Jeepオーナーたちは、どんな雪山に向かってJeepを駆り、どのようにスノーシーズンを過ごしているのか。STEEP ユーザーで Jeep オーナーのスキーヤー・スノーボーダーに、Jeepと、そのライフスタイル を語ってもらう企画だ。愛車との馴れ初めや、Jeepへの思い入れを交えて、Jeepのあるライフスタイルの魅力を伝えたい。
今回、登場いただくJeepオーナーは長野県長野市在住の開藤拓真(かいとう たくま)さん。もっとうまくなりたくて夏場はエアトリック習得のためにエアーマット施設にまで通う本気のスキーヤーだ。開藤さんにとってJeepとはどんな存在なのだろうか?
Jeepとの馴れ初め
―Jeepにはどれくらい乗っているのですか?
JeepのRenegade(レネゲート)、色はアンビルに6年前から乗っています。もともとくすんだ色が好きだったんで、もうこの色がドスライクだったんです。すごくカッコいいと思って。
それまでは中古で買った10万キロ超えた日産のセダンタイプに乗っていました。社会人になって、仕事してお金を貯めつつ、念願のJeepを買うことができました。
―念願だったのですね。どうしてJeepを?
Jeepっていうブランドに社会人になって、クルマに乗るようになってからずっと憧れがあったんです。いかにもアメ車って感じで。Jeepのどの車種がいいかなーってずっと考えてましたね。Wranglerもカッコいいなって思ったんですが、Renegadeはサイズ的に自分にちょうどいいなって。デカすぎると、自分あんまり運転上手じゃないんで、駐車とか細い道とかテクニック的に難しそうだなって思って。Renegadeはコンパクトで細い道でも入りやすい、駐車もスペースに気を遣わないでラクラクできるから、使い勝手が良くて便利だって考えました。
試乗して自分の選択が正しいことを確信した
―Jeepのどんなところに惹かれたのでしょう?
Jeepってどんな険しい道でも行ける、そういう感じのところ。あと、「汚れても気にしないぜ」ってところに惹かれました。
―購入するとき迷いはなかったのですか?
他のクルマとも比べるために、一応いろんなメーカーや車種の試乗にも行ったんですけど、でも最終的にやっぱりRenegadeがいいってなって。
その頃は木曽に住んでいたので、松本のJeepディーラーで試乗しました。松本市周辺を30分ほど運転させてもらうんです。かなり急な坂道を登るのも体験したんですけど、けっこう小さい割には馬力があって、坂道でもスイスイ登れるなって感覚がありました。坂道を途中で止まっても、普通は走り出すときにちょっと止まったりしちゃうんですが、Jeepは下がらないような仕様になっていた。「うん、フィーリングはイメージ通りだ」と感じましたね。
とりあえず他のクルマも乗ってみようと思ってMAZDAのCX5やスバルのフォレスタとか、いくつか乗りましたが、やっぱり最初に試乗したJeep Renegadeがいいなって、最初の選択に戻りました。スピードに乗るとアクセルをそんなに強く踏まなくても自然に進んでくれるフィーリングで、「乗っていて気持ちいい」という感覚がありました。
愛車としてのRenegade
―愛車として乗り始めてからRenegadeの性能や機能面で気に入っているところは?
コンパクトサイズな割に馬力もあって、高速道路とか一番楽しいです。100~120キロとか出しちゃうときもありますヨ。スピード出しても風にあおられることもないし、スキー場に行くときはスリップとかしたことない、そのあたりも気に入ってます。
―エクステリアはどうですか?
フロントの丸いライト、Jeepの顔がかわいい。後ろのランプがバッテン✖になっていて、すごく遊び心があるクルマだなって。
―インテリアでは?
どこも気に入ってますね。エアコンの吹き出し口とか全体的には黒なんですけど、部分的に赤で囲っていたりして、さり気ないディテールがカッコいい。助手席のところにハンドルがついているんですけど、なんかカッコいいなって感じがします。
―収納面は?
Renegadeって小さく見えるけど、ラッゲージルームは割と奥行もあってギアとか不自由なく収納できます。僕は下に毛布をひいて、スキーを入れてます。初めて3人で山行こうぜってなったとき、3人分のスキーギアと荷物を載せても全然行けた。こんなに積めるの?って、けっこうビックリして、今でも印象的なエピソードです。
―あえて、「もうちょっとこうだったらいい」点はありますか?
