雪上と同じように、水上を自由自在にクルージングして楽しめるSUP
スキーヤー、スノーボーダー達が、SUPを夏のアクティビティに選ぶのにどんな理由があるのだろう。
雪上と同じ感覚の心地よさを感じ、簡単にはいけないところへ行ける移動手段としての役割を担ってもらう。トリックやパドリングで技術を磨く楽しさやスキー、スノーボードに役立つ身体の使い方を習得するため。気象条件によっては、風の影響を受けたうねりはもちろん、海なら波に、川なら急流に翻弄されることもある。それはまるでバックカントリーエリアでの地形遊びの感覚に似ているという。
ロケーションやスタイルの組み合わせによるバリエーションの豊富さも魅力のひとつのSUP。12名の滑り手に一歩先ゆくSUPの楽しみ方を教えてもらおう。
SUPガイド|スノーボーダー塚原 聡の場合
「SUPは、スキーやスノーボードと同じように”1つの種目”ではなく、パドルスポーツやウォーターアクティビティという複数の面をもっていて、遊びの幅が広い」
これまでサーフィン、カヌー、カヤックなどをしていたので、自然な流れでSUPを始めていました。
SUPはサーフィン同様、技術的に難しい乗り物かつリスクが高い遊びだと思っているので、日ごろから、フィールドや環境に合わせた活動を心掛けてます。
SUPの魅力は、他のパドルアクティビティ(カヤックやカヌーなど)と比べて、扱いが容易で一人でも遊ぶことが出来ることです。立ってパドルをする技術を持ち合わせていることが前提ですが、フィールドを問わず、いろんな気象条件でも楽しむことができ、旅にも最適です。
例えば、動力船やカヤックだと移動スピードが速いので、見落としがちなことも、SUPだとのんびり楽しめること。故に、コンパクトなエリアでも時間をかけてしっかり楽しめるし、立って漕ぐことで見える世界も他のパドルスポーツよりも多いです。どんなアクティビティでもリスクはありますが、子どもをはじめ幅広い層を対象に遊べることもが魅力だと思います。
塚原 聡/SUP歴13年
山岳・スキーおよびカヌーSUPガイド
SUPエリア/ 北海道のきれいな海、積丹をはじめとする日本海や奥尻島。道外は、奄美大島などの九州の離島、四国
スノーエリア/赤井川・キロロ
1990年代はじめ、フライフィッシングのためにカナディアンカヌーを乗るようになり、カナダユーコン川旅を5回ほど漕破。その後、カヌーガイドとして北海道全河川(湖)を対象にリバーツーリングを開催、2006年からは積丹半島をベースにシットオンカヤックでの海ガイドをスタート。2013年にSUPを導入し、北海道・日本各地へのトリップのお供としてサーフボード、SUPを駆使し遊びの幅を広げている。日本のSUPブランド 『PEAKS5』のアンバサダーとして活動中
Instagram: @namaaranokuni
SUPサーフィン|スキーヤー半田 譲の場合
「海や自然の素晴らしさに気付かせてもらった。水面に浮いているだけで気持ちが良く、山も海も同じ心地よさがある。スキーと一緒で手になにか持って板に乗るというのがハマった理由」
どんなきっかけでSUPに出会ったかは覚えていない、ただビビッときたことは覚えている。
仕事でSUPレッスンやツアーを行っています。漕げるようになると行動範囲が広がるし、風やうねりなどを考慮してツアールートを考えるのは完全にBCのツアーと一緒なんです。
景色は素晴らしいし、難易度が上がると満足度も高くなります。個人的には小さなうねりから頭オーバーまで様々な波で楽しめるSUPでサーフィンが楽しいです。技術の向上が実感できる点にも楽しさを感じています。
スキーやスノーボードのオフトレにもおすすめです。上半身は勿論、体幹やバランスが鍛えられたので、スキーでのバランスもより研ぎ澄まされました。
SUPは、海、川、湖と、場所を問わず、水があれば楽しめます。サーフィン、トリック、クルージング、ダウンリバーどれをとっても楽しさを感じさせてくれます。
半田 譲/ SUP歴11年
ZAOC代表
SUPエリア/ 宮城県 スノーエリア/宮城蔵王を中心とした東北エリア
