JeepオーナーPick up! |「人生で最後に乗りたいクルマはこれ」ー木村誠太さん(長野県在住スキーヤー)

Jeepオーナーたちは、どんな雪山に向かってJeepを駆り、どのようにスノーシーズンを過ごしているのか。STEEP ユーザーで Jeep オーナーのスキーヤー・スノーボーダーに、Jeepと、そのライフスタイル を語ってもらう企画だ。愛車との馴れ初めや、Jeepへの思い入れを交えて、Jeepのあるライフスタイルの魅力を伝えたい。


今回、登場いただくJeepオーナーは長野県須坂市在住の木村誠太さん。雪上ではARMADAスキーを駆ってパークやサイドカントリーで自由なるフリーライドを楽しむ熱いスキーヤーだ。木村さんにとってJeepとはどんな存在なのだろうか?

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Jeepとの出逢い

―Jeepの乗っている車種は?

Jeep Wrangler unlimited 2010 Sports ( JK38L)です。4年前に中古で買ったので2019年の夏です。予算にあったのが38でした。あとはボディがシルバーで屋根が黒という色が欲しかったんです。ちょっと白にも見えるんですけどね。かなり明るいシルバーで、Saharaになっちゃうとボディと屋根が同色になっちゃうんで、それが嫌で。そこにはこだわりました。

-そもそもどうしてJeepを?

もともと20年近く前はToyota Land Cruiser70に乗ってたんですよ。もともとああいう丸目が好きで。Wranglerの前にはVolkswagen Tiguanに乗っていて、妻もFordに乗っていたので、アメ車がいいなって。以前に映画『ワイルド・スピード』に出てきたWranglerが実はシルバーのものだったんです。それを見て欲しいなぁ!って思ったんですけど、なんせ高い買い物だったので、なかなか妻に言えなくて悩んでいたんですけど、「買っていいよ」って言ってくれて、買わせてもらいました。

Jeepへのこだわり

ボディにはWranglerに加えてARMADAステッカーも

―これまでいろいろなクルマに乗られてきて、木村さんが愛車に求めるものは?

共通点は、まず4WDであること。ミニバンとかも乗ったんですけど、僕が一番クルマに求めるものは「無骨さ」ですね。要は男が乗って当たり前で女の人が乗るとカッコイイってヤツ。スポーツカーなんかもそうだと思うんです。やっぱり目立ちたいというのもある。クルマに求めるのは「道具」という点で、自分が持っている一番大きなおもちゃですね。

―実際にJeep Wranglerに乗っていて特に気に入っている点は?

もう、ズバリ「外見」です。もともとJeep Wranglerって軍用車じゃないですか。だからその無骨さ、これ以上カッコいいクルマはないなって思って乗っています。

初めて乗った時に感じた印象を今でも覚えているのですが、かなりコツがいる、と思いました。直進安定性の不安定さ…をちょっと感じたこともあって。ただし、これは以前Land Cruiser70に乗っていたので、自分はそこまで気にはなりませんでした。逆に言えば、その分運転に集中できるので、個人的にはハンドル修正しながらの方が「操作している」と感じられて楽しいんです。ベースが軍用車ですしリフトアップしているので、乗り心地のゴツゴツ感は否めませんが、これも求めていたものです。

あと、機能面・性能面でいくと断然「走破性」です。雪山はもちろんのことですが、どんな悪路でも、走破性のタフさはケタ違いです。

2019年に長野県台風というのが直撃して水害に巻き込まれたんです。僕の通勤路は約1m水没してしまって…そんななかボンネットまで沈みながらも、僕のWranglerは走破しました! ボンネットまで浸水したにもかかわらず、深夜、止まることなく被災地から脱出・生還できました。本当に忘れられないエピソードです。

❖これが当時のドキュメント映像だ。タイム1:15くらいから衝撃的な浸水状態に…。 Wranglerのタフさどころか、まさに軍用車というルーツを彷彿とさせ、人命救助能力さえリアルに伝わる必見の映像。再生の価値あり!

