ローカル鉄道で行くパウダートリップの魅力~'24-25北海道編レポート

ラニーニャの恩恵を受けた'24-25シーズン、皆さんはどのように楽しんできましたか? わたくし都内在住のサラリーマンスキーヤーYoshiが、今シーズン心に沁みたローカル鉄道を使った2週間の北海道パウダートリップをレポートします。

INDEX

'24-25シーズンの開幕を振り返ると…

毎年冬の訪れが遅くなり、’24-25シーズンは東京で冬を感じたのは12月後半くらいでした。今シーズンはラニーニャ予報なのに、なかなか冬がやってこないなぁ…という不安もありましたが、12月下旬になると一気に冬モードへ突入。北海道も一気に積雪が増え、予定していた年末年始トリップに雪がようやく間に合った印象でした。このレポートのタイトルを「ローカル鉄道を使ったパウダートリップ」と称したものの、多忙なサラリーマンにとっては休暇は有限。東京からはさすがに飛行機を使って旭川入りしました。

クリスマス前後の旭川

北海道に上陸後、まずは旭川を拠点にカムイスキーリンクス、富良野スキー場周辺へ。到着時は、数日降っていないコンディションでしたが、後半になればなるほどコンディションは良好に。内陸ならではのスーパードライパウダーを味わえたのがホントに良かった!

ストームの後の樹林帯が美しい

旭川のアプレスキー

ホテルはOMO7旭川。広い乾燥室とワックスバーがとても便利で、旭川の定宿になっています。今年はブーツ乾燥機が新たに設置されていたのがありがたかった。

旭川の街は飲食店が多く、どこも大盛況。数年前のように気軽にはしご酒、というわけにはいかないほど混んでいる印象なので、行きたいお店が決まっていれば予約必須!旭川ならではの趣深いお店で、仲間とおおいに盛り上がりました。

特急ライラックで旭川から札幌へ

ジャパンタクシー型の車種であれば助手席を倒せばオールインワンが乗ります

電車旅なので板などのギアを運びながら移動します。オールインワンをタクシーに乗せ、旭川駅に移動。旭川→札幌間の特急「ライラック」に乗りました。この区間は内陸なので、山間部や開けた平地を抜ける広大な車窓が楽しめます。乗客もローカルからツーリストまで幅広く、一部の席を荷物専用にしているなど、旅人にやさしいのがポイント。オールインワンを運ぶのにも困らなかったです。

ちなみに時間と料金は、鉄道は1時間40分ほどで、特急料金込みで4,690円。バスだと約2時間半で、2,500円。

荷物専用シートもあって特急ライラックは旅人にやさしい!

札幌でショップ巡りとスーパー銭湯

札幌では中1日休養を取りました。UPLND札幌、フルマークス札幌をめぐって、調子の悪くなっていたゴーグルを新調。さらにフルマークス札幌で教えていただいた琴似のスーパー銭湯「湯処花ゆづき」さんでスーパーリフレッシュ!

出典:湯処花ゆづき https://www.hanayuzuki.jp/

1日居ても大人880円、岩盤浴は+360円の超良心会計。一日温泉と岩盤浴でしっかり体を温めて前半戦の疲れをしっかり抜いたのした。フルマークスのスタッフさん、ありがとうございました。(OFF日の岩盤浴は本当におススメです!)

年末年始は赤井川カルデラ周辺へ

キロロ周辺での滑走

札幌からガイドさんにピックアップいただき、小樽方面へ車を走らせ「銭函」へ。ここを起点に、赤井川カルデラ周辺を滑る年末年始合宿がスタートしました。

年末年始は札幌寄りのスキー場周辺や銭函周辺の山々はまだまだ藪が濃く、地形の凹凸も出ているので、ルートを慎重に選びながらの滑走が続きます。とにかく鍛えられる! ところが赤井川方面に移動すると、積雪もどんどん増えて、地形を楽しみながら海側特有のややもちっとした雪を楽しむ。スーパードライな雪もいいけどモチっと反発のある雪もいい!