うーん、シートに関してはリクライニングがもうちょっと倒れたらいいのになって思うときはあります。疲れたときはちょっと寝たかったりするから。あと、シートとシートの間にモノが落ちやすいかも。ガムとか落ちちゃうと手が入らないので、そこにすっぽり収めるようなポケットをつけて工夫しています。
―ちなみに、どれくらいのお買い物だったのでしょう?社会人になってお金を貯めてからとおっしゃっていたので、チョット聞いてみたくなりました(笑)
スタッドレス入れて520万ほどでした。それこそローンとか組んでですが(笑)、頑張って働いてきた甲斐もあって、Renegadeを手に入れたときはとにかく嬉しかった。意味もなく高速に乗ったっけ(笑)。ホントに楽しい気持ちと嬉しい気持ちと、すごいテンションが上がってました。そのとき24歳だったかな。これからコイツと彼女とか奥さんとかとドライブしたり、友達とかと、いろんなところに出かけられるんじゃいかなって、すごくワクワクしたことを覚えています。
Jeepとは自分の個性を出してくれるもの。
昔から人と被りたくないっていうのがある自分には「やっぱりこれなんだよな」。
Renegadeに乗ってると、「変わったクルマに乗ってるね」って言われる。
クルマって人の印象に残るじゃないですか。
そういうのもあって、大切な自己表現のひとつですね。
ーTakuma Kaito
コイツを手に入れるために頑張ってきた仕事
―開藤さんは、ちなみにどんなお仕事をされているのですか?
僕、看護師なんです。長野市内の病院に勤務しています。
―男性看護師さん…どうして看護師になりたいと思ったのですか?
まず何か人のためになりたいって思ったからです。自分が中学生になったとき愛知万博があったんですね。赤十字のブースがあって、戦争の悲惨さとともに赤十字が人を救ってきた歴史とかの展示があって、それを見てすごく心が揺さぶられたんです。自分も人を救える仕事をやりたいって思った。それで看護の短期大学から医療の道に進みました。現在は救急外来で働いています。
救急車で搬送されてきた患者さんは、本人は苦しんでいるけど何が苦しいのかわからないことが多いんです。どこが問題なのか、それをいかに迅速に見つけて治療に繋げるか、救急では1分1秒を争う時間との闘いなんですけど、すぐに治療につなげて、患者さんの状態がいい方向にいったときは、心からよかったなぁ~って思う。実際に治療するのは医師ですが、検査や治療の準備は看護師がするので、そういったことも時間との勝負だったりして緊張感は半端ないんです。
でも、その極限の中でベストを追求していくというマインドや専門性の高いところが、自分に向いている環境だなぁって思うんですね。夜勤も当然あるし、救急車とかバンバンくるときもあって、目が回るくらい忙しかったりしますが、僕はこの仕事がすごく好きなんだと思います。特にストレスもないし、これまで辞めたいと思ったことは一度もない、医療支援への思いがブレたこともありません。
―なんだかカッコいいですね。でも、そのような過酷な現場では、滑りに行くのも大変なのでは?
それが、そうでもないんですよ。明確なシフト制なので、特にストレスもなく、休みの日はもちろん、夜勤の前に滑りに行ったりもできるんです。シーズンで30回くらいは滑りに行ってます。
もはや冬の楽しみじゃなくて、今の人生の楽しみがスキー
―ホームゲレンデは?
パークが好きで高井富士のシーズンパスを持っているので、よく行きます。友達と一緒なら北志賀の小丸山にも。あそこは長野県民は1000円で滑れるから。ツリーランしたいときは斑尾です。雪が降ったときは戸狩にも行ったりします。このあたりのスキー場はどこも1時間以内で行けちゃうから便利なんです。
―ふむふむ、パークは高井富士、ツリーは斑尾は納得ですが、雪が降ると戸狩??なんですか?
(笑)ですよね。でも、戸狩って実はけっこうパウダー滑れるんですよ。一番上のリフトに乗ってちょっと歩いたところにスキー場の反対側に降りるところがあるんです。リフトの支柱は残っているんですけど、今はやっていないエリアなんです。でも滑ってもよくて、下まで降りると1㎞くらいあるかな。ところどころ圧雪されているけど、そこ以外はみんなパウダーなので1㎞以上パウダーランが楽しめるんです! それも下でバスが待ってるんです。誰か滑って来たらピストン輸送で往復してくれる。それも無料です!