東北ではほぼSUP業者がない時代からSUPレッスンやツアーを始める。アイランドホッピングなど、宮城近郊のSUPツアーのルートを開拓。ツアーやレッスンを継続しながら、最近はもっぱらSUPサーフィンに傾倒。元SUPサーフィン台湾代表の吳佳儒に師事。
Instagram: @yzhandaman
リバーSUP|スノーボーダー平間 和徳の場合
「川の流れを読み、体全部で”川”を感じ取れた時、まるで川と調和したような感覚が得られる。それに感動し、経験を仲間達と共有する事にリバーSUPの楽しさを感じています」
SUPと出会う前は、ラフティングで激流下りをしていました。利根川で、初めてSUPに乗った時は、スノーボードとラフティングのパドリングが融合している感覚を味わいました。川の流れの中でバランスを取ることはとても難しく、何度もトライアンドエラーしたのを覚えています。
川の流れに自分のバランスとパドリングを合わせることは難しいですが、徐々にバランス感覚が養われていき、川のパワーを借りて、技を決めたり、激流をクリアすることができるようになりました。
みなかみ町利根川は源流域にあたり、変化が多く様々な顔を見せてくれます。源流ならではの穏やかな清流や澄んだ流れのトロ場(流れの溜まりで、プールの様に静水になる場所の事)は日本でも稀にみる透明度です。また、春の増水期は、”日本三大急流”や”日本三大暴れ川”に選ばれる程の国内トップクラスの激流になります。
利根川の厳しさと優しさから多くの学びがありました。とくにリスクマネージメントの敏感さは、そのまま経営や、人間応用でき、学びを活かして人生を豊かにしてくるのも利根川やSUPの魅力だと感じています。
平間 和徳/ SUP歴12年
通称ラマ先生【スノボ/リバーSUPのプロ】
スノーエリア/群馬県ほうだいぎスキー場 SUPエリア/群馬県 利根川、赤谷湖、四万湖
スノボ全日本技術選5回制覇、SNS総フォロワー32.9万人。様々なアウトドアアクティビティに係わり、それらを全力で楽しんできたなかで、「楽しい」をみんなと共有したい。そんな思いに共感し集まったガイド達と共に、群馬県みなかみ町をベースにR-LABOを運営。
Instagram:@kazunori_hirama SUP @rlabo.insta @rodge_2020
SUPガイド|スノーボーダー阿部 亮介の場合
「自然と一体化できる時間があること」
川の流れを利用するため、毎日コンディションが違います。日々違う顔を持つ川は飽きないし、どんなコンディションでも楽しめるSUPは刺激的です。
自然が相手なので危険を伴います。リバーSUPを目指すのであれば、スクールに通って、技術を習得してからのチャレンジをおすすめします。プライベートでは、川でゆっくりクルージングしながらの旅が好きで、栃木県の那珂川によく行きます。
数年前に、山から海までテント、食料など積んで2泊3日で海まで漕いで行きました。普段は、群馬県の大自然豊かなフィールドでツアーを開催しています。ぜひ、リフレッシュしにお越しください。
阿部 亮介 / SUP歴15年
IRIEON 代表
スノーエリア/群馬県 SUPエリア/群馬県
自身のスノーボード経験から、SUP専門でガイドするアイリーオンの代表。小さいころからふれあい続けたみなかみの自然を愛し、ツアーを通して自然の豊かさを伝える。
Instagram: @ryosuke.215 @irieonsup
レイクSUP・SUP&CAMP|スキーヤー河野 健児の場合
「四季を通して自然を楽しむことができるようになり、より自然の魅力や島国日本の魅力を知ることができるようになった。また、スキーと同じく3世代で楽しめる数少ないスポーツ」
SUPに出会った当時は、オリンピックを目指す現役アスリートだったので「乗りこなせる」という自信はあったが何度も海に落ち敗北のデビュー戦。難しくも楽しいスポーツだなというのが第一印象でした。今では、キャンプギアと遊び心をSUPに積み込み川や海を旅するほどハマっています。
SUPは、地球が生み出す川の流れ、海の波に乗ることで自然と一体になる時間を過ごすことができ、スキーで雪上をを滑る心地良さと同じものをを感じます。
