志賀高原、「山の駅」を拠点にした中央エリアの楽しみ方

18ものスキー場が点在し、共通チケットでその全てが滑れる「志賀高原」。
広大なエリアに存在する各スキー場へはそれぞれに車でアクセスできるだけに、どこを起点に楽しんだら良いかが少し分かりにくいのは否めない。

Skier/Taiga Tomii(Instagram:@taiga_tomii)Photo/Go Ito(Instagram:@gomaniac

そこで、いくつものスキー場が密集する中央エリアの楽しみ方を、この冬から新登場したパルスゴンドラのある「山の駅」を起点にして楽しむことを提案しよう。

志賀高原の玄関口である蓮池エリアにある「志賀高原 山の駅」。麓の街から約800mも標高を上げた場所にあり、循環バスの発着所や歩いてすぐの場所にある無料の駐車場、カフェやスーベニアショップ、大型レンタルステーション「アルピナスポーツ」、さらにはワーケーションスペースもあり、志賀高原中央エリアのハブステーションとして申し分ない。

ベンチマークである「山の駅」から半径約3km以内に、今回紹介する中央エリアの各スキー場はすっぽりと収まり、ここからは寺小屋やサンバレーへも足を延ばしやすい。
とくに真冬時期は道路が凍る状況も多く、それぞれのスキー場への車移動も緊張を強いられる。それだけに運転に自信のないユーザーにとって「山の駅」の存在はとてもありがたい。それに、起点があるとそこを基準にプランも練りやすい。

「山の駅」からは本州のスキー場としては初となるパルスゴンドラが架かっており、三連結のゴンドラがジャイアントスキー場までの400mの距離を結んでいる
旧志賀高原ロープウェイの山麓駅。いまは役割を終えた搬器がそのままに残されている。発着所はリノベーションされ、絶好のビューポイント。カフェも併設されている(営業日時は要確認)
数々のオリジナルの土産品が陳列されたスーベニアショップ
スキー場を循環するバスも必ず停車するため、中央エリアから遠く離れたスキー場まで行っても、戻りもらくらく

志賀高原山の駅 https://shigakogen.co.jp/facilities/yamanoeki_winter

山の駅から眺める斜面をぐるりと回る

山の駅から正面を見ると右手に東館山や発哺ブナ平、左手に西館山がよく見える。その裏側には一の瀬や高天ヶ原があり、さらに奥には寺小屋、右奥にはジャイアントがあって、そこからさらに奥へと蓮池、丸池、サンバレーと続いている。ここから見えているのは中央エリアのなかでも一部だ。

この山の駅から見える斜面をリフトを乗り継ぎながら右回り、もしくは左回りで滑ると、移動しながらさまざまなコースが楽しめて、気がつくと中央エリアの半分以上のスキー場を滑ることになるのだ。
日射や風の状況を見ながら、どっち回りで滑るかは状況や気分次第で変えていい。

ここからは3月のとある日の模様を写真で綴っていこう。

左回り、つまり西館山からライディング開始。西館山はFIS公認のコースにも設定されるだけあって、滑り応え抜群。山頂から初級・中級・上級とコースがレイアウトされ、緩急の滑り分けができる。また、ここは他エリアが強風の時でも風の影響をさほど受けない地形からか雪の状況もとてもいい。左端に見えるのは丸池のコース。正面には北アルプスの峰々が浮かび、標高の高さがもたらす高度感ある眺望が素晴らしい
西館山の中級コース。一定の斜度を保ち、地形変化の少ない尾根上のコースはスピードを出して滑るのに最適
西館山から高天ヶ原へと滑り込む短めの斜面は、人の往来が極端に少なく案外オススメ。高天原へと滑り込むには道路に架かった橋を滑り渡る。道路を超えて隣のスキー場へと滑り込むのはなかなかレアな体験だと思うが……
高天ヶ原の山頂リフトから降りたすぐの景色。北信五岳(妙高山、斑尾山、黒姫山、戸隠山、飯縄山)が一望できるこの眺めこそ「THE志賀高原」
高天ヶ原はフラットに整備された1枚バーン。アルペンスキーヤーや基礎スキーヤーの練習バーンとしても名高い。ここもスピードを出してかっ飛びたい、実にいい斜面だ
高天ヶ原のさらに上部には寺小屋が。標高2060mとこのエリアでは最も標高が高い。雪質もよく、眺めの良さが特徴。志賀の雪質を体験するならここは外せない場所だ。 Photo/Go Ito(Instagram:@gomaniac
Photo/Go Ito(Instagram:@gomaniac
寺小屋から東館山へ。ここは長野五輪の男女大回転競技の舞台となったコースだけに滑りごたえは十分。約1600mのコースはスピードを出して一気に下部まで駆け抜けたい。途中にはコブ斜面や壁といった地形の変化も豊か Photo/Go Ito(Instagram:@gomaniac
東館山・発哺ブナ平、に来たら丸みを帯びた4人乗りのゴンドラ乗車も欠かさずに。1976年から運行を開始し、45年の営業を重ねている。旧来のゴンドラ搬器はすでに勇退し、現在は写真のような当時を思わせる形と大きさの新型に。なお、乗車中は東館山のメインコースが一望できるだけに、上空からコースを見て滑るラインをイメージしたい
コース脇にある林の中に見つけた古い看板。志賀高原は歴史があるため、こういったモニュメントがあちあこちらに存在している。探しながら滑るのも一興
発哺ブナ平は最大幅160mの穏やかで広大な斜面が広がっている。初中級者の練習バーンとして最適で、この日もスキー学校のユーザーで賑わっていた。上部から見たスキーヤーズレフトにはウェーブもある
パルスゴンドラに戻れば、「山の駅」から見えていた斜面をぐるりと一周したことになる

最大斜度34度の名物一枚バーンのあるジャイアント、志賀高原最南端のサンバレー、初中級者に優しいバーンが揃う蓮池、国内ではじめてリフトが架かった丸池など、まだまだ滑るポイントも多いが、ここでは滑りごたえのある斜面を中心に紹介した。

一大スキーエリアを「山の駅」起点で滑り込んでみよう。

志賀高原 https://www.shigakogen-ski.com/

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