―ええええ? そんなの聞いたことないです。レアなローカルネタですね! 開藤さんにとってスキーってどんな存在なのですか?
…なくてはならないもの、かな。自分は物心ついた頃、3歳くらいからスキーやっているので、ずっと楽しいですね。小学校ではアルペンスキーやって、大学時代にフリースキーに出逢って、そこからフリースタイルを始めたんですけど、けっこう危険だし、ケガも多いようなスポーツですけど、だからこそアドレナリンが出て楽しいのかも(笑)。
通っていた短大が川崎だったので、室内スキー場の「スノーヴァ新横浜」でアルバイトしてたことがあるんです。実は、フリースキーはそこで知って始めたんです。実際にトリックをやっているのを見てカッコいいな~って思って。5~6mくらいのジャンプ台、レールもありました。
バイトの傍らかなり練習しましたよ。エア台で360が飛べるようになったときは、もう嬉しさと爽快感がたまらなかった。そこからずーっとフリースタイルを続けています。
長野市に引っ越してきてからは「小布施クエスト」というオフトレできるところがあって、今まで以上に練習に力を入れるようになりました。
それに僕、ギアのメンテナンスも好きなんです。家には専用スペースもあって、チューンナップとかワックスかけたりも本格的にやってます。これもうまくなるため、もっと滑りを楽しむために凝ってますね。
―本当に長く真剣に続けてこられたコアな滑り手なのですね。すごいなぁ。
スキーは、もはや冬の楽しみじゃなくて、今の人生の楽しみがスキー、そんな感じです。今はパーク中心で楽しんでいて、キッカーでジャンプするのが好き。いろんな技ができるようになりたいから、そのために夏場もウォータージャンプに通うんです。
―得意な・好きなトリックはなんですか?
持ち技ですか? バイオ720とか好きです。自然に飛んで回って、「あれ?これってコークじゃないよね? バイオ? 自然にバイオできるようになっちゃった!」なんて(笑)。バイオってやる人が周りにあんまりいないんですよね。だからなおさら好き(笑)。僕、根本的に人と被りたくない人なんですよね。
―と聞いて、尋ねたくなりました。乗っている板は?
今はWAPANです。HO(ホ)かな、センター100のオールラウンド系。達磨グラフィック。気に入ってます。なんたって人と被りたくないから!(笑)軽くてパークだけじゃなくてパウダーとかも滑りやすい。
―やっぱり!(笑)好きなライダーはいますか?
トム・ウォリッシュはカッコイイなと思ってる。レールの乗り方がすごい綺麗で。自分はエアが好きだけど、ジブ系もうまくなりたいっていうのがあって、トムのジブのきれいに乗るところが本当にかっこいい。インスタでムービーとかよく見てます。
―スキーで目標や目指しているところは?
ケガしないで、ずっと長く滑っていたい。滑り仲間には50歳くらいでもバリバリにフリースタイルやってる人もいる。僕もそんな年齢まで長く続けていきたいなぁって思います。それより目先には、近い将来、子供と一緒にスキー行きたいなぁっていうのが、今の夢かな。パークとかパウダーとか子供と一緒に楽しみたいな~。
―最後に開藤さんが人生で大切にしていることを教えてください
「情熱的に本気で楽しむ」ってことかな。今はスキーがもっぱらメインですけど、自分って好きなものはとことん追求したくなる、それに、いつも明るくポジティブでいたい性格なんです。常に楽しんでいたいし、楽しいことが好き。それにはクルマが欠かせない。愛車は自分の人生や趣味を大いに楽しむための大事な相棒だから。
「人生楽しんだもの勝ち!」そんなふうに生きてます。
これからもRenegadeと本気で楽しんでいきます。
Jeepオーナー
開藤拓真さん Takuma Kaito
Profile
ONでは看護師として救急医療の現場で心を尽くして奔走、OFFには、Jeepの愛車Renegadeを駆って雪山に走る。WAPANやARMADAスキーでパーク・パウダー・ツリーランと幅広く楽しみ、うまくなるため、自分独自の表現のために練習やチューンナップも欠かさないコアな滑り手。