特に、日本最後の清流と呼ばれる高知四万十川の美しい川を流れながら好きな場所で自由気ままにキャンプをしながら川を降っていくあの時間は、私にとって特別な時間となっています。川下りや波乗りアをクティブに楽しむことだけではなく、SUPの上で釣りができたり、コーヒーが飲めたり、寝転んだり、子どもと一緒に楽しめたりとその人のスタイルに合わせてカスタマイズして遊べます。
誰でも簡単に楽しめる反面ルールや気象状況、知識がないと危険が伴うこともありますので初めての方はガイドツアーなどに参加することをお勧めします。
河野 健児 / SUP歴16年
NOZAWA GREEN FIELD代表
スノーエリア/長野県 野沢温泉村 SUPエリア/ 長野県 北竜湖、千曲川、高知県 四万十川
10代からスキークロスのワールドカップ選手として活躍、現在は「NOZAWA GREEN FIELD」代表を務める。その傍ら、スキーブランドのVECTOR GLIDEや SUPブランドのPEAKS5のプロダクト開発を手がけるなど、アウトドアに関わるアクティビティの提供からギアの提供までアウトドアスポーツの魅力を多角的に発信している。
Instagram:@kono_kenji @nozawagreenfield
レイクSUP・SUPフィッシング|スノーボーダー福島 格の場合
「年齢問わず全力で水遊びが出来るし、大雨のなかでのSUPも最高!」
湖、川、海、何処でもSUPをします。なかでも、青木湖にいる時間が最も多いです。
毎日変わる水上のコンディションに合わせて、縦横無尽に動き回ることによって青木湖の隅々まで行き尽くしました。稀に出会う穏やかな湖面に浮いて鏡の様な湖上をクルージングするのが最も幸せな時間を過ごしていると実感します。
もともと釣りが大好きで、リバーガイドをしながら川や湖の上から魚が見えないかなぁと探していました。SUPで激流を下るのも最高ですが、フィールドを問わずSUPフィッシングができる事で仕事のみならず、プライベートでもハマっています。また、趣味が高じて、SUPフィッシングインストラクターも取得しました。
福島 格 / SUP歴13年
Mauka outdoor(マウカアウトドア)
スノーエリア/白馬岩岳(ゲレンデ)Hakuba Valley(BC)SUPエリア/長野県青木湖
Instagram:@itaru_fukushima @mauka_outdoor
SUPフィットネス|スキーヤー福島 のり子の場合
「SUPの上での瞑想は、頭の中を空っぽにするために必要な時間」
SUPに乗ることで、「水の上で過ごす」という非日常を味わうことができます。老若男女、誰でも楽しめて、自然を身近に感じられます。難しい技にチャレンジして、失敗したときはみんなで大笑いして、静まり返った湖だと時が止まったような感覚を味わうこともできます。
私がベースにしている青木湖には木のトンネルがあって、そのなかで寝そべって瞑想することでフル回転してる日々の生活にゆとりを与えてくれます。海、川、湖とシチュエーションごとに多様な遊び方があるのがSUPの魅力です。
また、フィットネスとしてもSUPはおすすめです。前傾して漕ぐことで背中の筋肉を使い、肩甲骨を意識してパドルを使うことで肩周りの関節可動域も広がる運動に繋がります。体幹はもちろん、普段意識して使うことのできない、細かい筋肉もバランスを取ることで知らぬ間に使えています。さらに、水の上は地上よりも短い時間で高負荷がかかります。フローティングフィットネス協会からの報告によると、地上で40秒かけて行うプランクなどの体幹トレーニングはSUPなどを利用した水上では、8秒で効果がでるとされています。乗っているだけで鍛えられるのもうれしいです。
福島 のり子 / SUP歴13年
Mauka outdoor(マウカアウトドア)
スノーエリア/白馬 SUPエリア/長野県青木湖、白馬姫川、安曇野万水川
1979年、白馬村生まれ。幼少時代からアルペン競技で活躍し、2004年からスキークロス競技に転向。バンクーバー五輪出場を果たす。現在はフリーライディングの舞台で活動しつつ、白馬岩岳で実家のロッジ「やまじう」とアウトドアガイドサービス「Mauka outdoor」を運営。
