宮城蔵王バックカントリー | 樹氷に囲まれた東北の名峰| 「ZAOC」の1DAYツアー

樹氷に囲まれる絶景の中を滑る

奥羽山脈の主脈として南北に連なる蔵王連峰。山形県と宮城県にまたがり、それぞれ“山形蔵王”、“宮城蔵王”と呼ばれ親しまれている。樹氷や御釜といった風光明媚な景色を楽しめると同時に、日本海からの湿った空気を一身に受け止める地理的条件によって、豊富な降雪に恵まれる。今回は、バックカントリールートが豊富な宮城蔵王から歩く、ガイドクラブ「ZAOC」のバックカントリーツアーに帯同した記録を紹介しよう。


【1 Day TOUR -後烏帽子岳-】


9:00 宮城蔵王えぼしリゾート集合
9:30 えぼしリゾート山頂からハイクアップ開始
10:30 コンディションの良いうちにオープンバーンを1本目のラン
11:30 登り返して後烏帽子岳に登頂
12:00 オープンバーンで2本目のラン
12:30 トラバースして3本目はツリーラン
13:00 4本目のツリーラン
13:30 5本目ツリーラン
14:00 トラバースしてえぼしリゾートのゲレンデに復帰
14:30 ゲレンデボトムに帰還―終了

※このスケジュールはフルコースで、 気象条件や参加人数によりランの本数は変わる


宮城蔵王とは

宮城蔵王は白石スキー場、マウンテンフィールド宮城蔵王すみかわ、宮城蔵王えぼしリゾートの3つのスキー場がある。そしてそれぞれのゲレンデトップから不忘山、刈田岳、後烏帽子岳へのバックカントリールートがある。斜面や天候、雪の降り具合によって滑る場所を選べる多様さが宮城蔵王の魅力だ。

えぼしリゾートの山頂が写真右上。リフトで標高を上げられるので体力の温存につながる

なかでも後烏帽子岳(標高1,681m)はハイクアップをそこそこに山頂まで上がれて、その頂からは南北に長い蔵王連峰を一望できるスポットとして人気がある。標高1300m付近までリフトでアクセスして、実際に歩くのは標高差およそ400m弱になるので、体力を温存して滑りに集中できるのもこのツアーの良い点。
ツアーを先導するのは地元宮城県でガイドをしているZAOC(ザオック)。八幡平から宮城県内の山でバリエーション豊かなルート・斜面を案内してくれる。

はじめは樹林帯を歩く。夏道が敷設されているので、木々が整備されていて歩きやすい

バックカントリー初心者でもいける

えぼしリゾートの山頂を出発してすぐは樹林帯を歩く。マツを基本とした針葉樹林の森を歩き、景色も楽しめる。登りの斜度は比較的緩く、歩行ルートも整備されているので初級者でも歩きやすい。

後烏帽子岳まで向かう尾根を歩いて徐々に標高を上げると、疎林になっていき景色も開けてくる。後ろを振り返ると眼下の町が一望でき、遠くには日本海や松島までが見渡せる絶景。スキー場では見られない、その日だけの特別な景色を見られるのもバックカントリーの魅力だ。

樹林帯を抜けると一気に視界が開ける。この景色を見ると登りの疲れも吹き飛ぶ

極上のパウダーをいただきます!

気温が低く、コンディションの良いうちに極上のパウダーをいただこう!ということで、山頂の手前のオープンバーンで滑走する。この日は表面を少し風にたたかれながらも、その内側にはフワフワサラサラのパウダーが眠っていた。降雪や風の吹き具合によっては深雪のパウダーを当てるのもそう難しくなさそうだ。

ターンを刻むたびにサラサラのパウダースノーが舞う

山頂からは蔵王らしい絶景を堪能

一本目のファーストトラックに充実感を覚えながら再びシールハイク。今度こそ山頂を目指す。30分ほど歩いたところで山頂に着いた。普段、後烏帽子岳周辺の木々は樹氷にならないのだが、’22季は育ちがいいようで、立派な樹氷が点在していた。わずか1時間半ほどのハイクアップで美しい樹氷を見られるのなら、お手軽でお得な気分だ。

山頂からは蔵王連峰を一望する絶景。南端の不忘山から北端の雁戸山まで見渡せて、御釜がある刈田岳の眺めもいい。とくに、目の間に見える屏風岳の景色は圧巻だ。文字通り“屏風”、というか、もはや壁のように山がそびえたち、来るものを寄せつけない豪快な雰囲気を醸し出す。腕に自信のあるスキーヤーなら、魅惑の斜面に感じる人もいるだろう。

後烏帽子岳の南西にそびえる屏風岳。いくつもの沢筋やうねりがあり、自然地形豊かなのが一目でわかる。この日ガイドしてくれたのはZAOCの代表を務める半田譲さんだ

樹氷の向こう側に見えるの刈田岳。”ハイシーズンの蔵王は9割曇る”と聞いていたが、すっきりと晴れた

オープン・ツリー・自然地形・パウダー!上級者も大満足

樹氷と山頂からの景色を堪能したら、クライミングスキンを仕舞ってスキータイム。登ってくる途中にあったオープンバーンを再び滑り、今度は南に100mほどトラバースしてツリーの中を滑る。

ここはオープンバーンと雰囲気が異なり、地形の変化や緩急豊かな斜面を楽しめる。マッシュあり、うねりあり、沢がありのツリーで上級者も楽しめるラインが存在する。
森の中なのでたっぷりと雪も温存されていた。ここで3本ほど良さそうな斜面を探しながら滑る。

ツリーを滑ったら、スキータイムも終了。北にトラバースして、えぼしリゾートのゲレンデに向かう。トラバースするとスキー場の山頂付近に出るので、コースを下って駐車場まで戻ってツアー終了だ。

オープンバーンとツリーの二種類、そしてツリーのなかでもバックカントリーならではの自然地形豊かな森の中を滑ることができる後烏帽子岳のバックカントリー。何より壮大な蔵王の景色を見られるのがこのルートの最大の魅力だ。ハイクアップの量も少ないので、比較的幅広いレベルの人も楽しめるはずだ。

ガイドツアーDATA

ツアー名後烏帽子岳ツアー(ZAOC)
平均ハイク時間約1時間半
ガイドレシオガイド1~2:ゲスト2~8名
必要装備ビーコン、シャベル、プローブ、登攀具、ヘルメット(推奨)
難易度(必要BC経験レベル)BC初中級者 スキー技術は中級以上で新雪も対応できるレベル
参加費用7000円~
予約・問合せmail@zaoc.org

※2022年2月20日現在の情報

取材・執筆:小野塚大悟

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