銭函の裏山からの石狩湾

函館本線はいいぞ

北海道でローカル線と言えば「鉄道員(ぽっぽや)」を思い出す方も多いのではないでしょうか。真っ白な静寂の中、2両編成のローカル線が駆け抜ける、あの少し寂しげですが何とも言えない雰囲気。あの世界観が味わえるのは北海道のローカル線ならでは。特にニセコへの移動で利用した函館本線の車窓から見る風景は、何とも言えない旅情があります。

桃鉄ユーザーには胸熱「長万部」

銭函から小樽に移動して1泊した後は、ニセコエリアに向かうために函館本線で倶知安へ。この函館本線、北海道新幹線開通と共に廃線が決定されているようで、雰囲気を味わうなら今のうち。小樽→倶知安→新函館の函館本線は2両編成の汽車が単線の線路を駆け抜けています。

「小樽」から「倶知安」間は日本海側から山間を走り、雪が積もる晴れた日には、線路の両側から真っ白な木々が迫り、なんとも幻想的な風景を楽しめます。
ちなみに、「新函館」から「倶知安」へと移動するなら、「桃太郎電鉄」でおなじみの「長万部」があります。噴火湾の海岸沿いを走り、灰色の荒れた海に雪が降りしきる様子を眺める…という、旅情たっぷりの電車旅ができます。

ちなみに札幌からニセコまでバスで行けば所要時間は3時間と少しで、バス代は片道2,560円。鉄道を乗り継いでいくと、倶知安まで約3時間で2,400円。倶知安からニセコまでのバス代540円をプラスしても、料金は大きくは変わりません。

2両編成なので、なるべく早めの乗車がおすすめ!

選択肢が多いニセコエリアBC

いろいろな山々と地形が楽しめるのもニセコの魅力 ※滑走の詳細はInstagramで

「倶知安」からニセコに行く手段は、バスかタクシーの二択。繁忙期だとタクシーはつかまりにくいため、少ない便数のバスに時間を合わせて、小樽を出発するのが吉。ヒラフ周辺はインバウンドでごった返しているものの、リゾートスキーヤーが増えているため、周辺の山々は静かなもの。羊蹄山とニセコ周辺の山々を滑りましたが、確かに僕らが大好きな静かな山行が続きました。雪もさすがニセコという感じで、風向きと天気次第でいくつも選択肢があるのがこのエリアの良いところ!

いつもどこかにパウダーがあるポテンシャル

のんびり派もガチ勢も楽しめる公共交通機関×パウダーのススメ

公共交通機関を使ったパウダートリップは、移動の楽しさも味わえる魅力的な旅のスタイルだと思います。その理由をまとめてみました。

電車&バスで移動するメリットが大きい

・雪道運転のストレスゼロ!
・ローカルグルメをたっぷりと楽しめる
・車中でのんびりできる(寝れる!)

旅のアクセントになるローカル線は魅力にあふれている

•美しい冬景色を車窓から眺めながらの移動が楽しくて、旅情たっぷり
•途中下車して、土地の温泉や観光を楽しめる
•列車ならではのゆったりした時間が過ごせる

バックカントリー派にもオススメできる

バックカントリーを楽しむには車が必須と思われがちですが、拠点となる街まで行けば宿泊先から送迎してくれる場合が多く、現地でレンタカーを借りずとも山に行くことができます。例えば、今回宿泊した旭川OMO7では、大雪山旭岳へ向かう無料送迎バスを毎日運行していて、とても便利でした。

OMO7旭川のスキー場への無料送迎バス

ローカル鉄道を使った旅、雪道の運転に自信がない人や、ゆったりとした旅を楽しみたい人には特にオススメです。残りのシーズンはぜひ、ローカル線を活用して、春のトリップを楽しんでみてはいかがでしょうか?

Special thanks.:Guide Kintoun, Yamaki-x,Norte,Niseko Mecca.

INDEX