もはや悪路というより洪水の中をも走破するWrangler恐るべし

―JL(現行モデル)とよりもJK(旧モデル)が好きなのですか?

もし2台選べるとしてもJKにします。これは妻にも言ったんですけど、「人生で最後に乗りたいクルマがJK」なんです。だからフレームが朽ち果てるまでは乗りたいなって思っています。

―そのテンションの木村さんに聞くのはちょっと…かもしれませんが、「もうちょっとこうだったらいいのにな」という点はないですか?

不満な点ですか? 無理やり探そうとすれば、Jeepは一般的には直進安定性があまりよくないクルマ、と言われていますよね。でも僕としてはゼロです。まったく気になることがない。

高燃費なので、確かにガソリン代はかかりますが、その分仕事に熱が入ります!(笑)Jeepで初めてアメ車に乗りましたが、頑丈です! アメ車って壊れるイメージがあると思いますが、全然壊れません! 車検のない国の恩恵でしょうか? とにかく見た目はこれ以上ないカッコ良さだと思います。世界一乗りたい車に乗れました。

―エクステリアで改造したりアレンジしたりしていることはありますか?

結構あります。まず車高を2インチ上げてます。ライト類は全部LEDにしています。雪国向けではないのですが、カッコいいので。あと目立つ点といえば前後のバンパーをアメリカのRUBICONというグレードのに変えています。あと、シートもRECAROに変えています。

UPした車高・LEDライト・USA製のバンパー、木村さんの思いが表現されたアレンジメント

ネットで探して、全部自分でアレンジしています。前職は外車を扱うクルマの整備士と営業職を兼任でやっていたんです。だから、エンジンを載せ替えるとか、専用の機器がいらないものなら、全部自分でできるので、外車に乗るのも自然というか、何も不安がないですね。

―インテリア・内装のなかで好きなところ・自身でこだわってアレンジしている部分はありますか?

屋内に貼り巡られたロールバー最高です! ところどころ見えてる鉄板も無骨で好きです。

「ロールバー」や「ところどころ見えている鉄板」に注目!

その上で、自分のオリジナルといえば、RECAROシートですね。アメ車って結構シートが柔らかいんですが、僕は固いシートが好きなんで、運転席だけなんですがRECAROシートに変えています。包み込まれるようなタイプのコンフォート向けのをつけていて、長距離ドライブがラクなようにしています。また、リアシートもリクライニングできる仕様に変えています。

運転席に搭載したRECAROシート

幼い頃に初めて買ってもらったラジコンがJeepだった。おもちゃ売り場で欲しくて欲しくて泣き叫んでいた。
自分にとって、この愛車Wranglerとは【玩具】。その心は、【見て触ってご機嫌になるから】。
この思いは、小さな頃から今も変わっていない。

地面を感じるハンドリング、ショーウインドウに映る姿、
休憩で降りた時、少し遠くからJeepを眺めニヤついてしまう。
乗り込んだ時に思わず「さぁ、行こうか」と話しかけてしまう。
どんなに大雪でも確実に僕を雪山へ連れてってくれる。それが僕のWranglerなんだ。

―Seita Kimura


Jeepのあるスノーライフスタイル

後ろから見ても惚れ惚れするカッコよさ

―木村さんのスキースタイルを教えてください。

メインはパーク遊びですね。50歳のくせに(笑)。で、降ったらパウダーで、サイドカントリーやってます。条件が良ければバックカントリーも滑ってます。

「フリースタイルスキーって表現」これがSEITA流スタイル
サイドカントリーやバックカントリーでは纏うウエアを変えているのもこだわりの一つ

―今のホームゲレンデはどこですか?