Instagram:@norikofukushima @mauka_outdoor
SUPフィッシング|スキーヤー関 貴彦の場合
「SUPに出会えた事により山や川が中心だったライフスタイルに海が加わり、自然から勉強させてもらえる機会が増加」
主に、富山の海でSUPフィッシングを楽しんでいます。
早朝は魚の活性が良い時間帯ですので夏場は4時過ぎにはポイントへ向けて漕ぎ出します。この時、暗がりから顔を出す朝日は息をのむ美しさです。春はカサゴや根魚、真鯛、夏は太刀魚や青物、海のコンディションが良い時は中深海でアカムツなどが釣れます。秋には大物が釣れることもあり、ホームポイントで70cmの真鯛を釣ったこともあります。
刻一刻と変わる風や潮の動きの中で狙うポイントを常に移動しながらSUPを漕ぎ続けているのでトレーニングにもなります。そのかいあって、バランス感覚が良くなったと感じ、冬の滑りにもプラスになってます。自然の中で遊びながらトレーニングも出来るので夏場のアクティビティには最適です。
関 貴彦 / SUP歴15年
SIJ公認 SUPフィッシングスペシャリスト
スノーエリア/志賀高原 SUPエリア/ 北竜湖、志賀高原琵琶池、日本海、富山湾、相模湾
幼少期よりアルペンスキー選手として国内外の大会に出場。現在は、長野県中野市にて3RD Café & Moreをオープン。カフェをベースステーションとした北信エリアでのアウトドアツアーやイベントを企画。グリーンシーズンはトレッキング、雑魚川渓谷をフィールドにしたFishing tour、ウィンターシーズンはスキー、スノーボードのPowder Tourのガイドとして活動中。スポンサーは、PEAKS5。
Instagram:@seki722
SUPガイド・SUPレース|スキーヤー福井 五大の場合
「自然や波と調和しリラックスできる。レースでは多くの参加者と交流できて、同じ趣味の仲間ができることがいい経験」
スキーのオフトレとして山中湖で水上スキーをしていた時に、乗らせてもらったのがSUPにハマるきっかけです。トレーニングも兼ねて、普段は6〜10kmほど漕いで、たまにレースにも出場しています。その時はハードボードにも乗ります。波があれば湘南エリアまで足を伸ばしてSUPサーフィンを楽しんでいます。
日ごろは、長野県白樺湖でSUPレッスンを初めてのお客様を中心に行っています。
綺麗な海を目指しサーフトリップしながら仲間といい波に乗っている時は最高に幸せを感じます。
年齢問わず、誰でも挑戦できてかつ生涯スポーツとして楽しめる点がSUPの魅力です。
福井 五大 / SUP歴10年
八ヶ岳アドベンチャーツアーズ代表、SUPA公認 SUPインストラクター、JRCA公認 カヌーインストラクター
スノーエリア/車山スキー場、野沢温泉スキー場 SUPエリア/ 白樺湖、湘南エリア
元フリースタイルスキークロス日本代表。白樺湖でカヌー、SUP、e-bikeツアーを毎日開催中。
Instagram:@godai_fukui @yatsugatake_adventure
SUPツーリング|スノーボーダー西脇 将美の場合
「山遊び中心だった私にとって、水の上にいる感覚は新鮮でした。自然の雄大さを感じ、新しい世界を知り、水の上に立つという非日常に癒されています」
初めてのSUPは、2014年9月群馬県片品村の菅沼で沼野健輔さん主催の「菅沼レイクSUPイベント」に参加したときでした。海や湖でのんびりツーリングするスタイルです。SUPは手軽に持ち運べ遊べるギアなのに、陸から見えない、洞窟や入江などのフィールドの奥へ誘ってくれます。冬山のバックカントリーの世界に似ていることが引き込まれた理由の一つです。
出雲崎や天領の里近くによく行きます。日本海の海がキレイで家族で遊ぶことも釣りすることもできる身近で1番遊んでいるエリアです。
家族でキャンプに行ったときには、早朝6時ぐらいに起きて妻と漕ぎます。面ツルの鏡のような湖面、静けさ、朝霧と神秘的な瞬間が見れます。面ツルの湖面をゆっくり漕ぐのはノートラックのパウダーに入るイメージに似ていてとても気持ちがいいです。子供達は漕ぐことより、SUP相撲にハマってます。揺らしあってどちらが落ちずに耐えれるかの遊びです。大人でも楽しいので、たまに子供と勝負します。
