、笑いながら、そして確かな上達を伴って経験できる。家族にとって最高の雪山体験をつくり出す。それが星野リゾートの雪ッズなのだ。
この冬、子どものスキーデビューを考えるすべてのファミリーにとって、「雪ッズ」は最適解となるはずだ。

◆公式サイト: https://hoshinoresorts.com/jp/sp/yukids/
[開催期間]
リゾナーレ八ヶ岳/2025年12月15日〜2026年3月19日
星野リゾート トマム/2025年12月1日〜2026年4月5日
星野リゾート ネコマ マウンテン/2025年11月29日~2026年5月6日
*気象状況により変更の場合あり
[料金]
リゾナーレ八ヶ岳 5,300円/1回 *館内の雪ッズスノーパークでのレベル1は無料(宿泊者限定)
星野リゾート トマム 6,800円〜/1回
星野リゾート ネコマ マウンテン 6,500円~/1回
・料金に含まれるもの:レッスン受講料、紙カルテ、レンタルギアやウェア
(リゾート毎に異なるため、詳細は公式サイトを要確認)
教えてくれた人

淡路 貴裕(あわじ きひろ)さん
東京生まれ、3歳の頃に山梨県北杜市に家族で移住し、小中高と山梨県で過ごす。小学4年生頃アルペンスキーを始め、全中・インターハイ・国体への出場経験あり。
現在、リゾナーレ八ヶ岳でアクティビティを担当。今回の「雪ッズ」へのリニューアルからキッズスキーレッスン事業に携わり、今回のプロジェクトの統括ディレクター。スキーの腕前はSAJ1級。小学生の子を持つパパでもあり、あらゆる面で頼もしい存在。