X-JAM高井富士です。住まいの須坂から25㎞なので50分くらいかな。年間30日前後、滑っていますね。今は半導体メーカーの企業で働いていますが、けっこう休みが多いので、休みの日は基本的に全部滑りに行くようにしています。他のスキー場は基本行かない、もう高井富士専門です!(笑) 隣によませスキー場があるので、パウダー滑りたいときは、よませに行くこともあるけど、あくまでも好物は高井富士です。

―高井富士、いいですよね。駐車場のところに宿がありますよね、あの前がいい斜度のある斜面だったような…。

あります・あります! かなり調子のイイ斜面です。ただ、今はリフトを動かしていなくて、歩いて行くんだったら滑っていい、という自己責任エリアにしてくれているんです。前はリフトが動いていたんでパウダーの取り合いだったんですけど、今は行き方を知っている人でないと辿り着かない。3時からファーストトラックとか、めちゃめちゃ美味しいですよ。

どんどん拡張している高井富士のツリーランエリアも隅から隅まで熟知している木村さん

その他にも、高井富士は今、ツリーランエリアが豊富で、みんなが入っちゃうんで、コースとして開放しようってスキー場が伐採してるんです。だから今はツリーランエリアがめちゃくちゃ広いです。

「雪降ったら高井富士でしょ」っていう人がけっこう増えていて超穴場なんです。パウダー競争率は激低ですよ(笑)。ツリーランエリアに入っていくと「おお、オマエもいたんか」ってくらい、知り合いしかいない感じ。入り方がわからないんですよね。

レールライドにもスタイルがぷんぷん
組み立て式の"マイ・レール”

ちなみにスキースタイルといえば、僕、自分のレールを持ってるんです。組み立てできる4mのレールです。足がバラせるので、スキーキャリアに積めるんです。だからWranglerに積んで、6月中旬まで志賀の渋峠とかで滑ってます。その頃、下界は20度あるのに山の上はマイナス5度とか。だから観光に来た人がけっこう変な目で見ていきます。でも僕らの感覚だと雪があるならなくなるまで滑ろうよって。それが終わったらオフトレしようって感じです。

―それは素晴らしい。正しい正統派スキーヤーの姿ですね(笑)。木村さんはどうしてそんなに長い間スキーが好きで、真剣に滑ってこられたのですか?

僕はフリースタイルスキーのカッコ良さに惹かれて、約40年スキーしてます。

元々は両親がスキーバカで、その影響を受けました。東京に住んでましたが、妙高に移住してペンション経営を始めてしまうほどで…。幼少期から両親に無理やり雪山に連れて行かれて、ビービー泣いてましたね。妙高への移住をきっかけにスキーが日常になり、基礎スキーをキッチリやり、インストラクターのバイトをしながら準指導員を取得しました。20年ほど前にスキーをバッテンにしてジャンプしてる人を見て、それが「フリースタイルスキー」だと知り、ツインチップを買い、今に至ります。

この世界にすっかり魅了されて、アラスカに友達とスキートリップにも行ったし、映像配信やMC、イベント企画などもしてきました。最も好きなライダーはビッグボスTanner Hall(タナーホール)! 彼の屈しないスタイルに魅了されます。実は、4年前FWTでタナ―が白馬に来た時、友人の計らいでバーで一緒に飲みましたヨ!

フリースタイルスキーって「表現」だと思います。その表現を仲間とシェア、追求できるのが最大の魅力かな?と思います。スキーをすることで多くの人と出会い、様々な考え、声と出会うことができました。正直、50歳で「仲間」に囲まれてるとは思ってもみませんでした。

スキーの話なら仲間と永遠にできるほど

―ご自身の愛車は、周りのスキー仲間や友人から、どのように言われますか?

とにかく「似合う」と言われます。だいたいの仲間は、乗せてくれって言いますね(笑)。

―最後に。高井富士に行けばSTEEPユーザーが木村さんと一緒に遊べたりしますか?

高井富士ローカル11年やってますので、隅から隅まで知り尽くしてます! セッション大好きなので、よかったらぜひアテンドさせて下さい! 
instagram @seient


Jeepオーナー

木村誠太さん Seita Kimura

Profile
ツインチップスキーが登場した黎明期からフリースタイルスキーに魅了されて40年ライドし続けているコアスキーヤー。スキーライフの相棒がJeep Wrangler unlimited 2015 Sports ( JK38L)。シーズン中は雪がある限り「人生で一番乗りたかったクルマ」を走らせている。

instagram @seient

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