西脇 将美 / SUP歴10年
MSR社員
スノーエリア/奥只見丸山スキー場、守門岳、浅草岳周辺 SUPエリア/柏崎、出雲崎、角田浜、笹川流れ、銀山湖、沼沢湖
MSR、THERM-A-RESTなど海外のアウトドアギアを取り扱う株式会社モチヅキの広報。プライベートでは夏は登山やSUP、冬はスノーボードにハマって約30年。未だバックパッカー精神が抜けず、いつも出張は旅だと思って楽しんでいる。
Instagram:@mar_kagekiya
SUPフィッシング|スノーボーダー柳田 由人の場合
「SUPフィッシングは自由に釣り場を選べるのでとても楽しい。同時に、風やウネリ、ショアブレイクの怖さを知りました」
日ごろから、釣り目的でSUPを楽しんでいます。一番の魅力は、自由に釣り場を選べる事。岸釣りをしてると釣り人での混雑やエリアを限られる不自由感もあり楽しいはずの釣りでイライラする事がありました。
しかし、SUPなら沖や入り江に行って釣りをすることが出来るので、そういったことは無くなります。。
もちろん危険も伴いますが、釣れるも釣れないも自分次第。
また、岸からの釣りや船釣りでは行けなかったような所に自分で選んで行ける事は、素晴らしい事だと思います。SUPをするとインナーマッスルが鍛えられて腰痛が治るのでPC作業で腰痛が起きた時はすぐにSUPをするようにしています。
柳田 由人 / SUP歴10年
SIJ公認SUPフィッシングスペシャリスト
スノーエリア/新潟湯沢エリア SUPエリア/西湘 静岡県三保
スノーボードを中心に様々なエクストリームスポーツの撮影を得意とする。また、タレントやモデルの人物だけでなく、自動車メーカーなど、あらゆる被写体を対象に活動の幅を広げている。
自身もスノーボードの選手だったことから、「アスリートの姿をさらにカッコ良く表現したい」をテーマに作品を撮り続けている。神奈川県茅ヶ崎市に住みながら、SUP&カヤックフィッシングのショップbifarr(バイファール)にてSUPフィッシングスクールを実施。
Instagram:@yoshitoyanagida
SUPガイド|スキーヤー立嶋 亮の場合
「水が雪となって降り積もれば山を滑り、雪が溶けて谷に流れ出したら川を漕ぎ、その水が海へと達する頃には海で漕いで、また雪となる時期に遡上する。終わることのないこの至福のループがとても心地よい」
SUPに出会う前は、カヌーやシーカヤックをやっていて、SUPが普及し始めたタイミングで必然的にシフトしていました。サーフィン的な要素が強いと思われがちなSUPですが、パラレルスタンスでスキーライクにコントロールする事ができます。トップからテールへ向かって水が流れていく感覚と内足アウトエッジのような雪面に噛ませて落ちていく谷周りは雪上とよく似ています。ただ水は雪と違って液体なので、時にあらゆる方向に動きます。しっかりとボードに根を張るように立つ事が大切で、スキー滑走のスキル向上にも役立つと思っています。スキーでの外足・内足を効率よく使う感覚を覚えるのに、SUPは最適なアクティビティだと思います。
沖縄の離島はさほど大きくもなく、四方を海に囲まれているのでダイナミックに海を感じられます。潮流や風、時にウネリと戦いながら島の周りをパドリングする感覚は、冬のバックカントリースキーにも似ています。
琉球石灰岩でできた宮古列島は、海からしかアクセスのできない洞窟も多数あり、豊富な湧き水が流れ出る光景は神秘的で魅力の一つです。
立嶋 亮 / SUP歴13年
Waterman SUP Guide
スノーエリア/群馬県片品村、尾瀬国立公園、スノーパーク尾瀬戸倉、丸沼高原スキー場 SUPエリア/沖縄県伊良部島、多摩川
10代はアルペンスキー選手として活動. 20代をアメリカで過ごし、ロッキー山脈、ユーコン、アラスカなどの広大なフィールドで四季を通じてアウトドア活動に没頭。帰国後、冬はバックカントリー / パウダースキーガイドとして、夏はSUP・カヌーガイドとして活動中。
Instagram:@waterman_sup_guide @ryo_tateshima